広東欧珀移動通信有限公司とは、中華人民共和国広東省東莞市長安鎮烏沙海浜路18号に本社を構えるデジタル製品メーカーである。
概要
「oppo」(オッポ)のブランド名で事業展開を行っている企業。元々は「歩歩高」(読みはブーブーガオ、通称BBKグループ)のブランドであったが、2003年に分社化。現在は欧加ホールディングスの子会社で、2020年に於けるスマートフォンの世界シェアは6位。サブブランドとして深圳市万普拉斯科技(ブランド名一加/OnePlus)を有している他、2019年に独立したRealMe重慶移動通信(ブランド名真我/realme)は兄弟会社に当たる(ただし製品開発・製造は一元化されている)。ラインナップは中国企業にしてはやや高級路線で、格安路線を行くrealmeと棲み分けを図っている。しかし2020年以降はXiaomiやAppleの反撃でシェアは伸び悩み、一度は分社化したOnePlusとrealmeを再度経営統合する動きが進んでいる。
日本では、これまでは高級ピュアオーディオ部門・ブルーレイディスクプレイヤー部門で一部のマニアにその名が知られる程度で、「中華にしてはなかなかやるじゃねえか!」という評価であった。
携帯電話事業は2008年から参入(携帯電話製造部門の法人格自体は2003年に創設済)。2011年にスマートフォンの製造を開始。
2017年、日本市場への本格参入を目的として日本支社である準備会社のオッポジャパンを設立。日本支社の所在地は東京都品川区東品川2-5-8天王洲パークサイドビル9F。2018年、日本市場へのスマートフォン正規販売を開始。しかし、同時期にスマートフォン部門に注力する政策の影響で高級オーディオ部門・ブルーレイディスクディスクプレイヤー部門から撤退した。2020年、親会社に社名を合わせる形で「オウガ・ジャパン」に変更(OPPO『欧珀』とOnePlus『一加』の造語『欧加』を日本語読みしたもの)。これにより姉妹ブランドであるrealmeやOnePlusの日本上陸も期待されていたが、2021年にrealmeが日本進出を果たした(ただし別会社『シンガ・ジャパン』を立てている)。2020年、ワイヤレスイヤホン及びスマートウォッチの販売を開始した。
ポスト・ファーウェイの座を虎視眈々と狙っており、日本市場でも攻勢を強めている。イメージキャラクターとして2019年より指原莉乃・2020年より木梨憲武を起用しており、かなり本気であることが窺える。
なおガジェットファンに人気のハイエンドスマートフォンであるOnePlusはOPPOの別ブランドから出ている機種であり、バンドが日本に完全対応していることから、こちらもローカライズが期待されている。
ただ、今のところは某H社や某Z社とは違い世間が大騒ぎするようなスキャンダラスな話は聞かれない模様。2020年、SHARPに特許権侵害で訴訟を起こされ、OPPO側も特許権侵害で逆提訴した。長らく動きがなかったが、2021年10月に双方の特許を共有するライセンス契約が結ばれ、ようやく和解に至った。
主な製品ラインナップ(2021年現在)
- Find:その年の最新技術やデザインを結集した、会社の顔とも言えるフラッグシップ。
- Reno:デザイン重視で、スペックはFindシリーズよりやや劣る。Findシリーズの下位モデルとしてリブランドされることも。
- Reno A:日本向けにカスタマイズを施した、事実上の国内専用機。
- Ace:2019年に突如現れたスペック命のゲーミングモデル。結局2代で打ち切られ姉妹ブランドrealmeのゲーミング部門に引き継がれた。
- K:コスパ重視モデルで、基本的に中国とインドでしか販売されない。スペックはやや高め。
- A:普及モデル。後に続く数字が大きいほどスペックが高い。
- R:かつてのハイエンドモデル。現在は開発されていない。
- F:主にインド向けモデル。競争の激しい同国市場に適応するため、選択と集中が徹底されている。
- Watch:スマートウォッチ。
- Band Style:スマートバンド。
- Enco:ワイヤレスイヤホン。フランス語の"Encore"(アンコール)に由来。普及モデルのWシリーズとFreeシリーズ、プレミアムモデルのXシリーズがある。
