ニコニコ大百科

>>8310
「人類の尊厳」って言っても、この作品はその「人類」があいまいだからなぁ
宇宙人に怪獣人間に機械人間まで出しちゃって、しかもその機械人間をボロカスに非難したもんだから、「じゃあ人類って何なのよ？」って問題が生じてるんだよ
ところがこの作品、どころかハルオ個人すらその問題に回答することはなく、なんとなく機械人間はいやだけど怪獣人間はOKってところで止まっちゃってるの

よくできた物語は登場キャラの軸が最初から一貫していて二周三周と見返しても新たな発見があって面白いと言うけど、これもそのタイプの作品だよね
ハルオやメトフィエスたちの軸が完全に分かった上で最初から見返すと台詞や行動の裏に隠れた心情信念がくっきり見える

>>8311
確かにこの作品には多種多様な種族が登場するけど、ハルオにとっての「人類」は最初から首尾一貫して「地球人」でしょう。
ガルグやメトフィエスも大切な仲間なのは間違いないが、あくまでも地球人の戦いに協力してくれる異星人。
フツアにいたっては決戦起動増殖都市の時点ではそれほど関心を抱いてすらいなかった。


ハルオにとってゴジラを倒すことは手段であって目的じゃない。彼は地球人が地球人のままでゴジラを倒すことこそが人類の尊厳を取り戻すことに繋がると考えていた。
しかしビルサルドやエクシフによってゴジラを倒すこととは何を意味するのかを見せつけられ、本当にゴジラを倒すことが地球人のために必要なのか考えさせられるようになる。
最終的に彼が行きついた答えが「フツアとの共存を選んだ地球人の未来を守ること」で、そのために彼は死を選んだわけだ。

>>8313
ビルサルドがナノメタル化することにすら難色を示していたし、フツアを無視と呼んだ時には「人間と虫の区別もつかないのか！」ってマジギレしてたけど(小説より)
ビルサルドはとっくの昔からサイボーグ化されてたわけだし、ハルオの人間判定ってまじでいい加減だよね

共存というよりは吸収と言った方が適切だと思うがね
「最終的に行きついた」って言えば聞こえはいいが、作品としてはエピローグの数分間での思い付きじゃん
ハルオが呼び水になりかねんからってあっさり「自殺」って手段を取っちゃうのは、直前の「諦めればすべてが嘘になる」ともかみ合わんし
最終的に死ぬしかないと考えるにしたって、もうちょっといろいろ模索してからにしようぜ
「きっと模索したんだろうな」って観客の補完にゆだねるのは作品としてどうなの？

前々からかまってちゃんだから相手にしない方が……

ゴジラは地球環境を破壊する人間への地球からのカウンターパンチャーという設定なのかな？
と思ってたらゴジラ自身が地球環境破壊しているし

>>8314
地球人のことを第一に考えていたからと言って他の種族を差別していたわけではないんだから、人間として許容できないことをされればそりゃ反発もするだろ。
それにビルサルドやエクシフと地球人の間に致命的な価値観の違いがあるという事実もアラトラム号の生活の中では表面化していなかったんだから猶更だ。

例えるなら長年の親友だった外国人が突然日本人の価値観では許容できない謎の儀式を始めたようなもんだ。そんな状況で即座に受け入れられる人なんてそうはいないだろう。

それにエピローグの数分の決断だなんて言うが、確かに映像としては数分だけどその中でマイナの妊娠という形で時間の経過は描写されてる。最後の決め手になったのはナノメタルの復活だったとしても、それだけの期間を考え抜いた末に下した結論だろうに、どこがあっさりなんだよ。

ハルオの決断は全面的に肯定できるようなものではない。作中ですらミアナにはっきりと否定されている。それでもハルオはそれが人類のためになると信じて死を選んだんだ。

何度見てもユウコがハルオにチューして双子がガタッてなるの笑う
フツアにもキスの文化があるんだなあ

>>8317
つまりハルオはビルサルドも人類だと思ってたんだよね
だから彼らが人類にあるまじきことをするのが受け入れがたかった

マイナの腹で分かるのは「時間が経過した」だけじゃん
ナノメタルが復活したから櫻井がフラッシュバックして自殺を思い立ったってのが素直な理解でしょ
ギドラ観測したハルオがギドラを呼び込んじゃうかもしれないから死ななきゃならないんじゃないかと何カ月も考えてた、なんて解釈に外部捕捉なしで到達した人がどれだけいるかね

下手すると死ぬ口実を見つけてちょっと嬉しそうにすら見えるからな
これ見よがしに宇宙服着っぱなしで、平和に馴染めてないアピールに余念がなかったし

ID: 2CGRCWdRZrはストローマン論法で論点ずらしまくるからまともに議論が成立すると思わない方がいいよ

>>8321
ああ、良く分かった。
エンディングのハルオの様子を「平和に馴染めてないアピール」なんて言う人には何を言っても無駄だわな。

なんというか、2CGRCWdRZrはキャラクターの心情を読み取るということができない人なんだな。台詞なりナレーションなりで説明されたことでないと理解できないんだ。

