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超速スピナーは、橋口隆志(現・橋口たかし)による漫画作品、およびそのアニメ化作品である。
概要
| 超速スピナー | |
| 漫画 | |
|---|---|
| 作者 | 橋口隆志(橋口たかし) |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載 | 月刊コロコロコミック 別冊コロコロコミック |
| 掲載期間 | 1997年12月 - 2000年8月 |
| 巻数 | 7巻 |
| アニメ | |
| 監督 | 加戸誉夫 |
| 製作 | XEBEC 小学館プロダクション |
| 放送期間 | 1998年11月 - 1999年9月 |
| 話数 | 全22話 |
| 漫画・アニメテンプレート | |
スポーツ万能の小学生・堂本瞬一が、ひょんなことからハイパーヨーヨーと出会い、ジャパンチャンピオンカーニバルおよび世界大会を勝ち進んでいく物語。
他のホビー漫画は仲間との絆やチームワークが焦点となるが、個人競技であるヨーヨーを扱う本作では、自分に打ち勝つ心をテーマとしている。
本作の登場人物は、家族の不幸や親の圧力、自分自身の怪我などの問題を抱えているが、それを自分の力で克服し、成長していく姿が描かれる。
後半では、自分の限界を超え、強烈な個性を育てたメンバーが、衝突しながらも1つの目標のためまとまっていく姿を描く。
現実のヨーヨーの大会は、フリースタイルによる一括選抜だが、それでは試合が2回で終わってしまうため、本作では規定トリックを使ったトーナメント形式の大会が主である。
最初こそ「ループ・ザ・ループ耐久」や「認定トリック高速勝負」などの現実的なものだが、話が進むに連れてバーチャルリアリティやダンスゲームを模したものなど、ハイテクじみた試合展開になっていく。世界大会編では、規定トリックを超えた技を描く必要性からか、試合が進むにつれてフリースタイルの登場頻度も上がっている。
よくコロコロコミックのマンガは「おもちゃで世界征服する」と揶揄されるが、本作最終盤で登場する「悪の組織」は、「人類のデータ(からスーパーヒューマノイドを作ること)」が目的であって、ヨーヨーはその踏み台に過ぎなかった。したがって「世界征服できるヨーヨー」など作っておらず、作中に出てくるヨーヨーや技も、ほとんどが現実を少し脚色したレベルにとどまる。
ハイパーヨーヨーはほとんどが海外メーカーのOEM品であることから、この手のホビーマンガではおなじみの「登場人物のオリジナルモデル」が2機種しか発売されなかった。
現実ではプレイヤーのシグネイチャーモデルが続々登場し、ヨーヨーの性能もプレイヤーの実力も本作で描かれたレベルを大幅に超えて進歩した。そのため、よくヨーヨーだけは現実が漫画を超えたと言われる。
しかし、魅力あふれるキャラクターやよく取材されたヨーヨーとトリックの描写、何より競技ヨーヨーの根本精神である「自分に打ち勝つ」を的確に見抜き、ストーリーの中心に据えた観察眼の高さは、今なおプレイヤー間で評価されている。
アニメ版では、プロモーションの都合から使用ヨーヨーなどが変更されている。
ヨーヨーがスリープするとスターバースト音がする点や、「ループ・ザ・ループ」の際手元でヨーヨーが反転する中割が描かれているなど、(作画の揺れはあるものの)現実をかなり取材して制作されている。
超速スピナー外伝
『別冊コロコロコミック』連載。単行本では巻末に掲載されている。
大会を離れた学校の日常風景や夏休みの様子、謎のヒーロー「ヨーヨーマン」に『西遊記』のパロディなど、何でもありとなっている。
プロトタイプ『燃えろ！スピナー』
本作のプロトタイプ。1巻巻末および『ハイパーヨーヨーテクニックス』に収録。
主人公やライバルは別人だが、中村名人となるみ屋店主が登場している。
なお、有名な「ストリングプレイスパイダーベイビー！」や「ごめんよ、僕のファイヤーボール…」は、『燃えろ！スピナー』のセリフであって、『超速スピナー』のセリフではない。
登場人物
堂本瞬一
主人公。スポーツ万能だが、特定の運動部に所属せず、他の部活の助っ人ばかりしていた。
