『劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇』とは、TVアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第4作目である。同時上映は『ピカチュウのドキドキかくれんぼ』。
概要
金銀編2作目の劇場版であり、21世紀初の劇場版でもある。キャッチコピーは『(ミュウツーよりも強く! ルギアよりも速く!! エンテイよりも優しい!!!)こんなポケモンに逢ってみたかった。/夏休み、劇場で『セレビィ』ゲットだぜ!!』ミュウツー、ルギア、エンテイ「解せぬ」。
本作の舞台、「ハテノ村の森」は東京都渋谷区にある神社、明治神宮の森がモデルとなっている。
本作では友情と命の大切さを主なテーマとしている。また、本作には自然についてのメッセージ性が込められている。壮大な自然、環境保護の姿勢が見受けられる、自然のバランスが人間の勝手で崩壊する様が描かれるなど。
入場者プレゼントとして先着400万名にポケモンカードe「カクレオン」が貰えた。ちなみに公開時点ではカードeリーダーやポケモンカードeのパックなどは発売されていないので上記のカードはある意味ポケモンカードeの先行配布ともいえる。
なお、劇場版『セレビィ 時を超えた遭遇』を上映した劇場では各ジムリーダーらのポケモンと、このセットのみに付属する「R団のバンギラス」で構成されたハーフデッキと説明書、紙製のダメージカウンター、マーカー、セレビィのコインが付属したリーダーズポケモンという商品が限定販売されていた。セレビィのコインは持っていたり、公式大会で見かけたこともあるのではないだろうか?
月刊コロコロコミック01年8月号には「R団のニューラ」、ポケモンカード トレーナーズVol.12には「R団のハッサム」が付いていた。上記3つを揃えることでビシャスのポケモンが揃うこともできた。
あらすじ
現代の40年前の世界。ハテノの森を訪れた少年・ユキナリは、森の中でハンターに追われていたポケモンに出会う。そのポケモンは「セレビィ」といい、時を超える力を持つと言われるポケモンだった。セレビィをハンターから守ろうとしたユキナリは、セレビィの力でセレビィと共に40年後の未来へタイムスリップしてしまう。
現代。旅の途中でハテノの森を訪れたサトシ一行は、セレビィが時を越える際に起こる「森の声」という現象に遭遇。程なくサトシ達は祠の前に倒れているユキナリを発見。ハテノ村の長老トワ達に介抱されたユキナリはセレビィがいないことに気付き、サトシ達と共にセレビィを探しに向かう。傷だらけのセレビィを見つけたサトシ達はトワの下へ戻ろうとするが、そこへセレビィを追っていたロケット団幹部・ビシャスが現れ、セレビィを捕えようと襲い掛かって来た。ユキナリとの連携でビシャスのポケモンを撃退し、何とか逃げおおせたサトシ達は、生き物の傷を癒す不思議な力を持つ湖にたどり着き、そこで一夜を明かす事にする。 その後、サトシとユキナリは意気投合し、二人はセレビィとも仲良くなった。だが翌朝、再びビシャスが現れ、セレビィはビシャスに捕らえられてしまう。捕まえたポケモンに邪悪な心を植えつける特殊なモンスターボール「ダークボール」で捕獲されたセレビィは邪悪な心を植えつけられてビシャスの言いなりになり、森を破壊し始めてしまった。 ユキナリとサトシ達がセレビィを助けようと奮闘する中、伝説のポケモンスイクンが現れる。
主な登場キャラクター
- サトシ(cv:松本梨香)
毎度お馴染み主人公。オープニングではバトルに夢中で船に乗り遅れ、桟橋からダッシュジャンプで乗り移ろうとしたがぎりぎりのところで届かず、しかし間一髪のところでホワイトとタケシに引き上げられ、なんとか船に乗ることができた。ユキナリとは仲良くなり、セレビィを守るor奪われた時には意気投合してセレビィを説得、助け出したりした。 - カスミ(cv:飯塚雅弓)
世界の美少女名はカスミ。元ハナダジムリーダー。今作ではビシャスから逃げている時にけがを負ったりするなどヒロイン的な一面を見せる。 - タケシ(cv:上田祐司)
元ニビジムリーダー。世界一のポケモンブリーダーになるのが夢。ダークバンギラスにイワークを出して応戦したりして活躍した。 - ムサシ(cv:林原めぐみ)・コジロウ(cv:三木眞一郎)・ニャース(cv:犬山犬子)
ロケット団員。途中で仮面のビシャスと出会い、四本足の多脚メカに乗せてもらう。セレビィがセレビィゴーレムに変貌するときにビシャスには記録係が必要ということでムサシが巻き込まれた。サトシとユキナリが落ちるところをムサシが掴み、上へと行くように案内した。一方コジロウとニャースはどうすることもできず、ただ見ていることしかできなかった。オチで3人とも合流、最後はいつものように綺麗に締めた。 - ユキナリ(cv:戸田恵子)
