『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』(以下メルルのアトリエ)とは、
株式会社ガストより2011年6月23日発売のPlayStation3専用ゲームソフトである。2013年3月20日にPSVITAからDLCの内容と新ED等を追加したメルルのアトリエ Plusが発売された。 シリーズナンバリングは『A13』。アーランド編最終作。(第三作としか書かれていないため最終作かどうか不明。)
シリーズを通して間違われやすいが、「錬金術師」ではなく「錬金術『士』」。
誤表記がとても多い理由は、おそらく「鋼の錬金術師」が著名なため、そしてMS-IMEで通常変換をすると「師」の方しか出ないためかと思われる。
CEROレーティングは発売当時「A(全年齢対象)」であったが、審査時に提出されていた資料以外の内容でそれにそぐわない部分が後に判明した為、2011年7月28日で出荷が一時停止となる異例事態が発生した。
再審査を経て、レーティングが「B(12歳以上対象)」へと変更され、現在は生産が再開している。
岸田メル
「レーティングに関しては俺のせいじゃないけど絵は俺の絵なのでなんだか申し訳ないけど
俺はエロい絵を描いたつもりはない!!」
「ジーノのケツがまずかったのかな?」
概要
株式会社ガスト開発・発売のアトリエシリーズアーランド編第3作。
ディレクターは前作・前々作に引き続き岡村佳人。キャラクターデザインも引き続き岸田メル。
サウンドやデザイナー等基本的なスタッフはあまり変化していないが、シナリオ制作が「シナリオ工房 月光」に委任されているため、ストーリーの方向性が前2作を担当した鈴木俊行のそれとは大幅に違う事に留意したい。
また、劇中歌に茶太や野見山睦未を起用したり、戦闘曲にボーカルソングを採用し、更に必殺技発動時に専用BGMが流れるなど、音楽面に力が入っている事も特記すべきだろう。
今作の舞台はアーランド共和国のはるか北西に位置する辺境の小国「アールズ王国」。今作では、アトリエシリーズの錬金術士育成シミュレーションとRPGを組み合わせた独自のゲームスタイルに、新たに開拓の要素が加わる。
時系列は前作「トトリのアトリエ」のトゥルーエンディングから一年後。
今作の物語はアールズ王国の姫「メルル」が、前作の主人公のトトリに半ば強引に弟子入りするところから始まる。
ストーリー
"世界を変えるちからに、出会った。"
アーランド共和国のはるか北西に位置するアールズ王国。
そこは、機械と錬金術で大きく発展したアーランドに比べ、未だ多くの発展の余地を多く残す、小さな辺境国である。
アーランド国主ジオは旧友であるアールズ王デジエに共和国への参加を提案したが、
実現には課題も多く、反対派の批判を解消するためにも、アールズ王国の国力増加について、
国をあげての開拓事業を開始することになる。
まずは、アーランドから有能な人材の派遣が決定した。その派遣団の中に錬金術士トトリの姿があった。
アールズの姫、メルルはトトリと出会い、初めて見る錬金術に感動し、
錬金術士になるために、半ば押しかけ気味に、トトリに弟子入りを志願するのであった。
アールズ王国
アーランド共和国の遥か北西、大陸の端に位置する辺境の小国。現国王はデジエ・ホルストナ・アールズ。
国土のほとんどが未開の地で、人口も100人と非常に少ない。
5年後にアーランド共和国に吸収合併される計画があがっており、その実現のために開拓事業が開始。
姫であるメルル自身も錬金術を使い、この事業に参加することになる。
登場人物
- メルルリンス・レーデ・アールズ(Merurulince Rede Arls) CV:明坂聡美
- 今作の主人公。通称「メルル」。辺境の小国「アールズ王国」の姫。15歳。
半ば強引にトトリに弟子入りし、錬金術を学びながら王国を発展させていくことになる。
好物はキノコ。性格は明るく前向きで、考える前に行動に出るタイプ。
都会のアーランドに憧れつつも、自国を発展させたいという想いもあり、
錬金術でアールズ王国の開拓事業に参加することになる。
前作・前々作の主人公(アホの子のロロナ・毒舌家のトトリ)と比べると、姫という身分であるものの「常識人」傾向が強い。
- トトゥーリア・ヘルモルト(Totooria Helmold) CV:名塚佳織
- 通称「トトリ」。前作「トトリのアトリエ」の主人公。19歳。
アーランド共和国から送られた、アールズ王国開拓事業の派遣団のうちの1人。
前作の冒険もあり、アーランド共和国では名の知れた存在となった、メルルに錬金術を教える師匠。
前作より気を付けて発言をしているものの、たまにとんでもない毒舌が飛び出す。
前作に引き続き、アイテムを使うことの出来るメンバーであり、アイテムを複製するスキルを持つ。
