『ポケットモンスター』シリーズには、多種多様なポケモンが登場する。その中には、進化すると四足歩行から二足歩行に変わる種がいる。例えば、ニドラン♀、ニドラン♂がニドクイン、ニドキングになったり、サイホーンがサイドンになったり、ココドラがボスゴドラになったり、ニャオハがマスカーニャになったりすると立ち上がるわけである。四足歩行が二足歩行になることで「前脚」ではなく「腕」としてより高度なことができるようになるため、進化という意味合いではわかりやすい表現であるともいえよう。
しかしポケットモンスターでは面白いことに、進化することで逆に二足歩行から四足歩行に変わる種もいるのだ。ということで本項『進化すると二足歩行から四足歩行になるポケモン』ではそのような系統を解説していこう。
以下、項目名の赤字は「四足歩行」であることを示すものとしよう。
【052】ニャース→【053】ペルシアン
第一世代『赤・緑』で登場した猫のポケモンで、ロケット団の一員として長きにわたりレギュラー出演を続けている悪役のマスコットとなったニャース。我らがピカチュウ (ねずみ) との対比は古き良きライバル関係を思わせよう。
そんなニャースだが進化すると四足歩行のスマートなペルシアンとなる。分類も「ばけねこ」から「シャムネコ」となるなどニャースのときに見られた「モンスター」感が薄れたデザインとなる。
後に第七世代『サン・ムーン』でリージョンフォーム (アローラのすがた) のニャースも登場した。アローラニャースもやはり進化すると四足歩行のアローラペルシアンに進化する。 そして第八世代『ソード・シールド』でもリージョンフォーム (ガラルのすがた) のニャースも登場したが、なんとガラルニャースはペルシアンではなく、ニャイキングに進化。こちらでは二足歩行のまんまであった。
【194】ウパー (パルデアのすがた)→【980】ドオー
第二世代『金・銀』から登場していたウーパールーパーのポケモン、ウパー。第九世代『スカーレット・バイオレット』ではパルデア地方に適合したパルデアのすがたとしてリージョンフォームを獲得した。こちらは原種と異なりヌオーではなくドオーに進化するが、ドオーはウパーをのせて沼を泳ぐために腹這いの体勢に進化する。もちろん水上だけでなく陸上でもこの体勢になるのだが、歩くのは苦手なのか跳ねるようについてくる。かわいい。
【216】ヒメグマ→【217】リングマ→【901】ガチグマ
第二世代『金・銀』から登場していた熊のポケモン、ヒメグマとリングマ。デフォルメされたテディベアのようなヒメグマはともかく、普通の熊をモチーフにしたリングマも基本的には二足歩行で立って移動することが通例であった。
しかし『Pokémon LEGENDS アルセウス』において、過去の世界のリングマのさらなる進化系としてガチグマが登場。このガチグマはリングマ以上の怪力を誇るようになった上、耐久性も上がっているが、代わりに四足歩行となりより本来の熊の生態に近づいた。一応、威嚇行動時には立ち上がることはできるらしい。作中では主人公を載せてダウジングマシン代わりに移動することが可能。
第九世代『スカーレット・バイオレット』のDLC前編『碧の仮面』では「赫月」というガチグマの特殊個体が登場したが、こちらは二足歩行を行う。
【258】ミズゴロウ→【259】ヌマクロー→【260】ラグラージ
第三世代『ルビー・サファイア』で登場したぬまうおポケモン。ミズゴロウは英語圏のネットスラング『I herd U liek Mudkipz.』として有名であり、ヌマクローは『ヌマクロークソコラグランプリ』、ラグラージは『キモクナーイ』とやたらネットスラングに縁のある系統である。
そんなミズゴロウ系統だが、ヌマクローに進化すると一度立つが、ラグラージに進化することで再度四足歩行に回帰する珍しい系統となっている。一応ラグラージは立つこともできる模様だが、戦闘中の待機姿勢や図鑑説明から四足歩行が通常の姿勢であることが明かされている。
【371】タツベイ→【372】コモルー→【373】ボーマンダ
第三世代『ルビー・サファイア』で登場した、大空を飛び回ることを夢見るタツベイ。進化すると殻に身を包んだコモルーとなり、そこからボーマンダに進化することで空を飛べるようになる。タツベイ時には二足歩行だったが、コモルー以後は四足歩行となっている。特にボーマンダの場合、飛んでいないときは四足で立つほうが収まりがよい体型に進化している。なおメガボーマンダにメガシンカすると足が折りたたまれて、飛べるようになればなるほど手足が退化する模様。とはいえ、古代のボーマンダであるトドロクツキはしっかり腕があるため、時代を減るごとに手 (前脚) を使わない生態になっていったのだろう。
【501】ミジュマル→【502】フタチマル→【503】ダイケンキ
第五世代『ブラック・ホワイト』から登場するラッコポケモン、ミジュマル。進化すると鰭脚類の海驢・膃肭臍・大獺の意匠を混淆させたサムライポケモンのダイケンキとなる。しかし、このダイケンキになったタイミングでまさかの四足歩行へと進化するのである。しかし四足歩行にもかかわらず、もともと二足歩行であった故か前脚で鎧となっている「アシガタナ」を抜刀し一振りで相手を切り捨てることが可能となっている。
後に『Pokémon LEGENDS アルセウス』でも登場し、こちらではリージョンフォーム (ヒスイのすがた) のダイケンキも登場。ヒスイダイケンキもやはり四足歩行で、黒く染まったアシガタナを手に取り、こちらは千重波に例えられる連撃で切り刻む。
【509】チョロネコ→【510】レパルダス
第五世代『ブラック・ホワイト』で登場した猫ポケモン。第五世代時点ではドット絵で座っているグラフィックであったため勘違いされやすいが、チョロネコはニャースのように二足歩行するポケモンである (一応、本気で走る場合は四足歩行も可能) 。だが進化するとニャース同様四足歩行のレパルダスに進化する。
【909】ホゲータ→【910】アチゲータ→【911】ラウドボーン
第九世代『スカーレット・バイオレット』で登場したワニポケモン。同期のニャオハが散々立つな立つなと言われながらも立ち上がったのに対して、なんとホゲータは最終進化で伏せたのであった。
ただし専用技「フレアソング」の際には立ち上がっていたりはする。四足歩行はほのおタイプの御三家では初。ちなみにワニの先輩であるオーダイル、ワルビアルは二足歩行であり、オーダイルは設定状は四足歩行もするようだがメディアミックスで四足歩行が描かれたケースは少ない [1]。このためワニノコ系統は本項では触れていない。
番外:【948】ノノクラゲ→【949】リククラゲ
第九世代で登場したメノクラゲのそっくりさんである、ノノクラゲ。進化することで触手が二本から十本に増え、それを足として歩き回ることができる。つまり二足歩行から十足歩行となるわけだが……でもこいつら菌糸モチーフだしなあ。
関連リンク
関連項目
脚注
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