堀川 雷鼓(ほりかわ らいこ)とは、東方Projectに登場するキャラクターである。
東方Project第14弾『東方輝針城 ~ Double Dealing Character.』のEX面ボス。
少名針妙丸が持つ秘宝・打ち出の小槌の魔力が、幻想郷の道具や妖怪達の行動に影響を与え始めるまで、雷鼓は和太鼓として“人に叩かれることに喜びを感じ、生きていた”。
人に叩かれることに喜びを、の下りは、おまけ.txtからの抜粋。あらぬ誤解を招きそうな表記ではあるが、十六夜咲夜に敗れた際、雷鼓と咲夜の「ただ叩かれ踏まれるだけの生活に戻りたくないわ」「叩かれたくない……って 貴方 太鼓でしょ?」というやりとりから、『叩かれる=奏でられる』というニュアンスだと読み取れる。
さておき、道具が勝手に動いたり大人しい妖怪が暴れたりする中、彼女にもまた変化が訪れていた。身体に強い魔力を感じ始めるとともに、“今こそ、道具達の復讐の時だ”と凶暴な心が沸き上がってくる。
しかし、雷鼓は冷静だった。聡明にも、原因は鬼の魔力(打ち出の小槌の魔力)であろうとすぐさま見抜き、このままでは魔力に乗っ取られてしまう、と自己分析さえしてのけた。力を手に入れること自体に抵抗は無かったようだが、“そのまま享受していては真の自立とは言えない”とも感じたようだ。そこで一計を案じ……彼女は大博打に出る。
雷鼓が試みたのは、勝手に入り込んできた鬼の魔力を捨て去り、別の魔力を取り込む呪法だった。呪法の具体的な内容は以下の通り。
まず、自分の身体である和太鼓と魔力の源である和太鼓奏者を一度捨て去り、外の世界から幻想郷に流れ着いたドラムを手に入れる。道具の魔力=使用者の魔力であるため、使用者が変われば魔力も変わることを彼女は心得ていたのだ。
結果として雷鼓のもとには、外の世界に居るドラム奏者(使役者と書いてドラマーと読む)から、“外の世界の魔力”が次々と流れ込んで来るようになった。なお、使役者が単数か複数なのかといった部分を含め、仕組みの詳細部分は明確に描写されていない。
外の世界に干渉したことに関して、咲夜は「あら危険思想ね」と述べているが、雷鼓は「そうかな? でも私達道具には結界なんて関係無いもん 自然に行き来出来るのよ ほら勝手に流れ着いたりしているでしょ? 外の道具が」と返している。ただし、直後咲夜に「ふーん って付喪神になったから もうそういう訳にはいかないんじゃない?」と指摘され「あ そうかも……」と呟いているが。
ともあれ、こうして雷鼓は魔力の取替えを行い、打ち出の小槌の影響から脱する。小槌が魔力の回収期に入れば、やがて元の道具に戻ってしまうはずだったのだが……回収対象外となり見事に難を逃れた彼女は、周りの付喪神にこの方法を教えてまわることにした。
『道具だって自分の意思で楽しみたい! そう、道具の楽園を築こうじゃないか!』
異変を引き起こした針妙丸と鬼人正邪が敗れた後、自分達の力の源が打ち出の小槌の魔力だったことを知り、“どうしよう、このままではただの道具に戻ってしまう”と慌てる九十九姉妹に、雷鼓は救いの手を差し伸べた。同様の経緯で彼女と出会い、伝授された呪法により難を逃れた付喪神は複数存在するかもしれない。「それ(呪法)を教えたのよ 付喪神のみんなに」と博麗霊夢へ語っていることからも、そう推測できるだろう。
明言されていないため断定的なことは言えないが、付喪神達が抜き取った打ち出の小槌の魔力が引き金となって、主人公達が再び動く原因となった魔力嵐が発生したのではないだろうか。
その魔力嵐を目前にした咲夜は、「この嵐は自然の物ではないわ 強大な魔力が大気に干渉した 魔力嵐(マジックストーム)……!」と発言している。また、霧雨魔理沙は魔力嵐から禍々しさと、輝針城出現時よりも格段に強い魔力を感じ取った。
巫女なり魔法使いなりメイドなりの到来を予期していた雷鼓と自機キャラクターは交戦し、彼女は敗れる。が、外の世界の魔力がどの程度のものか試したい、という部分が大きかったようで、勝敗に頓着する様子は見せなかった。
