出ましたっ!パワパフガールズZとは、東映アニメーション制作の女児向けオリジナルTVアニメ。
カートゥーンネットワーク(以下CN)制作の『パワーパフガールズ』をアジア向けにリメイクした作品。
概要
ダンスを思わせる変身シーンのクオリティが非常に高いことが有名であり、これの影響を受けたMADも数多く見られる。また脱力変身、パジャマでの変身、敵側モンスターキャラの変身など、1話限りしか使わないものをわざわざ作り起こすことが何度もあり、さらに話題を呼んだ。
CN側からの要望は、「原作であるパワーパフガールズがアジア圏での知名度が低いためアジア版を作って欲しい、だから原作を気にせず自由に作って欲しい」というものであった。これを受けた東映アニメーションのプロデューサーが出したコンセプトは『エロカッコイイ』であり、プロモーション用ポスターと映像が原作では二頭身でポップな絵柄で幼稚園児であった作風とはまったく違うものであった。そのため原作ファンからはその作風の大胆な変貌に賛否両論の声があがった。また制作発表日が4月1日であったため、エイプリルフールに広まったデマだと思った人も多かった。
ヨーヨー、シャボン玉、ハンマーといった武器を主に使い、変身ヒロインものとしては肉弾戦バトルがメインなのが本作の特徴。原作の『パワーパフガールズ』がもともと肉弾戦で戦う作品であったせいもあるが、『ふたりはプリキュア』で有名な作画スタッフの冨田与四一らも参加しているため、アクションシーンは非常に迫力があり、またセクシーさを意識した作画作りがされているのも本作の魅力のひとつになっている。変身シーンも自社作品『おジャ魔女どれみ』の軽快でテンポが良い演出を踏襲した物に成っており、評価が高い。シリーズ後期になるとスーパーロボットやスーパーヒーロー的な合体技が生み出されるようになり、変身ヒロインものの新しい方向性を生み出した。
地上波では朝7時台の放送ということで国内の知名度は低いが、本作の海外での知名度と評価は非常に高く、海外ファンによるファンサイトや、YouTubeなどの動画サイトに投稿される動画が国内ファンより多い。特に南米ではほとんどの日本製アニメが1周期で放送終了してしまう傾向が強い中、本作品は2周期も放送続投が決定している。さらに南米ではマクドナルドのハッピーセットとして2度商品化されている。それ以外にフィリピンのファースフード業界トップであるJollibee(ジョリビー)のKids Meal(マクドナルドのハッピーセットのようなもの)でもグッズが商品化された。理由は不明だが、原作の生まれ故郷である北米CNでは放送終了後十年経っても放送されていない。当時たまりかねた北米ファンが「パワパフZを北米での放送を求む署名運動」を起こすこともあった。
地上波では朝7時台の放送でありながら、変身シーンでへそちらがあったり、オープニングに水着姿があったり、ヒロインがスパッツを切り抜かれてパンツが丸見えになったりと、女児向けアニメとしては異色な作風を持つ。
シリーズ構成はあの浦沢義雄。そのためシリーズ前期はゆる~いテンポのほんわかな話やギャグ要素が多く、原作から大幅に改変されたキャラクターや本作オリジナルキャラクターがときにはヒロインであるパワパフZ以上に活躍するなど、本家を知らない人でも十分に楽しめる内容になっている。シリーズ後期になると、主に作画陣による原作オマージュ色が強くなり、OPは原作を意識したシーンやキャラクターが登場し、本編では原作を元にしたと思われるエピソードが多くなり、原作ファンの期待に応えた。
キャラクターデザインを担当した、しもがさ美穂の愛らしい絵柄は本作品で評価され、「バトルスピリッツ少年突破バシン」でオリジナルキャラクターデザインに採用され、「バトルスピリッツ」のカードイラストも多数描いている。2014年には怪盗ジョーカーのメインキャラクターデザインと総作画監督も務めている。
主な登場人物
- 赤堤ももこ=ハイパー・ブロッサム
CV:加藤英美里
甘いお菓子とかっこいい男の子に眼がなく、暴走とも呼べる常軌を逸脱した、ときにはおよそヒロインらしくない言動が魅力的なキャラ。周りに認められていないが自称パワパフZのリーダー。それでも戦闘中冷静な状況判断と的確な対応策を他の二人に指示することが何度かあり、リーダーの資質はあると思われる。ナポリターノというモンスターと駆け落ちしかけたことがある。彼氏がいるという嘘がもとで、全世界どころか宇宙人まで巻き込んだ大騒動を起こしたことがある。イケメンの上級生にデートに誘われたこともあるが、実はカレによる策略であった。という男難の絶えない少女である。
武器はヨーヨー。攻撃力は低いがスピードを活かした素早い連続攻撃が持ち味。カレとの戦いで危機に陥ったとき、機転を利かせてリボンを武器として使用したことがあった。
担当声優の加藤英美里にとっては、初主役キャラである。- 豪徳寺みやこ=ローリング・バブルス
- CV:宮原永海
お嬢様育ちのため礼儀正しく男子からは憧れの的で、ラブレターをいくつももらっているが、周囲といつもワンテンポ遅れてほんわかしており、その天然ぼけによる周囲とのギャップ差と、なんでも受け入れるおおらかな性格が魅力的なキャラ。シナリオの担当者によって扱いや性格が変わる(不安定?)ため、ボケまくるときもあれば「あの二人には緊張感というものがないのですね」といったキツイ突っ込みを入れるときもある。
武器はシャボン玉が出るロッド。シャボン玉の特性を活かしクッションにする、包み込む、レンズとして使うなど攻守に優れた万能で変幻自在な戦闘ができることが特徴。シャボン玉自体も高い攻撃力があり、あなどれない。動物と会話をする、ケミカル素粒子光線を使わなくても、黒い光や黒い粉を浄化できるという特殊能力がある。
担当声優の宮原永海は『おジャ魔女どれみ』で飛鳥ももこを演じている。 - 松原かおる=パワード・バターカップ
- CV:川名真知子
スカートをはくのも嫌というくらい、女の子らしいことが嫌いなクールでボーイッシュなキャラ。初期の頃は作品内では珍しい常識を持ったキャラとして描かれていた。変身シーンで注意してみないとわからないくらい一瞬ほほを赤らめる。好きな男の子ができて突然女の子らしい振る舞いをしようとする。変な歌やダンスを強要されて恥ずかしがる。魂がはみ出る?ほど嫌がりつつ投げキッスをする。などといった、ときおりみせる普段とのギャップ差が魅力のキャラ。普段はボサボサ髪だが、下ろすとおかっぱになる。
武器は大型のハンマー。パワパフZの中で一番力が強く運動神経が高いため、それらを活かした高い戦闘能力は攻撃の要となっており、彼女が倒されるとパワパフZ自体が窮地に陥ることが多い。1回限りの使用だが、地球を貫通するほど高出力な光線を目から出したことがある。
担当声優の川名真知子は『FNS地球特捜隊ダイバスター』のジュンペイでおなじみ。
関連動画
関連静画
関連項目
関連リンク
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