OS
Androidをベースとした「ColorOS」を採用している。2021年12月現在の最新版は12(Android12)。経営統合の一環で2021年よりOnePlusも搭載し、グローバル版も含めコードの統一が図られている。
日本国内で正規販売されたことのあるスマートフォン
※注釈がない限りSIMフリー機(キャリアとの併売含む)、おサイフケータイ非搭載。
2021年9月まで楽天モバイルを除くキャリアから販売される機種ではSIMロックが掛かっていた。また2021年12月現在、4大キャリアではNTTドコモを除く全社での発売を果たしている。
なおNTTドコモに関しては2019年以降中国メーカーを排除した。タブレットでは中華系のレノボなどを採用しているため直接の制裁対象になったZTEやファーウェイに比べればまだ発売の可能性があるが、NTTの完全子会社になったことで最大株主の政府やそれを支える自民党の影響力が強まっており、仮に発売しようものなら横槍が入るのは避けられないものと思われる。加えてかつては国営だった繋がりで国内企業を優遇する傾向にあり、入り込む余地がないという事情もある。そもそもレノボはNECや富士通のPC・モバイル部門に筆頭株主として合資扱いになっており、日本企業とつながりが深い。
- R11s
2018年2月発売。2000万画素デュアルカメラ搭載。値段設定が高すぎて盛大にずっこけ、時折セールなどで税込30000円程度で投売りされていた。 - R15 Neo
2018年8月発売。大容量バッテリー搭載。 - R15 Pro
2018年9月発売。R15Neoのスペックアップバージョンで、防水防塵、おサイフケータイ、指紋認証機能を追加。それでも値段が中途半端でイマイチ売れなかったが。この失敗には相当堪えたのか、日本市場からの撤退が真剣に検討されていた。 - Find X
2018年11月発売。インカメラ・アウトカメラが一体となったユニットをモーターでせり出させるという変態的メカニズムを搭載。発売当初の価格は10万円を余裕で超えた高級機種。 - R17 Neo
2018年11月発売。日本国内では今のところUQモバイル専売。そのためau VoLTEにも当然対応。指紋認証センサーが画面内に内蔵されているので、画面を触るだけでセキュリティロックの解除が可能。グローバル機と同じく純正でSIMフリー・デュアルSIMであるところは変わらず。 - AX7
2018年12月発売。実質的にR15 Neoの後継モデル。というかほぼマイナーチェンジ。 - R17 Pro
2018年12月発売。R17 Neoの上位互換モデルで、トリプルカメラになっているのが最大の特徴。歴代のProシリーズ同様に値段が中途半端な上、日本仕様の機能を全部取っ払ってしまったことで話題にすらならなかった。 - Reno 10x Zoom
2019年7月発売。Find Xの流れを汲むハイエンド機で超高性能カメラを搭載。中国国内やグローバルでの価格はFind Xに比べて値下がりしているのだが、日本にローカライズされた本機はおま値でかなり高くなっているため、日本での発売価格はFind Xと同額になっている。 - Reno A
2019年10月発売。R17 proの後継機だが、コンセプトはR15 proに近く防水防塵、おサイフケータイを搭載。歴代Proシリーズに比べ値段が大幅に安くなった分だけ日本ではヒット商品となったが、コストダウンのしわ寄せがR17 Neo仕様のカメラにランクダウンしてることからもわかるとおり完全にカメラに来ているため、歴代のProシリーズよりカメラ性能は控えめ。 - A5 2020
2019年11月発売。AX7とR17 Neoの後継機で大容量バッテリーモデル。R17 neoよりも全体的に性能がアップしているほか、防塵防滴仕様でNeo時代より水には多少強くなっている。カメラにいたってはクアッドカメラであり、上位モデルのReno Aよりも性能が上。重量が195gと歴代の大容量バッテリーモデルよりもかなり重いことが難点。 - Reno3 A
