人馬を繋ぐ情熱のステップ。
メイショウマンボとは、2010年生まれのの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2013年:優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)、フィリーズレビュー(GII)
父スズカマンボ、母メイショウモモカ、母父グラスワンダーという血統。OP2勝を挙げ、GIIの報知杯4歳特別(現:フィリーズレビュー)で2着に入った祖母メイショウアヤメから3代続くメイショウゆかりの血統だが、それ以外の近親には7代母の子に菊花賞馬ダイコーターがいるくらいで、それ以外は散発的に地方で勝つ馬がいる程度。正直なところ血統としては二流である。厩舎の期待も、クラシック登録でオークスには登録しなかった時点でお察し。要するにそれほど期待された馬ではなかったのである。
デビュー戦は、祖母が実績馬で一部ファンに人気があったことと調教が良かったことから1番人気に推され、レースも快勝。勢いに乗ってGI阪神ジュベナイルフィリーズに挑むも14番人気の10着と跳ね返され、1勝で2歳を終える。
明けて2013年、ここまで手綱を取った飯田祐史が調教師試験に合格し引退することが決定。鞍上に武幸四郎を迎えると、OP特別で2着と好走した後自己条件のこぶし賞で後方から直線でまとめて差し切る競馬で完勝。続くフィリーズレビューは幸四郎の騎乗停止で川田将雅が代打騎乗し、後方から馬群を割って差し切る競馬で快勝。スズカマンボ産駒のJRA重賞初制覇で桜花賞のチケットを手にする。しかし、幸四郎に鞍上を戻して臨んだ桜花賞では大外枠から外に振られたせいか、一度は好位に取り付くが直線で全く伸びず10着と大敗する。
追加登録で臨んだオークスは、短距離馬が多い一族だったこともあり9番人気まで落ち込むが、行きたがるメイショウマンボを中団のインで抑え、直線で馬場の真ん中に持ち出すと上がり最速タイの末脚が炸裂。追いすがるエバーブロッサムを1.1/4馬身差で振り切り優勝。調教師の飯田明弘は25年目にして初、鞍上の武幸四郎は7年ぶり、馬主の松本好雄は6年ぶり、生産者の高昭牧場に至っては81年エリザベス女王杯のアグネステスコ以来、実に32年ぶりというGI制覇だった。
秋はローズSから始動。オークス馬なのにオークス17着のレッドオーヴァルより低い4番人気だったが、実際の着順も4着に敗れる。この敗戦が効いたのか秋華賞も3番人気にとどまるものの、中団外目から競馬を進め、4コーナーで迫ってきたデニムアンドルビーを振り切ってスパート。後方から突っ込んできたスマートレイアー以下を完封し、圧巻の競馬で牝馬二冠を達成した。ちなみにオークスと秋華賞を勝った二冠牝馬はメジロドーベル、カワカミプリンセスに次いで3頭目である。
続くエリザベス女王杯ではヴィクトリアマイルでGIを制覇し牝馬統一を目論むヴィルシーナと激突。1番人気こそ譲るが、中団から3コーナーで外に振るとあとは秋華賞と同じ競馬。重馬場をものともしない上がり最速の末脚で快勝、統一女王の座を獲得した。GI3勝とあって、文句なしの最優秀3歳牝馬を受賞している。
翌年は天皇賞(春)や凱旋門賞への遠征プランも持ち上がる中大阪杯に出走。ダービー馬キズナ、菊花賞馬エピファネイアとの4歳3強対決が実現する。しかし、いつも通りのポジションから進めたもののまるで伸びずブービーの7着。この敗戦で様々な挑戦プランは白紙となり、順当にヴィクトリアマイルに出走。インを突いて必死に伸びるが、逃げたヴィルシーナに半馬身振り切られ2着。宝塚記念は中団からズブズブと沈みまたもブービーの11着と自己最悪の着順に終わる。
秋は京都大賞典から始動。得意の京都だったが伸びず10着。牝馬相手ならと思われたエリザベス女王杯は先行する手に出るも全く粘れず12着に撃沈。有馬記念も最後方から何もできないまま15着と、悔しさしか残らない1年となった。
2015年も現役を続行。阪神牝馬Sに出走したが、見せ場すらなく惨敗。果ては牝馬限定の交流GIIIにまで活路を求めるが6着。2016年も現役を続行するが一向に上昇の気配を見せないまま、2桁着順を繰り返している。調教では決して動きが悪いわけではないのだが、競馬場に出ると走る気もないかのように凡走しており「競馬をしたくなくなっているのでは?」という声が絶えなくなっていた。
2017年になっても現役を続行したが初戦の中山牝馬Sを14着に敗れ、レース後に阪神牝馬Sを最後に引退する事が発表された。4月に行われた阪神牝馬Sでは14着。有終の美は飾れずとも無事にレースを終えた。
通算成績は31戦6勝。エリザベス女王杯以降はヴィクトリアマイル2着が最高着順で、それ以外は全て掲示板すら入っていない。調教では真面目に走っていたがレースになると途端にやる気をなくしてしまう。彼女が4歳春以降、一気に成績を落とした理由については色々と言われているが、牡馬混合戦である産経大阪杯や宝塚記念以降に集中力を著しく欠くようになった。アドマイヤグルーヴとかは牡馬混合戦では上手く力が出せないタイプだったが牝馬限定戦では戦えていたし...実際の所はどうなのだろうか。
引退後は生まれ故郷である高昭牧場で繁殖入り。誰と交配させるかはメイショウマンボの引退前から議論の対象となっていた。というのもサンデーサイレンスやキングマンボ、グラスワンダーなど日本の主流血統が詰め込まれている為に、近親交配を避けようとすると流行している種牡馬を付けづらいのだ。