- ちむ(Chim) CV(男):三瓶由布子 CV(女):谷井あすか
- 前作に引き続き登場。前作の作中でロロナが作り出した小さなホムンクルス。
今作では主に量販店の従業員として登場し、トトリの戦闘の支援もする。
- ロロライナ・フリクセル(Rororina Flyxell) CV:門脇舞以
- 通称「ロロナ」。前々作「ロロナのアトリエ」の主人公。トトリの錬金術の師匠。28歳。
ジオに依頼され、本来ならばアールズ王国へはロロナが行くことになっていたのだが、
突如横槍が入り、トトリが急遽代役としてアールズ王国へ向かうことになった。
その後、アールズ王国に来たときには記憶をほとんど失い、何故か姿も行動も8歳の幼女になっていた。
この姿は従来のロロナと区別され、ファンの間では専ら「ロリナ」と呼ばれており、
何故彼女が幼女になってしまったかは、今作の作中で明らかになる(※詳しくはロロナの個別記事参照)。
前作までと同様に、アイテムを使うことの出来るメンバーであり、メルルやトトリより素早くアイテムを使用することが出来る。素早さと攻撃力やHPなどが低いものの、攻撃対象になりにくくなるスキルを持つ。
- ケイナ・スウェーヤ(Kaena Swaya) CV:佐藤香織
- メルルの幼馴染の無二の親友であり、彼女に仕える世話係のメイドの14歳。ライアスとは対照的な超幸運体質。
いつもメルルに振り回されているが、そのためかしっかりとしたおとなしい性格。
味方の支援に特化したキャラであり、その分序盤の攻撃力はやや低め。
しかしレベル99になるとMPとLP以外のステータスが全キャラ中トップになる。そのため、補助スキルを複数回使用→必殺技の繰り返しで高ダメージを稼げるキャラになる。
- ルーフェス・フォールケン(Rufes Falken) CV:子安武人
- アールズ王国に仕える執事であり、メルルの家庭教師。25歳。
感情を滅多に表に出さない冷静沈着とした性格で、ほぼ一人で国政を取り仕切る完璧超人。
メルルの家庭教師でもあるため、彼女には過保護の裏返しで厳しく当たる。
そういうこともあってかメルルは彼に頭が上がらず、むしろ苦手に感じている。
DLCにて仲間にすることが出来る。WT押し戻しや強化消去、速度強化スキルなどを持ちながら、通常攻撃後複数回攻撃出来るパッシブスキルを持つ強キャラ。
- ミミ・ウリエ・フォン・シュヴァルツラング(Mimi Houllier von Schwarzlang) CV:井口裕香
- トトリの親友。前作に引き続き登場。20歳。
ギルドの冒険者。トトリが派遣された後、後を追うようにしてアールズ王国へやってきた。
普段の性格は淑女を装っているが、トトリの話になると一気に化けの皮が剥がれてしまう。
攻撃力と素早さが高く、防御無視攻撃もあってアタッカーキャラとしては抜きんでた能力を持つ。反面HPが低く、防御面に不安が残る。
- ライアス・フォールケン(Lias Falken) CV:市来光弘
- ルーフェスの弟で、城の門番。16歳。ひたすらに不幸体質。
メルルの幼馴染。兄であるルーフェスを崇拝とも言えるほどまでに尊敬しているが、
兄があまりにも完璧すぎる人物なため、強い劣等感を感じてしまっている。
ルーフェスがメルルのことをよく気にかけるので、メルルに対しては少し嫉妬の念も持っているのだが、
ルーフェスからメルルの護衛を頼まれてしまい、嫌々ながら協力することになってしまう。
WT押し戻しのスキルを持ち、素早さ次第でボスキャラの封殺も可能。
- ジーノ・クナーブ(Jeeno Knab) CV:三瓶由布子
- 前作に引き続き登場。20歳。
トトリの幼馴染。ミミと同じく、トトリを追ってアールズ王国へとやって来る。
その変貌っぷりに誰もが驚いたことだろう。一人前の冒険者となり、性格もかなり大人になった。
しかし、ひたすらに強さを追い求めている点は全く変わっていない。声も少年期の頃のまま甲高く、見た目が完全に青年であるため違和感全開だが、ちむ♂と兼ねて人件費の節約変声期を迎えなかったのだろう。
敵キャラの攻撃を引きつける、レベルアップや攻撃力吸収など自己強化のスキルが豊富。
- フィリー・エアハルト(Filly Erhard) CV:大垣理香
- 前作に引き続き登場。27歳。
アーランド冒険者ギルドの受付嬢。トトリと同じく、派遣団の一人。今作も国民からの依頼の斡旋を担う。
仕事をずっと続けていた成果なのか、極度の人見知りはいくらか落ち着いたようだ。
しかし、妄想狂は顕在。むしろパワーアップしており、百合・BLだけでなく異性でも喰いつくようになっている。
- ホムくん・ホムちゃん(Hom) CV(ホムくん):結城アイラ CV(ホムちゃん):彩乃羽由貴
- 前々作より登場。ロロナのアトリエから担当声優が交代している。
