ヴァケーション(Vacation)とは、2017年2月14日生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2019年:全日本2歳優駿(JpnI)、平和賞(SⅡ)
2020年:秋の鞍(SPI)
2022年:シアンモア記念(M1)
2023年:一條記念みちのく大賞典(M1)
概要
父エスポワールシチー、母テンノベニバラ、母父サッカーボーイという血統。
父エスポワールシチーはダートでGI級競走を9勝した名馬で、種牡馬としても地方競馬リーディングサイアーを獲得するなど成果を残している。代表産駒にJBCスプリント勝ち馬イグナイターなど。
母テンノベニバラは地方で17戦2勝。母母フエートグリンは85戦15勝の地方重賞馬。1958年産の英国産馬*グリーンウオーターが政治家一族としても有名な河野一族の那須野牧場に輸入されたことに端を発する牝系だが、他の活躍馬は23戦20勝の地方の名馬ゴールドレットくらいか。余談だが、ヴァケーションの半兄でレギュラーメンバー産駒のB L Cureは韓国に輸出されている。
母父サッカーボーイはGI2勝馬で、GI馬3頭を輩出するなど当時の内国産種牡馬としてはかなり良好な成績を収めた。近親にステイゴールドがいることでも知られる。
生産者は前川隆範で、北海道サマーセールにおいて税込432万円で落札され、大岸昌浩が馬主となった。
戦績
2歳(2019年)
川崎競馬場の高月賢一厩舎に入厩し、5月に矢野貴之鞍上でダート900mのスパーキングデビューに出走。単勝1.3倍の圧倒的1番人気に応え、逃げて上がり最速でフロントウイングに8馬身差付けて勝利。
6月の紅花特別に出走すると、単勝1.1倍の圧倒的1番人気に応えて5頭立ての3番手から早くに先頭に立ってリナルディーに大差での勝利。
9月のゴールドジュニアーでは真島大輔鞍上で3番人気となり、一旦は先頭にまで進出したがストーミーデイの3着。
10月には全日本2歳優駿のトライアルでもある平和賞(SⅢ)に出走。 吉原寛人を鞍上に単勝5.2倍の4番人気で迎えたレースでは、好位から直線で先頭に立ってマンガンに2馬身半差付けての勝利。吉原騎手曰く、「従順でいい馬」「騎手の思うとおりに動く操作性のいい馬」とのこと。
12月に地元の川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿(JpnI)では、混戦ムードの中で地方馬では最も人気を集めて単勝8.8倍の5番人気に支持されると、レースでは段々進出していき逃げたアイオライトをアタマ差で捉えて勝利。吉原騎手は同年にサンライズノヴァでJpnI競走を初制覇したところであったがこれで2勝目となった。余談だが、ひまわり賞の収得賞金で後の障害GI2勝馬イロゴトシが出走して8着となっている。因みにここで重賞馬の座を逃したアイオライトはその後にリステッドを3勝しながらついに重賞を勝てなかったとか。
この勝利によってヴァケーションはNARグランプリ2歳最優秀牡馬に選出された。
3歳(2020年)
3歳初戦となる3月の京浜盃(SⅡ)は2番人気に支持されたが、ブラヴールの5着。
4月の羽田盃(SI)も御神本訓史鞍上で5番人気となったものの早くに後退してゴールドホイヤーの9着に終わった。
次走は8月25日に開催予定が新型コロナウイルスに感染した騎手がいたという理由で9月1日に延期された芙蓉賞。森泰斗を予定していた鞍上も伊藤裕人になり3番人気で臨んだレースは、先行したが追加で登録したウタマロの3着。
同月の戸塚記念(SI)は矢野鞍上で5番人気12着に終わった。
10月は名古屋競馬場に遠征して秋の鞍(SPI)に出走。 吉原鞍上で単勝4.4倍の3番人気に支持されたレースでは、好位から上がり最速を出して逃げた1番人気ステラモナークを差し切り1馬身半差の勝利。
11月はJBCスプリントにも登録していたものの回避して園田の楠賞(重賞I)へと遠征したが、ここは2番人気6着に終わった。
4歳(2021年)
4歳初戦は宮川実鞍上で黒船賞(JpnⅢ)に出走したが、12番人気で先行したが早くから沈んで最下位12着。
4月には世代戦でも牝馬限定戦でもない名古屋競馬場の東海桜花賞(SPI)に出走したが、田中学鞍上で5番人気となり先行して5着。
5月のプリムローズ賞は本田正重鞍上で2番人気に支持されたが、先行してティーズダンクに1馬身半差の2着。同月の川崎マイラーズ(SⅢ)は森鞍上で7番人気となり、先行して5着。6月の川崎スパーキングスプリント(SⅢ)は4番人気に支持されたが7着。7月のプラチナカップ(SⅢ)は山崎誠士鞍上で8番人気9着。8月のスパーキングサマーカップ(SⅢ)は左海誠二鞍上で先行したが早くに後退し11着。
5歳(2022年)
馬主が鈴木雅俊に変わり、水沢競馬場の畠山信一厩舎に移籍して臨んだ5歳初戦は4月の赤松杯(M3)。4番人気で臨んだレースでは、木村暁鞍上で先行して先頭に立ってからも盛り返したものの、同じく転入初戦のマイネルアストリアにクビ差で敗れて2着。
続く5月のシアンモア記念(M1)では単勝5.9倍の4番人気に支持され、好位から逃げる2番人気グランコージーを上がり最速で捉え4分の3馬身差をつけて勝利。
