ゲゲゲの鬼太郎(アニメ)単語

アニメバンキタロウ

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ゲゲゲの鬼太郎(アニメ)とは、水木しげる漫画ゲゲゲの鬼太郎」のアニメ版のことである。

墓場鬼太郎」を除けば、ほぼ10年程で新たなシリーズが構成され、今までに6シリーズ制作されている。
これは日本アニメ史の中で一のことである。 通算の累計話数は第6期の第61話で500話を突破した。

概要

水木しげる漫画墓場の鬼太郎」をアニメ化した作品。墓場というタイトルスポンサーが嫌がったため、今しまれているタイトルに変更されたという経緯がある。

第1シリーズのみ映像モノクロだが、それ以降のシリーズ映像カラーとなっている。1990年代に放映された第4シリーズは、東映アニメーションにおける初のデジタル化作品でもある。また、第3シリーズからは鬼太郎などのレギュラーキャラクターキャストをほぼ一新するという試みも見られた。

第5シリーズまでは目玉おやじ田の中勇が一貫して演じてきたが、2010年1月鬼籍に入ったため、第6シリーズは第1・第2シリーズ鬼太郎を担当した野沢雅子へと引き継がれた。ただし、田の中の死後に放送されたNHKドキュメンタリー番組『鬼太郎 幸せ探しの100年後の遠野物語』及びフジテレビドラマ番組『水木しげるゲゲゲ怪談』に登場した玉の親父は、青野武島田敏が代役としてぞれぞれ演じている。

また2017年12月16日開された映画妖怪ウォッチ シャドウサイド 王の復活」にて、鬼太郎たちがクロスオーバーで登場し、妖怪ウォッチメイン妖怪であるジバニャンとの共演が実現した。CV鬼太郎が初代鬼太郎役の野沢で、ねずみ男は初代ねずみ男役の故・大塚周夫息子である大塚明夫が演じた。

第1シリーズ

1968年1月3日から1969年3月30日まで放映された、記念すべき第1作

原作少年誌にしてはちょっとグロい、あるいは下品な内容があったが、アニメ化にあたり少しマイルドにされた。
その反面「キチガイ」「ルンペン」「左巻き」「インド乞食」などといった、今では差別にあたる単がやたら滅多に飛び交ったりする。なお、DVD化にあたっては、差別に対する注意テロップが第2シリーズともども付いている。

第1話には「ねずみ男が登場せず、妖怪と戦わない」エピソードである「おばけナイター」が選ばれた。実はこのエピソードは元々第4話か第5話くらいに放映する予定だったが「アニメ版は雰囲気を明るくしてまずはソフトな印視聴者に与えよう」とスタッフが考えたため、既にいくつか作られていたエピソードの中からこの話が選ばれたそうな。

鬼太郎の誕生エピソードはこの第1シリーズ・続編の第2シリーズを含め、初代スタッフキャストでは描かれなかった。その後、野沢雅子が演じる鬼太郎が誕生のエピソードに携わるまでは、アニメ墓場鬼太郎制作されるまで数十年の時を要した。

当時テレビ映像カラー化が進んでいたが、原作の雰囲気を出すためという理由であえてモノクロ作品にしている。それでもなお高い人気を得たことで、ゲゲゲの鬼太郎アニメ史が数十年に渡って形を変えて続いていくようになった。そういった経緯からこの作品は、東映アニメーション東映動画)最後の白黒アニメとなった。

様々なアニメ作品に出演し始めていた野沢雅子が、初めて主人公を担当したアニメ作品でもあり、後に野沢雅子は欠かせない役として鬼太郎のことを挙げている。

第2シリーズ

1971年10月7日から1972年9月28日まで放送された。
放送話数は最少だが、第1シリーズの直接的な続編であり、明確に続編とされているのは第1シリーズとこの2シリーズのみ。

アニメ鬼太郎ファンの中でも一を置かれているシリーズで、原作ストックがないことから第1シリーズ後半から多用していた「水木しげるの短編を鬼太郎としてアレンジする」という手法をかなり多く取り入れている。
当時は「カラーアニメと言えばモノクロ時代のアニメエピソードリメイクして作っていく」という潮が強い中「いや、鬼太郎の第2期は第1期の続編だ!」というスタッフのこだわりから、前作のリメイクは一切行われなかった。そのためにただでさえ少なかった原作エピソードはすぐに枯渇してしまった。

この時代でも「原作が足りないからオリジナルエピソードの多用」という手法はよく見られたが、スタッフはあえて「水木作品を原作として鬼太郎を交えてアレンジする」という、現在から見てもかなり新な判断を行っている。
そのため「鬼太郎が事件解決しにいくというより単に巻き込まれただけのエピソード」なんていうものが生まれたりするほど、他のシリーズとは一線を画す内容となっていった。

反面、安定した人気を得たわりには、総話数は第1シリーズを除いて換算すると最少となっている。これはやはり原作エピソードストックがなくなり、上記のような手法を用いてエピソードを作りきることが難しくなったためであろうことがわかる。
しかし支持率は高かったようで、今までの鬼太郎の中ではもっとも再放送が行われた作品である。

中盤からは、水木しげる原作の「サラリーマン死神」から死神準レギュラーとして起用し、鬼太郎と事あるごとに衝突する役として定着させた。余談だが、死神役を演じたのはねずみ男役の大塚周夫が、後年「チキチキマシン猛レース」でケンケン役で相棒としてタッグを組むこととなる神山卓三である。

