「野口 竜」とは、東映の特撮ヒーロー番組において、キャラクターデザイン・イメージデザイン・アイキャッチイラスト・マットアート等で昭和特撮の歴史に多大な貢献を残した絵師である。
上原正三「鬼気迫る絵師が一人いる」
概要
石ノ森章太郎のアシスタントを経て「のぐち竜」名義で漫画家デビューし、特撮ヒーロー番組のコミカライズ中心に漫画家として活動した。
その後、特撮ロボット番組「スーパーロボットレッドバロン」のキャラクターデザインやマットアートを担当し、東映初の八手三郎原作の「ザ・カゲスター」では、従来のヒーローとは違った斬新なデザインにしたと言うエキセントリックなキャラクターデザインにその能力を発揮し、漫画家から特撮TV番組のデザイナーへとシフトチェンジした。
円谷プロの「恐竜大戦争アイゼンボーグ」にメカニカルデザイン担当として参加した後は、東映の特撮TV番組を中心にキャラクターデザイナー・イラストレーターとして活動し、スーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズを支えた。
「電子戦隊デンジマン」でキャラクターデザインを担当したベーダー怪人は、左右非対称と言う大きな特徴を活かして、石ノ森章太郎テイストを逸脱したスーパー戦隊シリーズ独自の怪人の路線を作り上げたと高い評価を受け、続く「太陽戦隊サンバルカン」では有機物と無機物の融合というブラックマグマの機械生命体のデザインコンセプトを見事に昇華させて、30年以上の永きに渡り続くことになるスーパー戦隊シリーズ黎明期を支えた。
「宇宙刑事ギャバン」から始まるメタルヒーローシリーズでもその才能を如何なく発揮し、特にバリ島の仮面テイストに様々な相反する要素を注ぎ込んで生み出した「宇宙刑事シャイダー」の不思議獣には、野口竜のエキセントリックかつ自由奔放さにあふれており、80年代前半を代表するキャラクターデザイナーの一人となった。
キャラクターデザイン以外にも、マットアートと呼ばれる背景画や番組中のアイキャッチイラストを担当してスーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズの世界観の構築と拡大に貢献し、70年代に東映の等身大特撮ヒーローを生み出した師:石ノ森章太郎に対して、80年代に東映の特撮TV番組の方向性そのものを新たに切り拓いていったとして評価されている。
90年代に入っても、「鳥人戦隊ジェットマン」にて万物に次元虫が融合して生まれるバイラムの次元獣のデザインや、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」にて独特のファンタジー感を提示したドーラモンスターのデザインを担当した他、アイキャッチイラスト・イメージボード・美術デザイン等の面で東映特撮TV番組を支え続けた。
90年代後期には、当時カプコンに所属していた「岡本吉起」が立ち上げたゲーム会社フラグシップに、東映特撮TV番組の常連シナリオライターであった「杉村升」「曽田博久」「上原正三」「高久進」「宮下隼一」「鷺山京子」らとともに参加し、「鬼武者」や「バイオハザード」にてクリーチャーデザインや美術デザインを担当した。
2000年代以降は、体調を崩した事もあってスーパー戦隊シリーズのイラストを中心に活動していたが、68歳の誕生日を迎えた翌日2012(平成24)年1月2日にその生涯を閉じた。東映の特撮ヒーロー番組を支えた功労者の死に、多くの関係者がその死を悼んだ。
遺作は、野口竜の死後に劇場公開された「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」の魔空監獄のイメージデザイン。
主な参加作品リスト
キャラクターデザインキャラクターデザイン・イラストイラスト |
メカニックデザイン美術デザインTVゲーム漫画 |
※その他の出演作品については wikipediaの関連項目参照
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