今作の重要キャラクター。ハテノの森を歩いていたところ、トワに出会う。トワから木の実のパンを貰い、森でスケッチしていたところでハンターに追われていたセレビィに遭遇。ハンターから身を挺して守り、逃げていた時にセレビィのときわたりが発動。40年後にタイムスリップする。彼の正体はEDで分かるが少年時代のオーキド博士本人である。 - セレビィ(cv:杉山佳寿子)
今作の重要ポケモンその1。40年前に森でハンターに追われていたところをユキナリに助けられ、ときわたりによって40年後の世界へタイムスリップしてきた。当初はサトシたちに怯えていたが、次第に心を通わせていった。終盤、ビシャスのダークボールによって暴走し、大量の樹木が集まって出来た巨獣「セレビィゴーレム」へと変貌し破壊の限りを尽くすが、サトシとユキナリの説得により洗脳がとける。しかし、力を酷使した影響で体が萎れて命を落してしまうが、「ときわたり」でやってきた多数のセレビィたちによって奇跡の復活を遂げる。騒動が集結したあと、ユキナリと共に「ときわたり」で無事に40年前の世界へと戻っていった。 - スイクン(cv:田中正彦)
今作の重要ポケモンその2。水を清める能力を持ち、湖を綺麗にしたりした。物語の途中で危機を察知してサトシたちのもとに駆けつけた。セレビィを助けるためサトシ達に協力する姿勢を見せる。CG部分での登場シーンはスイクンのテーマと合わせてカッコいい。 - ミク(cv:鈴木杏)
ハテノ村に住む明るい性格の少女でトワの孫娘。40年前のトワと瓜二つなのでユキナリはミクを40年前のトワと間違えた。それにしてもよく似た親子だこと。 - トワ(cv:小山茉美)
ハテノ村のツリーハウスに住み、森の入口を守っているミクの祖母。40年前にハテノの森を訪れたユキナリと出会っており、その後現代で「時わたり」してきたユキナリと再会する。余談だがトワがユキナリに渡した木の実のパンはとても美味しそうに描かれており、誰もが食べてみたいと思ったことだろう。 - ホワイト(cv:藤井隆)
ハテノ村に住む好青年。サトシを引き上げたり、飛行船に変形するボートを操縦したりと活躍するシーンが多い。 - ビシャス(cv:佐野史郎)
ロケット団の最高幹部の一人。実力はロケット団史上最強らしい。捕まえたポケモンを凶悪な性格に変える「ダークボール」や四本足の多脚メカを使い、セレビィ捕獲を狙う。仮面のビシャスのときは強気だが、敗北して森のポケモンたちに囲まれたときは助けてと願ったりしたが、最後は情けない姿にされた。 - ハンター(cv:山寺宏一)
40年前にハテノの森でセレビィを捕まえようとした人。ユキナリがセレビィとともにときわたりをする流れを作った人でもある。現代ではビシャスに脅されセレビィを見つけた場所をしゃべらされた挙句、自分の捕まえたポケモン(バンギラス)を奪われ、住んでいるところを洗脳されたバンギラスに破壊されるなど絶望してもおかしくない状況に見舞われる。 - ポケモントレーナー(名前不明)
オープニングでサトシとポケモンバトルをした少年。アリゲイツを使用してバトルに出たがピカチュウの電気攻撃により敗れる。トレーナーに攻撃するなんてサトシさん鬼畜ですよ。一応謝っているけど。
ピカチュウのドキドキかくれんぼ
海辺のお屋敷で、かくれんぼを始めたピカチュウたち。しかし仲間に入れないヨーギラスが蹴った石が命中した芝刈り機が起動し始めることから事態は一変する。
4つ目の短編となった本作だが、前作まで短編の脚本を担当していた園田英樹は今作から長編の方を担当することとなったため、本作からは大橋志吉が短編の脚本を担当している。そのため、サトシたちが登場せずポケモンのみで進行する流れが出来たのは本作からである。ナレーターは遠藤久美子。ヨーギラスのシーンとベイリーフが駆けつけるシーンは必見。
余談
- 本作には未公開シーンがあり、海外で上映されたときに追加され後に日本でも『セレビィ 時を超えた遭遇 特別版』として週刊ポケモン放送局にて放送された。が、何故かDVDには未公開シーンは未収録となっている。
- 制作初期段階の絵コンテでは、ユキナリがサトシたちの前でポケモン川柳を披露する場面が存在したが最終的にはカットされた。
- 今作から東宝邦画系での公開に切り替わった。(前作までは東宝洋画系)
- ピカチュウプロジェクト(劇場版ポケットモンスター製作委員会)参加会社に変化が見られた。任天堂(本作より「協力」として参加)、ゲームフリーク、クリーチャーズが外れ、この3社が共同出資して設立した株式会社ポケモンが加わり、クレジット順も変更された。
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt