「閲覧中のところすまないね・・・ 今、記事を作成中でね・・・」
「こんな話題性のない会話の記事を、かい?」
「プレミアム会員だから、な・・・」
「・・・ああ、その、なんだ・・・」
「なにか?」
「いや・・・その、参考までに聞きたいんだが、ちょっとした個人的な好奇心なんだが、
納得のいく記事が作れなかったらどうするつもりだい?
こんな主人公でも宿敵でもない奴らの記事、誰も見に来ないかも・・・
いや、それよりも作り上げたとして、なんらかの仕様が変更されて記事が壊れたとしたら?
あんたはどう思って・・・ そんな苦労をしょいこんでいるんだ?」
「・・・そうだな、わたしは『結果』だけを求めてはいない。
『編集者になる』という『結果』だけを求めていると、人は立て逃げや蛇足をしたがるものだ・・・
近道した時、真実を見失うかもしれない。 やる気も次第に失せていく。
大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、
たとえ今回は完成しなかったとしても、いつかは
本当の完成へと辿り着けるだろう? 真実へ向かっているわけだからな・・・ 違うかい?」
「真実に向かおうとする意志」とは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場した台詞である。[1]
第5部「黄金の風」で登場する「吐き気を催す邪悪」と並ぶ名台詞として有名。
「真実へ向かう意志」「真実に向かう意志」と表記される事もある。
概要
アバッキオこと「レオーネ・アバッキオ」の『元同僚警官が発した台詞』であるが、まずはアバッキオの生い立ちを知る必要がある。
子供の頃から正義感に溢れていた彼は、高校卒業後に警察官となる。しかし、職務をこなしてくうちに「命をかけて守っている大衆が、自分達の目を盗んで悪事を働く」「命がけで悪人を捕まえても、社会はカネさえ積まれればその悪党を寛大にも釈放してしまう」といった社会の矛盾に気づき、自らも賄賂を受け取る事で犯罪者を見逃すようになってしまう。
ある晩、老人宅に強盗が入ったと知らせを受け先輩警官と共に駆けつけたアバッキオ。そこでかつて自分が賄賂を受け取った犯罪者と再会。犯人は「自分を逮捕すれば、アンタが賄賂を受け取っていた事も明るみになるぞ」と言葉をかけアバッキオが怯んだ隙に発砲。先輩警官はアバッキオを庇い殉職してしまう。
この一件でアバッキオは汚職警官として罰を受けただけでなく、自らが原因で同僚を死なせるという一生外す事のできない十字架を背負い、身も心も暗黒へと堕ちていく。
やがてアバッキオはブチャラティと出会い、ギャング組織に身を置く形で彼らの仲間に加わる。その後、同組織を裏切ったブチャラティ達と共に、ボスの正体を暴くために行動。ボスの故郷とされるサルディニア島へ行き、自身のスタンド能力「ムーディー・ブルース」でボスの過去の姿を再現しようとするも、あと一歩のところでボスの手にかかり力尽きてしまう。
だがその次の回では、絶命したはずのアバッキオがケガも完治した状態でどこかのオープンカフェで食事をとっていた。そこで警察官が殺人事件の証拠品を探しているところから、このエピソードが始まる。
(ビン捨て場のガラスくずを眺めながら)「そんな中から、探す気かい?」
「仕事だから、な・・・」
「・・・ ああ、その、何だ・・・」
「何か?」
「いや・・・その、参考までに聞きたいんだが、ちょっとした個人的な好奇心なんだが、
もし見つからなかったらどうするんだい?「指紋」なんて、取れないかも・・・
いや・・・それよりも見つけたとして、犯人がずる賢い弁護士とかつけて無罪になったとし
たら。あんたはどう思って・・・そんな苦労をしょい込んでいるんだ?」「そうだな・・・ わたしは『結果』だけを求めてはいない。
『結果』だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ・・・
近道した時『真実』を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。
大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・違うかい?」「うらやましいな・・・ 以前オレは・・・警官になりたいと思っていた・・・
子供の頃から・・・ずっと、立派な警官に・・・なりたかったんだ・・・。
かつてあんたのような『意志』を抱いていた事もあった・・・でもだめにしちまった・・・
オレって人間はな・・・くだらない男さ、何だって途中で終わっちまう。
いつだって途中でだめになっちまう・・・」「そんな事はないよ・・・アバッキオ」
「え?・・・」
「お前は立派にやってるじゃあないか・・・『意志』は同じだ・・・
お前が警官になったばかりの時抱いていたその『意志』は・・・今・・・
お前のその心の中に再び戻っているのだよ・・・アバッキオ」「なんでオレの名を・・・知っているんだ?
・・・そういや・・・あんた・・・前にどこかで会った事が・・・ある」「どこに行くんだ、アバッキオ?」
「あのバスに乗るんだ・・・思い出してきた・・・そうだ!!
もう行かなくては・・・オレは仲間の所に戻らなくては・・・!!」「忘れたのかアバッキオ!?お前はあれに乗ってここに来たのだ。
ここは終点なんだ・・・もう戻る事はできない」
その後、舞台は現実世界の、アバッキオの死体を見下ろすジョルノ達へと移っていく。
無駄死にと思いきや、アバッキオは死の直前にボスの素顔のリプレイをすんでのところで完了しており、それを残された仲間達に託すことができた。その意志が元となって、ブチャラティ達は心境も一転しボスの素性を追うために行動を開始するのだった。
アバッキオはあの世で再会した同僚警官が自分を少しも恨んでいないばかりか、アバッキオが「真実に向かおうとする意志」に基づいて行動し続けたことを誇りにさえ思っているという彼の真意を知った事で重い十字架から解放され、天へと昇っていった。
アバッキオ
おまえはりっぱに
やったのだそしておまえの
真実に
『向かおうとする意志』は
あとの者たちが感じとって
くれているさ大切なのは…
そこなんだ
からな……
組織のボス、ディアボロのスタンド能力『キング・クリムゾン』は「時間を消し飛ばして結果のみをこの世界に残す」能力であり、転じて「真実を否定する事で絶頂であり続ける」能力といえる。その「結果のみを追い続ける」ボスを「真実に向かおうとする意志」を持つ主人公たちが倒しにいく構図は、同僚警官の台詞・存在がアバッキオを通してストーリーの中にも生きている事を実感させた事だろう。
(尚、ディアボロの最期はジョルノが新たに覚醒させた力『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』に倒された事で「死ぬ」という真実に永遠に辿り着けないまま、何度も無限に繰り返し死に続けるという壮絶な末路を辿っている。きっと今日も死に続けている。)
「真実に向かおうとする意志」がクローズアップされている作品など
「目先にぶら下げられた結論や偽りのゴールに飛びつく事なく、真実を探求する」というテーマは本エピソードに限らずミステリー・サスペンス・探偵(刑事)などを題材とした多くの作品で用いられている。
- ジョジョの奇妙な冒険(全編)
台詞として「真実に向かおうとする意志」が出てきたのは第5部であるが、それ以前・以降のパートでも「真実に向かおうとする意志」らしき思考や行動はストーリーの所々で確認できる。 - DEATH NOTE
Lの後継者としてキラを追い続けるニア達。「キラ容疑者である夜神月と魅上照を殺害せずに、犯行現場と真実を公にした上で事件を解決する」という信念の元に月と頭脳戦を展開、最後は様々な要素が絡み合った結果月と魅上のキラとしての犯行と証拠を白日の下へ曝け出させ、事件を解決してみせた。 - るろうに剣心
雪代縁の策略で大切な存在を2度も失い、絶望の底へ落とされ無気力と化した剣心だが、燕の助けを求める声と謎の老人・オイボレに背中を押された事で、「自分にとって捨てることができない唯一の真実」に気づいた剣心は逆刃刀を封印していた鎖を自らの迷いと共に破壊、復活を果たす。 - ペルソナ4
終盤にかけて発生する数々の衝撃展開の行く先、ストーリーが最終的に「まやかしの出口」へ辿り着いた末のバッドエンドとなるか、それとも目先の決着に惑わされず「真の事件の決着」というトゥルーエンドに辿り着くかは、プレイヤーの「真実に向かおうとする意志」にかかっている。 - >>3が理解できることが不幸(ニコニコ大百科)
掲示板に現れた>>3のレス「>>5719757」という『真実』へ辿り着くため、彼らは長い長い旅路を完走すべく支援し続けていたが、2021年4月についにその真実へ到達できた。
関連動画
真実から作られた誠の「大百科記事」は、決して滅びはしない!
- ジョジョの奇妙な冒険 関連項目一覧
- ジョジョの奇妙な冒険
- 黄金の風
- レオーネ・アバッキオ
- 黄金の精神
- 吐き気を催す邪悪
- 運命の奴隷(眠れる奴隷)
- ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム
- 勝てばよかろうなのだァァァァッ!!(対義語)
脚注
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