SOLAR LINEとは、ゆえぴこ氏による動画シリーズ。2025年8月からニコニコ動画及びYoutubeで投稿が開始された。2025年12月現在3話まで公開中。
概要
自作の3Dモデルを駆使してのソフトウェアトーク劇場、プレイしたゲームの内容を動画で再現するソフトウェアトーク遊劇場の動画シリーズで知られるゆえぴこ氏によるスペースオペラを題材にしたSFドラマ。
主人公には「きりたんが主役のSFを作りたくて作りました」との言葉により東北きりたんが抜擢され、宇宙でフリーの運び屋を営む主人公が受けた仕事を切っ掛けにして巻き込まれた出来事を描く。
元々はギャグ調の動画シリーズだったどうしようもないソフトウェアトーク劇場シリーズから派生した日常系の動画シリーズ「良いソフトウェアトーク劇場」の中の1本として発表され、後に単独のシリーズとして独立した。その経緯もあってか現在も動画タイトルにも「良いソフトウェアトーク劇場」のシリーズ名が付いたままになっている[1]。
当初は全4話を予定していたが、3話が投稿されたところで5話以上に話が伸びている。人物だけではなく宇宙空間やそこで活躍する宇宙船など制作にはかなりの時間がかかるようで、投稿は不定期。また10月からは「大統領りりせ」以来のソフトウェアトーク遊劇場シリーズとなる「全体的に厳しいNewCycle」の投稿が始まり、並行して制作されている。作者によると「信じられないほど編集に時間かかりますので,続きは次の3連休をお待ちください」とのことで、今のところ第1話を含めすべての話が3連休の時に投稿されている。
あらすじ
登場人物
- 主人公
- 演 - Voicepeak 東北きりたん
- 今作の主人公。火星を中心に仕事をしているフリーの運び屋。火星から木星圏のガニメデへの特急の仕事が舞い込み、それを多額の報酬と引き替えに受けたことにより今回の事件に巻き込まれた。
- 職人気質の技術屋で、皮肉屋。細かいことを気にする繊細な性格かつクールな物腰をしているが、「船は夢が動かすんだよ」と述べるなどロマンを優先する感覚派の船乗りでもある。
- 火星港湾公社に所属しつつも単独で仕事を請け負っており、その事情もあって普通の運び屋が請けないような仕事が持ち込まれる。今回のガニメデへの仕事もそのひとつ。
- 父親はかつて火星からガニメデへの到着時間を短縮する為「嵐の回廊」と呼ばれる航路を切り拓き、本人もその危険な回廊で一度も事故を起こさず仕事をしていた凄腕の運び屋だった。今回の仕事を引き受けたのも嵐の回廊に行けることが理由の一つになっている。
- 命からがらガニメデにたどり着くことに成功したが、積み荷の内容のせいかガニメデに入港できず、途方に暮れていた所で何者かが置いていたビーコンから得た手掛かりを基に天王星の衛星であるタイタニアを目指すことにした。
- ケイ
- 演 - Voicepeak 女性4
- 主人公の貨物船のサポート用アンドロイド。船の管理、操縦の大部分を担っている。宇宙船のクルーに見えない薄手の部屋着のような服装をしている。
- 現実的な性格であり、なにかと思い切りのいい判断をする主人公に突っ込みを入れているが、最終的にはその無茶な判断に沿った航路計画を立案する優秀なナビ。
- 火星の「アレイ研究所」の心理安定モデル研究の結果生まれた「非対称AI」で、人間の癖を観察して補正することを目的として生み出された対話型の人格を持つ。その為か主人公の言葉を全肯定することは少なく、皮肉や現実に引き戻すような言葉を返すことが多い。咄嗟に返す時のユーモアのセンスも高い。
- 中盤以降は自身が何者かの企みの為に主人公を天王星に誘導しているのではないかと疑い始めた。またセイラ曰く地球が持つ全民間宇宙船のシステムを停止できる「鍵」の影響を受けないなど、普通の航法支援AIの常識から外れているという謎を持つ。
- 積み荷の少女
- 演 - ??
- 第2話から登場。主人公の船に「積み荷」として搭載されていた天王星人。
- 物語のキーパーソンにして、多くの秘密を握っている。
- 追っ手を振り切るための策の1つとして積み荷のコンテナを捨てる際にスリープから目覚めさせられた。目覚めた当初は共通語を話せないかのように振舞うなど、地球圏の人間を警戒するそぶりを見せた。
- リア・オルフェウス
- 演 - ??
- 火星港湾公社所属の主人公の同業者。腐れ縁の知人。主人公出港後に火星圏が騒がしくなったことから主人公の運ぶ積み荷が生きた人間であると気付き、通信で教えたうえ、何とか逃げるように助言した。
- 現在は主人公を助けるべく火星から自分の船で追いかけているが、主人公の船が相次いで難しい航路を進んだせいで大きく距離を離され、木星圏のあたりで見失ってしまっている。
- ミューズ
- 演 - ??
- 第3話から登場。
- リアの貨物船のサポート用アンドロイド。ケイと同じく薄手の部屋着のような服装をしている。
- セイラ・アンダース
- 演 - ??
- 第3話から登場。国際連合・軌道港湾機構に所属する弁務官。保安艇エシュロン所属。
- 主人公とその積み荷を地球から追いかけている。木星で主人公が廃棄したコンテナを回収していたリアを補足し、その航法記録から木星以降の行方が分からないケストレルの位置を探そうとしている。
- エンケラドゥス・リレーの少女
- 演 - ??
