株式会社竹書房とは、麻雀漫画や4コマ漫画の専門雑誌等で知られる指定暴力団出版社である。
概要
1972年、野口恭一郎が日本初の麻雀専門誌「月刊近代麻雀」を発行するために創業。
後に「月刊近代麻雀」[1]の別冊として発行した「別冊近代麻雀」[2]で麻雀漫画を掲載するようになったことから漫画書籍出版に参入。麻雀関連書籍専門出版社から一般総合出版社へと脱皮していった。
麻雀漫画誌としては、「アカギ」や「ムダヅモ無き改革」で知られる、「近代麻雀」や「近代麻雀オリジナル」があり、4コマ漫画誌としては、「まんがライフ」、「まんがライフオリジナル」、「まんがライフMOMO」、「まんがくらぶ」、「まんがくらぶオリジナル」といったものが出版されている。いずれの4コマ漫画誌も主に20代後半~40歳前後の青年社会人層をターゲットとしている。
読者の男女比率も一般誌と萌え系の折衷タイプに当たり、同社の4コマ誌としては唯一「まんがタイムきらら」系と競合している「まんがライフMOMO」だけは男性の比率が高い(男7:女3)が、これ以外は概ね半々で、どちらかといえばオタク層だけでなく一般社会人や女性読者にも受け入れられやすい、汎用性の高い誌面作りに重点を置いていると言える。このためか、連載作品のアニメ化に関してはあまり積極的ではなく、OVA止まりのメディア展開作品が多く、知名度ではライバル出版社である芳文社や双葉社の後塵を拝している。
しかしながら2011年7月期からは「森田さんは無口」(佐野妙作)が、OVA化に続き「せんせいのお時間」(ももせたまみ作)以来となる7年ぶりの地上波アニメとして放送されることが決定。なお、「森田さんは無口」はニコニコチャンネルでも配信されている。
さらに2011年9月に「ポヨポヨ観察日記」(樹るう作)と「リコーダーとランドセル」(東屋めめ作)のアニメ化も発表された。その後もアニメ化作品は続き、ニコニコ動画でも配信されていた。
最近はちょぼらうにょぽみや大川ぶくぶのような問題児を飼っていることで有名。経営状況は同業他社と同様出版不況の煽りで微妙な状態だが、そのことを「原稿料が安い(あいまいみー)」「単行本出せ(ポプテピピック)」などと散々イジられている。
その他の出版物としてはグラビア写真集が有名で、ヘアヌード写真集全盛期には過激な物を多数出して話題となり、過激すぎてお上に怒られたことも。実話誌や映画のノベライズ、ホラー小説や官能小説も出している。昔は「コミックガンマ」というアニメファン向け漫画雑誌やその延長線上でアニメなどのメディアミックス、ライトノベルの発行も行っていた。
東京都千代田区飯田橋にある自社ビルは縦の看板がトレードマーク。できたのが前述のヘアヌード写真集全盛期だったので、「陰毛でビルが建った」と出版業界関係者から揶揄されることもあったとか。「ポプテピピック」でも破壊されるなどいじりの対象の1つになっている。で、最寄り駅の飯田橋駅東口改札に広告出したと思ったら……これだよ!
なお、この自社ビルだが、2019年3月に日鉄興和不動産に売却したことが同年11月に判明。さらに業務拡張も相まって2021年3月末をもって千代田区三番町の内堀通り近くのビルのワンフロアに引っ越すことになった。他のテナントごと破壊されないか心配である。旧本社ビルは日鉄興和不動産によれば近隣のビルも含めて破壊、もとい解体の後新たなオフィスビルを建設する予定とのこと。で、飯田橋駅の広告看板も移転告知(もちろんクソマンガの1コマも使用)に切り替わっている。
沿革
- 1972年10月:野口恭一郎により、東京都千代田区飯田橋にて、株式会社竹書房を創業
- 1972年11月:日本初の麻雀専門誌『月刊近代麻雀』を創刊
- 1975年11月:創業地に本社ビル完成
- 1979年12月:『フリテンくん』創刊
- 1980年12月:麻雀劇画専門誌『月刊近代麻雀オリジナル』創刊
- 1981年8月:4コマ漫画誌『月刊ギャグダ』(「月刊まんがライフ」)創刊
- 1981年12月:『月刊別冊近代麻雀』(現『近代麻雀』)創刊
- 1985年8月:『月刊近代麻雀ゴールド』創刊
- 1987年8月:創業地に新本社ビル完成
- 1988年7月:『まんがライフオリジナル』創刊
- 1989年7月:「第1回麻雀史上最強位戦」開催
- 1991年10月:写真集『日時計』を刊行。写真集事業を開始
- 1993年10月:耽美コミック雑誌『麗人』発刊
- 1993年11月:第1回製作出資作品、アニメーション映画「ぼのぼの」公開
- 1993年12月:立川談志の独演会「ひとり会」をビデオとして商品化。
- 1994年9月:『田島みるくの本当にあった愉快な話』(現:「本当にあった愉快な話」)発刊
- 1995年12月:アイドルビデオシリーズの発売を開始
- 1997年11月:美少女フィギュア専門誌『レプリカント』発刊
- 1999年4月:千葉県夷隅郡(現:いすみ市)に『麻雀博物館』設立
- 2009年4月:WEBコミックサイト『まんがライフWIN』開設
