- プロ野球選手一覧 > 甲斐拓也
甲斐拓也(かい たくや、1992年11月5日-)とは、大分県出身のプロ野球選手(捕手)である。現在は読売ジャイアンツに所属。
概要
| 読売ジャイアンツ #10 | |
|---|---|
| 甲斐拓也 | |
| 基本情報 | |
| 国籍 | |
| 出身地 | 大分県大分市 |
| 生年月日 | 1992年11月5日 |
| 身長 体重 |
170cm 85kg |
| 選手情報 | |
| 投球・打撃 | 右投右打 |
| 守備位置 | 捕手 |
| プロ入り | 2010年育成ドラフト6位 |
| 経歴 | |
| 国際大会 | |
| 国籍 | |
| APBC | 2017年 |
| 日米野球 | 2018年 |
| プレミア12 | 2019年 |
| 五輪 | 2021年 |
| プロ野球選手テンプレート | |
小学校から兄の影響で野球を始め、中学では内野手としてシニアに所属した。
楊志館高等学校で捕手に転向。高校では2年夏の県大会ベスト8が最高で、甲子園出場はなかった。ちなみにその2年夏の準々決勝で敗れた相手が、後にソフトバンクでチームメイトとなる今宮健太を擁した明豊高校であり、3番・捕手で出場していた甲斐はノーヒットに抑えられ、9回表に最後のバッターとして投手・今宮の前に三振に倒れている。
3年夏は県大会1回戦敗退で終え、ドラフト戦線ではほぼノーマークの存在だったが、甲斐が進路に迷っているのを見た野球部の監督が、ソフトバンクのスカウトに連絡を取ったことでスカウトの目に触れる。
2010年育成ドラフト6位で福岡ソフトバンクホークスに入団した。背番号は130、登録名は「拓也」(オリックスに同音異字の甲斐拓哉がいたためと思われる)。なお同年の育成ドラフトでは4位で千賀滉大、5位で牧原大成が指名されている。
ソフトバンク時代
2013年までは主に三軍で二軍での出場機会も少なかったが、2013年オフに田上秀則の引退と山崎勝己のFA移籍により支配下登録の捕手が3人だけになってしたこともあり、猪本健太郎と共に契約更改時に支配下登録され、背番号を62に変更した。
その後は二軍で同期のドラフト1位の山下斐紹と正捕手の座を争うが、一軍に昇格しても高谷裕亮、鶴岡慎也、細川亨といったベテランが先発出場していたため、なかなか出場機会を得ることはできなかった。
2017年は登録名を本名に戻し、開幕を一軍で迎える。4月4日には同期入団の千賀滉大とバッテリーを組んだが、育成選手出身の選手がバッテリーを組むのは史上初だった。千賀滉大、東浜巨といった若手と組む際の捕手として先発出場の機会を増やした。5月2日の埼玉西武ライオンズではプロ初の満塁ホームランを記録した。自己最多の103試合に出場し、2年ぶりのリーグ優勝と日本一に貢献した。オフにアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)の日本代表に選出された。育成選手出身者として史上初のゴールデングラブ賞とベストナインのダブル受賞も達成した。
2018年は鶴岡慎也の移籍や捕手陣の故障者続出もあって、開幕から正捕手に定着し、117試合にスタメン出場。リーグトップの盗塁阻止率.447をマークし、2年連続のゴールデングラブ賞を受賞した。クライマックスシリーズでは2本塁打を挙げる活躍に加え、その肩で西武打線の足を封じ込め、下克上によるチームの日本シリーズ進出に貢献した。
広島東洋カープとの日本シリーズでは、6試合で広島の6度の盗塁を全て刺し、6連続盗塁阻止の日本シリーズ新記録を達成。セ・リーグ盗塁数1位の広島の機動力を完全に封殺し、「甲斐キャノン」がTwitterでトレンド1位になるなど強烈なインパクトを残した。その守備面での活躍が評価され、打撃では打率.143、0打点だったにもかかわらず日本シリーズMVPを受賞した。育成出身選手では史上初。
オフには日米野球に出場し、ヤディアー・モリーナからバットを貰った。
2019年もシーズンを通して正捕手に固定。前年を上回る133試合でスタメンマスクを被り、打撃でも結果を出して初めて規定打席に到達。打率.260、育成出身野手初の2桁本塁打となる11本塁打をマークした。守備では刺殺・補殺・守備率で捕手リーグ1位を獲得し、3年連続のゴールデングラブ賞を受賞。
オフには第2回WBSCプレミア12に出場、高橋礼の先発時にスタメンマスクを被った。また、背番号を19に変更。ソフトバンクで捕手が背番号19をつけるのは野村克也以来となる。
2020年も120試合中100試合でスタメンマスクを被り、不動の正捕手としてチームを支えた。打撃では打率.211と低打率に終わったが、前年に続いて11本塁打をマーク。守備でも前年に続いて刺殺・補殺・守備率でリーグ1位、前年は8だった捕逸を2に留めた。西武の森友哉が不振だったこともあってか3年ぶりのベストナインと、4年連続のゴールデングラブ賞を受賞。また投手三冠を獲得した千賀滉大とともに初の最優秀バッテリー賞を受賞した。
日本シリーズでは前年以上に巨人打線を完全に封じ込め、打撃でも第4戦で実質的に試合を決める追加点となった2ランなど2本塁打を記録し、日本一に貢献した。
