「永遠というのは人の想いだ」
「人の想いこそが永遠であり
不滅なんだよ」
産屋敷耀哉とは、「鬼滅の刃」の登場人物である。
概要
鬼殺隊を統率する立場にある人物。二十三歳。
鬼殺隊当主の座は代々産屋敷家の当主が務めており、彼はその九十七代目当主である。同時に、柱を含む鬼殺隊員たちからは「お館様」と呼ばれ尊敬と共に慕われている。なお、作中では明言されていないが、おそらく華族階級に属しているものと思われる。
その敬愛の念を向けられるに足る人物らしく、物腰柔らかで穏やかな雰囲気と語り口の男性。そして自身もそんな隊員たちを「子供たち」と呼び慈しんでおり(大体は「剣士」に「こども」あるいは「子供」のルビがふられている)、その一人一人の名前を記憶している。また、志半ばにして無念の最期を遂げてしまった隊員たちの墓参りを欠かさず行っている。
だが、それ以上に目を引くのはその容貌であり顔半分がただれてしまっている。その外見通りの病弱な体をしており、はじめて炭治郎の前に姿を見せた時点で視力もほとんど失われている様子であった。そればかりか、気力体力共に充実しているはずの若いころでさえ剣の素振りを行っただけで脈が狂ってしまうほどで、しかも作中における時間経過と共に病状も悪化する一方。そして、とうとう起きることさえままならなくなってしまい、病による侵蝕が全身にまで及んでしまった。
そんな彼は単なる病弱ながらも慈悲深い統率者というわけではなく、むしろカリスマの怪物と言っても過言ではない人物でもある。繰り返すが、隊員たちから敬意を向けられており、癖の強い柱たちですら心酔している。そのうちの一人である悲鳴嶼曰く「その時人が欲しくてやまない言葉をかけてくださる」とのこと。これを成しているのは主に二つの要因による。一つは彼の声が現代で言うところの「1/fゆらぎ」によるもの。これにより、その声音や動作の律動によって話す相手を心地良くさせている。これは鬼たちの首魁である鬼舞辻無惨とて例外ではない。隊員に向ける慈しみの念は本物だが、これにより人心掌握を可能としていることもまた事実であり、それは同時にそうした崇敬の念を勝ち取ったものと言ってもいい。
そしてもう一つが一族代々に備わっている「先見の明」と呼ばれる勘。しかし、勘と呼ぶにはあまりにも凄まじくもはや未来予知と言ってもいいレベルであり、これによって財を成してきた。つまりはそれが産屋敷家、ひいては鬼殺隊の財源となっており、過去に幾度も危機を回避してきたという。また、かつて死刑になるはずだった悲鳴嶼の助命を可能としたことから、おそらくは政財界への影響力も有しているものと思われる。
余談だが、産屋敷邸の位置は徹底的に秘匿されており、容易には発見できないようになっている。その反面、当代を含めた歴代当主は誰一人として護衛をつけることはなかったという。これはそうすることによって鬼殺隊の戦力低下を嫌ったためだという。
これらに加えて、その組織力も特筆すべき事柄であろう。一種の私兵団組織と言ってもいいであろう鬼殺隊を抱えていることもそうだが、そんな彼らが存分に活動できるように隠たちによる事後処理などが行われている。また、鎹鴉たちによる情報収集にも余念がない。それが如何に優れているかは、日の呼吸の使い手の末裔と目されている幼い双子を見つけ出したことや、ある人物と接触を取ることに成功していることから証明されている。
そして、その精神性も尋常なものではなく、柔和な顔の裏には無惨への敵意と憎悪、そしてその打倒への執念が渦巻いている。その凄まじさを前に、遂には無惨本人ですら戦慄するほど。それ故に、己の命ですらもそのための手駒の一つとして認識している。同時に、その本懐を遂げるためには悪鬼滅殺だけに拘ることなく、仮に鬼であったとしても利用できるのならばそれを最大限に活用する強かさを有している。
ところで、まだ病によって蝕まれていない状態の顔立ちはどこか無惨に似ていなくもないが・・・・・・?
