タイムクライシス2とは、1998年にナムコからリリースされたアーケード用ガンシューティングゲームである。 ナンバリングタイトル2作目。2001年にはグラフィックが大幅に改善されたPS2用の家庭版が発売された。家庭版には「クライシスミッション」というストーリーが搭載されており、これはVSSEの演習と称したミニゲームである。
ストーリー
ネオダイン・インダストリー社は、1998年10月31日付けの報道で、次世代通信を担う新事業として、「スターライン・ネットワーク」計画を発足、また既に64基の低軌道周回通信衛星の開発に成功しており、来月にも打ち上げを行うと発表した。
しかし、この報道から3週間後、国際特殊諜報機関V.S.S.E.の元に、驚くべき情報が送られてきた。その内容はネオダイン・インダストリー社が打ち上げる予定の衛星は表向きは通信衛星となっているが、実際は軍事衛星であるというものだった。
V.S.S.E.は急遽クリスティー・ライアンをスパイとして同社に潜入させ、この件に関する情報収集を行わせた。彼女は見事軍事衛星に関する情報を手に入れるが、その現場を同社幹部に発見され、現在逃亡中である。
V.S.S.E.は現地にキース・マーティンとロバート・バクスターを派遣し、彼女の保護と情報の受け取りを指示した。
概要
タイムクライシスシリーズ2作目であり、今後のシリーズで基本となる設定が導入された作品でもある。
前作では移動中も制限時間が減少し時間切れで強制ゲームオーバーとなっていたが、今作より戦闘シーンごとにリセットされライフ1個減少するのみとなった。プレイヤーキャラが2人となり、2人協力プレイも可能となった。なおプレイ中にもう一人のキャラを誤射すると1000点の減点になる(ダメージはない)。敵の命中弾が赤く光るのも今作からである。
前作では戦場が城内のみであったが、今作ではバリエーションが非常に豊富で、市街地→ボートレース→森林地帯→列車上→ロケット発射場と目まぐるしく変化する。
武器
登場人物
- キース・マーティン
1P側の主人公。金髪のイギリス人。27歳。イギリス陸軍特殊部隊の出身で、普段は映画の特殊効果の仕事をしている。このころはそれなりの身体能力であった。タイムクライシス5にも登場する。(5では当初VSSEの裏切り者として5の主人公から追われるが、後に仲間となる。色々と超人的な能力を身にいた) - ロバート・バクスター
2P側の主人公。黒髪のアメリカ人。29歳。アメリカ海軍特殊部隊の出身で、普段は通学バスの運転手の仕事をしている。終盤でクリスティーの命を救ったのも彼である。タイムクライシス5にも登場する。(5では主人公たちの先輩としてサポートしていたが実は…どうしてこうなった) - クリスティー・ライアン
VSSEの特殊諜報員。24歳のアメリカ人。敵勢力にスパイとして侵入し、VSSEに情報をもたらすが捕らえられてしまう。家庭版のムービーでは銃で敵を倒したり、高所から飛び降りて逃走するなどさすがVSSE構成員だという動きをする。タイムクライシス5にも名前だけ登場。(5の事件が起こる前までVSSEの内部監査官であり、さらにキースと恋人関係であったが、5の真の黒幕であるロバートに殺害される)
NDI(ネオダイン・インダストリー)社
今作では巨大企業が保有する私設の武装組織が相手となる。自社製の装備や施設を駆使してくる。
- 青兵
青い戦闘服にグレーの防弾チョッキ、肘当て、膝当て、黒の目出し帽を着用している。命中率は低い。この兵のみ4種のグラフィックパターンが存在するが見た目が異なるだけで能力、得点は同じである。ムービーでは何回かセリフがある。ムービーでは幹部へ伝令したり、衛星積み込みの誘導を行ったりしている。 - 赤兵
タイクラシリーズ恒例、最初に高確率で命中弾を撃ってくる兵士。 - 黄兵
倒すと5000点入る得点兵。一人プレイ時は一定の条件で黄兵が大量に出現する隠しルートが存在する。 - 茶兵
分岐兵。ソロプレイでのみ二人一組で登場し、どちらを先に倒したかで次のルートが決まる。その為だけに生まれた兵士。協力プレイでは青兵or隊長兵に差し替えられている。 - 隊長兵
一般兵を統率する兵士で、命中率は若干高め。白系の都市迷彩服とヘルメット、背中には衛星通信キットを装備している。Stage1後にブライアントへ無線報告していたのはこの兵と思われる。アーケード版ではStage3で服装が異なる。 - 水中兵
特徴的なヘルメットを装備し水中から飛び上がって切りつけ攻撃をしてくる。ボートレースシーンのみ登場。泳いでいる影が見えるので対処しやすいが、最後の1人のみ初見殺しとなっている。 - 緑兵
緑色の迷彩服にキャップを被った兵士。手榴弾、ミサイル、マシンガンで武装している。ナイフ兵も登場するがデザインが若干異なる。なお、Stage1-1ラストのミサイル兵は銃弾を2発撃ち込まないと倒せない。 - ボート