魔理沙に語った「それに自分で動ければ良いだけで 暴れるのは本来の目的では無いしね」「そもそも私達付喪神は暴れるためにいる訳じゃないの 怨みのある使用者に対しては暴れる事もあるけど……」という言葉に、彼女の性質が表れていると言えるだろう。
好戦的とは言い難い雷鼓だが力量は確かなようで、霊夢は「道具の割には中々やるじゃない でも一人前の妖怪まではまだまだね」、魔理沙は「ふっ やるじゃないか 恐ろしい魔力だったぜ」「手強い相手だった 道具からこんなのが生まれるなんて 考えてみると恐ろしいな」、咲夜は「ふう 強かったわ ちょっと気軽に退治するレベルじゃ無かったわね」とそれぞれ評している。
その後の雷鼓がどのように過ごしていくかは、一戦交えた後“大人しくしていれば見逃す”と告げた霊夢に対する言から想像できる。「コンサートの時だけは暴れさせて下さいね 外の世界の魔力(ドラマー)がこう囁くんです 太鼓を叩くに頭脳は要らぬ 猿人時代の魂を呼び覚ませ! と」
名前の元ネタは諸説あるが、ひとまず以下のものをここで取り上げる。
雷鼓⇒ 雷神の背負っている太鼓の名。転じて、雷鳴の別称。
堀川⇒ 近松門左衛門作の浄瑠璃、堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ)。堀川波鼓は一種の復讐劇であり、弱者の復讐を取り扱った輝針城本編のストーリーと通ずる部分がある。「堀川雷鼓」という姓名全体を見た際の類似性にも注目したい。また、京都府・堀川通り沿いに水火天満宮(すいかてんまんぐう)という名の神社が存在し、天満宮と付くことからも窺えるように、雷神の側面を持つ菅原道真公を祀っている。
ウェーブがかかった赤紅色の髪と、ほぼ同色の瞳を持つ。外の世界の魔力を取り込んだ故か、ジャケット・ネクタイ・スリットのある巻きスカート(ラップスカート)という現代的な服装をしている。ブーツの踵から伸びているのはビーターと呼ばれる“ばち”の一種で、雷鼓のそれはバスドラム演奏用。ちなみに、手で振るう銅鑼用のビーター等も存在する。
周囲に展開された、左右三つ巴紋が描かれたプレート状の物体は、雷神の背負う太鼓が原型と考えられる。形状のモデルと目されているのは、エレクトロニックドラム(電子ドラム)の叩く部分、パッド。特に、1980年頃のエレクトロニックドラム黎明期にイギリス・シモンズ社が発表し、一世を風靡した六角形パッド。詳細を記述しようとすれば専用の項目を必要とするほど長くなるため、ここでは省く。形状の類似性は、“Simmons SDS”等で画像検索し確認してもらいたい。
どこか飄々としてはいるが落ち着いた口調や、小槌の魔力を感じてからその影響を脱するまでの経緯から、理性的な性格が窺い知れる。しかし同時に、“道具の楽園”を築くべく活動したり、霊夢に対し「もう打ち出の小槌の魔力など必要ない だから誰にも縛られないわ 私達は自由よ!」と宣言したり、情熱的と呼んで差し支えない性格もまた窺い知れる。単純にこういう性格、とは結論付け難い性格と言えるだろう。
2015年9月1日から10月18日まで『太鼓の達人』と東方Projectがコラボした際、霊夢、魔理沙、咲夜、アリス、レミリア、チルノと並んでぷちキャラとして参戦した。
堀川雷鼓のテーマ曲「始原のビート ~ Pristine Beat」のアレンジ曲名は『ライコタイコディスコ』。
書籍『東方文果真報』ではプリズムリバー三姉妹と組み「ホリズムリバー楽団」として活動をしているようだ。インタビューでは 「ドラムが前に出てきちゃ行けないって道理はないな」「四人でライブをするときは私がリーダーなんだ」と答え、作中ライブでは一番前に立って演奏をしている。