ロロナの師匠、アストリッドが前々作の作中で作り出したホムンクルス。
幼女化してしまったロロナの世話をアストリッドから命令されていたが、
新たにロロナが預けられることになったメルルのサポートをアストリッドに命令された。
なお、徐々にではあるが、感情が芽生え始めている様子。
ロロナのスキルでも登場する。ちむとは違い支援行動をする。
- フアナ・オルシズ(Juana Olsys) CV:小林沙苗
- アールズ王国にて露天雑貨店を一人で切り盛りする、変な意味でも商人魂の熱い17歳の少女。
メルルの友人の一人で、細かいことは気にしない豪快な性格。
そのほか、メルルの活躍をまとめた「かわら版」を季刊で発行している。
- DLCにて仲間にすることが出来る。通常の攻撃範囲が全キャラで一番、戦利品の品質向上スキルなど雑魚戦に向いた能力を持つ。また、唯一タイムカード型のスキルを持つ。そして色々揺れる。
- アストリッド・ゼクセス(Astrid Zxes) CV:田中敦子
- 前々作より登場。稀代の天才錬金術士にして、ロロナの師匠。
本来ならば40歳のはずであるが、公式では年齢が伏せられている上に容姿が若々しい。
ロロナのアールズ王国派遣予定に横槍を入れ、派遣予定者を変更させた張本人。
ロロナが対象だった弟子いじりの矛先は、ロロナが幼女化してしまったことにより、
孫弟子のトトリと、ひ孫弟子のメルルへと向けられることになった。
- ハゲル・ボールドネス(Haggel Baldness) CV:立木文彦
- 前作、前々作に引き続き登場。武器屋のおやっさん。
今作では武器・防具調合の他、城の修繕も担う。
- ステルケンブルク・クラナッハ(Sterkenburg Cranach) CV:小杉十郎太
- 通称「ステルク」。前作、前々作に引き続き登場。39歳。専らファンの間ではスケさんと呼ばれる。
元アーランド王国騎士。王制廃止後は冒険者の現場監督的立場の人物。
前作に続き、行方不明の元アーランド国王ジオを捜し続けており、とある任務にて派遣された先のアールズ王国にてメルルと出会う。メルルが「姫」という立場ということで、騎士への熱が変な方向に再燃してしまっている。
- スキルのバランスが良く、攻撃力も高いが若干素早さが低い。
- エスティ・エアハルト(Esty Erhard) CV:佐藤利奈
- 前々作より登場。フィリーの姉。アーランドの監査員。40歳独身。
前々作では面倒見の良い受付嬢であったが、前作にて婿探しの旅に出てしまい、
そのせいでフィリーが冒険者ギルドの受付嬢の仕事をやる羽目になってしまった。
しかし、婿探しの旅の間に諜報活動をしていたことが判明。さらに、元アーランド国王であるジオの目付役でもあることがわかり、まさに「エージェント」という称号が似合う人物と化した。
なお、年齢のことや、独身であることに触れてしまうと手がつけられなくなる。
様々な弱体スキルを持ち、高威力アタッカーと組ませるとバランスがいいキャラ。攻撃範囲が広く雑魚戦には便利だが、ボス戦になるとやや火力不足。
- ジオ(Gio) CV:大塚明夫
- 本名、「ルードヴィック・ジオバンニ・アーランド」。前々作より登場。元アーランド国王。60歳。
現アーランド共和国国主にして、大陸最強の剣士。メルルからは「おじさま」と呼ばれている。
王制廃止後、各地を放浪しており、最近はアールズ王国周辺を放浪している。
前作の作中でトトリが冒険している間に、旧友であるアールズ国王デジエの元を訪れていたらしく、
その時に持ちかけた共和国参加の提案が今回の開拓事業のきっかけとなった。
2周目以降に仲間になる。連続行動が可能でスキルも豊富など、全体的にチートキャラ扱い。
- パメラ・イービス(Pamela Ibis) CV:谷井あすか
- シリーズお約束の幽霊。前作では特製の人形に取り憑いた状態で登場していたが、再び幽霊の状態で登場。
パメラ屋という店を経営しており、今作では共に非常に重要な量販店の役割を担う。
DLCにて仲間にすることが出来る。ダメージ耐性が強く、戦闘不能になってもすぐ復活するある意味チートキャラ。
- デジエ・ホルストナ・アールズ(Dessie Horstna Arls) CV:てらそままさき
- アールズ王国の現国王にして、メルルの父親。50歳半ば。
ジオの旧友で、若い頃は2人で冒険をしていた。
メルルに対しては過保護な点が見られ、メルルが錬金術士になることに強く反対するが、
ルーフェスに開拓参加としての錬金術の使用を提案されたことにより、期限付きで錬金術をやることを認める。
しかし、その強い反対には過保護以外にも何か理由があるようだが・・・?
岸田メルルのアトリエ
関連コミュニティ
関連外部リンク
ガスト公式サイト
関連項目