世界は「改変」される
ささみさん@がんばらないとは、ガガガ文庫(小学館)より刊行されている日日日著作のライトノベル、及びそれを原作とする漫画、アニメである。ノベルのイラストは左担当。 既刊11巻(2013年6月現在)。
概要@がんばらない
ガガガ文庫で連載中の『非』日常系ラブコメ(?)のライトノベルである。
特徴としては実験的な作風として『変人的X人称小説』なるものを導入している。
もともと著者である日日日先生がニコニコ動画みたいな作り手と受け手側が双方向に『物語』をつっていく という構図を小説の中で表現してみたいという気持ちがあったのを、比較的実験的な作風を受け入れる土壌が出来あがってるガガガ文庫で出したものである。(1巻あとがき参照)
帯がニコニコ動画のコメント風になっているのも多分そのためであろう。
表紙や題名、上記の非日常系ラブコメといった言葉からは推測しにくいが、神様や神話に関する物語が展開されており、日本神話における実在する物語をベースにしながら物語が作られていることが多い。
また第二部である『二年生編(別名;アラハバキ編)』からはギリシャ神話、インド神話、クトゥルー神話(予定)などといった他国の神話や人工的な神話も登場している。
以下あらすじと登場人物紹介。 |
あらすじ@がんばらない
ささみさんは引きこもり。着替えるのも、食事をするのも、がんばらない。生活の面倒を見るのは、ささみさんの大嫌いな奴隷体質のお兄ちゃん。そんなお兄ちゃんの外の世界の行動をパソコンで繋がれた「お兄ちゃん監視ツール」で覗くのがささみさんの日課。 あれっ外の世界ではお兄ちゃんは美少女三姉妹とキャッキャ☆ウフフのラブコメ中って…こんなの絶対間違ってる!!この世界は何かがおかしい!!
そんなささみさんとお兄ちゃんと美少女三姉妹が織り成す、非日常系ラブコメあらため引きこもり神話体系。
おおまかに以下のように分かれている。
第一部「一年生編」(別名;ブラコン編、月読の巫女編) 1巻~3巻
第二部「二年生編」(別名;百合編、アラハバキ編)4巻~6巻
第三部「三年生編」(別名;月読日留女編)7巻~
登場人物紹介@がんばらない
月読鎖々美 (つくよみ ささみ)
本作の主人公。月読神社の巫女で「最高神アマテラス」の力を身体に宿していた。
桜ノ花咲夜学園1年右組(2年生編より2年左組)。
1巻時点では極度の引きこもりであり、家から出ようとするだけで嘔吐し気絶してしまうほどだった。
引きこもっていた頃は「お兄ちゃん監視ツール」なるものを使い、兄の神臣の生活を監視していた。
兄への依存性が高く、日常生活の基本的なところまで兄に頼っていたりする。
基本的心優しい少女だが、キレると黒い一面を垣間見せることがある。
2年進級以降、かがみとの仲が友人の域を逸していたり、情雨に過度なスキンシップをしたりと百合的な面が多く見られるようになる。
月読神臣 (つくよみ かみおみ)
月読鎖々美の兄で、桜ノ花咲夜学園の教師。常に何かで顔を隠していることが多い。
極度のシスコンで、鎖々美に対して兄妹として不適切な感情を抱いていると見られる言動が多々ある。
本作の物語の中心となる人物で、ささみは彼を中心に世界を見ておりいわば主人公となる存在。
邪神つるぎ (やがみ つるぎ)
邪神三姉妹の長女。月読神臣と同じ、鎖々美達が通う桜ノ花咲夜学園の教師である。見た目は小学校低学年程度であり合法ロリとも取れるが、セクハラ発言が多く、また学校でエロゲをしたり神臣をパシリにしたりする駄目な大人である。かと思えば達観したものの見方をしたり、鎖々美達が困ってると度々助けてくれたりと頼りになる一面も持っている。
邪神かがみ (やがみ かがみ)
邪神三姉妹の次女。桜ノ花咲夜学園の生徒で鎖々美のクラスメイトであり、鎖々美の最初の友達でもある。邪神三姉妹の中で唯一普通な見た目であるが、実は『悪い組織』によって作られた人工的な霊的な呪具や近代兵器から構成されたロボットであり、またそのことをコンプレックスに思ってる一面もある。常に眠そうにいる。語尾は『~のです。』
邪神たま (やがみ たま)
邪神三姉妹の三女。とびっきり美人でナイスバディな小学校三年生。あまりにも成長しきったスタイルなため職務質問によくあうらしい。さながらAVの撮影のようだとか。その見た目とは反して中身は年相応かそれ以上にお子様なのであり神臣のことをパパりんと呼んだりする。そんな奇異な光景も改変により当たり前であるかのようにしているので霊能力があり、比較的『神格』のある人出ない限り誰もたまの浮きっぷりは気にしない、気にもとめない。…職務質問の人は何者?語尾に『~だお。』とつけるやる夫口調である。
月読呪々 (つくよみ じゅじゅ)
蝦怒川情雨 (えどがわ じょう)
2年生編から登場する秘密結社「アラハバキ」のお姫様。鎖々美の宿敵(自称)で友人の一人。ツンデレ。
玉藻前 (たまものまえ)
その名の通り九尾の狐。「アラハバキ」の構成員で情雨の母親代わりのような存在。
櫛名田希美 (くしなだ のぞみ)
