「独身貴族は異世界を謳歌する〜結婚しない男の優雅なおひとりさまライフ〜」とは、異世界に行っても変わることがなかったとある独身貴族のつれづれなる物語である。
概要
小説家になろうで連載中のWeb小説である。作者は錬金王。2021年8月30日にGCノベルズより書籍化されている。
異世界転生もののスローライフ系小説となるが、神様から貰ったスキルで異世界無双するわけではなく、地球の知識で異世界に革命を起こすのでもなく、自分の興味のままに魔道具を作り、美味い飯や酒を飲んで日々を楽しむ物語である。
主人公のジルクが貴族、イケメン、お金持ちと優良物件に見えるため結婚を狙ってる独身女性達から追いかけまわされるが、当のジルク自身は煩わしさを嫌って恋愛を拒んでいるため恋愛要素が皆無な作品となっている。あくまでイケメンなおっさんの気ままな独身ライフを楽しむ物語である。
ストーリー
人間関係のしがらみを嫌い、地球で自由気ままに独身生活を楽しんでいた独楽場利徳。だがある時、急に発作に襲われて誰にも発見されずにそのまま自宅で孤独死する。
そのような人生の最期を迎えてもなお独身であることに後悔しなかった独楽場は孤独を愛する独神に気に入られ、スキルや能力を貰って独神が管理する剣と魔法の異世界に転生する。
…それから何十年の年月が過ぎ、貴族のジルク=ルーレンとして生を受けた独楽場は懲りることなく異世界でも独身生活を謳歌するのであった。
登場人物
- ジルク=ルーレン
- 本作の主人公。28歳。前世の名前は「独楽場利徳」。
孤独死してもなお独身を貫くその姿勢に孤独を愛する独神という神様に気に入られ、魔道具を作る能力と病気にならない体、魔法の【全属性適性】と【剣術】【体術】スキルを貰って独神が管理する異世界に転生する。
転生先も優遇してもらえたのか代々魔道具作りを生業とする貴族のルーレン家長男ジルク=ルーレンとして生を受ける。幼少期より魔道具師として技術を学び将来を期待されていたが、魔道具師の資格を得ると実家を飛び出して王都に工房を建て自ら開発した冷蔵庫の魔道具を売って生計を立てるようになった。
凄腕の魔道具師として名誉も財産も欲しいままにするも、自分の気に入った仕事しか受けないため気難しい魔道具師としても知られている。魔道具も自分の生活を豊かにするために作っており、世の為人の為に作るという考えは全くない。
稼いだお金で宝具をコレクションとして集めており、炭酸水を作り出す宝具や写真が撮れるカメラのような宝具を大金出して買ってたりする。
自分の時間を大切にしており、人の都合で振り回されることを嫌う。ましてや結婚なんてもってのほかと考える独身至上主義者である。しかし顔だけはイケメンであり、地位もお金もあるため常に独身の女性から狙われており気苦労も絶えない。
自分を大事にするが単に利己的な人間というわけでもなく、自分に非があると思ったときは謝罪したり、結婚する友人達に結婚指輪をプレゼントしたりと他人を気遣うこともできる。あと貴族なので必要であれば笑顔で女性と営業トークすることはできるが、内心嫌がっているためストレス負荷は高い。
前世での独身生活が長かったためかそれなりに料理が作れる。自宅で和食を作ったり、焼き鳥を焼くのが密かな楽しみ。
ジルク工房
ルーレン家
- イリア
- ジルクの妹。感情のままにジルクの邪魔してくる厄介者である。以前ジルクの自宅にある魔道具と宝具を無断で触って壊して以来出禁となっている。娘を持つ既婚者であり、どや顔でマウントとってジルクに結婚を勧めてくるうざい人。でも本当は兄のジルクに相手してほしい構ってちゃんである。
- ルードヴィッヒ
- イリアの夫。ジルクの友人でもあり義理の弟でもある。ルードヴィッヒが恋人欲しいとうるさかったので妹のイリアを押し付けたら結婚してしまった。結婚できたことに喜んでいる反面、気軽に飲みに行けなくなったことを嘆いている。
- アルト=ルーレン
- ジルクの弟。ジルクがルーレン家を継がなかったせいで代わりに継ぐことになってしまい社交界や領地経営にと面倒事を押し付けられてしまった苦労人である。ジルク工房にきた魔道具製作の依頼を下請けとしてルーレン家の工房に丸投げされたりもしている。さすがのジルクも申し訳ないと思っているらしく、弟のアルトの頼みを(できる範囲で)請け負ったりしている。