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産屋敷家の先祖は無惨と同じ血筋の者であり、ある意味においては無惨の子孫と言ってもいい。とは言え、当の本人たちにはそんな感慨などなく、無惨も「何の感情も湧かない」と言い放ち、対する産屋敷も「我が一族の汚点」とまで言い切っているばかりか、史上初の上弦撃破の報が届いた際は普段の彼からは考えられないほどに歓喜を露にしていた。
それもそのはず。無惨が鬼と化したことで、その一族から生まれてくる子供らは病弱ゆえにすぐに死んでしまう呪いに侵されてしまった。このまま断絶も目前に迫る中にあって、とある神主から無惨打倒に心血を注ぐよう助言を受ける。また、子孫を絶やさぬよう代々神職から妻をもらうことで、生まれてくる子供らはどうにか三十前後まで生きられるようになった。
しかし、言い換えればそうした上ですら三十前後までしか生きられないことと同義である。それも、仮に兄弟がいたとしても男子であれば一人を残す形で、女子であれば十三歳までに結婚して名字を変えなければ何らかの形で亡くなってしまうという理不尽が待ち構えている(なお、無惨はこれを「迷言」「そんな事柄には何の因果関係もなし」と一蹴)。
耀哉の幼少期は過酷なもので自分以外の兄弟は全員男子だったために死去。先代当主である父はその繊細な心の持ち主であったが故に、鬼殺隊員たちが次々と傷つき斃れていくことに耐えられなくなり十九歳で自ら命を絶つ。これにより、わずか四歳で産屋敷家当主になるという、過酷な幼少期を送った。
ともあれ、竈門禰豆子が太陽を克服したことを皮切りに状況が大きく動く。
密かに接触を図った珠世との協力関係を築くまでに漕ぎ着ける。
そうして、とうとう無惨が産屋敷邸の場所を突き止め、病気で動けなくなった耀哉の前に現れる。彼といくらか言葉を交わすと、妻や子供二人もろとも自爆。屋敷そのものを吹き飛ばしたその爆風によって、無惨に一瞬の隙が生じることとなった。
それは同時に、最終決戦の火蓋が切られたことをも意味する。
家族構成
妻。二十七歳。旧姓、神籬(ひもろぎ)。
代々神職の家系の出身。神秘的な雰囲気に凛とした佇まいの女性で、生まれつきの白い髪の持ち主。
耀哉の相手の立場を思いやる姿勢から結婚を決める。この時、耀哉十三歳。そしてあまね十七歳。以降は病に侵されていく夫を支え続ける。
実は断片的な予知夢を見れるらしい。また夫や子供たちの息災を願って雪の日でも禊祓を欠かさず行っていた。
- 五つ子の童子
実子。全員が母親似で白髪が四人に黒髪が一人。
父母から厳しく育てられたため、全員が八歳という年齢を感じさせない落ち着いた雰囲気を有している。これにより、父の世話だけでなく最終選別の進行に柱合会議への参加などの鬼殺隊に関わる務めにも加わっている。
長子、次子がひなき(CV:花守ゆみり)とにちか(CV:小澤亜李)で、二人とも紐の形をした髪飾りをしている(右につけているのがひなきで、左がにちか)。二人とも上の子だけあって頭脳明晰で強靭な精神力の持ち主だという。作中では、主に父の側仕えとして顔を見せている。
唯一の黒髪である輝利哉(CV:悠木碧)が第三子でおだやかな気性の持ち主。最終選別にてその進行を務める。
四子のくいなは菊の花飾りをつけており、気が強く虫を素手で倒せるぐらいには平気だとか。
藤の花の髪飾りをしているのが末子のかなた(CV:井澤詩織)。輝利哉と共に最終選別の進行役を務める中で玄弥に乱暴な目に遭わされた子、と言えばわかるだろう(後に彼から謝罪を受けており、特に悪感情は抱いていない様子)。琴が得意ではあるが姉のくいなとは反対に気が弱く、運動神経もイマイチ。おまけに、蜘蛛に手の甲を這われて気絶してしまったという悲劇にも見舞われてしまったらしい。
なお、本記事作成時点においては五人ともアニメではまだ名前が出ていない(くいなにいたっては未登場)。
貴様の下らぬネタバレ閲覧を至上のものとして他人に強要するな |
この中で輝利哉のみが唯一の男子であり跡継ぎ(単行本第一巻の時点でかなたと共に描かれる形で「どちらかが男の子」と記述されていた)。前述のように産屋敷家、特に男として生まれた者は例外なく病弱かつ短命であるため、独自の習わしによって十三歳になるまで女児として育てられることになっている。
父母と二人の姉の死後、産屋敷家九十八代目当主となる。この時、当主に相応しい装いとなっている。
無惨によって鬼殺隊が無限城に取り込まれると、愈史郎の協力により『眼』を用いた状況把握を実行。そうした上で二人の妹と共に鬼殺隊の指揮を執る。また、自身や禰豆子の護衛として鱗滝左近次や煉獄槇寿郎、そして宇髄天元とその妻たちが控えていた。年端もないが故の未熟さはあるものの、死闘の果てに一族ないしは鬼殺隊の悲願である鬼の根絶を達成。文字通り、最後の当主としての役割を全うした。
なお「キメツ学園」時空においても一家は健在。特に五つ子に関して、おだやかな輝利哉を中心として「かしこい(上)」「わんぱく(右)」「くいしんぼう(下)」「しとやか(左)」という形で紹介されていた。ゴメン・・・・・・。正直、誰が誰?いや、妹二人である程度推理はできるけどさ。
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