『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』(同時上映作品は『ピカチュウたんけんたい』)は1999年7月公開されたアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第2作目である。
概要
前作『ミュウツーの逆襲』がヒットしその劇場版第二弾として1999年7月17日に公開された。
第二弾の情報が出回り始めた当初は特報でも『伝説のポケモン エックス(X)爆誕』というサブタイトルでしかなく、
「エックス」という明らかに隠された何かに、当時の子供達はドキドキしながら続報を待った。
そしてGB版の続編、金・銀の情報が公開されると共に「エックス」は「ルギア」という新ポケモンであることが公式発表される。当時先行公開された金・銀の新ポケモンのヤドキングはこの映画にも登場している。
また、前作では登場しなかったサンダー、ファイヤー、フリーザーも登場する。
敵でありながらサトシのピンチに現れたロケット団の三人組の助力シーンは当時の小学生を非常に感動させた。
このシーンの記憶が非常に強く残っている人が多いかもしれない。
キャッチコピーは「命をかけてかかってこい!!」
劇中のルギアは人語で語りかけてくるが、実際にこの台詞は出てこない。
パンフレットには劇中でジラルダンが所有しているポケモンカードとは一風変わった
ミュウのカードがおまけで付属している。
ちなみに、ヤドキングの声優はダウンタウンの浜ちゃんこと浜田雅功である。当然劇中は人語で喋る。
特有のダルさを醸した演技のマッチぶりに驚いた子供も大人も多かったとか。
社会的テーマ
前作の『ミュウツーの逆襲』で取り上げた
「自身の存在意義と復讐」「クローン生命問題」
同様、単純な勧善懲悪ではなく社会的命題として
「個人主義の社会及び環境への過剰介入行為」「他者との共存、共生」
などに言及した内容になっている。
しかし重いテーマをストレートに訴え前作に比べ、今作ではエンターテインメントとしての
派手なバトルが重視になったことで全体的に伝わりにくくなってしまっていたという評価がある。
OP・EDテーマ
- OPテーマ
オープニングテーマはおなじみ松本梨香の「ライバル!」。
オープニングではサトシたちが手持ちポケモンを全員出して船旅を楽しむ様子が描かれている(カビゴンが出てきて船が傾いてしまうシーンもある)。星の異変を感じたためか、ポケモンたちの中でピカチュウだけはずっと船首に佇んでいる。 - EDテーマ
EDテーマは安室奈美恵の「toi et moi(トワ・エ・モア)」。
作曲は小室哲也であり、作詞は小室哲也とMARC(globe)。
歌詞は「冒険」を歌ったものだが、安室奈美恵自身のアルバムには未収録。PVも存在しない。
これはテレビ東京ミュージックが楽曲の権利を所有している為であり、今作のサウンドトラックや
『ポケットモンスター 映画主題歌ソング集 パーフェクトベスト 1998-2003』など
劇場版アニメやTVアニメのポケモン関連の音楽CDにのみ収録されている。
初期の劇場版曲の中で小林幸子の「風といっしょに」と共に印象に残っている人も多いのでは無いだろうか。
スタッフ・キャスト
スタッフ
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キャスト
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ストーリー紹介
幻のポケモン ルギア爆誕
オレンジ諸島で武者修行の旅を続けるサトシたちの船は、突然の天候不良で「アーシア島」にたどり着いた。
この島ではおりしもお祭りの真っ最中。「優れたる操り人」つまりポケモントレーナーのサトシが、儀式に参加することになった。サトシが3つの島の祭壇に奉納されている「お宝」を運んできて海の神の祭壇に安置し、その前で巫女フルーラが笛を奉納することで、一連の儀式は終了する予定だった。しかし、神と呼ばれるポケモンが怒り狂って暴れ、巻き起こす嵐の中、そう簡単にはいかなかった。
