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この記事では1955年生まれの日本のアングロアラブの競走馬 について記述しています。 ゲーム『THE KING OF FIGHTERS』シリーズの登場キャラクターについては 「シュンエイ」を参照してください。 |
シユンエイとは、1955年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。栗毛の牡馬。
偉大な兄がサラブレッドに挑戦するために去った後にアングロアラブの世界に現れ、中央競馬の最多連勝記録を打ち立てた、もう1頭の「アラブの怪物」。
主な勝ち鞍
1958年:タマツバキ記念(春)、読売カップ(春)、タマツバキ記念(秋)、読売カップ(秋)
※当記事では活躍した当時に合わせて旧馬齢表記(現在の表記+1歳)を使用しています。
概要
父ライジングフレームは1953年にイギリスから輸入された外国産種牡馬。現役時代は短距離～マイルが得意距離だったこともあり大きなレースを勝利することは出来なかったが、25戦して7勝を挙げている。種牡馬としては天皇賞馬オーテモン、安田記念馬ヒシマサルなどを輩出した他、シユンエイやその全兄セイユウなどアングロアラブの父としても活躍。日本競馬で活躍した数多くのアラブの名馬の血統表にもその名前を見ることが出来る。
母弟猛はハンガリー原産のシャギア・アラブという品種の馬をルーツに持つ繁殖牝馬。未出走であったので特筆すべき競走成績などはないが、繁殖牝馬としては1954年に初年度産駒であるセイユウを産んでから1975年に最後の産駒マルゼンテーモーを産むまで20年以上現役という頑丈さを見せた。
母父レイモンドは戦前に輸入され活躍した外国産種牡馬。代表産駒は39年のオークス馬ホシホマレ、51年の菊花賞、52年の天皇賞馬トラツクオーなど。母父としてはセイユウの他トキノミノルのライバルイツセイや地方出身のダービー馬ゴールデンウエーブなどを輩出している。
1955年5月18日にJRAの日高種畜牧場で誕生し、「シユンエイ」と名付けられた。名前のユが大文字なのは日本競馬では当時拗音や促音が使えなかったためで、読みはシュンエイ。3歳になったシユンエイは京都競馬場に厩舎を構えていた「タケブン」こと武田文吾厩舎に入厩した。
現役時代
1957年10月のアラブ系3歳レースに武田厩舎のエース栗田勝騎手を鞍上に京都競馬場でデビューすると、1番人気に応え勝利。順調な滑り出しを見せたのだが、この先の現役生活では語るべきところが晩年になるまではっきり言ってほとんどない。あまりにも強すぎて。何せここから20連勝である。2戦目こそ3番人気であったものの3歳最終戦の3戦目から人気も1番人気で固定(？)され、4歳時も1月から4歳戦を走りさくっと4連勝を決めてアラブの名馬であるタマツバキの名を冠したタマツバキ記念(春)で重賞に初挑戦。平場では勝てていても重賞ではどうなるかと思われたが、シユンエイの強さに恐れをなしたか出走馬は5頭しか集まらず、しかもシユンエイの斤量が出走馬中最も軽いというハンデ差もあって1馬身差でここも勝利した。
シユンエイはその後5月のアラブ4歳ステークスを61kgで勝利した後は古馬も含めたオープン戦に出走するようになり、7月に中山競馬場で開催されていた中央競馬でのアングロアラブの大一番読売カップ(春)の為12戦目でようやく初めて関東に遠征する。初の関東であったがここでも1番人気に支持されクビ差で勝利を収め、本番でも59kgのトップハンデで3馬身差をつけ堂々勝利した。
アングロアラブの大目標とも言える読売カップを勝利したことでシユンエイは名実ともに中央アラブのトップとなり、地元京都に帰還した後の初戦のハンデ戦からは背負う斤量が66kgに跳ね上がった。更に9月末のタマツバキ記念(秋)では68kgのトップハンデを背負い、オープン戦を3戦した後に出走した年末の読売カップ(秋)では他の6頭が50kg台の斤量を背負う中ただ1頭72kgを背負って勝利。結局1958年は16戦無敗。しかも全て1番人気を背負っての勝利だった。デビューからの連勝記録も19戦連続勝利に伸ばし、文句無しにこの年の啓衆社賞最優秀アラブを前年の兄セイユウに続いて受賞している。
5歳になった1959年は初戦のアラブ系オープンで連勝記録を20勝まで伸ばした後。シユンエイは満を持してサラブレッドに挑戦することになった。3月に出走した4頭立ての平場のオープン戦では2番人気で3着となり、デビューから続いていた連勝記録が遂に止まった。次走のスワンステークスでサラ系重賞に初挑戦。50kgの軽ハンデの恩恵もあり7着に踏ん張り、重賞馬ヤマニンにも先着した。3戦目のオープン戦では同期でもあるこの年の天皇賞馬トサオーと安田記念馬ヒシマサルなどにぶつかってしまったこともあり5着に敗れ、サラブレッドへの挑戦はここまでとなった。
アラ系競走の場に帰ってきたシユンエイは同レース3連覇を目指してタマツバキ記念(春)に出走したが、69kgという前走から9kg上がった斤量に苦しめられたか4着に敗れ、アラブ相手に初敗北を喫してしまった。しかしそこは名伯楽武田文吾。一月半程かけて調整し直すと、6月末のレースからは再び強さを取り戻し8月にかけて3連勝して引退した。通算成績27戦23勝。うち重賞4勝。
