中央西線とは、中央本線のJR東海区間の通称である。愛知・岐阜県方面からの乗客が用いる「中央線」の呼称は通常こちらを指す。これは東京口(東京起点としたダイヤ表)の乗客と同様である。
概要
中央本線は正式には東京~名古屋間(鉄道営業法による免許上は神田~代々木間と新宿~名古屋間)であるが、旧国鉄時代に途中の塩尻で東西両方向からのの線型が篠ノ井線(松本・長野方面)へと向けられ、塩尻を跨いで運行されている中央本線の旅客列車が廃止された。これにあわせ、中央東線、中央西線が通称として復活した(かつての中央本線全通までの旧称)。その後、旧国鉄の分割民営化にあたり、それまでの長野・岐阜県境の管理局境界に換わり、塩尻~洗馬間が東日本と東海との会社境界とされている。なお、線路のキロポストは東京起点を両社とも統一使用する。
これは特に長野県民にとって、中津川・名古屋方面の中央西線と、甲府・新宿方面の中央東線との区別で頻用される(オレンジ帯も青い帯もどっち行くかわかんないし)。また乗車券の経由線表記も重要で、例えば静岡から塩尻まで切符を買うと(経由:東海道・中央西)→発券操作:トウカ.チユサ または(経由:東海道・中央東)→発券操作:トウカ.チユト などと表示されるように、通称線名として業務上も広く用いられる。
ダイヤ
名古屋~中津川
2024年3月16日のダイヤ改正では、日中は原則として、特急「しなの」(名古屋~長野間)が1時間に1本、区間快速が1時間に3本(名古屋~中津川が2本、名古屋~瑞浪が1本)、普通列車が3本(名古屋~多治見が2本、名古屋~高蔵寺が1本)設定されている。朝晩は区間快速の代わりに快速が設定され、本数も増える。多治見~中津川間は快速・区間快速が各駅に停車することもあって、普通列車は朝晩のみ設定されている。また朝晩に神領および土岐市発着列車、愛知環状鉄道直通列車、ホームライナーも設定されている。
2022年3月12日のダイヤ改正以降、名古屋駅と中津川駅で普通・快速列車の全列車の運転系統が分断されている。
それ以前には限られた本数のみではあるが、中津川駅を跨ぐ普通・快速列車が存在し、朝に南木曽駅・坂下駅から名古屋駅まで通しで運転する列車や、早朝に神領駅始発で松本駅まで通しで運転する列車があった。また名古屋駅についても、名古屋駅から東海道本線への乗り入れ列車(朝に中央西線から岐阜駅への2本のみ)が存在していた。
後述の駅一覧を見てもらえばわかる通り、快速は通過する駅が少ない、いわゆる「隔駅停車」である。特に名古屋~大曽根間は各駅に停車している。もともとこの区間では金山と鶴舞を通過していたが、金山は同駅の総合駅化へ伴い1989年に、鶴舞は1997年に停車駅へと加えられ、現在のようになっている。この区間では全駅で地下鉄と連絡しており、市内各所のアクセス向上の目的が強いと推測される。
さらに2024年3月16日のダイヤ改正で、快速の停車駅から2駅増えた区間快速も新設された(よって通過駅は定光寺駅と古虎渓駅の2駅しかない)。ただしこの改正で、315系導入に伴う同区間の列車の速度引き上げが行われたため、所要時間の増加は抑えられている。
現在は特急・ホームライナー・快速・区間快速・普通のみの運行だが、2013年3月15日まではセントラルライナーが、2003年9月30日までは急行「ちくま」が、1966年3月4日までは準急が運行されていた(臨時列車を除く)。
中津川~塩尻
中津川以東(木曽地区)の普通列車はほとんどが中津川~松本間の列車だが、坂下・南木曽・上松・木曽福島及び塩尻発着の列車もある。区間によっては2時間程度普通列車の時間が空く。
路線図
2022年3月12日改正現在。
便宜上しなのの運行区間である篠ノ井線塩尻~篠ノ井間・信越本線篠ノ井~長野間の特急停車駅と運行形態が中央本線と同一の篠ノ井線塩尻~松本間も入っている。
路 線 名 |
普 通 |
区間快速 | 快 速 |
ホ | ム ラ イ ナ | |
し な の |
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 |
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中 央 本 線 |
● | ● | ● | ● | ● | 名古屋駅 | ■JR東海 東海道新幹線・東海道本線(岐阜駅・米原駅方面)・関西本線 ■名古屋市営地下鉄 東山線・桜通線 ■あおなみ線 ■近畿日本鉄道 名古屋線(近鉄名古屋駅) ■名古屋鉄道 名古屋本線(名鉄名古屋駅) |
● | ● | ● | ● | ▲ | 金山駅 | ■JR東海 東海道本線(岡崎駅・豊橋駅方面) ■名古屋市営地下鉄 名城線・名港線 ■名古屋鉄道 名古屋本線 |
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● | ● | ● | ● | | | 鶴舞駅 | ■名古屋市営地下鉄 鶴舞線 | |
● | ● | ● | ● | ● | 千種駅 | ■名古屋市営地下鉄 東山線 | |
● | ● | ● | ● | | | 大曽根駅 | ■名古屋市営地下鉄 名城線 ■名鉄瀬戸線 ■ゆとりーとライン |
