ところざわサクラタウンとは、埼玉県所沢市東所沢和田にある複合文化施設である。株式会社KADOKAWAと公益財団法人角川文化振興財団が保有・運営する。
概要
元は所沢浄化センターであり水道施設の跡地であったが、開発地域が開発規制が緩い数少ない準工業地域であることを利用して、2013年に所沢市は開発する企業を公募した。
出版・情報関連企業のKADOKAWAが公募に応募し、2社との争いにより地域貢献に高い評価を受けKADOKAWAが選定され、基本合意書の締結後2014年10月にKADOKAWAに所有権が移転し設立準備を開始した。準備会社「株式会社ところざわさくらタウン」が設立され、起工までシンポジウムも開催された。
2018年2月1日に起工・建設開始し、新型コロナウィルス禍の影響はあったものの2020年8月にプレオープンした。2020年11月にグランドオープンし、オープニングイベントが開催された。
2018年段階の構想としては、東京都飯田橋にあるKADOKAWAグループの本社機能の半分をところざわサクラタウンに移転するとしており、会社機能も所沢キャンパスとして一部移転している。
オンデマンドで需要に応じた少数部数の生産と即出荷を実現するために製本・印刷工場を設立する構想を当初から発表していたが、グランドオープンから数年後の2024年に稼動予定。
政府が推し進めたクールジャパン構想の実現地でもあり、クールジャパン構想を意識した発信を公式サイトでも行っている。アニメ・漫画・ライトノベルだけではなく、KADOKAWAが雑誌『幽』や『怪』を刊行し携わってきた妖怪、怪奇などを題材としたサブカルチャーや博物学なども前面に出している。
また街開き(=グランドオープン)後、株主総会は当地で行われている。
2023年4月からN高等学校とS高等学校のサクラタウンキャンパスが綾瀬キャンパスを移転拡大した形で本棟5階に設置された。入口はKADOKAWAの所沢キャンパスと同様。
2023年6月30日にはEJアニメホテルが営業を終了した。ホテルの跡地利用は不明。
2023年10月30日にレストランのさわいち&サクラブルワリーが閉店したが跡地利用は不明。2023年11月13日にニューヤマザキデイリーストアが閉店。2023年12月16日にニューヤマザキデイリーストアの跡地にイベントスペース『SAKU-Lab』が開業した。
2024年1月8日に東所沢公園で展示されていた『チームラボ どんぐりの森の呼応する生命』の展示が終了、2024年1月14日にはネットカフェ&カラオケ店のニカケルサンが営業終了し閉店した。どちらも跡地利用は不明。
施設(2024年1月現在)
大きく分けて3つの施設と2つの広場で成り立っている。施設は赤字で示している。個別記事があるものは下線を引いている。
- ところざわサクラタウン本棟
- 工場エリア
- BFCファクトリー・BFCゲートウェイ(書籍生産製本工場、小ロットで生産可能であり2024年以降に稼動予定、1-4階)
- 所沢キャンパス(KADOKAWAの所沢オフィス、5階、入り口は2階)
- N高等学校・S高等学校ところざわサクラタウンキャンパス(スクーリング会場、5階、入口は2階)
- 集客エリア
- ダ・ヴィンチストア(2階、KADOKAWA直営の書店、サイン本の販売も行われている)
- りそなグループ セルフプラザ(2階、りそな銀行の店舗)
- LOVE埼玉パーク presented by J:COM(2階、J:COM運営の放送配信ブース)
- ニカケルサン(2階、ジョイサウンド直営店のカラオケ店)
- タリーズコーヒー(2階、喫茶店)
- さわいち&サクラブルワリー(2階、クラフトビール提供の武蔵野うどん店)
- 武蔵利休(2階、埼玉県の名産狭山茶を使う和カフェ)
- ラーメンWalkerキッチン(2階、角川アスキー総研が運営のラーメン店、雑誌と連動している。)
- 角川食堂(3階、社員食堂だが一般客も利用可能なレストラン)
- ニューヤマザキデイリーストア(3階、コンビニだがアニメグッズコーナーがある)
- Sakura-Lab (3階、イベントスペース)
- EJアニメホテル(6階、全33室)
- 屋上庭園(6階、コロナ禍のためホテル宿泊者のみ解放)
- ジャパンパビリオン(2・3階、多目的ホール、着席定員650人、立席定員1800人)
- 角川武蔵野ミュージアム(総合インフォメーション・受付は2階)
- 本施設に、公益財団法人角川文化振興財団の事務所も設置されている。