現役中のレース振りはレコードを連発したり大きな着差を付けたりといった派手さこそなかったものの、アラブ相手のレースでは2戦目に3番人気になったのを最後に引退まで1番人気に支持され続け、それに応えてタマツバキ記念の4着を除いてすべて1着と抜群の安定感を誇った。デビューからの20連勝、1番人気での18連勝、1番人気での通算22勝はいずれもJRAの最多勝利記録であった。兄セイユウのようにサラブレッドに勝利することこそ出来なかったが、小頭数とは言え1度も最下位になることもなく、実力は十分アピールできたと言って良いだろう。1つ上の兄セイユウは58年にはサラブレッドへの挑戦の為アラ系競走には出走せず、そのままシユンエイとは入れ替わりになるように引退したため、直接対決はないまま終わっている。
引退後
引退後は種牡馬入りし福山競馬で重賞を2勝したオペレーシヨン、中央競馬では自身と同じ最優秀アラブを受賞したラオスオーなどを送り出したが、シユンエイは母父としての活躍も著しく、69年生まれのタイムラインを筆頭にアングロアラブの名種牡馬たちと組んで多くの重賞馬を送り出した。そしてその産駒たちの多くも種牡馬として成功し、シユンエイの名は日本競馬で活躍した数多くのアラブの名馬の血統表に刻まれることになったのだった。
引退してしばらくたった1974年には現役時代勝利した読売カップの秋開催を引き継いだシュンエイ記念が創設され、春開催を継いだセイユウ記念と共に兄弟馬による記念競走が誕生。シュンエイ記念はその後オープン競走になったり開催時期が変わったりしたものの、中央競馬でアラブ系競走が廃止される時まで名物レースとして親しまれていた。
血統表
| *ライジングフレーム Rising Flame 1947 黒鹿毛 |
The Phoenix 1940 鹿毛 |
Chateau Boucaut | Kircubbin |
| Ramondre | |||
| Fille de Poete | Firdaussi | ||
| Fille d'Amour | |||
| Admirable 1942 黒鹿毛 |
Nearco | Pharos | |
| Nogara | |||
| Silvia | Craig an Eran | ||
| Angela | |||
| アア 弟猛 1949 鹿毛 Ntb オーバーヤン五ノ七牝系 |
*レイモンド 1930 鹿毛 |
Gainsborough | Bayardo |
| Rosedrop | |||
| Nipisiquit | Buchan | ||
| Herself | |||
| アラブ 弟詠 1945 鹿毛 |
アラブ イブンヂアド |
アラブ マナギイ | |
| アラブ マナギイエスウベリイエ | |||
| アラブ 太陽 |
アラブ エルワルド | ||
| アラブ 師陽 | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
アラブ血量：25.00%
クロス：Pharos 4×5(9.38%)、Neil Gow 5×5(6.25%)、Sunstar 5×5(6.25%)
主な産駒
母父としての主な産駒
1969年産
1970年産
1973年産
1974年産
1975年産
1976年産
1979年産
1980年産
1984年産
関連コミュニティ
関連項目
| JRA賞最優秀アラブ | ||
| 啓衆社賞時代 | 1950年代 | 1955 タツトモ | 1956 セイユウ | 1957 セイユウ | 1958 シユンエイ | 1959 ダイマンゲツ |
|---|---|---|
| 1960年代 | 1960 ヤマジヨー | 1961 ヤマジヨー | 1962 ゲンタロウ | 1963 ヒメカツプ | 1964 オーギ | 1965 オーギ | 1966 ミスハマノオー | 1967 ミスハマノオー | 1968 ビッグスリー | 1969 サンサード |
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| 1970年代 | 1970 ムツミシゲル | 1971 ラオスオー | |
| 優駿賞時代 | 1970年代 | 1972 ジャズ | 1973 イナリトウザイ | 1974 アイズムサシ | 1975 トクノハルオー | 1976 トクノハルオー | 1977 ミサキシンボル | 1978 リョクシュ | 1979 パークボーイ |
| 1980年代 | 1980 ホクトチハル | 1981 ライトオスカー | 1982 ハイロータリー | 1983 ウルフケイアイ | 1984 ウルフケイアイ | 1985 ウルフケイアイ、タイムパワー | 1986 ミトモスイセイ |
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| JRA賞時代 | 1980年代 | 1987 アキヒロホマレ | 1988 アキヒロホマレ | 1989 アキヒロホマレ |
| 1990年代 | 1990 該当馬無し | 1991 アフェクトダンサー | 1992 マリンワン | 1993 シゲルホームラン | 1994 該当馬無し | 1995 ムーンリットガール |
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