この記事の情報は断片的・主観的です。 この記事を読んだだけで原子力について議論すると 恥ずかしい思いをする可能性があります。 原子力の理解は簡単ではありませんが、外部サイト・マスコミ・書籍などもあわせて 正しい原子力の知識を身につけましょう。 |
原子力とは、核分裂・核融合などの原子核の反応によって生み出される多量のエネルギーの事。
曖昧さ回避
原子力(科学)の概要
核エネルギーとは、原子核変換によって発生するエネルギーである。
原子核変換は、放射性崩壊と原子核反応があり、原子核反応はさらに、原子核分裂と原子核融合に分けられる。
原子核反応によって発生するエネルギー量は、同重量の化石燃料と比べて桁違いに大きい。
炭素(C)原子1個が二酸化炭素(CO2)になる反応で得られるエネルギーは、4.1eVであるが、2個の重陽子が原子核融合すると3.2MeV(MeV=1000,000eV)、ウラン235が中性子を吸収して核分裂すると約200MeVものエネルギーを発生する。
これは、化石燃料の「燃焼」と原子力における「燃焼」が根本的に異なる現象であるからである。
化石燃料の「燃焼」は化学反応であり、分子内に蓄えられたエネルギーを利用している。対して、原子力は「核燃料」や「原子炉」などの語を便宜的に用いるものの、厳密な意味での「燃焼」とはまったく異なる。かのアインシュタインが示唆した、「質量をエネルギーに変換する」技術である。実際に核反応を起こすと、反応前と反応後ではほんの少しだけであるが、確かに質量が減る。化学反応の大前提である「質量保存の法則」が通じない、全く別の反応であることがわかる。
原子力の利用
原子力発電
核融合反応を用いて発電する技術はいまだ確立されていないため、ここでは核分裂反応を用いたものだけを扱う。
「核分裂」の項も参照のこと
仕組み
原子力で得られるのは熱エネルギーであるため、発電するには原子炉とは別に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する装置・施設が必要である。具体的には蒸気機関、つまり、原子力で水を沸かして水蒸気に変え、水蒸気でタービンを回して発電する。そのため、ボイラが原子炉に置き換わった以外は火力発電とほとんど同じシステムである。
原子力発電の長所・短所
- 長所
- 短所
短所について
使用済み核燃料は、さらに別の方法で燃料に変える複数の方法が現在利用・研究されているが、総合的に見て通常の核燃料を用いるよりコストがかかる。将来ウランの枯渇が問題になったときに改めて注目されると考えられる。
cf.プルサーマル 高速増殖炉もんじゅ
使用済み核燃料や放射性廃棄物は放射能レベルによって分類され、低レベルのものは十数mの地下に、高レベルのものは数十年保管した後に300m以上の大深度地下に埋設される(ただし高レベル放射性廃棄物については日本での埋設地はいまだに決まっていない)。いずれもセメントやガラス固化処理を受けた上での厳重な監視つきの埋設である。
破壊される場合としては、操作ミスや設計上の欠陥によるもの、自然災害によるもの、軍事目標やテロリズムなど武力によるものに分けられる。
このうち操作ミスや設計上の欠陥によるものでは1979年のスリーマイル島原子力発電所事故や1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故が有名。特に、チェルノブイリ原発事故は史上最悪の原発事故として知られている。
自然災害によるものは2011年3月に起こった東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故がある。想定された規模を大きく超えた津波が非常用発電機を全て破壊したことが事態を深刻化した原因であると思われる。
武力による破壊は現在起こっていない。
原子力発電の立ち位置
原子力発電は、上記のように非常に大きな長所と短所を抱えている。そのため、現在の日本では原子力に水力、火力、自然エネルギーを組み合わせて発電している。原子力以外のエネルギー源の簡単な特徴は以下のとおり。
- 水力発電
- 火力発電
- 自然エネルギー
太陽光発電、風力発電など。共通して燃料が必要ない特長を持つ一方、さまざまな欠点を抱える。また、総じて出力が低い(エネルギー密度が低い)ため、水力・火力・原子力の代替に用いるには広大な敷地・施設とそれに付随する莫大な建設・維持運用費が必要である。そのため現在のところは代替は不可能であると考えられており、補助的なエネルギー源に留まってる。
地下式原子力発電所
2011年3月11日の東日本大震災により発生した福島第一原子力発電所事故から2ヵ月後、地下式原子力発電所政策推進議員連盟が設立された。代表である平沼赳夫(たちあがれ日本所属)によると「これからも原子力で電力を賄わなければならない」と原子力の必要性について述べ、原発事故の封じ込めができる地下原発の推進を訴えた。ちなみに地下原発には事故の封じ込め以外に以下のメリット・デメリットがある。
神の火
小説などでは、核融合や核分裂を「神の火」と例える事が多々ある。
これは「人間の手にあまるもの」と言うニュアンスが最も強いが、核融合については、古来より太陽を神またはその化身として見る宗教的風習が世界各地に存在し、そしてその太陽が光り輝く原理こそが核融合だと言う理由もある。
例えばパール・バック著の小説「Command the Morning/神の火を制御せよ -原爆をつくった人びと-」。
これは第二次世界大戦中、アメリカが原爆を開発したマンハッタン計画を題材にした小説であり、その邦題に神の火と言う意訳が用いられている。砂漠の砂が緑色のガラスに変化するほどの超絶的な威力に苦悩し、実際に投下しないように奔走する開発者たちの半生を描いている。
他にも、高村薫著の小説「神の火」がある。
原子力発電所の技術者として日本に潜り込んだ、ソビエトの日本人スパイの足跡。
策略と裏切りの果てに、「神の火」をその手で解き放つために原子力発電所を襲撃する。
関連動画
関連生放送
関連項目
- 原子力関連用語の一覧
- 原子力規制委員会
- 日本の原子力発電所一覧
- 発電方法一覧
- 核分裂
- 核融合
- 物理学
- 原子力工学
- プルサーマル
- スリーマイル島原子力発電所事故
- チェルノブイリ原子力発電所
- ザポロジエ原子力発電所
- 福島第一原子力発電所事故
- 高速増殖炉もんじゅ
- メルトダウン(炉心溶融)
- 原発事故
- 地球温暖化
- 放射能
- 放射線
- 家庭用原子力発電機 (架空広告)
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