最近思いついたんだけど、エクシフのテレパス能力って単にエクシフ同士の秘密の連絡手段ってだけじゃなくて、怪獣黙示録の時代から怪獣に対しても使ってたんではなかろうか。

もしかしたらゴジラが人類にとって最悪な場所にピンポイントで出現したのも、そもそも人類に対して怪獣たちが殺意高杉だったのもエクシフの仕業だったのかも…？

>>8323
エクシフがゴラスの事をゴジラに教えたりメカゴジラの存在をチクったりしていた……？

アレでけっこうエクシフ側の技術者が死んでるっぽいから流石に……と言いたいけど、献身の果てにいつかはギドラと一体化できるって信じてるから、ワンチャンなくもないよなぁ……。

ちなみにちゃんと見れば分かるけど、ハルオの他にもフツアの服を着ていない地球人は結構いる
どっちかというと真っ先に馴染んだマーティン博士周りの数人だけがフツア服に替えたという感じ

自分の中でゴジラって、平成世代なのもあるんだろうけど、調子乗った人間にビンタかまして冷静にならんかいと叱るような感じで、都市破壊などで人間に警鐘を鳴らす存在で、人類全体を殺しにかかるイメージそんなないんだよね。

でもアニゴジは主観的に見ると自分以外の種族を一切認めない暴君で、地球を自らの住みやすい環境へテラフォーミングした上に、セルヴァムやワーム、二万年後の植物のような自分の細胞を取得してやっと生存を認められる（他種族の尊厳を侵害している）。

共存していると言われているフツアだってモスラの庇護下になければあっという間に死んじゃうだろうし、おおっぴらに表に出て活動できる状態じゃないって、果たしてそれはアースと共存していると言えるのか。
見ようによっては徘徊する殺人鬼から必死に隠れている被害者にも見れるし、劇中を見る限りではアースはフツアの存在すら認知しているか怪しいし。
フツアの存在を知ったら滅ぼしにかかる可能性も高いわけで。
あの世界でモスラが死んだら今度こそ人類は滅びるか、ゴジラの遺伝子を取得して隷属するかの二択しかないと思う。

なんかアースって多様性を否定して種族そのものを尊厳もろとも滅ぼしにかかっているようにしか見えなくて、それしちゃったらそれはもう「ゴジラ」じゃなくてKOMキングギドラやゴーデスのような「侵略者」と何も変わらない気がするんだよ。文明をリセットというより殲滅って感じ。創作でよくある「地球の防衛システム」って感じが全然しない。

アースの振る舞いは確かに怪獣だけど、怪獣の威厳は保てていても「怪獣王」の肩書きはおろしていいと思う。「暴君怪獣」「独裁怪獣」の方がなんかしっくりきてしまう。

勘違いしやすいけど、あの生態系はアースが意図的に作り上げたんじゃなくてあまりに強いアースに擬態するのが生存競争に有利だから他の生物が追随しただけだよ
だから「地球がゴジラを霊長に選んだ」と評される

それに実はフツアにとって森は恐ろしい場所じゃないんだよね
ミアナは丸腰のまま平然と森の中に入っていくし、子ども達は遊びで木登りをする
降下部隊に「なぜフツアの庭を焼いたのか」と怒っていたのも、セルヴァムがいるあの森がフツアにとって庭のように身近で傷付けられたくない領域だという証

>>8328
なるほど、自分の前提から間違っていたのか。

いや、なんかね、これまでのゴジラだって常識を超えた存在であってもその生存にはやはり地球の環境ありきだったから「結局ゴジラも他の生物と同じ地球の大自然のもとで生かされているめちゃクソ強い生き物」なイメージを持っていたんですよ。
地球が破壊されたら流石のゴジラもなんか死んでしまうと思うし。ラドンだって初代は火山の溶岩には耐えられなかったし（ゴジラが耐えていたことは言わんといて）。

一番近いのがもののけ姫のモロの君や乙事主みたいな、自らが自然のもとで生かされていることを自覚して、それ忘れて自然を荒らす人間からその縄張りを守る「カミ」みたいな印象。
どんなに強大な力を持っていたとしても全体に与える影響は微々たるもので、結局は地球ファーストなところ。

だから地球の自然そのものがゴジラ・アースただ一頭に追随するってイメージが全然わかなくて、未来の地球の動植物の全てにアースの細胞が含まれている描写も過去作のビオランテやオルガみたいなやばい例もありましたからその浸食率の高さも思い起こさせ、
小説版で人類も怪獣も満遍なく抹殺して回った過激な行動を見せられたのも相まって「アースが自分以外の怪獣も生物も全て抹殺し、最終的に地球も自然も侵略した」って思っちゃったんですよね。