NDI社製の一人乗りボートでStage1-3では主人公たちもこれを使用する。最後のムービーでクリスティーが脱出に使用していたのもこれである。 - クルーザー
ヤコフが乗り込んだ大型のクルーザー。2門のガトリングガンを搭載し多数の兵士も乗り込んでいる。ヤコフが倒されると小屋に激突し爆散する。 - 装甲車
機関砲を搭載した装甲車で、内部に兵士を載せることができるが主人公たちは弾数無制限のマシンガンで応戦しており、扉を開けた瞬間にハチの巣にされてしまう。 - ヘリコプター
小型のヘリコプター。Stage2でボスが乗り込むが倒され、その残骸が鉄道橋を破壊してしまう。その後別のヘリに乗っていた兵士が落下した列車を見に来るが主人公に倒されヘリを奪われロケット発射台への移動に使われる。Stage3で3機ほど攻撃してくるがコクピットを狙えば瞬殺できる。 - 混合列車
Stage2に登場する衛星の輸送に使用している貨車と客車をつないだ混合列車であり、2線に2本が並走してくる。ソロプレイでは前半に一瞬だけ出てくる黄兵を2人とも倒せれば、その次の戦闘ポイントで黄兵が大量に出てくるボーナスルートに突入できる。ただし、Stage1のボーナスルートとは異なり赤兵の赤弾やナイフ兵の斬撃も普通に来るので油断して被弾しないよう注意。
ボス(バフ・ブライアント)が乗り込んだ中で倒された際に墜落したヘリコプターが鉄道橋を破壊し、兵士や運転手が乗ったまま2本とも谷底へ落下してしまう。 - ロケット発射場
海上に設置されたメガフロート上にある。ロケットが爆発した際大炎上する。 - 軍事衛星
衛星軌道上から核兵器を発射できる衛星で、64基の通信衛星の中に数基紛れ込ませる計画であった。主人公たちと対戦するのは試作機で、自衛や他衛星の妨害を意図したと思われるレーザー砲やミサイルが搭載されている。 - ヤコフ・キニスキー
1面ボス。ロシア系の白人。サングラスをかけ、紺の帽子とスーツを着用している。ちなみに彼の帽子は撃ち落とすことが可能で、ソロプレイでは4回撃ち落とすと黄兵が大量に出てくる隠しルートに行くことができる。武装はサブマシンガンのみで、Stage1-2ラストで塀を登る際に投げ捨て、エージェントが装甲車を破壊するのに利用されてしまうが、Stage1-3では再び持ち直している。どこに隠し持っていたんだ。甲高い声で笑うが、明らかに追い詰められている状況でも笑っている。もう笑うしかない。 - バフ・ブライアント
2面ボス。アメリカ系黒人。筋肉質で大柄な男。ヤコフが倒された旨の無線を聞いた際、怒りに任せて無線機を破壊している。列車上で主人公に対して命中率100%のガトリングガンをぶっ放したり、積み込まれていた大型ミサイルを振り回したりする。ミサイルシーンが終わるとミサイルをポイ捨てする。応援のヘリコプターが来るとそれに乗り込みガトリングガンを撃ってくるが、倒されると撃ちっぱなしのまま後ろに仰け反ってしまいヘリコプター共々爆散してしまう。 - ワイルド・ドッグ
3面中ボス。シリーズ2度目の出演。
前作の戦闘で左腕を失い、顔には傷跡がある。左腕の義手にガトリングガンを埋め込んでおり、それとモーゼルC96で攻撃してくる。ソロプレイではStage3-1中盤で登場してから次の戦闘ポイントまでに合計25発以上撃ち込むことができれば、Stage3-1ラストで出てくる隊長兵が黄兵に変化し、ワイルド・ドッグも赤弾をほとんど撃ってこなくなる。
Stage3-2道中では1回ずつであるが飛び蹴りとパンチも繰り出してくる。飛び蹴りは隠れてやり過ごすしかないが、パンチ攻撃の直前に数発撃ち込んで怯ませるとボーナス点が入る。
倒されると自爆するが、シリーズ恒例の自分の意志での自爆は今作が初である。(前作までは事故) - アーネスト・ディアズ
本作のラスボス。アメリカ系の白人。NDI社の会長であり、元軍人。64歳であるが、ロケットランチャーをぶっ放したり、それを担いだまま大ジャンプなどでプレイヤーを翻弄したりしてくる、高性能じいちゃん。
Stage3-3前半では上述のクリスティー・ライアンを人質に取りながら拳銃で攻撃してくるが、このときクリスティーを誤射してしまうと5000点(相棒を誤射した場合の5倍)の減点になってしまううえ、彼女のやられモーション中はディアズにダメージを通すこともできなくなってしまうため、ディアズ自身のものも含めて赤弾が大量に飛んでくる雑魚兵たちとの波状攻撃をかわしながらの精密射撃を求められる、本作屈指の難関ポイントとなっている。
最終的に衛星試作機に乗り込んでプレイヤーを攻撃するが倒され、衛星もろともロケット発射台へ転落、大爆発を引き起こした。
関連動画
関連項目
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