2021年は東京五輪の侍ジャパンに選出、正捕手として5試合中4試合でスタメンマスクを被り、投手陣を好リード。バットでもノックアウトステージ初戦のアメリカ戦でのサヨナラタイムリーなどで金メダル獲得に貢献した。
シーズンでは全143試合に出場、そのうち137試合でスタメンマスクを被った。打撃はほぼ前年並み、守備では3年連続で刺殺・補殺・守備率リーグ1位。パ・リーグ捕手では最多の守備機会数で1失策に留め、盗塁阻止率も.452で3年ぶりのリーグ1位を獲り、5年連続のゴールデングラブ賞を受賞した。
2022年は打撃改造に取り組む。130試合に出場したが、打率.180、1本塁打、27打点と結果を残せなかった。盗塁阻止率はリーグ2位だったが、6年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。また2年ぶりにベストナインも受賞した。
2023年1月6日に第5回WBCの日本代表に選出されたことが発表された。
2024年は海野隆司と併用されたことで出場機会数が減少。8月31日の千葉ロッテマリーンズ戦で育成選手出身史上初の通算1000試合出場を達成した。119試合の出場で打率.256、5本塁打、43打点を記録し、4年ぶりのリーグ優勝に貢献。有原航平と共に最優秀バッテリー賞を受賞した。
巨人時代
2024年オフにFA権を行使し、12月17日に読売ジャイアンツと4年契約を結んだことが発表された。背番号は10。
プレースタイル・人物
最大の武器は「甲斐キャノン」と称されるその鉄砲肩。ドラフトの時点から肩とスローイングだけでプロ入りしたようなもので、送球の正確さに加えて捕ってから投げるまでの動作が非常に俊敏であり、二塁送球1.67秒というNPB最速記録(2016年の記録開始以来)を持つ。ヤフオクドームでは2018年から、甲斐が盗塁を刺すとオーロラビジョンに「KAI CANNON」の演出が表示されるようになった。
驚異の盗塁成功率を誇る西川遥輝をよく刺す(2018年は、西川の盗塁失敗3回のうち2回が甲斐)ため、互いに強く意識しているらしい。西川は甲斐と対して盗塁時に初めて捕手のことを意識したとか。
打撃は確実性に欠けるが、パンチ力があるタイプ。捕手ながら俊足でもあり、2018年の日本シリーズでは両チームあわせて唯一の盗塁成功を記録している。
公称170cmとプロ野球選手としては小柄。育成時代には二軍戦に出場した後、その試合で組んだ先輩投手がトイレで「小さくてめちゃくちゃ投げにくかった」「二度と組みたくない」と話しているのを聞き、プロでやっていく自信をなくしかけたこともあったという。
同期入団の同級生で同じ育成上がりの千賀滉大とは大の仲良し。夜中に「お前の声が聞きたくなったから」という理由で千賀に電話したりしているらしく、千賀曰く「拓也が彼女みたいで困る」。周囲からも「仲が良すぎて正直ちょっと気持ち悪い」(五十嵐亮太)、「イチャイチャするのをやめてもらいたい」(東浜巨)とのこと。あのさぁ……。なお、甲斐は2018年の開幕時に、千賀は2015年のオフに結婚している。
2019年の正月には「とんねるずのスポーツ王は俺だ!」内の企画「リアル野球BAN」に侍JAPANのメンバーとして参加。リアル野球BANのルール上、肩の見せ場がないため、石橋貴明からは「アウト要員として呼んだ」と言われてしまうが、蓋を開けてみると2ランホームランを含む8打数7安打6打点、サイクルヒット達成の大暴れ。反則の155km/hストレートを日米野球で貰ったモリーナバットで綺麗に打ち返し、コールドで敗れ土下座して再試合を要望する石橋JAPANに対して「しょうがない、やってあげましょう」など畜生発言も連発して、石橋から「絶対育成に戻してやる!」と言われた。
応援歌
| 球団 | レス | No | プレイヤー |
|---|---|---|---|
| ソフトバンク | パシフィック・リーグの応援歌のピコカキコ一覧#18 | 14774 |
成績
年度別打撃成績
| 年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2014年 | ソフトバンク | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | .--- |
| 2015年 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | .--- | |
| 2016年 | 13 | 7 | 6 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | .167 | .286 | |
| 2017年 | 103 | 257 | 207 | 30 | 48 | 8 | 3 | 5 | 18 | 4 | 22 | 0 | 26 | 2 | 68 | 2 | .232 | .323 | |
| 2018年 | 133 | 363 | 314 | 27 | 67 | 13 | 1 | 7 | 37 | 2 | 23 | 0 | 26 | 0 | 79 | 6 | .213 | .274 | |