- 2011年11月:電子漫画雑誌『麗人uno!』配信開始
- 2011年12月:電子漫画雑誌『Qpa』配信開始
- 2013年12月:WEBコミックサイト『WEBコミックガンマ』開設
- 2017年4月:WEBコミックサイト『ストーリアダッシュ』開設
- 2018年4月:WEBコミックサイト『WEBコミックガンマぷらす』開設
- 2021年3月:千代田区飯田橋から千代田区三番町へ本社移転
雑誌
デジタルコミック誌
書籍レーベル
- 近代麻雀コミックス
- バンブーコミックス
- ラヴァーズ文庫:BL小説文庫レーベル
- 蜜夢文庫:ティーンズラブ小説レーベル
- 蜜猫文庫:ティーンズラブ小説レーベル
- 蜜猫F文庫:ティーンズラブ小説レーベル
- ムーンドロップス:ティーンズラブ小説レーベル
- 竹書房ラブロマン文庫:官能小説文庫レーベル
- ヴァリアントノベルズ:エンターテインメント小説レーベル
- ラズベリーブックス:海外ロマンス小説レーベル
- 竹書房怪談文庫
主な作品
※基本的には大百科に記事があるものを登録。メディア化情報は連載期間中にメディア化されたものとクレジット表記されたものを記載
漫画
- フリテンくん(植田まさし)
1981年アニメ映画化。1990年OVA化 - 哭きの竜(能條純一)
1988年OVA化。1990年OVA化。1995年実写映画化 - ぼのぼの(いがらしみきお)
1993年アニメ映画化。1990年TVアニメ化。2002年CGアニメ映画化。2016年TVアニメ化。 - オバタリアン(堀田かつひこ)
1990年TVアニメ化。1989年新語・流行語大賞受賞 - 碧奇魂ブルーシード(高田裕三)
1990年TVアニメ化 - 天 天和通りの快男児(福本伸行)
- アカギ(福本伸行)
1995年・1997年実写ビデオドラマ化。2005年TVアニメ化。2015年実写テレビドラマ化 - 兎-野性の闘牌-(伊藤誠)
1998年実写ビデオドラマ化。2013年実写映画化 - 初夜 ヴァージン・ナイト(田中ユタカ)
2001年OVA化 - せんせいのお時間(ももせたまみ)
2004年TVアニメ化 - だめっこどうぶつ(桑田乃梨子)
2004年TVアニメ化 - むこうぶち(天獅子悦也)
2007年実写ビデオドラマ化。2020年実写ビデオドラマ化 - 秘書課ドロップ(春輝)
2008年竹書房製作で実写ドラマ化、2012年ピンクパイナップルにてOVA化 - ガラスの女神(朝森瑞季)
2009年竹書房製作で実写ドラマ化 - ゆるめいつ(saxyun)
2009年OVA化。2012年TVアニメ化 - ムダヅモ無き改革(大和田秀樹)
2010年OVA化 - おのぼり物語(カラスヤサトシ)
2010年7月映画公開 - 森田さんは無口(佐野妙)
2011年OVA化。2011年TVアニメ化 - リコーダーとランドセル(東屋めめ)
2012年・2013年TVアニメ化 - ポヨポヨ観察日記(樹るう)
2012年TVアニメ化 - しばいぬ子さん(うず)
2012年TVアニメ化 - ちとせげっちゅ!!(真島悦也)
2012年TVアニメ化 - あいまいみー(ちょぼらうにょぽみ)
2013年・2014年・2017年TVアニメ化 - スパロウズホテル(山東ユカ)
2013年TVアニメ化 - 本当にあった人妻の不倫告白(引間道夫、実話時報ゴールデン連載)
2013年BOOTLEG(ミルキーズピクチャーズ)にてOVA化 - お姉ちゃんが来た(安西理晃)
2014年TVアニメ化 - ネトラセラレ(色白好)
2015年EDGE(ケイ・エム・プロデュース)にてOVA化。2018年実写ドラマ化 - ラーメン大好き小泉さん(鳴見なる)
2015年実写TVドラマ化。2018年TVアニメ化 - メイドインアビス(つくしあきひと)
2017年・2022年TVアニメ化 - ポプテピピック(大川ぶくぶ)
2018年・2022年TVアニメ化 - うちの会社の小さい先輩の話(斎創)
2023年TVアニメ化 - アキはハルとごはんを食べたい(たじまこと)
2023年6月・2024年6月実写映画化 - めんつゆひとり飯(瀬戸口みづき)
2024年4月実写TVドラマ化 - 魔法少女にあこがれて(小野中彰大)
2024年TVアニメ化 - 数学女子(安田まさえ)
- ひよわーるど(橘紫夕)
小説
実写映像
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関連項目
脚注
- *麻雀情報誌としての「近代麻雀」は1987年に休刊。現在の麻雀漫画誌の「近代麻雀」とは別の雑誌なので注意。
- *1979年創刊。麻雀情報誌の「近代麻雀」の休刊以降も誌名に「別冊」を付けて発刊していたが、1997年に「近代麻雀」へと改名。麻雀情報誌の「近代麻雀」とは別の雑誌なので注意。
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