- 博物・美術・図書館であるため有料施設であり、入場にはチケットの購入が必要。
- 特別展のための特別料金とマンガ・ラノベ図書館は除く当日券の入場料金は、大人1400円、中高生1200円、小学生1000円となっている。以下は施設内の施設名である。
- マンガ・ラノベ図書館(1-2階)※日本の大手数社のライトノベルを中心とした図書館
- グランドギャラリー(1階)※企画展場
- 源義庭園(1階)※図書館入場者のみ閲覧可能、国文学者であった角川書店創業者自宅の庭園の再現。
- ロックミュージアムショップ(2階)
- 角カフェ(2階、喫茶店)
- EJアニメミュージアム(3階)※企画展場
- 本棚劇場(4-5階)※2020年のNHK紅白歌合戦で、YOASOBIの歌唱会場として使用された。
- エディットタウン(4階) ※館長・編集工学者の松岡正剛他がテーマごと選書した図書館。
- エディットアンドアートギャラリー(4階)※企画展場
- 荒俣ワンダー秘宝館(4階) ※博物学者・荒俣宏監修のキワモノも含まれた小型博物館
- ワークショップルーム(4階)
- レクチャールーム(4階)
- アクティブステップ(4-5階・階段)荒俣宏蔵書のうち3000冊を19世紀から最近の書籍まで多岐に渡るジャンルの本を開架している。
- 武蔵野回廊(5階) ※武蔵野地域をテーマとした図書を開架してあり閲覧することができる。KADOKAWA発行のムック雑誌「武蔵野樹林」編集部のデスクも設置されてある。
- 武蔵野ギャラリー(5階)※所沢も位置している武蔵野をテーマとした展示がなされている
- SACULA DINER(5階:レストラン)地場産物を使ったレストラン。
- 武蔵野坐令和神社
- 通称は「むさしのれいわじんじゃ』と読むが、正式名称は『むさしのにます うるわしき やまとの みやしろ』。命名者は国文学者の中西進。祭神については、主祭神は東京大神宮より「天照皇大神」、相殿神に地元東所沢の氏神の本郷氷川神社「素盞鳴尊(スサノオ)」を招き祭神とした。
- 祈祷も受け付けているほか御朱印のほか、お守りを頒布しており、「締切守」という作家向けのお守りも頒布している。「見える子ちゃん」のアニメーションとコラボレーションして、お清めの塩のためのお払いも行い、配布したことある。
- 千人テラス(1階)、中央広場(2階)
- どちらも屋外広場でオープンスペース。千人テラスはミュージアムから本棟に行く際の東川に面したところに設置されている。中央広場は入り口から、本棟、ミュージアム、神社の間にある空間であり二つ合わせて4000平方メートルのスペースがある。前者は講演、後者はイベント向けの用途となっている。
周辺施設
- 所沢市観光情報・物産館『YOT-TOKO』
2021年5月29日開業。ところざわサクラタウン2階から歩道橋・デッキを通して赴くことができる。所沢市が建設した発信施設で、所沢の特産品・名産品の他、飲食物を提供してい軽食コーナーもある。指定管理者制度を敷いているが指定管理者はKADOKAWAや角川文化振興財団など角川グループではなく、所沢市の外郭団体である。しかしところざわさくらタウンの向かい側にあり大型バスが旋回できるような広い駐車場を持つ。 - 東所沢公園
ところざわサクラタウンに隣接する公園。保有は所沢市。角川文化振興財団が指定管理者として運営しており、「武蔵野樹林パーク」を置きその中にカフェを置き、現代アートを常設展示していた(2024年1月8日で展示終了)。
余談
- ジャパンパビリオンでは、角川映画特集として映画上映が行われたり、KADOKAWAの株主総会が行われたりとホール兼映画館としても機能している。
- 東所沢駅からところざわサクラタウンに向かう道路にあるマンホールの一部にはKADOKAWA作品のキャラクターのマンホールが設置されている。
アクセス
- 車
関越自動車道・所沢インターチェンジから車で8分。 - バス
一般路線バス:東所沢駅・志木駅から西武バスで10分。所沢駅発着の西武バスからも直通している。ところざわサクラタウン停留所下車徒歩1分。
羽田空港行きの高速バスの一部で、上記停留所に停車。 - 電車
JR武蔵野線東所沢駅から徒歩10分。
関連動画
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
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