たまのクラスメイトで友人。初登場は3巻から。
家庭の事情により、同年代の生徒に比べると幾分か大人びており、学業も非常に優秀。
また改変によって違和感を消しているたまの姿が明らかに小学生ではないと気付いており、その事もあって性格は正反対でありながらたまとの仲は非常に良好。
たまに対して違和感を感じているのはクシナダヒメの転生体故の「神格」の高さに起因している。
しかし、別段霊能力として鍛えたりなどはしていない為、あくまで常人より影響を受けにくい程度で完全な無効化はされてはいない。
後述のスサノオとの初対面時に自身の存在全てが彼と出会えた事に喜んでいるという浪漫ちっくな経験をしたが、後日再会した時に前世云々等あまりにも電波じみた言い回しで告白されたため、僅か数十秒で初恋と失恋を味わう羽目になった。
大人しい性格ではあるのだが、何か起きた時に何でも自分一人で抱え込んで背負ってしまう癖と間違っていると感じた事には神であろうが自分の思いを貫き通す意思の強さを持っており、作中ではスサノオとイザナミの二人を叱り飛ばしている。
ミッちゃん(仮) (みっちゃん(かり))
月読神社の巫女。月読の一族ではないため、月読の巫女ではなくただの巫女さんである。
長い黒髪で長身、優しい雰囲気ではあるがあまり特徴のない気弱そうな女性。
代々『月読神社』に仕える優秀な巫女の家系に生まれたが、生まれつき霊能力が強すぎたために『悪神』に目を付けられ神隠しにあう。その際に持っていた霊能力をほとんど吸いつくされてしまい、同時に両親の記憶や本名すら奪われてしまう。
能力を失い役立たずになったと思うも雑用係として月読神社に仕え続け、呪々の身の周りの世話をする。そのためか呪々とは仲が良い。
初登場3巻。(ミッちゃん(仮)という名前が出てきたのは3巻からであるが、それらしき人物は以前より登場している。)
以下重大なネタバレにつき反転
真名はタケミカヅチ。月読神社の始祖であるニニギノミコトに仕えるために地上に派遣された『裁きのいかづち』。現代のトロイア戦争において、記憶を食らった『神々』と分離し記憶を徐々に取り戻す。
その能力は雷撃を駆使して戦えるだけでなく電気を媒体にし力の受渡もできる。
現代のトロイア戦争で、同じ雷神であるギリシアの『最高神』ゼウスの恩恵を受け力が爆発的に上がるも、太陽神アポロンの野望を阻止するために自身と神臣の全エネルギーを玉藻前に託し力尽きる。
現在、月読神社の人々が回復させようと試みている。
反転以上
スサノオ (すさのお)
素戔鳴尊(すさのをのみこと)。始祖神イザナギとイザナミの正当なる後継ぎである三尊子の一人であり、最高神アマテラス、諷喩神ツクヨミと並ぶ、日本最強の神の一人と謳われる英雄神。死者の国である「根の国」の王であり、根の国で母のイザナミとともに暮らしている。
見た目は彼岸花のように赤い長髪で、優しげな風貌だが口元だけは肉食獣のよう。なぜかギターケースを担ぎロックかパンクか分からないような服装をし、格好よさだけを強調しすぎて浮世離れした印象とのこと。(希美談)
極度のマザコン。かつロリコン。ついでに厨二病。小学四年生の希美に求婚するだけではとどまらず(お巡りさん、コイツです)、情雨に勝負を持ちかけられた際、負けたら肉奴隷嫁になるように要求したりと神話に違わぬプレイボーイっぷりを発揮している。(なおプレイボーイなだけであり決してロリコンというわけではない。おばあちゃんだろうと、幼女だろうと、男だろうと、女だろうと意外と大丈夫なのである。)立場的なものでは多少劣るものの、戦闘に関しては最高神であるアマテラスを凌駕すると言われており、事実、つるぎが最高神の力を持っていない今、作中で登場した日本神話の神の中では一番の実力を持っていると思われる。その実力は愛剣であり神殺しの魔剣であるアメノハバキリを一振りするだけで島を二分に割ったり、ギリシアの神の加護を受けた英霊達多勢を相手に渡り合い、勝利してしまう程である。
また普段の言動はヤンチャないじめっこそのものだが、夫に別れを告げられ根の国で独りぼっちになってしまった母に寄り添う為に根の国の王になったり、希美に突きつけられた正論に対して素直に非を認めて改めて一から求婚を申し込んだり、姉貴をいじめていいのは自分だけというわがまま極まりない事を言いながら、つるぎの危機を救った際に姉貴が無事ならそれでいいと本来の目的を二の次にしたりと、不器用ながらも英雄にふさわしい優しさもちゃんと持ち合わせている。
初登場4巻。(存在そのものは2巻から。)
イザナミ (いざなみ)
伊弉冉命尊(いざなみのみこと)。天の浮き船で全てを巡った創造神であり、愛する夫、イザナギから決別した哀しみから『悪神』へと変貌した日本神話最凶の死に神、祟り神。アンティークドールを思い浮かべさせる小学生程度の見た目。肌はフランケンシュタインのような継ぎ接ぎがあり、何人もの不幸な少女の体を繋ぎ合わせたように色やかたちがちぐはぐ。血染めのウエディングドレスをまとい、枯れ花ばかりのブーケを手に、そして頭部には王冠を模すようにナイフが何本も突き刺さっているという、不気味としか形容できない姿をしている。
