You want to listen.
You want to dream.
You want to smile.
You want to hurt.
You don’t want to be.
『CONTROL』とは、アクションアドベンチャーゲームである。
ゲームのロゴでは『CONTROL』と全て大文字で表記されるが、公式サイト等での表記は『CONTROL』と『Control』が混在している。
概要
『Max Payne』『Alan Wake』『Quantum Break』などのタイトルで知られるフィンランドのゲーム開発会社「Remedy Entertainment」によって開発されたゲーム。ジャンルは3人称視点のアクションアドベンチャー。
『Quantum Break』などで使用されたRemedy開発のゲームエンジン「Northlight」(Northlight storytelling engine)が本作でも使用されている。
2019年8月27日、PlayStatio 4・Xbox One・Microsoft Windows用ソフトとして発売。またPlayStation 5およびXbox Series Xでのリリースも告知されている。
2020年4月30日、DLC第一弾「THE FOUNDATION」が無料配信。メインストーリークリア後に解禁される新たなストーリーやサイドミッションなどが追加された。
2020年8月27日、DLC第二弾「AWE」が無料配信。新しいエリアが追加され、『Alan Wake』と繋がった新たなストーリーを追う事となる。
日本では2019年12月12日、PlayStation 4向けの日本語字幕版が発売。それ以前にもEpic Gamesでダウンロード購入することはできたが、日本語字幕が利用可能となったのは2019年秋以降である。
PC版は当初はEpic Games独占だったが、Steamにて2020年8月28日、2つのDLCを含めた「Ultimate Edition」が発売された。
世界観
主人公のジェシー・フェイデンは、ニューヨークに存在する政府の秘密機関「連邦操作局(Federal Bureau of Control)」略して「FBC」を訪問する。
FBCは様々な異常な存在「変貌アイテム(Altered Item/AIs)」を収容・管理するための組織である。ジェシーは異常な能力を持つ武器や超能力を駆使して、様々な異常存在・現象に立ち向かっていく。
上記の設定からピンとくる人も居るかもしれないが、本作はインターネット上の共同創作コミュニティ「SCP Foundation」に大きく影響を受けている[1]。その為か、ゲーム中には「SCP Foundation」に登場するものと似た設定の異常存在が登場する。
ただしSCPだけではなく、他にもジェフ・ヴァンダミアの小説『全滅領域』(原題:Annihilation)など、様々な作品から影響を受けているという。
キャラクター
- ジェシー・フェイデン(Jesse Faden)
- 主人公。ゆるふわ赤毛が特徴の女性。よく誤解されるがFBCの職員ではなく、あくまでも民間人である。
- ある目的をもってFBCを訪問するが、紆余曲折あっていきなり新しい局長(ディレクター)となり、異常事態が発生して外部から隔絶された局内を駆け回る事になる。
- モノローグが多く、何かを隠している事、頭の中の「誰か」と会話している事が伺える。当初は詳細不明なその目的や過去は、ストーリーを追うにつれて判明していく。
- アーティ(Ahti)
- フィンランド訛りが特徴の清掃員の老人。ヘッドフォンで音楽を聴きながら掃除にいそしんでいる。
- ジェシーが最初に遭遇した人物で、自分を管理人(ジャニター)と称し、トレンチ局長の面接を受けるように助言。またジェシーを部下認定し、局内の異常現象の「掃除」を命令してくる。
- 明らかにただの人間ではない様子だが……
- ザカライア・トレンチ(Zachariah Trench)
- FBC局長。ジェシーがアーティに促されて面接に向かった先の局長室で、頭を奇妙な銃で撃ち抜いた死体となって発見される。
- 生前ジェシーと会話する事は一度もなかったが、ある手段を通じてジェシーに情報をもたらす。
- キャスパー・ダーリング(Casper Darling)
- FBC研究責任者。ボウタイとひげが特徴のおじさん。ともすればマッドサイエンティストの気質があるが、多数の変貌アイテムを研究して成果を上げている。
