「リアル野球盤」と書かれることもある。
概要
毎年の正月と夏に2回放映されているバラエティ特番「夢対決!とんねるずのスポーツ王は俺だ!スペシャル」の企画の一環にて放映されるゲーム。2000年に初回が行われてから20年以上の歴史を数える。
簡単にいえば、昭和の時代から存在したおもちゃの野球盤を、リアルサイズに野球場へ再現してとんねるずがプロ野球選手たちと対決するというダイナミックなゲーム企画である。
「スポーツ王は俺だ!」番組内の他のコーナーと同じく、とんねるずが各種のハンディキャップやイカサマを使ってプロ相手にガチンコ勝負を挑むのだが、他の企画と比較するとハンデこそあってもズル要素は少な目。
とんねるず側のチームに助っ人として出演している球界OBや現役プロ野球選手と同様、帝京高校野球部に所属した経歴がある石橋貴明向けの企画といえる。相棒の木梨は野球未経験者なので、彼がリアル野球BANへ参加したのは2001年のシドニー五輪代表との対決時のみ。この反面、木梨は単独でサッカー企画を行っている。
石橋率いるチームが「石橋JAPAN」または「チーム帝京」が、現役プロ野球選手が中心となって構成されるゲストチームと対戦する。第1回の対戦相手は松坂大輔。その後も新庄剛志や松井稼頭央、バリー・ボンズなどプロ側は個人であることが多かったが、中期からは昨年度の日本シリーズ制覇チームやオリンピックやWBCなどの国際試合での日本代表、あるいは大阪桐蔭高校出身者など、チーム戦で対戦するのが恒例となっている。近年では「侍JAPAN」としてチーム名が統一されており、当記事でもチーム名の表記を「石橋JAPAN」「侍JAPAN」で統一する。
2007年以降は、試合中最も活躍した選手に日産自動車の車がMVP賞の賞品として贈られている。
なおとんねるずは毎年、正月のこの番組で一流アスリートや野球選手たちと対決するために日夜トレーニングを重ねており、特にリアル野球BANに限っていえばバッティングセンターに通ったり体力作りを欠かさないよう鍛錬を重ねている。その結果、(ハンデがあるとはいえ)時に50代という年齢を感じさせない活躍ぶりを見せる事も。
番組収録が行われるのは正月じゃないけど。
ルール
野球盤のゲーム遊びを再現し、打席に立ったバッターがピッチングマシーンから投げられた球をバットで打ち、その結果によって攻撃が決まるかアウトとなるかが決まる。なおピッチングマシーンの横には投手の映像を映すモニタが設置され、投手と実際に向かい合っているように見える。
球場内には守備チーム側の選手が存在せず、グラウンド各所やフェンス際に「ヒット」「2ヒット」「OUT」「ダブルプレー」「ホームラン」などなど、野球盤のように文字が書かれたエリアが配置されており、打った球がどこへ入ったか、または止まったかで攻撃の可否が決定する。文字が何も無いエリアで止まったり、ピッチャー位置ほか各所で配置されたネットに捕えられた場合はアウトとなる。また「ダブルプレー」エリアは2012年以降登場したもので、ここに打球が入った場合はバッターと先頭打者の両方がアウトになってしまう(走者がいない場合は打者のみ1アウト)。
なお攻撃者はバッティングセンターのように球を打つ以外に行うべきアクションは無く、打球の結果次第で出塁の可否も自動で決定するため塁へ走る必要はない(塁上の走者は人形を置いている)。
また投手側もマシンを操作する以外にやる事は何もない。
勿論、打球がフェンスを越えていけばホームランである。
また、投手側は投げる球をいくつかの種類から選択するのだが、石橋JAPAN(=アマチュア)はプロ野球選手のゲストが相手なので速球や変化球など5種類の球から選ぶ事が出来る反面、侍JAPANは石橋チームへのハンデとして3種類のみ選べるようになっている。
他にも、石橋JAPANのアマチュアは金属バットが使用できるが、侍JAPANチーム及び石橋JAPANのプロ野球選手は木製バットを使うルールになっている。ただし前田健太は侍JAPANチームでも金属バットを使用した。
ゲームは5イニングまでの勝負で10点コールド制。ただ後述の通り、一度勝負がついてから負けた側が延長を懇願するのがお約束であり、最終的な決着は延長後のものが正式な結果となる。
ちなみに、守備チームがピッチングマシンで投げる球種を予告するのは、キャッチャーに対してどんな球を投げるかを伝える安全上の意味から(本ゲームのキャッチャーは両チームと関係ない選手が行っている。なのでファウルフライも捕球しない)。
ピッチングマシーンから投げる球の種類
基本的には同じだが、ラインナップは年ごとに異なる場合もある。ピッチングマシーンは初回から一貫してキンキクレスコ製を使用(1回だけ他社から提供されたものも使用している)。近年はリアル野球BANに向けて新しい球種を開発するなどしている。
石橋JAPANが投げられる球 | 相手が投げられる球 |
---|---|
速いストレート(140km/h) | 速いストレート(120km/h) |
遅いストレート(110km/h) | 遅いストレート(100km/h) |
カーブ(100km/h) | カーブ(100km/h) |
スプリット(120km/h) | 速いストレート(140km/h) |
スライダー(120km/h) | |
反則ストレート(155km/h) | |
びっくりシンカー(120km/h) | |
ごっついスライダー(120km/h) |
実際のゲームの様子
