アイヴァー(Ivar)とは、2016年生まれのブラジル生産のサラブレッドで、アルゼンチンとアメリカで競走馬生活ののちに、現在はアルゼンチンで種牡馬となっている馬である。
なおデビュー時及びアメリカに移籍してしばらくの間はポルトガル語読みで「イヴァール」とされていたが、2020年秋以降は英語読みで「アイヴァー」と読むのが主流となっている。
このため当記事では2020年秋までイヴァールと表記し、それ以降はアイヴァーと、両表記を混在させることを留意願いたい。
※また「va」の部分は日本では報じるメディアや時期で「バ」「ヴァ」と揺らぎが生じている。
主な勝ち鞍
2020年:グラン・クリテリウム(亜G1)、エストレージャス・ジュベナイル(亜G1)
2021年:シャドウェルターフマイルステークス(米G1)
2016年10月4日にブラジルで産まれた牡馬のイヴァールは、父アグネスゴールド(Agnes Gold)、母May Be Now、母父Smart Strikeという血統である。
父アグネスゴールドは日本で走っていた馬で2001年のスプリングステークスを制したが、引退後アメリカ経由で現在はブラジルで繋養されている。
母May Be Nowはブラジルの重賞マルシアーヌ・A.モレイラ大賞(GII)を勝利している。母父Smart Strikeは8戦6勝(うちハンデGI2勝)で、2007・08年の北米リーディングサイヤーである。
2019年5月19日にアルゼンチンのサンイシドロ競馬場でデビューし、最後の直線で一旦は外の馬に先頭に立たれるものの、内から伸びて2馬身差ほどつけて勝利した。
続いて2戦目は5月25日の2歳GIグラン・クリテリウム(芝1600m)に出走し、1:38.07のタイムで6馬身差をつけ圧勝した。
その後3戦目は6月29日に、同じアルゼンチンのパレルモ競馬場で行なわれた2歳のGIエストレージャス・ジュベナイル(ダート1600m)に出走。これも2着に6馬身差の圧勝とした。
芝ダート共に6馬身差だったのだが、3戦目の勝ちタイムがダートで1:33.20と、とてつもないタイムを叩きだしている。
参考として日本のダート1600mだと、ルヴァンスレーヴが保持する2歳レコード1:36.2、クロフネが3歳時に武蔵野ステークスで記録した1:33.3のレコードをも上回っているのである。後者はアルクトスが2020年のマイルチャンピオンシップ南部杯で1:32.7を出して更新したが、それでもかなり速めなのは間違いない。
もちろん馬場状態の違い等もあるのでタイムだけでは一概には言えないが、この結果で関係者はこれはこの国だけの馬で留めるのはどうなのか? ということになり移籍が決定。移籍の手続きや環境の変化に順応させるため、10ヶ月ほど休みをとって2020年の4月以降に移籍初戦を迎える見通しとなった。
2020年の4月にチャーチルタウンズ競馬場で移籍初戦を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響でアメリカの各地ではロックダウンや競馬開催の中止が起きた。
5月になりようやく無観客開催ながら移籍初戦を迎えたが、1年ぶりの出走、予定より1ヶ月のズレ等の影響もあってかいいところなく5着となった。
その後6月18日にアローワンスに出走し、逃げの手を打って4コーナーでは後続を引き寄せ、直線で突き放して移籍後初勝利を飾った。
次走は9月になったのだが、この間に発音がイヴァールからアイヴァーに変わった。
(これより後は特記を除いてアイヴァーと表記)
9月8日のリステッド競走で11頭中3着のあと、10月4日のキーンランド競馬場のシャドウェルターフマイルステークス(GI)に出走した。アメリカに移籍後は目立った成績がないことからか9頭中7番人気と低評価であったが、後方から進むと直線で7番手から一気の追い込みを決め、アメリカでもGI勝ちを収めた。タイムは1:33:99であった。
アメリカの芝GIでも通用する事が分かり、次走はBCマイルと今後の活躍が期待されることになった。
11月8日にBCマイル(GI)に挑むことになったアイバーは11番ゲートに入り、前走の勝ち方から1番人気に支持されることになった。向こう正面を7番手で進んで4コーナーで5番手に上がり、そこから抜け出すかと思われたが、最後は人気薄のオーダーオブオーストラリアの4着止まりであった。しかし大敗ではないため、この先のレースでも期待が持てる内容であった。
2021年になり初戦は5月のオールドフォレスター・ターフクラシックステークス(G1)であったが6着であった。
その後間隔が開き10月10日の(現地では9日)キーランドターフマイルステークスに出走した。このレースはレース名が変わっているものの1年前に勝利したレースで連覇を目指していた。
レースは同じアグネスゴールド産駒のインラヴが勝利した。アイヴァーは直線で他馬に進路を狭められる不利を受け4着であった。4着であったが大崩はしなかったこともあり2年連続でBCマイルに向かう予定との事である。
その予定通りBCマイル(GI)出走となった。この年は日本からヴァンドギャルドも参戦していたこともあり馬券の発売、中継放送もあるレースとなったが、昨年のBCマイル4着の実績はあったものの日本の馬券の単勝人気は11番人気31.3倍であった。