- 第2話に登場。国際連合・火星自治連邦保護領になっている土星圏のリレー基地を一人で維持する職員。エンケラドゥスの基地はかつては十数人の職員がいたが、基地の設備の自動化と補助金が切られたことで彼女1人を残して引き上げることになってしまった。
- 家族の借金による契約で他の場所に行くことも出来ず、同じ外縁でも豊富な資源を持ち、内縁に対して行動を起こそうとしている木星圏の住人を羨んでいた。
用語
Kestrel
| Kestrel ケストレル |
|
|---|---|
| 登録名 | MPA-MC-SCV-02814 |
| 登録港 | 火星中央港(火星港湾公社) |
| 船種 | 小型貨物船 |
| 最大質量 | 約48,000トン |
| 全長 | 42.8m |
| 主機 | TSF-43R「オリオン・マイクロパルサー」 D–He³核融合パルス推進炉 |
| 巡行出力 | 約9.8メガニュートン |
| 最大出力 | 約10.7メガニュートン(110%) |
| 装甲 | 多層磁化チタン合金(Mag-Plate) 放射線磁気シールド |
| 航法支援 | CENI-05 “NAVIS”〈ケイ〉 |
主人公達の母艦であり、彼女たちの運び屋家業を支える小型貨物船。貨物船としては小型で内装も無骨だが、複数の生命維持装置の組み合わせにより長期航行にも耐えることができる[2]。
船体の骨格に高延性複合フレーム、磁気ダンパ支柱による応力逃がし構造という珍しい構造を採用しているが、推進時に骨格が歪み、磁気ノズルが最大3%ズレるという弱点を抱えている。主人公はこれをあくまで船の「癖」として扱い、惑星に近づく際に重力によって引き付けられる潮汐力を受けて船体が震えることを「船が泣いている」と表現するなど、船の個性として受け止めているが、操縦に関してはこういった挙動は航法支援システムのケイによって補正されなければ飛ばせない為、貨物船としてはまともな運用は出来なくなっている。
元々は火星港湾公社が高速配送の実験の為に建造した試験船で、その時は「Type-MF-03」と呼ばれていた。しかしテスト中に前述の構造の歪みが判明し、正式な採用は見送られた。その後主人公の父がそのテストパイロットだった縁で払い下げを受け、改修した上で貨物輸送に使われていた。その頃は木星圏で活動し、後に主人公に受け継がれ、主人公によって更なる改装が施されて今に至っている。
高速輸送の実験船ということで船足は早いが、出力を最大にしての急加速は船の寿命を縮める他、冷却のために48時間程度行動できなくなってしまう。
惑星圏
作中の太陽系ではそれぞれの惑星ごとに「港湾圏」と呼ばれる物流単位を持ち、港湾圏を取り仕切る「港湾公社」が強い権力を持つ。宇宙を航行する者にとっては港湾公社が実質的な国家として描かれている。
- 火星圏
- 主人公達の本拠地。連邦制国家である「火星自治連邦」が治めている。宇宙での問題を扱うのは「火星港湾公社」。
- 自立心が強い気風を持ち、地球に対抗心を持つ。
- 土星圏に強い影響力を及ぼしている。
- 木星圏
- ガス惑星である木星の代わりに代表的な衛星であるガニメデ、カリスト、エウロパ、イオを中心とした衛星連邦国家「木星軌道連合」が治める。主要な星はガニメデ。
- 木星圏の「木星港湾公社」は各衛星の港湾公社の寄り合いであるため、各星で規則がバラバラなことが多い。
- 太陽系で最も資源を産出しているのにもかかわらず地球や火星から圧力を受けて国際社会では格下扱いされていることが多く、その為木星圏の住人たちの地球・火星への反感は強い。
- 地球圏
- 宇宙進出前から存在していた「国際連合」がそのまま統治を担う。
- かつて宇宙開発の過程で民間の事故や責任の所在について混乱が起きたため、それを解決するために国際連合内に「地球軌道港湾機構」を設立し、規格と安全基準を作り上げた。
- 他の星系に対しては最大の人口と経済規模を背景に強い影響力を及ぼしている。
- 土星圏
- 地球と火星による半植民地的な星系。「土星港湾公社」は名ばかりの存在で、その実地球軌道港湾機構が監査、火星港湾公社が現場を仕切っている。
- 港湾税が滞在期間で計算されるため、フリーの船乗りからは修理や補給くらいしか立ち寄れない場所として扱われている。
- 天王星圏
- 土星圏では名目上存在していた中央政府すら存在しない辺境地域。「天王星自由港機構」という名前の自由港が存在し、他の場所では違法な物も扱うアウトローな場所。共通語はエスペラント語。
- 地球や火星からは国家として扱われておらず、土星圏までは存在するナビゲーションの多くが無くなり、航路から1度でも外れてしまうと復帰する難易度が跳ね上がる。
その他の用語
- 嵐の回廊
- かつて主人公の父が切り拓いた火星圏から木星圏に至る航路の1つ。
- 木星の重力圏に落下した上で重力嵐を突っ切り、イオの重力を使ってガニメデまで強引に進むルートで、無事に抜ける猶予が数時間しか無く、タイミングを逃すとそのまま木星に落下してしまう。
- まともな周回航路に比べて14時間の時間短縮が出来るものの、あまりにも危険な為割に合わないとして現在では原則使用禁止になっている。
- 主人公の父はこのルートを編み出しただけでなく1度も失敗することなく航海を成功させていた。
作者であるゆえぴこ氏のnote
には、他にも劇中で明らかにされなかったものを含めた詳細な設定が公開されている。
各話リスト
| 話数 | 動画 | 投稿日 | ||
|---|---|---|---|---|
| 01 | 2025年8月11日 (山の日) |
火星圏 | ||
| 02 | 2025年9月15日 (敬老の日) |
木星圏 | ||
| 03 | 2025年11月4日[3] (文化の日) |
土星圏 |
関連シリーズ
関連リンク
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 5
- 0pt