また『東方憑依華』ラスボスステージの背景(太陽のステージ)でサイリウムを持った大勢の観客の前で三姉妹と『今宵は飄逸なエゴイスト(Live ver) ~ Egoistic Flowers.』を演奏し、「プリズムリバーウィズH」と呼ばれている。
元々の本体である和太鼓や、外見や名前のモチーフに合った雷太鼓をイメージした弾幕が多い。
ただ、形状や吐き出す弾幕の色が黄色だったりする点、何より作者が作者なため「和太鼓がビールに見える」ともっぱらの評判。
一鼓「暴れ宮太鼓」 |
横一列に太鼓を降らせてくる。ショットで破壊するとその場で爆発して全方位弾を撒き散らす。 |
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二鼓「怨霊アヤノツヅミ」 |
雷鼓本体から射出された人魂弾が画面端に触れると、そこから直進するV字型の弾幕と小丸弾が撒き散らされる。最終的には前後左右からV字弾幕の十字砲火を受けることに。 『綾鼓』は能の曲目の一つ。貴族の女性に恋した老人が、「この鼓を鳴らした音が御殿まで聞こえれば逢いましょう」と言われて革の代わりに綾織りの布を張った鼓を渡される。当然鳴らせなかった老人は傷心のまま入水自殺し、怨霊となって女性に会いに行き、恨み事を言う……という話。このスペカのV字弾幕の交差する様子が綾織りに見えなくもない。 |
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三鼓「午前零時のスリーストライク」 |
名前の意味は、 午前零時のスリーストライク→午前零時の三振→午前零時の参進 ……ということのようだ。 弾幕は、太鼓三張をファンネルのように展開し、よく泡立ったビール黄色い中丸弾を多数発射してくる。 |
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死鼓「ランドパーカス」 |
これだけ四鼓ではなく死鼓となっている。隙間のない全方位座薬弾を放ち、画面を激しく揺らすと同時に弾幕に隙間を作ってくる。弾幕自体はさほど高密度ではないが、画面の揺れが永夜抄の魔理沙並みに激しいため事故死注意。 ランドパーカス(land percuss)は「大地を打ち鳴らす」ということか。まさに始原のビートである。 |
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五鼓「デンデン太鼓」 |
皆もよく知る楽器というか玩具のデンデン大鼓をイメージした弾幕。雷状の旋回レーザーが回転の動きを、一度真横に射出されてから自機狙いで飛来する丸弾は太鼓を叩く玉を表していると思われる。 |
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六鼓「オルタネイトスティッキング」 |
雷鼓が座っているドラムごと画面左右の端に交互に体当たりして、画面端から大量の丸弾を発生させる弾幕。 『オルタネイトスティッキング』は太鼓の奏法の一つ。左右のバチで交互に太鼓を叩くごく普通の叩き方のこと。この弾幕の場合、太鼓の立場にあるのは画面端なのか雷鼓なのか。 |
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七鼓「高速和太鼓ロケット」 |
大量の和太鼓をジェット噴射させて画面上から下に勢い良く飛ばす。お前もっと楽器を大事にしろよ。そのまま画面外へ出て行く一列と、画面下で爆発して残骸と噴煙が丸弾に化ける二張を交互に展開してくる。 |
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八鼓「雷神の怒り」 |
五鼓「デンデン大鼓」に似て非なる弾幕。密度の高い雷レーザーが、バラバラのタイミングで襲ってくる。軌道がまったく異なる丸弾とレーザーを同時に避けなければならないため、事故死には注意。 |
