サウスマウンドトップの戦いとは、PSで発売されたRPG「サガフロンティア2」に登場する特殊ステージ(コンバットステージ)の一つである。
概要
本来「サガフロンティア2」はRPGであるのだが、この「コンバットステージ」が4回登場する。作中での「戦争」をシミュレーションRPGとして表現・操作していき、プレイヤーは勝利条件を達成させるのが目的となる。自軍を操作し、敵軍と接触するとRPGの戦闘に突入する。
4回の内3回は自軍が圧倒的な戦力を持っているので苦戦はせずにクリアできるのだが、4回目となる「サウスマウンドトップの戦い」は自軍は敵軍に比べると非常に弱く、今までの攻めるコンバットよりは防衛に徹しがちになってしまい、最後に相応しい難しい構成となっている。
勝利条件は「敵主将(偽ギュスターヴ)の撃破」か「援軍が到着する9ターンまで防衛」の2種類であるが、大半のプレイヤーは後者でぎりぎりの勝利を収めるか、その難易度の高さに挫折する。防衛するのも並大抵のプレイではかなり難しい。アルティマニア記載の攻略法でも不確定要素が多く、確勝パターンはないのが実情。
自軍の戦闘ユニットのHPが100しか無いにもかかわらず、敵軍の攻撃で100以上ダメージを受けたりするのでかなり苦戦を強いられる。防御をしても、戦闘における戦闘勝利の判定があるので「敗北」になる時もある。「敗北」するとそのユニットは「撤退」という形でマスを後退する。これを利用し、撤退先のマスが移動不能のマスに追いやるとユニットが消滅するという現象が起き、敵主将を撃破する事が可能である。
本作では隠しパラメータとして「敵の学習レベル」があり、それまでのバトル内容に応じて敵のレベルが上がっていくシステムが組み込まれている。これはコンバットの敵陣にも反映され、レベルを上げすぎているとフレイムナーガなどの一撃で落ちてしまう攻撃を放ってくるようになり、ただでさえ難しいこのコンバットの難易度を更に引き上げる要素になっている。この学習レベルはエンディング時にしか確認できない上、上昇した分は2週目以降に引き継いでしまう。
本項の説明とは少し逸れるが、『サガフロンティア2』は主人公2人を軸とした2つの歴史を操作するゲームであり、サウスマウンドトップの戦いはその片方のルートのラストバトルに当たる局面である。ここで挫折して、もう片方のシナリオを進めてラストバトルをクリアしてエンディングを見ようと思っても、これまたこちらもラスボスが強い。そちらでも詰んでしまい、エンディングを見れない人も多くいた。
劇中での設定
ギュスターヴ編
サンダイル歴1300年に現れたギュスターヴ13世の後継者を騙る者の一人(偽ギュスターヴ)が13世の死後君主を失っていたハン・ノヴァに入り、1305年には偽物の討伐を名目として侵攻してきた当時最大の有力者であったヤーデ伯チャールズの軍団を鋼の13世をなぞった鋼鉄兵軍団によって撃破、チャールズを敗死させるという大戦果を上げる。これにより集まってきた近隣の兵を吸収し、大規模な戦力を獲得する。
一方チャールズの後を継いだ新ヤーデ伯デーヴィドの手腕によってすぐさま仮和平条約を調印したその他諸侯は、それまでヤーデ伯とも長年争い続けてきたオート侯、ラウプホルツ公らと共に連合軍を結成、北南西の三方向からハン・ノヴァへと進軍、途中北方軍が別働隊に撃破されるが結果的に敵の深追いを誘い、敵戦力を削ることとなった。そして1305年初夏、南方のラウプホルツ公率いる援軍が迫る中、偽ギュスターヴの軍はサウスマウンドトップにて西のデーヴィド本隊との決戦を決意するのであった。
ウィル編
エッグの行方を追うジニー一行。ハン・ノヴァにて偽ギュスターヴがエッグの所有者である事を確認した後に街を脱出、郊外で互いに援軍を待ちにらみ合う両軍の行方を伺う。北方軍の追撃に部隊を裂かれてもなおヤーデ伯軍に勝る兵力を持つ偽ギュスターヴ軍が援軍到着による戦力逆転前に動き、決戦が始まる。
劣勢ながら何とか持ちこたえるデーヴィド率いるヤーデ伯軍、それを見たジニーの仲間の一人"グスタフ"は「一度背いた父の遺言」を今度こそ果たすため、単身デーヴィドを助けに行こうとする。それを呼び止めたヴァンアーブルはファイアブランドよりこの剣の方が良いと、あの「ギュスターヴの剣」を差し出すのだった。
裏設定など
この様に物語の終盤においてギュスターヴ編・ウィル編二つのメインシナリオが交差するポイントであり、グスタフやプルミエールの正体が判明したり、非常に少ない出番ながらデーヴィドの見せ場があったりとかなり熱い展開となっているのだが、各種攻略本や資料集などでは本編で明かされない・描写されていない設定なども存在する。
- デーヴィド率いる連合軍
- グスタフ
- 術時代の象徴であるファイアブランドと鉄時代の象徴であるギュスターヴの剣という二つの最強の剣を携え、グスタフはデーヴィドを助けに行った…のだが、ゲーム中で実際戦場に現れることはない。もし上記の混成軍設定といい、実際に参加していれば…と多くのプレイヤーが思ったことであろう。
- 二人が会うイベントすらもないのは物語的に非常に惜しいところだが、逆に考えると自軍の鋼鉄兵もグスタフも画面外で頑張っていてくれたからこそあの兵力差で済んでいたと言える…のかもしれない。
- プロデューサーによると、「ゲーム中に出したかったが1人しかいないのでユニットにできず登場させられなかった」らしい。たとえ1人であっても来てくれれば百人力だったのだが…。
- ウィル編では彼が戦場に赴いた後心配するメンバーの様子が描かれる。「世界最強の剣2本を持っているのだから負けるはずがない」と周囲を励ますミーティアに「どんな勇者でも多くの連携には耐えられないものだよ」とウィルが返す。コーデリアが殺されるルートを辿っていると実感のこもった非常に重い台詞になっている。
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関連項目
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