子供部屋おじさんとは、実家の子供部屋で暮らす成人男性の事である。
概要
成人後暫く経っても実家から離れず、実家の子供部屋で暮らすおじさんのこと。
若い世代はパラサイト・シングルと呼ばれており、この言葉が流行した頃(1990年代後半)の該当男性達がそのままスライドした人間も多いと思われる。
主に40歳以上の中年になっても親元から離れることなく精神的・社会的に自立できていない人というネガティヴな意味で使用されるケースが多い。
しばしばニートや引きこもりの類義語のように扱われることもあるが、子供部屋おじさんと呼ばれる条件に経済的に自立しているかどうかは関係無い。普通に働いて自分の食い扶持を稼いでいても、実家の子供部屋で暮らしているならば該当する。一方で親の介護をしている場合は「親に甘えている訳では無い」として該当しないとされることが多い。
初出・由来
初出は2014年の2ちゃんねる(当時)格闘ゲーム板のウメハラ総合スレで、テレビ番組にて放送されたプロゲーマーのウメハラ氏の自室の様子を口さがない同スレ住民が「まるで子供部屋だ」と馬鹿にしていた際、別の住民が発した「実家暮らし子供部屋おじさんがプロゲーマーのライフスタイルに説教垂れるって歪んでない?w」というレスがすべての始まり。
なぜか2019年の春頃から流行し、5ちゃんねるでは自分が子供部屋おじさんだと名乗り出て自室を晒すということも行われ、ねらーの高齢化を象徴する出来事となった。
しばしば「この言葉が流行ったのは不動産業者や賃貸業者の陰謀」などと言う言説も見られるものの、そのような可能性は低いと思われる。
ワンルームおじさん
(多くの場合貧乏で独身の)ワンルームのマンションやアパートに住むおじさんのこと。ワンおじ。
通常、結婚してればワンルームで住むのは難しい。また、ワンルームは家賃が安く、普通上京してきた大学生が借りるというイメージがある。そんな普通学生が住むようなワンルームに住んでいるおじさんのことを揶揄して言った言葉。ようするに「ワンルームで暮らすような独身で貧乏なおじさん」ということ。
これより先行して「ウサギ小屋おじさん」という言葉が一部で発生していたのだが、ウサギ小屋おじさんから進化して生まれた言葉。これも「ウサギ小屋みたいな狭い家、部屋で暮らすおじさん」という意味の一種の煽り文句だった。
だが、そもそも日本の家屋は、アメリカの家屋などに比べればほとんどの場合狭く(だからウサギ小屋だのウナギの寝床だなどどいわれていた)、特に東京23区や大阪市、名古屋市などの都心部は小さい家が普通である。つまり、ほとんどの日本人に当てはまることとして、いまいち煽りとしてはパンチが効いていなかった。そこから進化(暗黒進化?)した言葉である。
……とはいえ、当たり前だが、ワンルームで住んでいるからといって貧しいとは限らない。ワンおじだけど女性と同棲しているよって場合もある。一種の偏見であるともいえる。
子供部屋おばさん
子供部屋おじさんと同様の概念。というかその女性版。子供部屋おじさんと同じく、成人していながら実家から自立できないorしようとしないで実家にパラサイト(寄生)している女性を揶揄していう言葉。大半は家事手伝いで無収入のケースが多く、親が死んだ場合はそのまま生活に困窮してしまうこともあるという。[1]
ウートピによると、子供部屋おばさんにも「親子が仲良し」「子供がのんき」「親が放任」「親子でギスギス」といった4種類に分類できるらしい。[2]
スーツウーマンにおいては、30代で結婚できない女性には、「親の言うことを聞いて生きてきた」、「親から反対された」などの理由で親から離れられない層がいるとしており、40代~50代まで実家暮らしだった女性の場合、自立していないのを親のせいにすることもあるという。 [3]
結婚・交際
結婚や交際などのパートナーを伴う生活については多々支障があるようで、婚活サービスなどは「実家住まいの人間がパートナーを得られる可能性は極めて厳しい」との指摘をしている。
※ツイートはとらのあなが運営するオタク婚活サービス「とら婚」。
一人暮らしの女性からすれば、「付き合っても相手の家に気軽に泊まったり遊びにいけない」とし、30歳や40歳を過ぎて家にいる人間はどこか頼りない・仕事が出来ない・ハングリーさが感じられないので、対象から外していると語っている。[4]
もちろん男性からしても、一度も一人暮らしをしたことがない女性が二人で暮らす家探しや他人と暮らしたりするのはハードルが高く、包丁を持ったことも米を研いだこともない(家事アピールのできない)女性は問題しかないものと扱われかねず、特に婚活において子供部屋おじさんと子供部屋おばさん同士での相性は最悪だという。[5]
ただ、逆に離婚やリストラなどの理由で、自立していたのが実家ぐらしに戻ってしまうケースも有る。 [6]。
実家住まいは悪い事なのか?