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「ブルーレディショー」 |
Ex恒例の耐久スペルカード。画面四隅から一定のリズムで吐き出され続ける自機狙いの音符弾を延々と避ける。途中から、雷鼓本体から射出される全方位休符弾がこれに加わる。 この弾幕の肝は、弾幕の射出リズムと『始原のビート』のBPMがほぼ一致していることだろう。 元ネタは、青塗りの顔に黒ずくめの姿で様々なリズムを奏でるパフォーマー集団『ブルーマン・グループ』。この弾幕でも、無敵化して引っ込む雷鼓は真っ青なシルエットとなる。 |
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「プリスティンビート」 |
ラストスペル。以下の3種類の全方位弾をリズム良く放ってくる。やはりこのリズムも『始原のビート』のBPMとほぼ一致している。 |
シーン1 これからはアイテムだけに頼れない |
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会話シーン。五日目のBGMはロマンチック逃飛行だが、このシーンだけ幻想浄瑠璃が流れる。 小槌の魔力に影響を受けた道具を酷使する正邪に業を煮やし、討伐に参戦する。不可能弾幕を放っても反則道具で避けられるからと、会話終了後に全方位ばら撒き弾を放ってくる。 |
シーン4 邪魔な太鼓さえ壊せれば…… |
雷符「怒りのデンデン太鼓」 |
三鼓「午前零時のスリーストライク」と五鼓「デンデン太鼓」を合わせたような弾幕。二張の回転する太鼓から黄中丸弾と雷レーザーを次々と射出する。雷鼓自身は後方にレーザーを放つのみ(実質攻撃しない)。 シーンタイトル通り、五日目から新たに使えるようになった「打ち出の小槌(レプリカ)」で太鼓を破壊することで、攻撃をほとんど封じながら戦うことができる。ショットだけでも破壊は可能だが、かなり時間がかかる。 |
シーン7 超重低音 |
太鼓「ファンタジックウーファー」 |
画面の揺れない死鼓「ランドパーカス」と言った感じの弾幕。ただし雷鼓は画面中を動き回る上、偶数回目に射出された座薬弾が途中でランダムに方向転換するため、油断は禁物。 ウーファーは、2ウェイ以上のスピーカーユニットにおいて低音の再生を担当するスピーカーのこと。(上下に2つ以上スピーカーの付いたオーディオなら、下側の大きいスピーカー) |
また、ZUN絵の時点で胸に膨らみが見られる&比較的大人のイメージのため巨乳に描かれることが多い→ぱい鼓
「人に叩かれることに喜びを感じ、生きていた」という設定から「もっと叩かれるべき」タグが使われることも。
今後はプリズムリバー三姉妹との絡みも期待される。
掲示板
550 ななしのよっしん
2022/05/28(土) 09:58:07 ID: pelBC97dDb
ブルーレディーショーマジで取れねえ
他の雷鼓の弾幕は何だかんだ低くても取得率10%くらいは出せるのにレディーショーだけは今だに0%だわ
551 ななしのよっしん
2022/08/01(月) 10:53:17 ID: YiDDuHblLB
複数ある東方ソシャゲの中でリズムゲーであるダンカグにだけ参戦できなかったリズムに乗らせる程度の能力者
552 名無し
2023/12/19(火) 06:23:37 ID: AUzVsyPUEf
言っちゃ悪いが所詮付喪神だしなあ
いくら強化された所で幻想郷の強種族には勝てないやろ
二次創作も作りにくいし正直4ボスの九十九姉妹と一緒になった方が人気出ただろ
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/24(日) 00:00
最終更新:2024/11/24(日) 00:00
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