そのアイヴァーは14番ゲートとなった。小回りのデルマー競馬場では外枠は不利ではあるものの、アイヴァーは外枠での好走が多かったのでこの14番ゲートそこまで気にはならなかったようである。レースはスムーズライクストレイトが逃げ、2番手にスペースブルースが続く展開となりアイヴァーは中団の外を回る展開となった。3コーナー付近からマクリ気味で進出し最後の直線に向いたときは8番手付近であった。直線に向いてから加速はしてきたものの前にいたスペースブルース、スムーズライクストレイトに続く3着であった。
前目の先行が有利な展開で後方から追いこんでの3着であり力は示した形となった。
2022年も現役を続行となった。当初は4月から復帰の予定だったが調整の遅れ、軽度の外傷などいくつかの要因が重なり7月のリステッド競走で復帰となった。ここではG1を3勝している実力通り快勝し、復帰戦を飾った。このあとはチャーチルダウンズ競馬場のアーリントンミリオンS(G1)から秋のブリーダーズカップを目指すプランがあったが、9月のウッドパインマイルS(GI)に出走し2着となった。このレースはスタートで出遅れ気味で後方2番手になり、また最後の直線で一瞬他の馬に振られて接触する不利がありなかモダンゲームズ(Modern Games)の2着となった。
続いての10月にはこの年のブリーダーズカップの本番と同じキーランド競馬場と同じコースのクールモアターフマイルS(GI)となった、このレースはまずまずのスタートで中団の位置につけ最後の直線でも差してきたものの先に抜け出していたアナポリス(Annapolis)に届かず2着となった。
11月5日のBCマイル(GI)では14頭の6番手と前目のポジションでレースを進め、最後の直線の残り200mのハロン棒付近では一旦先頭に立つ場面もあったが、後方から追いこんできた馬に交わされて勝ち馬モダンゲームズ(Modern Games)の4着となった。BCマイル2022(Youtube)
6歳も現役続行となり初戦はガルフストリーム競馬場のペガサスワールドカップターフ(GI)に出走となった。このレースも中団の位置につけ、3コーナーから徐々に進出を開始し、最後の直線でも一旦先頭に立つもののゴール寸前でアトーン(Atone)に交わされ2着となった。
ペガサスワールドカップターフ2023(Youtube)
あと1歩の所で勝てない歯がゆいレースが続くなか今後の動向は気になるところであったが、結局このレースを最後に、アルゼンチンのカランパンゲ牧場にて種牡馬入りすることとなった。今後は2021年に亡くなったアグネスゴールドの後継種牡馬として血を繋いでいく役割を担うことになる。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/koyakinoshita24/status/1633248409351258112
アグネスゴールド 1998 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
エリザベスローズ 1989 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
*ノーベンバーローズ | Caro | ||
Jedina | |||
May Be Now 2008 鹿毛 FNo.7 |
Smart Strike 1992 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Classy 'n Smart | Smarten | ||
No Class | |||
Dans la Ville 1995 鹿毛 |
Winning | Nijinsky II | |
Little Happiness | |||
Syracuse | Sharp-Eyed Quillo | ||
Segesta |
クロス:Northern Dancer 4×5(9.38%)、Raise a Native 4×5(9.38%)
EQUIBASE Horse Profile Ivar (BRZ)
掲示板
4 ななしのよっしん
2023/01/29(日) 07:01:28 ID: m1YgVVGYiv
ペガサスワールドカップターフは2着。成績は安定してきたが、中々勝ち切れないな
5 ななしのよっしん
2023/03/08(水) 12:26:03 ID: io8zgP+4kE
>いつか日本にも彼の血が来るでしょう。
需要がどうかは知らんけど実際来たらビビるわ…
名前のわりにサーアイヴァーと無縁という紛らわしさには芝生える
6 ななしのよっしん
2023/03/08(水) 13:37:08 ID: YKhV6cgBEp
>>5
一応、現役の3歳馬で母父アグネスゴールドのマイネルカーライルがいるわけだから、可能性がないわけではないと思う。
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最終更新:2024/12/23(月) 01:00
最終更新:2024/12/23(月) 01:00
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