ダービーグランプリとは (ダービーグランプリとは) [単語記事]

ダービーグランプリとは、かつて水沢競馬場/盛岡競馬場で施行されていた3歳限定・ダート 2000mの地方重賞である。岩手県競馬組合の格付けはM1、1着賞金は3000万円(2023年最終時点)。

概要

1986年に地方競馬の4歳(現3歳)ダートチャンピオンを決める競走として創設された。当時の地方競馬は各地区ごとに独立して開催されており、地方競馬全国交流競走は本競走が初めてだった。当初は水沢競馬場で開催されていたが、1996年に盛岡競馬場での開催に変更し、JRA所属馬も出走可能になると、ユニコーンステークス(JRA・東京 1600m)、スーパーダートダービー(TCK・大井 2000m)とともに4歳ダート三冠を構成した。1997年にダートグレード競走が開始されてからは統一GIに格付けされた。

しかし、地方3歳有力馬の確保困難を理由に2007年の開催を最後にダートグレード格付けを返上、競走自体も休止された。その後、2010年に地方競馬全国交流競走として水沢競馬場で復活。2016年に岩手競馬での重賞格付けが開始されてからはM1に格付け。2019年からは再び盛岡競馬場に戻っている。2010年からはスタリオンシリーズに指定、優勝馬の馬主または生産牧場に対し、指定された種牡馬との次年度の種付けの権利が与えられる。

2022年 11月28日に「2024年度からJpn IIへと昇格する不来方賞へと統合される」と案内が出される。
その後ダービーグランプリは、翌2023年に施行された第36回の開催（勝ち馬:ミックファイア）を最後に、同じく岩手競馬で開催される3歳ダートグレード競走の不来方賞へと廃統合される運びとなった。

3歳秋のチャンピオンシップ

2017年から2023年まで行われていた、7月下旬から9月中旬まで各地の地方競馬で開催される3歳主要重賞を勝利した有力馬がダービーグランプリに集結し、3歳王者の座を競うイベントである。
3歳主要重賞は3つのカテゴリに分類されており、当該重賞勝利馬がダービーグランプリを勝利した場合、カテゴリに応じてボーナス賞金が設けられている。
また、ジャパンダートダービーの地方最先着馬が勝利した場合はカテゴリAの勝利馬が勝利した場合と同様に1000万円のボーナス賞金が拠出される。

カテゴリA(ボーナス賞金1000万円)
- 黒潮盃(大井競馬場 1800m)：地方競馬全国交流競走。かつては4月に南関東三冠の前哨戦という扱いだった。
カテゴリB(ボーナス賞金800万円)
- 王冠賞(門別競馬場 1800m)：地方競馬全国交流競走。北海道三冠最終戦。
- 不来方賞(盛岡競馬場 2000m)：岩手所属限定。岩手三冠最終戦。
- 戸塚記念(川崎競馬場 2100m)：南関東所属限定。
- 岐阜金賞(笠松競馬場 1900m)：東海所属限定。東海三冠最終戦
- 園田オータムトロフィー(園田競馬場 1700m)：兵庫所属限定。ダービーグランプリのステップレースとして創設。
- 西日本ダービー(西日本6場持ち回り^[1])：西日本所属限定。西日本6県のチャンピオンを決める競走。
- 黒潮菊花賞(高知競馬場 1900m)：高知所属限定。高知三冠最終戦。
カテゴリC(ボーナス賞金500万円)
- サラブレッド大賞典(金沢競馬場 2000m)：金沢所属限定。金沢三冠最終戦。
- ロータスクラウン賞(佐賀競馬場 2000m)：四国・九州所属限定。九州三冠最終戦。