2000年代に入って以降このゲームがテレビで放映されると、懐かしさよりも通常の野球とは違った人気を博した。
というのも、いい当たりで打ったはずの球がOUTゾーンへ入りアウトやダブルプレーに終わってしまったり、逆に大した事のない当たりがヒットや2ヒットになったりと、参加者や視聴者が全く予想しない事態が続発し、普通の野球試合では見られないような白熱ぶりを見せている。野球盤という認識が薄い当初はいい当たりが出てもアウトになったことに抗議する選手に「これ野球盤だから」と周囲が突っ込むのがお約束であった。
またリアル野球BANでは石橋JAPANも侍JAPANも、頃合いを見てちょっとしたズルやイカサマに手を染める事があり、抗議されたりスルーされたりで一層の面白さを見せている。
プロ野球選手がいる侍JAPANは本来3種類しか投げる球を選べないが、杉谷拳士など石橋JAPAN所属のプロ野球選手が打席に立った時はルールを無視してプロ相手の球をしれっと投げていたりもした。「今の球違うんじゃない?」と抗議されたこともあったが、真相は侍JAPANとキャッチャーと視聴者にしかわからない(テレビで放映される際はナレーションや「違反球!」などのテロップで解るように編集されている)。なおルール違反を犯しても特にペナルティなどは課されない様子である。
また金属バットの使用は基本的に石橋JAPANのアマチュアにのみ認められているのだが、侍JAPANが負けている場合はチーム石橋の挑発により金属の使用が認められた事もあったり、また石橋JAPANに対して侍JAPANの選手が無断で金属バットを使ったりもしていた。
投球に使われるピッチングマシーンも対戦を盛り上げる役目を果たしている。特に石橋JAPANは毎年カーブの攻略に苦戦し、三振したり凡打に終わったりなど散々な結果になることが多い。石橋から各選手に「カーブは打つな」という指示が出ることもあるが石橋自身も含めて基本的に守られることはほぼない。ただ近年はカーブにやられっぱなしというわけではなく、特にゴルゴ松本は長年苦手と言われていたカーブを克服している。
またプロもピッチングマシーンに苦戦する選手がたまに見受けられ、近年では侍JAPANとして出場した松田宣浩が3打席連続三振を喫するという事態も発生した。もっともこれはピッチングマシーンの投球映像が140キロのストレートも100キロのカーブも同じフォームであるためタイミングが取りづらいから、ということも原因にある。更に石橋の配球も手伝って、思わぬ苦戦を強いられる選手も少なくない。
他にも、石橋JAPANと侍JAPANの間で交わされる小気味良い挑発マイクパフォーマンスもリアル野球BAN対決における人気要素の1つで、上述の通り互いを挑発してはゲームの様相がさらに変化したり、相手を挑発して有利に持ち込んだはずが逆に追い詰められたりと、ハンデやルールにまで影響したりもしている。
そればかりか石橋JAPANが侍JAPANに挑発されて木製バットを使ったこともあった。
このゲーム中に選手たちの口から飛び出し、流行した名言も少なくない。
近年の石橋JAPANのメンバーが帝京高校野球部出身で統一されていることもあり、帝京に関するネタやメッセージも積極的に取り入れられている。特に同地区で甲子園行きを争う二松学舎出身の鈴木誠也が登場するようになってからはこの色がより顕著になった。鈴木からも帝京ネタを振られることがある。二松学舎以外には甲子園常連でプロも多く輩出する大阪桐蔭もピックアップされることが多い。
特に杉谷拳士は初登場時から芸人以上のパフォーマンスをすることが多く、出場したときは必ず何らかの爪痕を残している。石橋JAPANでお笑いパートを担当するゴルゴ松本以上に自由であり、笑いへの瞬発力も並の芸人以上。この企画のために多数の課金アイテムバットや小道具を用意しており、自打席でお披露目を兼ねた一発芸をするのがお約束。このため野球の上手い芸人と言われることもあるが、左右両打席連続ホームランというNPB唯一無二の記録も持っているれっきとしたプロ野球選手である。侍JAPANの選手曰く「杉谷は野球やめても仕事がいっぱいある」。実際に芸能事務所からのオファーもあったらしいが断っている。企画内での活躍は本人の個別記事を参照。
そして、試合終了後に整列したかと思えば、敗北したチームが全員で土下座しながら泣きの1回を申し出るのもお約束。
特に侍JAPANのプロ野球選手たちが敗れた場合は、石橋ほか芸能人たちに対してプロのプライドもかなぐり捨て土下座しては石橋に辛辣な言葉をぶつけられるのも定番と化している。と言っても石橋は単に罵倒するわけではなく、それぞれの出場選手のことを考えた激励の意味も込められている。
これらの事情から、ガチンコ野球対決でありながらバラエティとしても成立しているゲームであり、視聴者たちからの人気も高く、番組内でも大きめの時間枠が用意されている看板コーナー。ニコニコ動画でも様々に動画が作られたり、pixivやtwitterではパロディなイラストも描かれている。
主な出演者(及び過去の出演者)
石橋JAPAN/チーム帝京(石橋チーム) |
夏(ゲストチーム) |
正月
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関連動画
関連静画
関連項目
子記事
兄弟記事
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