ぶっちゃけ自分が地球自然そのものが真の霊長だと思っていたからこそ生まれた勘違い。

それなら、初期稿にあった草原を走るアンギラスの群れを入れたり、森をもののけ姫みたいな原生林だらけな感じにしてアース細胞のない植物にしてもよかった気がする。
人間の住めない豊かな自然って表現は「アバター」って先例もありますし、アンギラスもアースの存在に怯えて逃げ出す描写を入れれば生物のヒエラルキーがわかりやすいし、アースもいうほど選民意識が強い怪獣ではないと思ったかも……。

>>8322
割と的を射た表現だと思うけどね
数カ月経過しボロボロでドロドロになった宇宙服をハルオがまだ来てる理由って、現状への不満か過去への未練の表現以外にないでしょ、本人が意図しているかはさておき
まぁ他の人も宇宙服着ていたようだし、脚本の人(ryってことかもしれないけど

>>8329
劇中のセリフによれば、ゴジラはむしろかなり直接的に自然を征服したような感じだけど
マーティンはゴジラと生態系の関係を「奉仕」と呼んだし
奉仕のためにリソースを浪費してる生物がそれでも繁栄できる理由は、奉仕の対価として多大な恩恵を受けているか、奉仕しないものが強力な迫害を受けるかのどちらか
もっとも「奉仕」という言葉をあんまり深く考えずに選んじゃった、と言う可能性はあるけど

また俺が思ったことが絶対の正義みたいなこと言ってるよこいつ。

マーティン博士の仮説ではゴジラという個体にたどり着く為に今までの生態系が存在したのでは？ってのが出てる。

シアノバクテリア等が酸素を産み出した事にによってそれ以前の生態系が死滅する一方でそれに対応した新しい生態系が反映した時と同じことが人間と核とゴジラ(及びその他のゴジラになれなかった怪獣達)で起きた感じ。

アースが何考えてたかは結局解らない。
40年掛けてって人類を滅ぼしたのも人間視点では怒りとか憎悪とか高尚な理論とかそれだけの事をするだけの理由があったんじゃないかってなるけども。

アース視点は数百年も数千年もあっという間みてぇなスケールなんで極端な話お昼寝するのに邪魔な虫けら払ってた位の感覚だったかもしれんし。

アース自体は個体だけで全て賄えて排泄もなんもない完全生物なんで他の生態系がどうなろうと邪魔さえしてこなけりゃ全て絶滅しようとも生きる分には困らないのも相まって人間みたいな遠慮や躊躇とか倫理は無いしね。

>>8332
成る程なぁ
フツアの皆さんが放っとかれてるのは、ちょっとハエなり蜘蛛なりの姿が見えても

「あの位ならまあええか……」

ってなるような感じだったりしてな。

虫けらに何度も何度もちょっかい出されたり熱くない火炙りされたり生き埋めにされたり挙げ句に殺人兵器作ったりされた上でのそれ、と考えたらむしろ寛大かも？

ここまでいくと人間以上に傲慢な生物で笑っちゃうすよね

作中の言葉を借りれば地球という種から育ち実った果実だし、地球という惑星そのものがゴジラの卵みたいなものだったという見方もできる
文字通り地球の頂点に立つべく生まれた生物で、傲慢というより元からそう在るべきなんだろうね

人間の基準に当てはめるような存在じゃないんじゃない？


ゴジラの誕生経緯とか含めるとむしろ文明やら科学の発展そのものは肯定してるまであるんだよね
今作。

その結果ゴジラやらメカゴジラやらは避けて通れないしからそれでも進むならその覚悟決めろ、それとも捨てるのか、別にどれ選んだってそれはそれとして世界は廻る。


虚無じゃなくて無常なのよ

ゴジラが最強無敵だったらいいんだけど本作のゴジラはハルオの肩入れによって勝ってるわけで言うほど強くないんだよね
ハルオこそがこの作品の神だというメタ的な要素を肯定するならまあ別に良いんじゃねえのと思うが

そりゃ元から芹沢博士とオキシジェンデストロイヤーに着想を得ているお話だからね

>>8336
文明発達の先じゃ世界は廻らないんですよね
機械じゃギドラは観測できないから、メカゴジラ惑星になったらもう滅ぶしかない、って舞台挨拶だかで明言しちゃったんでしょ

「或いは科学の発達でギドラに勝利する道を見出せたかも」なんて解釈はこの作品では許されない
全てを諦めて虫のように暮らすしかなく、他の選択肢は徹底的に潰されている

そういう創作世界に蔓延する機械化忌避論って、一周回って機械の何が悪いんだろう……。ってなるなぁ……。