歴代優勝馬

回数についているリンクをクリックすると該当する動画に飛びます。
馬齢表記は現行表記に統一。

回数	開催日	競馬場	距離	優勝馬	性齢	所属	勝利騎手	勝ち時計
2024年より不来方賞と統合、ダービーグランプリ廃止。
第36回	2023年 10月1日	盛岡	ダ 2000m	ミックファイア	牡3	大井	御神本訓史	2:03.0
第35回	2022年 10月2日	盛岡	ダ 2000m	シルトプレ	牡3	北海道	石川倭	2:04.9
第34回	2021年 10月3日	盛岡	ダ 2000m	ギガキング	牡3	船橋	和田譲治	2:06.8
第33回	2020年 10月4日	盛岡	ダ 2000m	フレッチャビアンカ	牡3	水沢	高松亮	2:05.7
第32回	2019年 10月6日	盛岡	ダ 2000m	リンノレジェンド	牡3	北海道	岡部誠	2:07.0
第31回	2018年 12月10日	水沢	ダ 2000m	チャイヤプーン	牡3	水沢	村上忍	2:12.2
第30回	2017年 11月19日	水沢	ダ 2000m	スーパーステション	牡3	北海道	阿部龍	2:09.2
第29回	2016年 11月20日	水沢	ダ 2000m	トロヴァオ	牡3	大井	真島大輔	2:08.0
第28回	2015年 11月23日	水沢	ダ 2000m	ストゥディウム	牡3	船橋	石崎駿	2:07.5
第27回	2014年 11月24日	水沢	ダ 2000m	ドラゴンエアル	牡3	川崎	吉原寛人	2:07.4
第26回	2013年 11月24日	水沢	ダ 2000m	ジェネラルグラント	牡3	船橋	石崎駿	2:05.7
第25回	2012年 11月25日	水沢	ダ 2000ｍ	ロッソコルサ	牡3	水沢	村上忍	2:05.3
第24回	2011年 11月21日	盛岡	ダ 2000ｍ	カミノヌヴォー	牡3	水沢	阿部英俊	2:09.2
第23回	2010年 11月22日	水沢	ダ 2000ｍ	ロックハンドスター	牡3	水沢	菅原勲	2:12.8
2010年(第23回)より地方競馬全国交流競走として再開 2007年(第22回)を持ってダートグレード格付けを返上^[2]
第22回	2007年 9月17日	盛岡	ダ 2000ｍ	ハルサンヒコ	牡3	水沢	村上忍	2:06.0
第21回	2006年 9月18日	盛岡	ダ 2000ｍ	マンオブパーサー	牡3	JRA	木幡初広	2:06.3
第20回	2005年 9月19日	盛岡	ダ 2000ｍ	カネヒキリ	牡3	JRA	武豊	2:03.8
第19回	2004年 9月20日	盛岡	ダ 2000ｍ	パーソナルラッシュ	牡3	JRA	安藤勝己	R2:02.8
第18回	2003年 9月23日	盛岡	ダ 2000ｍ	ユートピア	牡3	JRA	安藤勝己	2:07.6
第17回	2002年 9月23日	盛岡	ダ 2000ｍ	ゴールドアリュール	牡3	JRA	武豊	2:08.1
第16回	2001年 9月24日	盛岡	ダ 2000m	ムガムチュウ	牡3	JRA	藤田伸二	2:07.0
第15回	2000年 11月3日	盛岡	ダ 2000m	レギュラーメンバー	牡3	JRA	松永幹夫	2:05.0
第14回	1999年 11月3日	盛岡	ダ 2000m	タイキヘラクレス	牡3	JRA	藤田伸二	2:08.6
第13回	1998年 12月14日	水沢	ダ 2000ｍ	ナリタホマレ	牡3	JRA	M.ロバーツ	2:07.8
第12回	1997年 11月3日	盛岡	ダ 2000ｍ	テイエムメガトン	牡3	JRA	菊地昇吾	2:07.5
1997年(第12回)よりダートグレード競走開始。GIに格付け
第11回	1996年 11月23日	盛岡	ダ 2000ｍ	イシノサンデー	牡3	JRA	石崎隆之	2:06.9
1996年(第11回)より中央・地方全国交流競走に指定
第10回	1995年 11月19日	水沢	ダ 2000ｍ	ルイボスゴールド	牡3	笠松	坂口重政	2:16.1
第9回	1994年 11月20日	水沢	ダ 2000ｍ	ブラッククロス	牡3	水沢	菅原勲	2:14.1
第8回	1993年 11月21日	水沢	ダ 2000ｍ	ミスタールドルフ	牡3	金沢	渡辺壮	R2:07.5
第7回	1992年 11月22日	水沢	ダ 2000ｍ	トミシノポルンガ	牡3	笠松	安藤勝己	2:12.7
第6回	1991年 11月24日	水沢	ダ 2000ｍ	リバーストンキング	牡3	北海道	松本隆宏	2:10.8
第5回	1990年 11月25日	水沢	ダ 2000ｍ	サンドリーズン	牡3	笠松	菅原勲	2:11.6
第4回	1989年 11月26日	水沢	ダ 2000ｍ	スイフトセイダイ	牡3	盛岡	小竹清一	2:13.0
第3回	1988年 11月20日	水沢	ダ 2000ｍ	アエロプラーヌ	牡3	大井	的場文男	2:09.6
第2回	1987年 11月22日	水沢	ダ 2000ｍ	スタードール	牝3	大井	早田秀治	2:12.4
第1回	1986年 12月7日	水沢	ダ 2000ｍ	トミアルコ	牝3	大井	宮浦正行	2:09.9
地方全国交流のサラブレッド系3歳(旧4歳)限定競走として設立。