冨岡義勇(とみおか ぎゆう)とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画『鬼滅の刃』の登場人物である。TVアニメやドラマCDなどの公式メディアミックス作品では声優の櫻井孝宏が声を担当している。
概要
鬼狩りの組織「鬼殺隊」における最上位の階級「柱(はしら)」に名を連ねる剣士の一人。全集中・水の呼吸を操る「水柱(みずばしら)」。
主人公である竈門炭治郎に、鬼と化した妹・竈門禰豆子と共に生きるための術を説き、二人を鬼殺隊と鬼との戦いの舞台へと導く、ストーリー最序盤におけるキーパーソン。その後は柱の一人として、主に他の柱と共に登場する。いわゆるレギュラー、メインキャラからは一歩引いた立ち位置の人物。
2回行われた公式のキャラクター人気投票では、1回目は第4位、2回目は第2位になっている。一人一票制の投票ではないため断言はできないが、同作の中では比較的人気のあるキャラクターと言える。
鬼滅の刃がTVアニメ化された際、アニメ化記念として彼を主人公にしたスピンオフ作品『鬼滅の刃 冨岡義勇【外伝】』が週刊少年ジャンプ本誌(2019年18号・19号)に前後編で掲載された。
キャラクター設定
外見
身長176cm、体重69kg、21歳。端正な顔立ちだが表情の変化に乏しく、目にハイライトが描かれていない。頭髪は黒で、伸ばしっぱなしの長髪を首の後ろで括っている。体格的にはこれといった特徴は無く、小柄でもなければ大柄でもない。
鬼殺隊の隊服の上から、左右で柄の違う羽織を羽織っている。これは姉と兄弟弟子の形見の着物を縫い合わせたもので、右は無地の臙脂色、左は緑と橙の亀甲文様という対照的な図柄になっている。
体格、頭髪、衣服、着こなしなどにおいて個性的なキャラクターデザインが多い『鬼滅の刃』の中では、炭治郎と並んで一般隊士に近いスタンダードなビジュアルとなっている。
性格
家族を失い絶望する炭治郎の生きる気力を奮い立たせるために叱咤するなど、情に厚い性格。しかし、前述通り表情の変化が乏しいことに加え、喋るのが嫌いで口数が少なく、自分の考えを言葉に出すことが上手くないため、非常に誤解を受けやすい。
また、隊士の最終選別試験で一体も鬼を倒せず、生き残っただけで合格した経緯から自己評価が低く、自身を柱に相応しくないと考えている。それ故に協調性に欠ける行動をとる(柱に相応しくないと思っているので、柱の集団行動に参加しないなど)ことがあり、それが周囲への誤解に拍車を掛けている。
柱の中でもあまり好かれていない、というか(蟲柱・胡蝶しのぶ曰く)嫌われている模様。しかし、本人は馴染めていないだけで嫌われているとは思っていない。いわゆる天然、コミュ障、残念イケメンのキャラクター造形の側面を持つ。
戦闘能力
柱に相応しい実力を持ち、最上位の鬼である「十二鬼月」に名を連ねる鬼であっても、下位の鬼では全く歯が立たない。柱には奇抜な武器や毒などのサブウェポンを用いる者も少なくないが、義勇はオーソドックスな形状の日本刀のみを武器に戦う。
かつての水柱・鱗滝左近次の弟子であり、炭治郎と同じく壱の型から拾の型までの水の呼吸の剣技を操るが、その威力と速度は桁外れに研ぎ澄まされている。また、独自に拾壱の型を編み出しており、自己評価の低さとは裏腹に優れたセンスも兼ね備えている。
水の呼吸・拾壱の型「凪」は、間合いに入った鬼の術を悉く切り払い、または受け流して無効化する神速の太刀捌きであり、作画上は刀が消えたかのように描かれている。たなびく無数の鋼線や、形の無い衝撃波などの攻撃も切り払う事ができる。
嗜好
趣味は詰将棋で好物は鮭大根だが、公式ファンブックや単行本おまけの「大正コソコソ話」で語られるのみであり、本編では特別触れられていない。ただ、前述した外伝では鮭大根を前にして微笑む義勇(の後ろ姿)が描かれており、本当に好物であるらしい。
台詞例
- 「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」
- 鬼となった禰豆子を斬りに来た義勇に禰豆子の命乞いをする炭治郎への言葉。家族を失い、たった一人生き残った妹を鬼にされ、絶望し打ちのめされる炭治郎を「理不尽に対する怒り」によって奮い立たせようと、敢えて厳しい言葉を放った。義勇本来の情の厚い性格を読み取れる数少ない台詞。
- 「俺は嫌われてない」
- 「そんなだからみんなに嫌われる」という胡蝶しのぶに対する否定の言葉。実際の所、義勇を嫌っているのは風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内の2人であり「みんなに」というのはやや誇張されている。胡蝶だけに。とは言え、義勇はこの2人にも嫌われていないと思っているのでフォローになるかどうか。そもそも反論するところはそこなのか。義勇の天然ぶりが垣間見える台詞。
- "鱗滝左近次 冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します"
- 正確には義勇の台詞ではなく、鱗滝が鬼殺隊の頭目・産屋敷耀哉に宛てた手紙の一節。禰豆子が人に襲い掛かった場合は鱗滝と共に自刃するという条件で、鬼となった禰豆子を生かしておくことの許しを乞うたもの。一度会っただけの竈門兄妹のために命を懸ける、不言実行の漢気に全炭治郎が泣いた。別に鱗滝が義勇に黙って義勇の命を懸けたわけではない。
- 「俺はお前たちとは違う」
- 義勇はこの言葉を幾度か柱たちに向けて放っている。「自分は他の柱と肩を並べて良い人間ではない」という意図の台詞だが、風柱の不死川には他の柱を見下す驕った台詞という真逆の意味で捉えられた。自己評価の低さや言葉足らずによる誤解など、義勇という人物をこの台詞一つがよく表している。
関連動画
関連静画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 我妻善逸
- 伊黒小芭内
- 宇髄天元
- 産屋敷耀哉
- 鱗滝左近次
- 竈門家(鬼滅の刃)
- 神崎アオイ
- 甘露寺蜜璃
- 鬼舞辻無惨
- キメツ学園
- 鬼滅の刃 DX日輪刀
- 鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚
- 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
- 胡蝶カナエ
- 胡蝶しのぶ
- 小鉄(鬼滅の刃)
- サイコロステーキ先輩
- 錆兎と真菰
- 不死川玄弥
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- 十二鬼月
- 全集中の呼吸
- 珠世(鬼滅の刃)
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