6月の一條記念みちのく大賞典(M1)はこの後岩手時代の主戦となる村上忍鞍上で3番人気に支持されて先行したが、ステイオンザトップの3着。
7月の盛岡競馬場で行われるマーキュリーカップ(JpnⅢ)は単勝228.0倍の10番人気となったが、2番人気バーデンヴァイラーに7番人気で捲ったテリオスベルがクビ差まで迫る激戦となる中で6馬身差ついているものの3着と大健闘。ハナ差で1番人気ケイアイパープルを凌ぎ、地元で複勝2880円の馬券を生み出した。
8月のスパーキングサマーカップ(SⅢ)は5番人気となり、フィールドセンスの4着。
10月にはマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)に出走したが、11番人気12着。
11月には盛岡競馬場で行われるJBCクラシック(JpnI)に出走したが、11番人気10着。
12月には桐花賞(M1)に出走して単勝2.6倍の2番人気に支持されたが、先行したものの1番人気ノーブルサターンに半馬身差の2着。
6歳(2023年)
6歳初戦は4月の赤松杯(M3)に出走し、2番人気で逃げたが、1番人気グローリーグローリに差し切られて半馬身差の2着。
5月には前年勝利したシアンモア記念(M1)に出走したが、3番人気で早くに後退してノーブルサターンの7着。
6月の一條記念みちのく大賞典(M1)は単勝6.1倍の4番人気となったが、逃げて上がり最速を出しスズカゴウケツに8馬身差の圧勝。
7月には再びマーキュリーカップ(JpnⅢ)に出走したが、ここは6番人気で先行して7着。
8月のスパーキングサマーカップ(SⅢ)は8番人気で後方からそのまま12着。
12月にはトウケイニセイ記念(M2)に4番人気で出走し、先行して早くに先頭に立ったがノーブルサターンに差し切られて1馬身半差の2着。
更に同月には桐花賞(M1)に出走して2番人気となったが、ここは番手に付けたものの翌日には10歳になるノーブルサターンの3着。
7歳(2024年)
7歳初戦は赤松杯(M3)に出走し、3番人気で番手に付けたがグランコージーが1着となる中で2着とハナ差の3着。
5月はシアンモア記念(M1)に出走し、4番人気で番手に付けて、逃げた1番人気グランコージーに1馬身差の2着。
6月は一條記念みちのく大賞典(M1)に出走して2番人気で先行したがヒロシクンの7着。
金沢競馬場の金田一昌厩舎に移籍して11月に青柳正義鞍上で片町クリスマスツリー特別に出走したが、ハクサンパイオニアの3着。
8歳(2025年)
8歳初戦は7月の楽天競馬ならポイントで馬券が買える特別となり、柴田勇真鞍上で6番人気に支持されたが、2歳の時に勝利した相手であるマンガンの5着。
血統表
| エスポワールシチー 2005 栗毛 |
ゴールドアリュール 1999 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| *ニキーヤ | Nureyev | ||
| Reluctant Guest | |||
| エミネントシチー 1998 鹿毛 |
*ブライアンズタイム | Roberto | |
| Kelley's Day | |||
| ヘップバーンシチー | *ブレイヴェストローマン | ||
| コンパルシチー | |||
| テンノベニバラ 2000 栗毛 FNo.14-a |
サッカーボーイ 1985 栃栗毛 |
*ディクタス | Sanctus |
| Doronic | |||
| ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
| *ロイヤルサッシュ | |||
| フエートグリン 1987 鹿毛 |
*フェートメーカー | Swaps | |
| A-Bee Ba-Bee | |||
| トチノミドリ | *グレートヘロン | ||
| ナスノグリーン |
クロス:Hail to Reason 5×5(6.25%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アイオライト(競走馬)
- アリストテレス(競走馬)
- イロゴトシ
- ウインカーネリアン
- ウインマリリン
- ウシュバテソーロ
- オヌシナニモノ
- カフェファラオ
- ギルデッドミラー
- コントレイル
- ゴールドトリップ
- サリオス
- サーペンタイン
- シスキン
- ショウナンナデシコ
- ストラクター
- タガノビューティー
- テリオスベル
- ディープボンド
- ナダル(競走馬)
- ハクサンアマゾネス
- バスト(2017年生の牝馬)
- バビット
- パンサラッサ
- フォーウィールドライブ
- フクム
- ブラックホール(競走馬)
- プロミストウォリア
- ポタジェ
- ミスチヴィアスアレックス
- メイショウハリオ
- ライトウォーリア
- ラウダシオン
- レッドベルジュール
- ロータスランド
- ヴェラアズール
- ヴェルトライゼンデ
▶もっと見る
- 1
- 0pt

