ラストストーリー

 『ラストストーリー』(THE LAST STORY)とは、2011年1月27日に任天堂より発売されたWii専用のロールプレイングゲームである。

略称は『ラススト』『LS』。

概要

『ファイナルファンタジー』(『FF』) の生みの親・坂口博信が率いるミストウォーカーが開発したRPGで、彼はシナリオとディレクターを務めた。ディレクターは『FFV』以来18年ぶりとなる。

音楽は同じく『FF』を生みだし、育んできた植松伸夫。映画を基調としたBGMながら、ボス戦ではアグレッシブな植松節を如何なく発揮。

キャラクターデザインは『ドラッグオンドラグーン』を手掛けた藤坂公彦。

主題歌はクロスオーバーアーティスト、カノン。

ゲームシステム

ジャンルはRPGだが、戦闘は基本的にリアルタイムで進行する。本編では特別な場面を除き、主人公であるエルザを操作する（仲間はセミオート）。ゲームを進めていくうちに様々な攻撃方法が増えていく。それらを使い、「秩序」だった敵軍団を「混沌」に乱していく。

装備は一部のムービーを除きグラフィックに反映される。系統は多数存在し、同じ系統の装備でもレベルによって見た目が変わる。防具は様々なパーツで構成されていて、個別に取り外すこともできる（パーツを外しても防御力は変わらず）。アイテムの染料を使えば、防具を着色できる（パーツほど細かくはないが好きな色を着色できる）。

イベントシーンに早送り機能を搭載（物語が途切れるスキップとは違い、字幕を見ながらついて行けるようにと配慮）。プリレンダムービー部分のみ完全スキップ可能。

使用するコントローラは、Wiiリモコン+ヌンチャクか、クラシックコントローラPRO（クラシックコントローラ含む）のどちらか。

世界観

戦乱と大地の荒廃に蝕まれる帝国本土をよそに、繁栄を謳歌する島、ルリ島。防衛の要衝として巨大な砲台が鎮座し、その魔力に誘われてか日夜魔物たちが蠢いている。

傭兵である青年エルザは、幼い頃からの兄貴分クォークが率いる傭兵団と共に、新たな仕事を求めてこの島へやってきた。

新しい雇い主は、島の領主である、アルガナン伯爵。伯爵の期待にこたえれば、不安定な傭兵家業を脱し、出世することも夢ではない。

騎士としての安定した生活を憧れるエルザたちにとって、今度の仕事はまたとないチャンスだった。そんな中、島での最初の任務で訪れた洞窟で、エルザは謎めいた力を得る……。

THE LAST STORY(公式サイト)　世界観の項目より引用

登場人物

メインキャラクター 

エルザ (CV：宮野真守)　[パワーヒット（攻撃力UP）、ウインド（魔法円拡散）、アクセラレート(スピードアップ)等]

本作の主人公。騎士にあこがれている青年傭兵。幼い頃に家と親を失い、放浪中にクォークと出会ってから傭兵団の一人として生計を立てていたが、ルリ島での任務の最中に不思議な力を手に宿す。今風に言うならフリーターが正社員を目指すといった感じ。仲間が作った魔法サークルを拡散することで特殊な効果が発生したり、敵の魔法サークルを消す事ができる。

カナン(CV：折笠富美子)　[ヒール(回復)、ホーリー(光魔法)、古の障壁(エルザが一定時間無敵)]

本作のヒロイン。ルリ島の領主アルガナン家の姫君。両親はすでに他界、叔父のアルガナン伯爵の管理下の元、城に幽閉されている箱入り娘状態が続いていたため、家を抜け出して旅に出る事が夢なお転婆お姫様。ホーリーの光魔法を拡散するとバリアが貼られ、敵の状態異常攻撃をガードすることができる。

クォーク(CV：石塚運昇)　[パワーヒット、フルガード(敵の注目をひきつける)、死の宣告（ダメージ＋デスカウント）]

傭兵団のリーダー。傭兵団立ち上げ時には多くの戦友がいたが途中加入組を除いて生き残っているのは彼とエルザのみ。戦闘のみならず、雇い主との交渉や窮地に立ったエルザを助けるサポートもスムーズ。死の宣告はカウントがゼロになれば即死するが、目に見えた効果を体験する前に倒せてしまう事の方が多い。

セイレン(CV：豊口めぐみ)　[パワーチェイン（連鎖が繋がりやすくなる）、フルガード、影縫い（ダメージ＋マヒ）]

二刀流の女剣士。酒好きで攻撃的な口調の姐さん。根はいい人で時に女らしくなる。

ユーリス(CV：下野紘)　[フレア（炎魔法）、リバース（敵魔法効果の反転）、メテオ（ダメージ＋ガードブレイク）]

