小説家単語

ショウセツカ
2.2千文字の記事
  • 6
  • 0pt
掲示板へ

小説家とは、わりと多くの人にとって憧れの職業である。

概要

単に「作家」と言う場合、一般的には小説家をす。どこからどこまでが小説家かは意見の分かれるところだが、概ね「小説を書くことで生計を立てている人」がこう呼ばれる。実際にはプロでも本業の合間に小説を書いている兼業作家が多数いるのだが、そのへんは本人が明かさない限り読者の知り得るところではない。

小説家に「編集者に『先生』と呼ばれてチヤホヤされ、1日に何枚か原稿を書くだけで印税でがっぽがっぽかって左うちわ」的なイメージを(あるいはそこまでいかなくても「細々とでも年に2冊ぐらい本を出していれば人並み程度には食べている」的なイメージを)抱いている人もまだいるかもしれないが、特に近年は本が売れないのに出版点数と書き手の数だけはどんどん増えているため、「ごく一握りの売れっ子作家」と「その他の全然売れない作家」への二極化がどんどん進んでいる。長期間かけて一生懸命原稿を書いてもなかなか本にしてもらえず、ようやく本を出してもらっても初版数千部、印税が数十万円で増刷なし、売れなかったので出版社からは次の仕事はなし、というのが当たり前のようで、運良く一発当てれば大きいとはいえ、現代では基本的にはのない職業と言わざるを得ない。

小説家になるためには、通常は募新人賞(たとえば純文学なら文界新人賞や文賞、ミステリーなら江戸川乱歩賞鮎川哲也賞SFならハヤカワSFコンテストや創元SF短編賞、ライトノベルなら電撃小説大賞ファンタジア大賞などなど、各ジャンルに渡ってたくさんある)に投稿して賞を獲り、受賞作が出版されてデビュー、というのが常。ただし受賞してもなかなか本にならない賞もある。また、前述の通り新人賞を受賞してデビューしたからといってその後も本を出し続けられるとは限らず、本が売れず仕事がこなくなり投稿生活に戻らざるを得なくなる者も多い。ある作家く「デビュー告知と同じ」。そのこころは「5年生存率が問題」。なので編集者が自社の新人賞受賞者に最初にアドバイスするのは「仕事を辞めないこと」だとか。

ちなみに、賞の性質(出版社による審から、ケータイ小説に多く見られる、一般読者による投票式など)・規模の大小・競争率の高低を考慮せずに全小説の新人賞を数えると、毎年100人単位でグランプリが誕生している(当たり前だが、審員特別賞のような賞も含めるとさらに増える)。上記のような大規模かつメジャーな新人賞はもちろん非常に数少ないものであり、またその獲得者の突出した実を十分に保するものであるが、獲得後の競争を勝ち抜けるかどうかはまた別問題なのである。

小説家になりたい人は世の中にたくさんいる。ただし小説家になりたい人が本好きとは限らない。とにかく本を出したい人たちを狙った共同出版という詐欺まがいのビジネスが一時期流行したことも。ネット上や同人誌などで小説を発表している者も多く、いわゆるなろう系ケータイ小説もその一分野。

明治前期から戦後の高度成長期にかけては、小説同人活動は現在よりもかなり活発であった上に新人賞の乱造もなかったため、新人賞をとらずに同人活動からメジャーになっていく小説家の方が多かった(太宰治菊池寛など。もちろん、現在アニメ漫画に関する同人活動とは異なる)。というか、同人活動から新聞などへ投稿する、という形がむしろ一般的であったとさえ言える。現在でも可ではあるが、一般的ではない。

文学同人誌からのデビューというラインがほぼ消滅してからは、小説家デビューはほぼ募新人賞か個人的な編集者とのコネに限られていたが、近年は募新人賞以外にも、Web小説の連載で人気を得て書籍化という形でのデビューが当たり前のものになり、電子書籍でのセルフパブリシングから商業出版に引き抜かれる例もしくない。ただしそっちも厳しい競争にされるのは新人賞デビューと同じであり、なろう系も結局はコミカライズ頼りというのもよく聞く話である。

小説家になりたい人向けのガイド本は山ほど存在するが、生まれて初めて書いた小説であっさりデビューしてしまう人もいれば、10年以上も投稿生活を続けてようやくデビューする人もいる。要は才と努と運次第であり、さらにそこから売れっ子になるにはさらなる才と努と運がいる。

ある小説家の言葉には、「30年書き続ければ、1本ぐらいの傑作からも生まれる」とある。年数や本数の部分が度々形を変えられて引用される言葉だが、どのガイド本にも大抵「とにかく数を書いて鍛えるべき」と書いてあるように、とにかく書かないことには腕が上がらないのは間違いない(この発言の趣旨は、「1本ぐらいならでも書ける。何本も傑作を生み出せるかどうかが重要」「技術なんてでも上げられるのだから、自分以外の小説家を越えられる他の何かが必要」というところにあるが、ここではどうでもいい)。