実はこのアーシア島の近辺は全世界の天候を左右する深層海流の拠点であり、この深層海流を司っているのは海の神ルギアと呼ばれる幻のポケモンと、3つの島をそれぞれの縄張りとする火の神ファイヤー・雷の神サンダー・氷の神フリーザーであった。
ところがこの時、ポケモンコレクターのジラルダンという男が、ルギアを自らのコレクションに加えたいと虎視眈々と狙っていた。そして、ファイヤー・サンダー・フリーザーの3体を捕獲すればルギアが現れると予想し、この日、ファイヤーを捕まえたのだ。
そのため、深層海流のバランスが崩れ、サトシたちをおそった突然の嵐の原因となった。
いや、急激な天候異変とポケモンたちの行動異常は、早くも全世界中で起こり始めているのだ。
海の神の祭壇で待つ人語を操るヤドキングは告げる。「優れたる操り人現れ 神々の怒り鎮めんかぎり・・・」
3つの宝を集めて世界を救う!あの嵐を突き抜けて、命がけで!ためらうサトシを励まし、助けるポケモンたち。
主なゲストキャラ
- フルーラ(cv:平松晶子)
アーシア島に住む巫女の少女。古いしきたりを面倒だと考えている。初対面のサトシにいきなりキスしたり、カスミに面と向かって「この子(サトシ)を好きってことでしょ?」と尋ねるなど積極的な性格。彼女の吹く笛の音にはある重要な意味が・・・。 - ジラルダン(cv:鹿賀丈史)
コレクター。巨大な飛行宮を操る。望むものを手に入れるためならいかなる手段も厭わない。彼が神々を捕らえようとしたことにより、世界のバランスが崩壊していくことになる。 - ルギア(cv:山寺宏一)
海の神と呼ばれしポケモン。世界の危機を察知し、深海から現れる。「優れたる操り人」として世界を救うことになったサトシに協力し、怒り狂う伝説の鳥ポケモンたちと壮絶な戦いを繰り広げる。 - ファイヤー(cv:愛河里花子)
火の神と呼ばれる特別なファイヤー。最初にジラルダンに捕まってしまう。サトシたちによって檻が破壊され飛行宮から脱出すると、今度はサンダー・フリーザーと戦うことになる。 - サンダー(cv:小西克幸)
雷の神と呼ばれる特別なサンダー。ファイヤーが捕まったことにより主がいなくなった火の島を支配しようと現れるが、ジラルダンに捕らえられる。 - フリーザー(cv:冬馬由美)
氷の神と呼ばれる特別なフリーザー。ファイヤーとサンダーが捕まったため世界はフリーザーの支配下となり、アーシア島周辺の海を氷漬けにしてしまう。終盤にはファイヤーとサンダーの攻撃を受け倒れる。 - ヤドキング(cv:浜田雅功)
アーシア島に住むポケモン。人語を話すことができる。「困ったなぁ」が口癖。
サトシに伝説の通り3つの宝を集めるよう助言する。
その他よもやま
アニメ版ポケットモンスターの脚本を担当し、本作でも脚本を担当する首藤剛志氏によると、タイトルの「爆誕」という造語は氏曰く『御前様とあだ名される方(恐らく制作会社上層部か小学館の重役?)』によって最初のプロット会議の日に命名され、その要望を受けてのものだったという。しかし首藤氏は、この造語に「(ルギア爆誕は)何も誕生していない」「ひどく抵抗があった」といい、海外での「ルギア黙示録」というタイトルの方がセンスがいい、としている。
その他、本作に関する首藤氏の裏話はこちらに掲載されているので、興味のある人は一読を勧める。
同時上映:ピカチュウたんけんたい
ある日、サトシたちがお昼寝中に、トゲピーが迷子になった。
探しに行ったピカチュウたちは、谷間に生えた大きな木にたどりつく。
そこにはエレキッドやカビゴンなど、多くのポケモンたちが暮らしていた。
トゲピーはタマタマの巣で見つかった。ところが突然強風が吹き始めた。このままではタマタマの巣が吹き飛んでしまう!
ポケモンたちは力を合わせて、雷雨の中、タマタマの巣を守るのだった。
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関連項目
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