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● | ● | | | | | | | 新守山駅 | ||
● | ● | ● | | | | | 勝川駅 | ■東海交通事業 城北線 | |
● | ● | ● | | | | | 春日井駅 | ||
● | ● | | | | | | | 神領駅 | ||
● | ● | ● | ● | | | 高蔵寺駅 | ■愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線 | |
● | | | | | | | | | 定光寺駅 | ||
● | | | | | | | | | 古虎渓駅 | ||
● | ● | ● | ● | ● | 多治見駅 | ■JR東海 太多線 | |
● | ● | ● | ● | | | 土岐市駅 | ||
● | ● | ● | ● | | | 瑞浪駅 | ||
● | ● | ● | | | 釜戸駅 | |||
● | ● | ● | | | 武並駅 | |||
● | ● | ● | ▲ | 恵那駅 | ■明智鉄道 明知線 | ||
● | ● | ● | | | 美乃坂本駅 | |||
● | ● | ● | ● | 中津川駅 | |||
● | | | 落合川駅 | |||||
● | | | 坂下駅 | |||||
● | | | 田立駅 | |||||
● | ▲ | 南木曽駅 | |||||
● | | | 十二兼駅 | |||||
● | | | 野尻駅 | |||||
● | | | 大桑駅 | |||||
● | | | 須原駅 | |||||
● | | | 倉本駅 | |||||
● | ▲ | 上松駅 | |||||
● | ● | 木曽福島駅 | |||||
● | | | 原野駅 | |||||
● | | | 宮ノ越駅 | |||||
● | | | 薮原駅 | |||||
● | | | 奈良井駅 | |||||
● | | | 木曽平沢駅 | |||||
● | | | 贄川駅 | |||||
● | | | 日出塩駅 | |||||
● | | | 洗馬駅 | |||||
● | ● | 塩尻駅 | ■JR東日本 中央本線(甲府駅・辰野駅方面) | ||||
篠 ノ 井 線 |
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● | | | 広丘駅 | |||||
● | | | 村井駅 | |||||
● | | | 平田駅 | |||||
● | | | 南松本駅 | |||||
● | ● | 松本駅 | ■JR東日本 大糸線 ■アルピコ交通 上高地線 |
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▲ | 明科駅 | ||||||
▲ | 聖高原駅 | ||||||
● | 篠ノ井駅 | ■しなの鉄道 しなの鉄道線 | |||||
信 越 本 線 |
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● | 長野駅 | ■JR東日本 北陸新幹線・信越本線(直江津駅方面)・飯山線 ■長野電鉄 長野線 |
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路 線 名 |
し な の |
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 |
- 名古屋駅~金山駅は、中央本線(中央西線)と東海道本線の重複区間となっている。線路も別々になっている。
- 名古屋駅~金山駅の間には、東海道本線の線路上には尾頭橋駅があるものの、中央西線の線路上にはない。そのため同駅には中央西線の列車はすべて(普通列車を含めて)停車しない。
使用車両
JR東日本の211系は長野総合車両センターの所属、そのほかは神領車両区の所属である。
名古屋~中津川間における主力。同区間では2022年3月12日改正以前は4・6・8・10両編成が混在しており、211系・313系の連結(両形式併結もあり)の組み合わせでこれらの両数が組まれていたものの、315系の増備を受け、同改正で8両編成に統一されている。
313系のうち1300番台のワンマン対応編成は木曽地区のローカル列車にも充当される。
また313系のうち8000番台が普通・快速列車のほか、かつてはセントラルライナー、のちにはホームライナーにも充当されていたが、2022年3月12日改正で中央西線から撤退した。
後に211系(東海車)と313系も315系の増備で名古屋~中津川間は基本315系のみになった。これを受け、2024年3月16日のダイヤ改正で名古屋~中津川間の普通列車・快速列車の所要時間を短縮するダイヤ改正が行われた。
関連動画
関連項目
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