超惑星戦記 メタファイトとは、1988年6月17日に日本でサンソフト(サン電子)から発売された、ファミリーコンピュータ向けの探索型アクションゲームである。
海外においてはBlaster Master(ブラスターマスター)というタイトルで異なる世界観のもとに発売され、現在までに多くのゲームハードで展開されているシリーズの第1作目として、世界的に根強い人気を誇る。
2017年にはインティ・クリエイツから本作のリメイクである「ブラスターマスター・ゼロ」が発売した。
ストーリー
国内版
時はソフィア歴(宇宙暦)2052年、第3惑星ソフィアはイプシロン銀河の中央で高度な文明を築いていた。
だがそこに、大宇宙に勢力を伸ばし続ける、魔王GOEZ(ゴウズ)率いるインベム暗黒星団の超生命体が襲いかかる。
辛くも難を逃れた衛星NORAの科学アカデミーは、インベム打倒のために総力を挙げ、超惑星間万能車両『メタル・アタッカー(NORA/MA-01)』を開発した。
その搭乗者に選ばれた天才少年パイロット『ケイン・ガードナー』。人類に残された最後の希望となった彼は、果たしてその任務を果たすことができるか。
国外版
ここは近未来の地球。
15歳の少年ジェイソン・フラドニックが飼っていたフレッドというカエルがある日逃げ出して、家の外でコンテナに触れ、突如巨大化し、地下へと消えた。
フレッドを追うジェイソンは、穴の先で謎の戦闘車両ソフィア・ザ・サード(SOPHIA The3rd NORA MA-01)を発見。
その地下にはミュータントが跋扈しており、ジェイソンはその車両に乗り込むと、フレッドを探しながらおそるべきミュータントに立ち向かっていく。
概要
1988年6月17日、ファミリーコンピュータ向けに発売。パッケージイラストはもりけん氏が担当。
2002年にはPlayStation用ソフト『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.4』(2002年)に収録、2010年6月29日にWii、2012年9月5日に3DS、2015年5月27日にWIiUのバーチャルコンソールで配信、2019年1月16日にはファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineで移植配信されている。
SFチックな世界観と、サイドビューのアスレチック型アクションステージ・トップビューのダンジョン型アクションステージを切り替えながら探索していくゲームシステムが特徴である。日本版と海外版では、流行りや好まれる設定の傾向の影響でストーリーが大きく異なり、元々は日本版が先だったものの、ブラスター・マスターシリーズの展開する現在では海外版とそののストーリーが主流となっている。
戦闘車両NORA MA-01が発車する迫力のオープニングから開始し、サイドビューのアクションステージからスタートする。車両は上下左右に砲弾を放つことができ、敵を倒しながら進んでいく。
パイロットはサイドビューステージの途中で車両から降り、時に水の中などを探索したりして、ステージ中にあるトップビューのダンジョンステージに入る。そうしてそのダンジョン内でボスと対決し、これを倒すと車両のパワーアップアイテムが手に入り、できることが増えて先のステージに進むことができるようになる。ただし、降車時に高所から落下するとどこぞのスペランカー先生よろしく即死してしまうので注意が必要。また、コンティニューは無限回だがセーブやパスワード等による復帰機能はない。
ファミコン中期ほどの作品であるにも関わらずグラフィックは美麗で操作は軽調、その内容も歯ごたえ抜群とあって高い評価を受けており、小高直樹による楽曲群も評判である。
書籍化
少年漫画雑誌「わんぱくコミック」の1988年5・6月号の2巻に、コミカライズが掲載された。
また、海外では1990年にノベライズが行われており、作中にはオリジナルのヒロイン「イヴ」が登場。このイヴは、のちに本家ゲームシリーズに逆輸入されることとなっている。
キャラクター
日本版
- ケイン・ガードナー
- 日本版主人公。超惑星間万能車両『メタル=アタッカー(NORA/MA-01)』パイロット。
- 天才少年と呼び声高く、弱冠15歳でインベム暗黒星団打倒の任を受け、戦場へ駆り出した。
- ジェニファー・コルネット