何にしても、現代においては「小説家になる」は多数あり、「商業出版でデビューすること」自体は較的容易になっている。しかしそこからこの出版不況の中「小説家として食べていく」のりは非常に険しい。

なお、フィクションの登場人物で小説家をしている者は、ほぼ間違いなく変人として描かれる。

関連動画

関連商品

関連項目

関連記事

親記事

子記事

兄弟記事

【スポンサーリンク】

  • 6
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

小説家

51 ななしのよっしん
2020/07/11(土) 14:20:14 ID: 2PGi648CMl
バカでもできるほど敷居が低いし、
ぶっちゃけよりも需要が大事、
数打ちゃ当たる人材供給方法が誕生するのも
当然という流れだったのだけど、
急にどうしたんだ?当たり前の話を突然自分語りして?

生活できると思って書いたなろう小説が売れなくてガックリきてるのか?
👍
高評価
0
👎
低評価
0
52 削除しました
削除しました ID: FqM5BGAm11
削除しました
53 ななしのよっしん
2020/12/12(土) 00:18:09 ID: SV2NrG1gDJ
読まれないことよりも書きたい話を書けない方が悲惨。貧乏生活でも1日数千文字でも書ければ幸せ。思い浮かんだ理想的な戦闘シーンの一文(ワンカット)を成立させるためだけに書いている。それは崩壊しかけている宮殿での亡皇帝復讐者との決闘だったり、プロ意識を捨てたボクサー同士のリングの上の殴り合いだったりする。
👍
高評価
1
👎
低評価
0
54 ななしのよっしん
2021/01/21(木) 21:16:37 ID: GXHZdt8nWI
漫画家はそうでもないのに小説家になると途端に政治シンパが増する印がある
👍
高評価
0
👎
低評価
2
55 ななしのよっしん
2021/06/17(木) 20:38:49 ID: 8gB9U6gBMu
>>52
どこからなろうが出てきたんだ?
妄想現実の区別はつけろよ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
56 ななしのよっしん
2022/10/11(火) 11:07:28 ID: Xs6oGMRiB1
売れない小説家が宣伝的なのかSNS政治厨やるのマジでうざいからやめてほしい
👍
高評価
0
👎
低評価
0
57 ななしのよっしん
2022/12/12(月) 16:05:23 ID: ck5Y/GNhgI
多少売れてる小説家政治厨になったりするけどな
正直なろうとかでサラリーマンと兼業で小稼ぎしてるらと、専業じゃないと連載すら厳しい漫画家アニメーターは住む世界が違いすぎて大分温度差ある インボイスとかもそうだけど

ゲームメーカーでも大体シナリオ描きが別の事務仕事兼任してるけど、それ以外は専業か別の物作りと並行作業だから 根本的に習熟の為の時間や実作業時間に大きい開きがある

ぶっちゃけ義務教育受けてればでも小説書けるから 確実に売れるシナリオ描けない小説家小説家じゃない 実際に同人でもいいから取ってみればどれだけ難易度高いか分かる
👍
高評価
0
👎
低評価
0
58 ななしのよっしん
2023/01/09(月) 02:03:27 ID: ghN9w4svFX
純文学ノンポリ率の低さは一体何なのだろうか
👍
高評価
0
👎
低評価
0
59 ななしのよっしん
2023/01/21(土) 00:50:13 ID: aD9hTN52Qg
理由は分からないが小説家政治るとちょっとカッコいいって思っちゃうんだよね
思想自体には共感しないが、思想に傾倒する作家個人に生々しい個性が付与される気がする
バカっぽくても間違っててもいいから、とにかく社会について作家が小難しい事をるだけで
本人なりに色々考えてそうで俗世間から少し離れた人って感じがする

自分の中に「小説=ちょっと堅苦しい娯楽」ってイメージがあるせいか
政治デモへの参加って小説家にちょっと似合うけど漫画家には何か合わない気がしちゃう

新聞週刊誌みたいな政治に近い媒体で連載されてるのも漫画じゃなくて小説だし
政治を具体的にるには絵や映像じゃなく文字が必須だからだろうか
漫画アニメで使われる絵や映像よりも、小説で使われる文字って政治親和性が強そう
👍
高評価
0
👎
低評価
0
60 ななしのよっしん
2023/01/23(月) 23:07:51 ID: Xs6oGMRiB1
岸田キーウに行かずに食をやめるのが益とか意味不明ことを言うのが小説家なんだなと
何言ってるかよくわからないだろうけどもかれが何を言っているのかわからない
そこそこ売れてる小説家らしいが
👍
高評価
0
👎
低評価
0