死が愛を分かつと考え、死と生の境界を無くすために、この世を地獄にしようと根の国から現世に現れる。
やや過保護。初登場6巻。
テレビアニメ@がんばらない
2013年1月より、TBSにてテレビアニメが放送中。各回のタイトルは「引きこもりやニートにありがちなこと」を表す言葉になっているが、微妙に本編の内容とも関連していると思われる。
スタッフ
主題歌
・・・となってはいるが、実際のエンディングでは、同曲のカラオケバージョン(1話では一応ひじょうにやる気のない歌い方の歌も入っている)をバックに流れる主要キャラによるショートコント的な会話がメインで、歌は申し訳程度にサビの部分が歌われる程度であることが多い。ショートコントの内容はある程度本編の内容に沿ったものになっている(特に4話以降)がだいたいシュール。しかも主役の鎖々美がサビすらまったく歌わないことも少なくない。また、エンディングアニメの完成版が流れたのは3話からである。果たして鎖々美が「がんばって」1コーラス分歌ったバージョンが流れる日は来るのか。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 |
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第一話 | 明日からがんばる | 高山カツヒコ | 龍輪直征 | 佐々木貴宏 | ||
第二話 | 自宅警備員 | 岩崎安利 龍輪直征 |
永岡智佳 | 田中春香 篠田知宏 |
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第三話 | 働いたら負け | 川畑喬 | 松本元気 | |||
第四話 | 実家に寄生 | 高橋知也 | 石川俊介 | 高野晃久 斉藤和也 |
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第五話 | まだ本気出してないし | 関野昌弘 | 龍輪直征 | 大梶博之 斉藤美香 |
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第六話 | 迷惑かけてるのは親だけ | 鈴木利正 | 奥野耕太 | 中村直人、佐々木貴宏 高野晃久 |
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第七話 | 声の出し方忘れた | 川畑喬 | 松本元気、新垣一成 小堺能夫、松浦力 |
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第八話 | 戦略的孤独 | 高橋知也 | 永岡智佳 | 篠田知宏 斉藤和也 |
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第九話 | できないんじゃない | 佐々木満 | 石川俊介 | 大梶博之、古賀美裕紀 岩崎たいすけ、松本元気 桜井司、長山延好 |
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第十話 | 見えない敵と戦ってみる | 岡田堅二朗 | 中村直人、斉藤美香 篠田知宏、長山延好 |
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第十一話 | 恋愛なんて都市伝説 | 川畑喬 | 松本元気、新垣一成 桜井司、長山延好 大梶博之、高野晃久 |
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第十二話 | 明日もがんばらない | 鈴木利正 | 龍輪直征 | 岩崎たいすけ、中村直人 松本元気、篠田知宏 斎藤和也、大梶博之 |
漫画@がんばらない
2012年10月から2013年5月まで、コミカライズ版(作画:西川彰)が週刊少年サンデーにて連載されていた。全4巻。
パチスロ@がんばらない
2014年9月22日より『ささみさん@がんばらないすろっと』が全国のホールにて導入予定。
なお開発もがんばらなかった模様。
関連動画@がんばらない
関連生放送@がんばらない
関連チャンネル
関連項目@がんばらない
TBS木曜25:25枠 | ||
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2012年10月~12月 | 2013年1月~3月 | 2013年4月~6月 |
ひだまりスケッチ×ハニカム | ささみさん@がんばらない | やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 |
外部リンク@がんばらない
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