2020年7月発売。Reno Aの後継機で防水防塵、おサイフケータイ対応。ただしそれ以外の仕様自体はA5 2020に極めて近くSoCも流用しているため、処理性能はReno Aよりもダウンしており、はっきり言ってしまえばコスパは悪い。プライスダウンしている前機種の方が在庫が残っていればお得である。 - Find X2 Pro
2020年7月発売。歴代ハイエンドの流れを継承しており超高性能カメラを搭載したほか、5Gにも対応。グローバル版ではただでさえ高値だった歴代モデルよりも高くなっており、コスパ面では最悪に近いが、何故か日本ではグローバル価格より4万円弱安く設定されるなど良心的で、競合機種と比べるとお得感すらある。しかしau専売・おサイフケータイ非搭載と販路が狭く、発熱対策も甘いため、結果としてガジェット好き以外からの評価はイマイチ。とはいえ2020年にOPPOが送り込んだ渾身の1台であり、刺さる人にはとことん刺さるだろう。 - Reno3 5G
2020年7月発売。大手キャリアによる取り扱いが発表された最初の機種である。3Aの上位モデルで、SoCが大幅強化されたことで5Gにも対応。珍しくおサイフケータイも搭載した。しかしソフトバンク専売の上に値段が6万以上になってしまい、コスパ面やお手軽さという面でも微妙な位置づけとなってしまった。 - A73
2020年11月発売。政府や総務省、楽天からの圧力要請に応じる形でeSIMに対応した。性能はReno3 Aよりも更にダウンしており、デザインと軽さに全振りした機種。影が薄く、菅義偉政権や三木谷浩史社長を喜ばせただけの残念な立ち位置に落ち着いた。 - A54 5G
2021年6月発売。遂にエントリーモデルにも5Gがやって来た。圧倒的な安さと上位モデルと遜色ない性能がウリである。しかしまたしてもおサイフケータイ非搭載の残念仕様であり、特にキャリアで唯一の販売となるauでは苦戦が予想される...と思われたが、3G停波に伴う無料機種変更の対象端末とされたため好調を維持した。 - Find X3 pro
2021年6月発売。Findシリーズの2021年モデルで、超高性能カメラに圧倒的な色彩表現能力を持つディスプレイなど、ありとあらゆる技術を詰め込んだ一台。望遠性能は捨ててマクロ撮影に特化している。日本ではauが取り扱う他、SIMフリー版も復活した。前作と比較して大幅な値上げとなっている(というよりFind X2 Proが安過ぎた)。 - Reno5 A
2021年6月発売。防水防塵・おサイフケータイ対応の日本専用モデルである。Reno3 5Gと同型の高性能なチップを搭載し、5Gに対応。カメラも前作Reno3 Aから若干進化した。しかしディスプレイは液晶に逆戻り、指紋認証は背面、充電速度も控えめの18Wと、随所にコストカットの跡が見受けられる。それでも総合的なコスパが高いことからRenoシリーズの中でも屈指の人気モデルとなった。 - A55s 5G
2021年11月発売。A54を防水防塵にした代わりにバッテリーやカメラが犠牲になった。3眼あるように見えるが1つはダミー、もう1つは測距用で実質単眼と、特にカメラはかなりのリストラを食らっている。また直販価格よりもキャリアでの価格の方が安いという逆転現象まで発生した。 - Reno7 A
2022年6月発売。防水防塵・おサイフケータイ対応の日本専用モデル第4弾にして大手キャリアにも進出(au)。ディスプレイが有機ELに戻り、汚れの目立たないすりガラス調のバックパネルを採用するなど見栄えも強化、システム劣化防止システムに手厚いセキュリティパッチも揃え、見た目も性能も長持ちするスマホを謳っている。充電速度こそやや時代遅れの18Wではあるが、サプライチェーンの混乱や急激な円安にも拘らず値上げ幅は最小限に抑えられた。ただし前モデルのReno 5Aに比べてゲーミング性能やカメラ性能が大幅ダウンしているために完全な上位モデルとは言い切れず、定価もReno5 Aの方がはるかに安いことから、Reno5 Aの在庫がある場合はこちらを選ぶ理由がほとんどない仕様になっている。また競合他社の高コスパ機に対抗したものと思われるが、ハイブランドを指向するOPPOらしく販路では他社を圧倒している。
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