- 17歳の若き天才少女。NORA科学アカデミーの科学者としてメタル=アタッカーの開発に携わった。
- パッケージに描かれている金髪の子。ゲーム中ではエンディング時以外に登場しない。
- ゴウズ
- インベム暗黒星団の首領。宇宙の恐怖の魔王という異名を持つ。
- ソフィア第三惑星侵攻の元凶にしてラスボス。鎧を身に纏った人間の戦士のような風貌。
海外版
- ジェイソン・フラドニック
- 海外版主人公。
- カエルのフラッドを追って穴に飛び込むというひょんなことからミュータント軍団と戦うことに。
- イヴ
- ゲーム中には登場せず、小説版にのみ登場していた。
- 異星人の女性で、ジェイソンとともに地球に。
- プルトニウム・ボス
- ミュータント軍団のボス。
- マスター・ボス
- 日本版のゴウズに相当するキャラクター。
- 説明としては名前が説明書にあるのみで、作中では詳細が明かされていない。
スタッフクレジット
続編
先述したように海外で高い人気を誇り、多くの続編が出ている。一方メタファイトとしての続編は、ゲームボーイカラー専用ソフト「メタファイトEX」のみであり、また2000年のプレイステーション専用ソフト「ブラスターマスター」以降は日本においても海外版のタイトル・ストーリーと統合されている。
- Blaster Master 2
- 1993年3月15日に発売されたSega Genesis(メガドライブ)向けアクションゲーム。Software Creations開発。海外版の続編として、海外のみでの発売となっている。ジェイソンが再び襲来したミュータントを相手取るため、装備を新たにした車両に乗り込んで再び戦いに赴く。
- 視点変化においてサイドスクロール・トップ(ジェイソン)スクロールの他に真上からの「オーバーヘッドビュー」が追加される、砲弾を斜めに撃てるようになるなど機能がパワーアップした。
- メタファイトEX
- 2000年2月24日、ゲームボーイカラー向けに発売されたアクションゲーム。アウトバック開発。メタファイト名義唯一の続編であり、海外名は「Blaster Master: Enemy Below」。ステージの構造やボスなどが変更されているが、基本的な内容はファミコン版に準じているので、続編というよりはアレンジ移植の色が強い。
- ブラスターマスター
- 2000年7月13日発売のPlayStation向けソフト。アートシステム開発。国内・国外ともにブラスターマスターと統一された初の作品。フルポリゴンの3Dアクションゲームとなったが、乗降のアクションなど基本は踏襲されている。
- Blaster Master: Overdrive
- 2010年に発売されたWiiウェアで、日本未発売。前作が3Dアクションとなっていたが、再び2Dアクションへと戻った。サンソフト謹製で、ストーリーはそれまでの本編と異なるキャラクターらを中心に構成される。
- ブラスターマスター ゼロ
- 2017年3月3日、マルチプラットフォームに発売された、初代ブラスターマスターのリメイク作。インティ・クリエイツがライセンスを取得して展開しているもので、販売も同社からとなっている。
- 単なるリメイクに終わらずに、多くの続編、また本家「メタファイト」などから要素を取り入れてストーリーやシステムを再構成、集大成的な作品となっている。
詳しくは「ブラスターマスター ゼロ」単語記事も参照のこと。 - ブラスターマスター ゼロ 2
- 2019年3月21日発売。ステージセレクトシステムが導入され、サンソフトオールスターな要素の詰め込みがあるなどファンサービスも行われた。
- 前作からの続編でありつつ、過去作とは異なる完全新作である。
- ブラスターマスター ゼロ 3
- 2021年7月29日発売。ブラスターマスター ゼロシリーズ最終章と位置付けられている。
- 『超惑星戦記 メタファイト』の惑星ソフィアが舞台として登場し、またメタファイトとブラスターマスターの世界観に繋がりを持たせるストーリー展開が行われた。三部作全てを収録した「トリロジー メタファイトクロニクル」も同時発売。
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関連項目
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