そんな折り、ベソにヨーヨーバトルの助っ人を依頼されたのをきっかけに、ヨーヨーの世界に足を踏み入れる。
ジャパンチャンピオンカーニバル(JCC)では準優勝に終わり、THP-Jの選考に漏れるものの、中村名人とのループ対決の後でハイパードラゴンを託された。
幻のトリックだった「8の字ループ(ドラゴンループ)」を世界で初めて成功させ(現実では江幡究)、世界大会で使用(同じく高田柊)。
商品プロモーションの都合で、漫画版とアニメ版で使用ヨーヨーやドラゴン獲得のタイミングが異なる。
北条院聖斗
ピアノに専念するため父親からヨーヨーを禁止されているが、「じい」の密かなサポートによりヨーヨーを続けており、JCC三連覇を達成している。
ヨーヨーの実力は劇中でもトップクラス。ぶっつけ本番でハイパードラゴンアクアでオフストリングをやってのけるという離れ業もこなす。
霧崎マイ
→霧崎マイ
女性スピナー。近くに認定店がなかったため、認定レベルなしの状態で出場。
しかし、輪刃を1回戦で破ったことでその実力を明らかにする。
ストリングを極端に短くすることで超速プレイを可能にした「ワープスピード」の使い手。
元祖「ワープスピード」のアレックス・ガルシアの大ファン。
おとなしそうな見た目に反してかなりの毒舌であり、THP-J合宿編ではよく輪刃をやりこめている。
一方、輪刃が失踪した際には誰よりも彼を心配していた。
小暮宙太
サーカス団の息子。片手で5個のヨーヨーでロングスリーパーをするという衝撃のデビューを果たす。
自分の実力を鼻にかけた言動を見せるが努力家で、サーカスの稽古をしながらヨーヨーの練習をこなす。
「8の字ループ」も、猛特訓の末に習得している。
サーカスの練習中に大怪我をし、車椅子生活を送る弟がおり、優勝したら手術をするという約束のためにJCC優勝を目指していた。
輪刃剛志
ループの達人。JCC予選にて瞬一とループ対決をするも決着がつかず、決勝での決着を誓ったが、前述の通りマイに敗れる。
その後は見事にヤムチャ化し、マイの尻に敷かれ夫婦漫才を繰り広げる様が板についてしまった。
THP-J合宿で脱落し、世界大会には参加できなかったはずだが…？
中村名人
→中村名人
実在の人物。JCCの解説役およびTHP-Jの監督を担当している。
内に熱いものを秘めたクールなお兄さんで、よき大人として若きスピナーたちを見守る。
『燃えろ！スピナー』では、打って変わって熱血キャラになっており、「ストリングプレイスパイダーベイビー！」などの迷言が飛び出しているのはご存知のとおりである。
中村名人の過去が描かれた短編エピソードでは、「1984年のブームでヨーヨーを始め、スポーツショップにおいてあったヨメガヨーヨーを見て復帰」という、大枠で現実に近いシナリオになっている。
アレックス・ガルシア
実在の人物。中村名人の親友兼ライバル。THPリーダー。
現実のすさまじいソース顔と異なり、あっさりした顔の小柄な少年として描かれている。
元祖「ワープスピード」の使い手で、マイが尊敬してやまない人物。
他のTHPメンバーとしてアラン・バタンガン(渡辺久美子)やナルカイ・ホオカノ(河内麻友子)も登場している。中村名人の過去編では、THP創始者のアラン・ナガオの姿も。
現実との違い
本作で登場する「ジャパンチャンピオンカーニバル(JCC)」は、現実に行われていたハイパーヨーヨーの大会である「ジャパンチャンピオンシップ(JCS)」のもじりである。
現実のJCSはフリースタイル一発勝負であり、当時は地区大会もなかった。
世界大会も、当時は予選規定トリック・決勝フリースタイルの2回戦のみであり、1対1のトーナメントが行われたことはない。ただし、現在は最大4回戦を勝ち抜く必要があり、超速スピナーに近い対戦数になっている。
海外展開
『Super Yo-Yo』のタイトルで、中国・香港・シンガポールなどでアニメが放映された。
劇中のヨーヨーは特にタイアップされなかったが(ヨメガ機やダンカン機は、超速スピナーとは無関係に輸入されてはいた)、各登場人物の顔が印刷されたヨーヨーが他メーカーより発売されている。
関連動画
関連項目
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