| 2019年 | 137 | 454 | 377 | 42 | 98 | 15 | 0 | 11 | 43 | 9 | 23 | 3 | 50 | 1 | 114 | 9 | .260 | .346 | |
| 2020年 | 104 | 360 | 289 | 44 | 61 | 15 | 0 | 11 | 33 | 4 | 22 | 3 | 43 | 3 | 80 | 7 | .211 | .317 | |
| 2021年 | 143 | 479 | 405 | 42 | 92 | 15 | 0 | 12 | 44 | 6 | 26 | 2 | 44 | 2 | 142 | 7 | .227 | .305 | |
| 2022年 | 130 | 405 | 323 | 25 | 58 | 9 | 1 | 1 | 27 | 3 | 38 | 1 | 38 | 5 | 85 | 9 | .180 | .275 | |
| 2023年 | 139 | 420 | 366 | 35 | 74 | 16 | 1 | 10 | 44 | 0 | 18 | 2 | 31 | 3 | 117 | 5 | .202 | .269 | |
| 2024年 | 119 | 392 | 344 | 34 | 88 | 25 | 0 | 5 | 43 | 1 | 14 | 2 | 31 | 1 | 89 | 6 | .256 | .317 | |
| NPB:11年 | 1023 | 3137 | 2631 | 280 | 587 | 117 | 6 | 62 | 290 | 27 | 186 | 13 | 290 | 17 | 778 | 51 | .223 | .303 | |
国際大会での打撃成績
| 年 度 |
代 表 |
大 会 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 日本 | プレミア12 | 4 | 7 | 7 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .143 | .143 |
| 2021年 | 五輪 | 5 | 16 | 13 | 3 | 5 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | .385 | .467 | |
| 2023年 | WBC | 4 | 15 | 11 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | .091 | .286 |
年度別守備成績
| 年 度 |
球 団 |
捕手 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
捕 逸 |
||
| 2014年 | ソフトバンク | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 0 |
| 2016年 | 12 | 16 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | |
| 2017年 | 102 | 635 | 63 | 1 | 1 | .999 | 3 | |
| 2018年 | 133 | 770 | 97 | 8 | 16 | .991 | 4 | |
| 2019年 | 136 | 1015 | 101 | 3 | 13 | .997 | 8 | |
| 2020年 | 104 | 835 | 88 | 3 | 8 | .997 | 2 | |
| 2021年 | 143 | 1118 | 102 | 1 | 15 | .999 | 4 | |
| 2022年 | 130 | 965 | 102 | 6 | 8 | .994 | 3 | |
| 2023年 | 139 | 931 | 101 | 5 | 10 | .995 | 1 | |
| 2024年 | 117 | 826 | 72 | 1 | 5 | .999 | 4 | |
| 通算 | 1018 | 7113 | 728 | 28 | 76 | .996 | 29 | |
表彰・その他
| 表彰 | ||
|---|---|---|
| ゴールデングラブ賞 | 7回 | 2017年-2022年、2024年 |
| ベストナイン | 3回 | 2017年、2020年、2022年 |
| 日本シリーズMVP | 1回 | 2018年 |
| 最優秀バッテリー賞 | 2回 | 2020年(投手:千賀滉大)、2024年(有原航平) |
| その他 | ||
| オールスターゲーム出場 | 3回 | 2018年、2019年、2021年 |
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関連項目
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