結果的には同馬主のGI馬であるメイショウボーラーが初年度のお相手に選ばれ、2018年に初仔である牝馬が生まれた。2018年にはやはり同馬主であるメイショウサムソンと交配され牝駒が誕生。その後はロードカナロア、エピファネイア、レイデオロと社台系列の種牡馬とも交配されたが活躍馬には恵まれず。
2025年4月9日に7番仔となる牡馬(父ホッコータルマエ)を出産した際の出血がもとで体調が悪化、4月25日に亡くなった。15歳。
メイショウマンボの活躍は、鞍上の武幸四郎と馬主の松本好雄のエピソードを抜きには語れない。
武幸四郎は、言わずと知れた天才武豊の弟である。幸四郎自身も兄には及ばずとも中堅騎手として活躍し、またGIでは度々穴を開けることでも知られ一部では穴騎手としての人気もあった。しかし、2007年ごろを境目に成績が落ち始めると、若手の台頭なども重なり騎乗機会が激減。2011年には僅か7勝まで落ち込み、騎乗機会も全盛期の30%ほど。半ば「終わった騎手」になりかけていた。
一方、松本好雄は「メイショウ」の冠号で30年以上馬主を続けており、二冠馬メイショウサムソンやテイエムオペラオーとの激闘で有名なメイショウドトウのオーナーとしても知られる一方、人とのつながりを重視し、安易な乗り替わりや外人起用に反対する一面も持つ。サムソンの話はしないであげてくれ。
松本は、父の武邦彦元調教師との縁から幸四郎が子供の頃から親交があり、幸四郎を「自分の息子のように」可愛がっていた。幸四郎の初騎乗も松本の所有馬である。幸四郎が低迷している時期も、松本は騎乗依頼を続けていた。そんな中にメイショウマンボもいたのである。
代打で川田将雅が騎乗したフィリーズレビューを勝利した後、周囲には若手エース格である川田を続投させてはどうかという声もあったというが、松本は「当然幸四郎だろう」と一蹴し幸四郎を再び鞍上に迎える。
その桜花賞で大敗した直後、幸四郎は松本に電話し、敗戦を詫びると共に「オークスに行きたい」と願い出たという。松本も「よし、じゃあ追加登録していこうか」と快諾しオークス参戦が決定したのである。この時も騎手の交代を勧める声が多かったというが松本は頑として幸四郎を降ろさなかった。その期待に応え、オークスを見事勝利したのである。
レース後、松本と幸四郎は共に嬉し涙にくれた。幸四郎は「人生初めて」、松本は「メイショウサムソンで皐月賞を勝って以来」だったという。メイショウマンボ飛躍の裏には、落ちぶれかけた騎手と人情家な馬主の強いつながりがあったのである。キズナですよ、こっから来てたんですかね?by兄・豊
武幸四郞は2017年2月いっぱいをもって騎手を引退。翌年3月に厩舎を開業した。いずれ彼の下にメイショウマンボの子供がやって来て、母が成し遂げられなかった三冠戴冠を期待したい。
| スズカマンボ 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| *スプリングマンボ 1995 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
| Miesque | |||
| *キーフライヤー | Nijinsky II | ||
| Key Partner | |||
| メイショウモモカ 2002 栗毛 FNo.9-c |
*グラスワンダー 1995 栗毛 |
Silver Hawk | Roberto |
| Gris Vistesse | |||
| Ameriflora | Danzig | ||
| Graceful Touch | |||
| メイショウアヤメ 1995 鹿毛 |
*ジェイドロバリー | Mr. Prospector | |
| Number | |||
| ウィルムーン | *ミルジョージ | ||
| ダイアンベンチア | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Mr. Prospector 4×4(12.50%)、Hail to Reason 4×5(9.38%)、Nijinsky II 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
掲示板
17 ななしのよっしん
2025/05/01(木) 16:51:11 ID: fdvcC0GggI
https://
メイショウマンボが急死 15歳 G1・3勝で13年JRA最優秀3歳牝馬 松本好雄会長「オークスは涙が止まりませんでした」
18 ななしのよっしん
2025/05/01(木) 16:55:40 ID: 4y999kzlqS
まさか・・・
ご冥福をお祈りいたします
https://
19 ななしのよっしん
2025/05/02(金) 11:16:01 ID: DpJjBR6Q+L
産後の肥立ちが悪い、まあまああるあるな話なんだよね…
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最終更新:2025/12/05(金) 23:00
最終更新:2025/12/05(金) 23:00
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