口数の少ない無愛想な少年。しかし、テンションが上がるとはしゃいだり叫んだり・・・「くらいやがれーｳﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ」。眼帯で隠した右目には秘密がある。

ジャッカル(CV：藤原啓治)　[フリーズ（氷魔法）、バーサーカー（物理攻撃を行う）、絶対0度（ダメージ＋スリップ）]

一見軟派で軽薄そうに見えるが、やっぱり軟派で軽薄な色男。氷魔法を拡散すれば敵は面白いように滑ってくれるのでとても役に立つ。ただし氷魔法を吸収する敵にご用心。その場合はバーサーカーを指示するとよい。

マナミア(CV：能登麻美子)　[ヒール、プラント（森魔法）、リバイブ（HPとライフ回復）]

神秘的な雰囲気を漂わせる女性。しかし異常な大食らいで、酒飲みのセイレンと合わせ、傭兵稼業に限界が・・・。エルザと行動を共にする事が多いヒーラー。テンション技のリバイブはライフも1回復するので心強いキャラクターである。

サブキャラクター

アルガナン伯爵(CV：石井康嗣)

ルリ島の領主であり、今回の魔物討伐任務でのエルザ達の雇い主である。

トリスタ将軍(CV:立木文彦)

帝国軍の元最高司令官。大地の荒廃の手がかりを求め世界を放浪し自らの仮説を元にルリ島へやって来た。

タシャ（CV:高橋広樹）

トリスタと行動を共にする騎士。騎士として心技体の鍛錬の日々を送るものの孤高な志をトリスタに諭されることも。

ジル（CV:石田彰）

帝国のランバルト公爵家の御曹司で、カナンの婚約相手。プライドが高く、エルザを見下している。裏ではカナンに対してこんなことやあんなことを。

マルチプレイ

本作はニンテンドーWi-Fiコネクションに対応しており、オンラインモードを無料で楽しむことができる。2つのモードどちらも最大6人まで参加可能で、マッチングはランダムとフレンドが用意されている。

文字自由入力や音声によるチャットはできないが、あらかじめメニューから声を登録しておくことで、ゲーム中のキャラクターの音声を喋らせることが可能。

乱闘

プレイヤー同士が5分間対戦するモード。個人戦の他、3対3などチームに分かれて対戦することもできる。ここでのキャラクターの外観はオフラインのカスタマイズが反映される（見た目以外は反映されない）。ラスト1分になるとポイントが倍に増える。戦闘終了後、順位に応じたアイテムと名声が貰える。魔法使いは攻撃魔法しか使用することができず、回復はステージ内にあるヒールボムで行う。

使用できるキャラはエルザ、カナン、クォーク、セイレン、ユーリス、マナミア、ジャッカル、トリスタ、タシャ、ロッタ、ジル、リザードスカウト、リザードエリート、アンデッドソード、アンデッドメイジ、グルグガード、グルグメイジ、ベリト、ゼーシャ、ゼーファ、ザングルグ。

討伐

プレイヤー同士が協力して強大なモンスターを倒すモード。レベルは統一されオフラインの装備(強化込み)が反映される。エンペラーという武器を持ったまま参加すると、LIFE1の状態で戦う事になるので注意。乱闘同様、魔法使いは攻撃魔法しか使用することができず、回復はステージ内にあるヒールボムで行う。

使用できるキャラはエルザ、カナン、クォーク、セイレン、ユーリス、マナミア、ジャッカル。

備考

• 早期購入者特典として、ビジュアルブックとミニサウンドトラックCDがセットになった「ELEMENT OF THE LAST STORY」が付属した。
• Wii同梱版のスペシャルパック（Wii+クラシックコントローラPRO同梱）が同時発売された。
• 任天堂は、ホームページで展開するプロモーションを盛んに行った。社長が訊くをはじめ、坂口博信による生中継プレゼンテーション動画、および3回にわたって配信されたデモンストレーション動画など。プレゼンテーションの開催告知はテレビコマーシャルでも放送された。
• 坂口博信はTwitter上で「『ラストストーリー』クリア後の感想をEメールでお願いします」とつぶやいている。

関連動画

公式

ヒゲプレゼン＆デモ

プレイ動画（マルチプレイ）

関連項目

• 任天堂
• Wii
• RPG
• ミストウォーカー
  • 坂口博信
  • 植松伸夫
  • 藤坂公彦
• いたずらバナナ

外部リンク

• 任天堂 - ラストストーリー
• 任天堂 - 社長が訊く『ラストストーリー』
• 任天堂 - 社長が訊く 坂口博信×坂本賀勇
• 任天堂 - 社長が訊く 坂口博信×高橋哲哉