- ▼子供部屋おじさん・おばさんとは分類が異なるもの
「子供部屋おじさん・おばさん」について正式な定義があるわけではないものの、一般的には「中年ぐらいの成人になっていること」「精神的・社会的に自立できていない事」が挙げられるが、実家の子供部屋で暮らすことそのものが悪というわけでもないし、成人が実家の子供部屋で暮らす正当な理由がある場合もある。
まず一つは経済的理由による一人暮らしの困難にある。
ここ数十年の景気悪化と非正規雇用の増加で若年層の所得は大きく減り、若年層の所得では賃貸物件での一人暮らしの維持が困難、もしくは維持出来ても経済的・肉体的に非常に負担が大きいので、それならば家賃のかからない実家に居た方がよいという判断も多かったからである。
二つ目に実家の環境的要因が大きく絡むことである。
実家が東京23区内や通勤鉄道沿線など比較的便利な土地の持ち家だったりすると、その利便性の良さゆえに成人・就職しても実家住まいを続ける判断をするケースが多い。逆に農家など、土地に根差した生活が基本の遠郊外や地方部では、成人後どころか結婚後も親元で暮らすのがまた普通だったりする。
……といったように、個々の事情が家ごとで異なることを考えれば、一概に「実家ぐらし = 悪」といえないのも事実である。 [7]
関連動画
技術・工作
関連静画
結婚もしていて自立しているけどお家に子供部屋(おもちゃ満載)が残っているケースもある。
関連項目
脚注
- *43歳で無収入"子供部屋オバサン"の危険な末路 (プレジデントオンライン 2019/12/24 9:00)
- *いろいろあるけど実家は居心地がいい【子ども部屋おばさん4タイプ】 (ウートピ 2019/07/06)
- *30代が一人暮らしを始めるのに親の許可は必要?箱入りおばさんの言い分 (Yahoo!ニュース 9/20(日) 17:04)
- *「子供部屋おじさん」問題 社会人が実家で暮らすそれぞれの理由 (マネーポストWEB 2019年3月7日 16:00)
- *婚活市場に急増中の「子供部屋おじさん&おばさん」は相性最悪?地獄の婚活攻防戦の実態 (Buisness Journal 2020.07.23 18:10)
- *実家に戻る“子供部屋おじさん”の深刻事情。リストラ・離婚で親元に戻る例も (日刊SPA! 2020年01月09日)
- *「子供部屋おじさん」問題 社会人が実家で暮らすそれぞれの理由 (マネーポストWEB 2019年3月7日 16:00)
- *現在は39歳(2020年時点)
- *犯行当時(2019年)の加害者の年齢が51歳、同居の伯父夫婦が80代で、いわゆる「8050問題」の典型例となっている。
- *川崎の事件の直後、3日後に起きた事件。犯行当時(2019年)の加害者の年齢が44歳、同居の父親が76歳で、川崎の事件とともに「8050問題」として報道されることが多かった。父親は逮捕時に「この事件(川崎の事件)が頭に浮かんで不安に思い長男を殺害した」と供述した
- *2020年現在、40歳前後がこの就職氷河期世代にあたる。
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