友人
- エイト
- 冒険者。ジルクが湖で燻製を作っていたらその匂いにつられてエイトがやってきてそのまま友人になった。
そっけないジルクとも馴れ馴れしくできるぐらいコミュ力が高く、よくお互いの食べ物や酒を交換したりする。仲良くなれたのは同じく自分の自由な時間を愛する仲間だからかもしれない。
その後同じ冒険者仲間のマリエラと結婚したが、その後も自由を大切にする生き方は変わっていない。
- マリエラ
- エイトの冒険者仲間。エイトに片思いしており、無理に迫って付いてきたところをジルクと出会う。
ジルクにエイトと仲良くなる方法を相談したら相手を束縛したり求めすぎたりせず適切な距離感を保つよう助言を受ける。
それを受けてマリエラが無理に迫らなくなったのでエイトと自然体で仲良くなることができ結婚することができた。結婚後もエイトに一人の時間を与え束縛しないようにしている。
- レナード=アクウィナス
- 服飾ギルドを運営して、王都の服飾関係を一手に牛耳っているアクウィナス家の当主であり、ジルクの悪友。自身もまた服飾デザイナーとして有名である。オネエ口調が特徴。
厳密には独身主義者ではないが男色の気があり周囲から理解されないため独身となっている。
女性には異性としての興味はないがモデル映えする綺麗な女性には興味があり、気に入った女性を何十もの衣服店に連れまわし着せ替え人形にしている。これで泣かされたモデルの女性は数知れず。
- グレアス=レクスオール
- 茶色い髪をオールバックにしており、野性味のある顔立ちをしている魔剣鍛冶師。こちらもジルクの悪友の一人。
レクスオール家だけに伝わるスキルのお陰で精霊や英霊の魂と会話することができ、魔物の大群をたったひと振りで薙ぎ払える程の協力な魔剣を作ることができる凄腕の鍛冶師だが、精霊から婚約者の暗い胸の内を聞いたことで女性不信に陥る。以後独身を貫いており、鍛冶に身を捧げている。
近隣の知り合い
- カタリナ=マクレール
- 本作のヒロイン…ではなくクレイマー枠。マクレール家の次女で、王都にある管弦楽団のヴァイオリニスト。ジルクが住んでいるアパートの隣に住んでいる。
ジルク工房に一方的に魔道具の要望書を送り付けるもののそれに興味のないジルクからはクレーマー扱いされ無視されている。
作曲に行き詰っていたカタリナはある晩にジルクが鼻歌で前世の地球の歌を歌っているのを部屋越しに聴き、それをアレンジして盗作作曲した。その曲はコンサートで発表され高い評価を得たのだが自分本来の才能では満足な曲を作ることができなかったので以後ジルクをストーキングしてジルクの鼻歌を盗み聞きする。
しかし、偶然ジルクと鉢合わせたことでストーキングがばれてしまい衛兵に通報されそうになるが、【音の箱庭】(サウンドガーデン)という録音機能付き音楽プレイヤーのような宝具を差し出すことで前世の歌を教えてもらう取引をする。
以後は隣に住んでるためかカタリナから気軽にクレームがくるようになる。
- エルシー
- 裏路地の地下でバーを営むエルフの女性。当初ジルクはガールズバーと誤解していたが、バーテンダーとしての腕は確か。以後ジルクはエルシーのバーの常連となる。
ジルクが作った燻製料理と引き換えに清酒を販売している店を教えてもらう。
- ノイド
- ロンベルの喫茶店の常連客。その正体はブレンド伯爵家の執事。自身もコーヒー愛好家であるが、主人のブレンド伯爵もまたコーヒーを愛用している。ジルクとは喫茶店で知り合い、その縁でコーヒーミルをジルク工房に大量発注する。
- ホムラ
- 日本に酷似した極東の国の人。極東の酒や食材を販売している「東屋」の店主。一見さんお断りの店だが、エルシーの紹介で購入する。しかし、その際ジルクに金の暴力で上等の清酒や酒器、米や味噌、醤油まで根こそぎ買われてしまったことからホムラからジルクが極東人ではないのかと疑われてしまう。
関連リンク
関連項目
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- 0pt