シルバーステート(Silver State)とは、
2・2013年生まれの日本の元競走馬である。父はディープインパクト。
現在は新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。
3・2017年生まれのアメリカの元競走馬である。父はハードスパン。アメリカG1のメトロポリタンHを2021年に勝利している。アメリカのクレイボーンファームで、種牡馬として繋養されている。
概要
父はディープインパクト、母シルヴァースカヤ、母の父はSilver Hawkという血統で、2013年5月2日にノーザンファームで生まれた。父は競走馬としても種牡馬としても歴史的な名馬で、母はアメリカ産でフランスで競走生活を送り、G2を2勝しバゴが勝った時の凱旋門賞にも出走していた。母の父のシルバーホーク(Silver Hawk)はグラスワンダーの父として日本では名前が知られている。
2015年藤原英昭厩舎で7月11日の中京競馬場の芝1600mでデビューしたが、頭差及ばず2着となった。勝ち馬はのちにヴィクトリアマイルでG1馬になるアドマイヤリードだった。
中1週の7月25日の未勝利戦、同じく中京競馬場芝1600mを5馬身差の1:34.7(稍重)で楽勝で勝ち、馬場が回復した同じ日の中京2歳ステークス芝1600mを勝ったシュウジのタイム1:36.0(良)よりも早かった。
騎乗していた福永祐一は自信があったのか、未勝利戦ではなく格上挑戦で中京2歳ステークスの出走を藤原調教師に進言したが断られたと語っている。
3戦目は10月の紫菊賞(500万下)に1.1倍の圧倒的人気で出走し、プラス14と明らかに緩めの馬体ながら直線で軽く手綱を動かすもののムチを使うことなく勝利した。
そのあとは共同通信杯の出走を目指していたが、左前脚の屈腱炎を発症し長期の休養となる。
復帰したのは2017年5月20日で4歳になり1年7か月振りとなるオーストラリアT(1000万下)だった。長期の休養にもかかわらず、2.2倍の1番人気に支持され逃げの手を打ち、直線ではムチを使わずに後続を引き離し復帰戦を飾った。
5戦目は6月24日に行われた垂水ステークス(1600万下)に出走し、馬なりで逃げ切り最後は流しながらもコースレコードタイの1:44.5で勝利した。
このレースにはのちの重賞馬エテルナミノルが2着、タツゴウゲキが3着に入り、また4着のハクサンルドルフ、5着のミエノサクシードはのちに重賞2着とメンバーレベルが高かった。
この後夏場は休養し秋は毎日王冠から始動を目指したが、調教中に再びの屈腱炎で今度は右前脚の故障を発症してしまうが、当初はそれでも治療しもう一度復帰を目指したが断念して引退となった。
種牡馬入り後
成績だけでは重賞を勝っていないにも関わらず、またすでにG1勝ちをしているディープインパクト産駒の種牡馬が多数いる中で種牡馬入りし、かつリース形式のシンジケートが組まれ2018年の初年度では191頭、2年目に157頭に種付けされるなど馬産地ではかなりの期待が込められている事がうかがえ、2021年に産駒がデビューを迎えた。
産駒の初勝利は2021年の6月13日中京競馬場で、主戦を務めた福永祐一騎手騎乗のメリトクラシーであった。
初年度産駒から勝ち上がりの馬が多くまた重賞馬が出たことで、初年度の2018年の種付け料が受胎時支払い80万円(出生時支払いの場合120万円)、2021年が150万円だったのに対し、2022年は600万円と大幅に増額されることが案内されている。
エピソード
全5戦のすべてで福永祐一が騎乗していて、勝った4勝ではムチを使うことは無く楽勝勝ちだったのだが、2017年に東京スポーツ杯2歳ステークスをのちのダービー馬となるワグネリアンで勝った数日後の引退後のインタビューでは「今までで別格の馬、エンジンが違った」と話している。
その後2020年にコントレイルで東京優駿を勝った直後の6月3日に、YouTubeの番組にリモートで祝勝会にゲストで出た時においても、コントレイルと比較の質問がなされ、福永祐一は「コントレイルはまだ成長途中で伸びしろがあって、今後考えが変わるかもしれないがそれを踏まえてもそれでもシルバーステートは別格だった」と語っている。
2021年3月のJRA-VANの無料公開のインタビューで、「とにかく規格外のエンジンを持っていた馬でした。排気量の大きさでいうと、今まで乗った馬のなかで間違いなく一番で、その評価はコントレイルと出会った今でも変わりません」とコントレイルが三冠馬になった後おいてもこう語っている。JRA-VAN関係者インタビュー
ちなみに、全弟のヘンリーバローズはデビュー戦でワグネリアンと対決しており、接戦の末2着。その後の未勝利戦は圧勝するも脚部不安で3~4歳は出走せず引退。セレクトセールでの評価や兄シルバーステートの種牡馬としての人気を踏まえ、こちらも種牡馬として供用されている。
血統表
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
*シルヴァースカヤ 2001 黒鹿毛 FNo.13-b |
Silver Hawk 1979 鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | |||
Gris Vitesse | Amerigo | ||
Matchiche | |||
Boubskaia 1987 黒鹿毛 |
Niniski | Nijinsky II | |
Virginia Hills | |||
Frenetique | Tyrant | ||
Femina | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Hail to Reason 4×4(12.50%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
主な産駒
- ウォーターナビレラ (2019年産 牝 母 シャイニングサヤカ 母父 キングヘイロー)
- セイウンハーデス (2019年産 牡 母 ハイノリッジ 母父 マンハッタンカフェ)
- リカンカブール (2019年産 牡 母 *アンブラッセモワ 母父 Zoffany)
- エエヤン (2020年産 牡 母 シルクヴィーナス 母父 *ティンバーカントリー)
レース動画
関連コミュニティ
関連項目
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