- 現在は所在不明となっており、ジェシーは問題解決の為にその行方を追う事となる。
- エミリー・ポープ(Emily Pope)
- ダーリング博士の助手。
セーフティシェルターに避難していたがジェシーに救助され、以後研究者として協力してくれる。
- この異常事態にもメンタルは頑丈で、研究者としての知的好奇心が大変に旺盛なワーカーホリック。
- サイモン・アリシュ(Simon Arish)
- FBCセキュリティチーフ。
メンテナンスセクターの現状を維持しようと奮闘していた所でジェシーに出会い、問題だらけの発電所のメンテナンスを依頼してくる。
- 問題解決後は本部に移動し、実働部隊・レンジャーと共に事態の収束に向けて作戦を練っている。
- ヘレン・マーシャル(Helen Marshall)
- FBC運営責任者。ごま塩頭が特徴の黒人女性。
元CIAエージェントで、超常現象究明にあたり招聘された古参。強面の軍人気質で、動じる気配が全くない。異常事態発生に際し、身を守り得る装置の制作を可能とする物質を確保しようと動いている。
- 古参である為、ジェシーが過去に体験したある事件についても詳しい。DLC「FOUNDATION」ではその後の姿が描かれる。
- フレデリック・ラングストン(Frederick Langston)
- FBC「パノプティコン」管理者。心もとない頭髪とヨレヨレの服が特徴の男。収容セクターに収容された変貌アイテムの管理を行っていた。
- 多数の収容違反が発生して進退窮まっており、それらの回収をジェシーに依頼してくる。変貌アイテムの実験で大変な目に合っている部下の存在をド忘れしているなど、割とアレな性格。DLC「AWE」で判明するが、一度喋り出すとものすごく話が長い。
用語
- 連邦操作局(Federal Bureau of Control/FBC)
- アメリカ政府の秘密機関。ニューヨークに本部がある。
- 見た目は窓のない高層ビルだが、内部空間は異常に広く、目的に応じて複数の階層に分かれた「セクター(Sector)」が存在する。この空間は「オールデスト・ハウス(Oldest House)」と呼ばれており、異常な現象をもたらす物品を収容し、様々な研究を行っている。しかしジェシーが訪問した直後にロックダウン、外部とは隔絶されている。
- トップは局長(ディレクター)と呼ばれるが、後述する「ボード」の認証により任命される。なお異常事態下につき、新局長となったジェシーは現地に赴いての問題解決や緊急ミッションに忙殺されている。局長なのにパシリ
- アストラルプレーン(Astral Plane)
- 平たく言うと異次元。全天が白い空間に黒金の大理石様の立方体が多数浮かび、頭上には巨大な黒い逆ピラミッドが見える。
- こちらの世界と繋がりを持ち、物品に異常な能力を付与する事がある。これが原因となる異常事態「変貌世界イベント(Altered World Event/AWE)」が世界各地で発生するため、FBCは原因の収容、研究、情報操作などに日々奔走している。
- ボード(The Board)
- アストラルプレーンの統合意思で、「取締役会」の略称。物理的実体ではなく、アストラルプレーン上空に浮かぶ逆ピラミッドに象徴される。
- オールデスト・ハウスと強いつながりを持っており、メッセージをテレパシーで発信してその意図を伝えてくる。しかしそのメッセージにはスクランブルやダブルミーニングがかかっており、ボードが人間の言語・認知から逸脱している為に意思疎通に苦労している為だと推察されている。
- ヒス(The Hiss)
- オールデスト・ハウスに蔓延する異常事態の原因。名前はガス漏れの擬音に由来し、赤い光とも煙ともつかない現象として知覚される。
- アストラルプレーンとは異なる異次元からの、攻撃的なウィルスのような「共鳴体」。あらゆる存在に影響を及ぼして増殖する為、万が一これが外部に漏れれば世界は終焉すると予測されている。
- ヒスに影響を受けて支配された人間は意思を乗っ取られ、重力異常を誘発し、空中に浮いて支離滅裂な内容の言葉を繰り返す。またヒスに支配された兵士も多数存在しており、赤い光を伴って出現、攻撃を仕掛けてくる。
- 現状ヒスに支配された人間を救う方法はなく、身を守る方法は「ヘドロン変換増幅器」という装備を着用する事のみ。またある理由からジェシーはヒスを浄化する力を持っており、異常空間と化した局内を元に戻す事が出来る。
- コントロールポイント(Control Point)
- オールデスト・ハウスの各所に点在する極点。科学と儀式によって形成された産物であり、周辺の空間を安定させる効果がある。ヒスの浸食を受けて汚染されているが、浄化後は空間異常が解消されてセーブポイントとなり、能力強化が可能となる。
- モールド(The Mold)
- ヒスとは異なる異次元の脅威。「カビ」を意味する名前の通りの見た目で増殖・拡大していく。
- モールドは見た目こそ粘菌だが匂いを「おいしそう」と認識する人もおり、誘惑に負けて口にしてしまえば最後、際限なく摂食を開始。最終的にカビ人間のような怪物に変貌してしまう。また毒性が強く、近づくだけで体力を削ってくるタイプや、刺激を加えると爆発するタイプもある。
- サービスウェポン(Service Weapon)
- 局長のみが所持・使用可能な武器。ハンドガンの形をしているが、射出物の種類に応じて可変し、弾丸も自動生成するトンデモ武器である。なお発見された時はハンドガンの形をしておらず、様々な形態を取り得る事が推測される。
- 形態は通常のハンドガンタイプのほか、連射(マシンガン)・粉砕(ショットガン)・貫通(レーザーガン)・爆破(グレネード)。アップデートで粘着後自由に起爆できる弾を発射する「サージ」が追加された。素材やポイントを集めて制作およびアップデートが可能。
- 変貌アイテム(Altered Items/AIs)
- アストラルプレーンから流入した力により、何らかの異常現象をもたらすようになった物品。局内に発生したヒスに汚染されて危険度が跳ね上がっており、ジェシーはアイテムを浄化して再収容していく事となる。
- パワーオブジェクト(Object of Powers/OoPs)
- アストラルプレーンと繋がりを持つ、特殊な変貌アイテム。これと「接続」した人間はオブジェクトに由来する超能力を使用できるようになる。高速移動するメリーゴーランドの木馬からは「回避ダッシュ」、周囲にバリアを発生させる金庫からは「シールド」など。サービスウェポンと並ぶ、ジェシーの戦闘力を支える存在。
- パノプティコン(Panopticon)
- 収容セクター最奥にある異常物品収容施設。意味は「全展望監視システム」。円形の巨大空間のぐるりに収容チャンバーが作られ、内部に多数の変貌アイテムが収容されている。
評価
ゲームレビューサイトなどからの評価は概ね良好なようだ。星5つ満点中5つを付けて絶賛したサイト[2]もあれば、星5つ満点中2つを付けて酷評したサイト[3]もあり評価は割れているが、高評価のサイトの方が多い。
複数のレビューサイトの点数を集計して平均を出すサイト「Metacritic」では、PlayStation 4版[4]・Xbox One版[5]・Microsoft Windows版[6]のいずれも100点満点中で平均80点台と集計している。
また、複数のゲーム賞も受賞している。インタラクティブ芸術科学アカデミー(AIAS)が主催するゲーム賞「D.I.C.E. Awards 2020」にて「アクションゲーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞。ゲーム開発者らが選出する「GDC Awards 2020」にて「Best Technology」「Best Audio」「Best Visual Art」の3部門を受賞。マイクロソフト、ソニー、任天堂などが協力するゲーム賞「The Game Awards 2019」にて「Best Art Direction」を受賞した。
余談
どういう縁なのか、ゲームクリエイターの小島秀夫がゲーム内に音声でカメオ出演している。「私は、トクイヨシミ博士。私を信じて、任せてください」などと語るが、すごくうさんくさい……。
関連動画
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関連リンク
関連項目
脚注
- *インタビューにおいて制作者の一人がその事を認めている
- *Control review | EGM
- *Control Review -- Ctrl, Alt, Del | We Got This Covered
- *Control for PlayStation 4 Reviews - Metacritic
- *Control for Xbox One Reviews - Metacritic
- *Control for PC Reviews - Metacritic