エピソードメッセージ性・風刺性が特に強いことで有名であり「縁切り」「心配屋」「足跡の怪」など、今でもとなるエピソードが満載である。
ねずみ男メインとなって話を進めていくエピソードが多いことから、ねずみ男がもっともいている作品であるとも言えなくもない。また、猫娘レギュラーになった初の作品でもあり、他にも一反木綿砂かけ婆、子泣き爺、そして塗りなどの妖怪達が、今でも知られる鬼太郎ファミリーとして登場するようになった。しかしこの頃は猫娘以外のメンバーは第3作べると、たまに出てくる準レギュラー程度の扱いでしかなかった。

第3シリーズ

1985年10月12日から1988年3月21日地獄編含む)まで放送された。
鬼太郎アニメ作品の中では最もポピュラーかつファンの多いシリーズであると言われている。当時ジャンプ漫画原作ヒーローアニメ盛を極めていた中で視聴率ナンバー1をかっさらったというのだから、その人気のほどが伺える。

第1・第2シリーズからスタッフが一新されているだけでなく、キャストも一新された。前任(初代)のキャストは皆これを残念に思っているという発言をしているが、これがキッカケで野沢雅子は新たなハマリ役を得た。
ただし親父役の田の中勇だけは後任が見つからずに続投し、それ以降第5シリーズの放映後に氏が亡くなるまでは、ほぼすべてのシリーズ親父を担当するキッカケとなった。

はこれまでの鬼太郎以上にヒーロー然としており、鬼太郎の性格がこれまでよりやや熱血的かつ「悪は絶対許さない」というものになっている。そのため、ねずみ男への折檻も容赦がない。
さらにヒーロー的な活躍を演出するため、アニメオリジナル妖怪オカリナという新アイテムを作り上げ、これは後の第4シリーズでも採用される鬼太郎の有名な武器の一つとなった。

また、本作ではヒロイン役として人間少女であるユメコという、アニメオリジナルキャラクターが作られた。彼女は本作の一つのテーマである「人間妖怪の融和路線」に拍をかけるキャラクターとして成立していった。後年の第5シリーズ劇場版となる「日本爆裂」に登場する、ヒロイン風祭もこのユメコイメージされている。
第3シリーズと言えばこのユメコちゃんに思い入れを抱く人は多い。

こうしたアレンジは、原作者の水木しげるに必ずしも全てが受け入れられたわけではないが、視聴者人気はかなり高く、スランプ気味だった水木しげる自身の生活を支えるまでに成功を収め、結果的に、鬼太郎アニメシリーズの最長作品(地獄編含めて115話)となった。

鬼太郎役の戸田恵子は、鬼太郎アニメ40周年の短編に出演した際に「尊敬している野沢さんの役を受け継ぐことになり、すごいプレッシャーを感じながら演じていた。この短編にも出演するかどうか悩んだけれど、野沢さんも来ると聞いてオファーを受けることを決めた!」とっている。 

第4シリーズ

1996年1月7日から1998年3月29日まで放送された。
第3シリーズには及ばないものの、総話数114話という長期シリーズとなった(第3シリーズ地獄編を除いた場合、単独話数では最長のシリーズとなっている)。

テーマとしては原作への原点回帰重が置かれ、次いで水木しげるからの「ジブリみたいな感じで」と言われて方向性が決まった作品であり、その色使いはどこか情の見られるものになっている。EDとして第2シリーズ以来の「カランコロンの歌」が起用されている。
64話からデジタル作画(ちなみにこれが東映アニメーションにおける初のデジタル作画)となった。これにより、制作費のコストカットに成功した反面、ジブリっぽさを感じる色使いは見られなくなった。
人間社会で暮らす妖怪たちの世知辛さ」が非常に感じられる作品で、後期ED「イヤンなっちゃう節」は、憂歌団のアンニュイな歌い方も相まってか、作者からも非常に高い評価を得た名曲である。

本作の鬼太郎ヒーロー的な性格でありながら、原作にも似た陰な雰囲気を合わせ持っており、原作と同じようにやや気な場面が見られる。また、ねずみ男は今までねずみ色だった衣の色が初めて黄色になった。
や見たこそ原作に寄せてはいるが、原作付きのエピソードのほとんどは原を留めていないくらいアレンジされ、ほとんどアニメオリジナル作品となっているのが特徴である。
基本的には第3シリーズで絶大な支持を受けたヒーロー路線をある程度受け継ぎつつも、鬼太郎本来の不気味さも演出されるなど、エピソードアレンジはともかく、鬼太郎の性格的には原作寄りとなった。

「君の後に」というフレーズは、本作の次回予告の締め口上である。他には細田守が演出を担当した回がいくつか存在するのが有名か。特に最終話1つ前の第113話は今でもとなっているカオス回である。

本作の鬼太郎は、ちゃんちゃんこの柄がやや波打っており、イラストを描く際はそこが強調されるのが特徴である。

第5シリーズ

2007年4月1日から2009年3月29日まで放送。総話数は100話。

現代風刺を思いっきり取り込んだ現代的な鬼太郎であり、ねずみ男友情に厚い「良い人」になっていたり、ネコ娘全な萌えとなったり、親父マスコット化が極まったりと、かなり現代的な作品となった。
鬼太郎の性格や作は第3シリーズと第4シリーズの中間と言ったところで、歴代のシリーズのような極端に怖い話がほとんど存在しないのが特徴。しかし怖い話はとことんブラックである。
本作は第3・第4シリーズに登場した妖怪オカリナが継承されなかった代わりに、地獄という必殺技が途中で追加され、妖怪バトルを盛り上げた。

さらに本作特有の設定として、「妖怪横丁」という妖怪が暮らすがあり、一反木綿砂かけ婆、子泣き爺、ぬり、といった鬼太郎ファミリー以外にもたくさんの妖怪準レギュラーとして登場し、鬼太郎に助けをめたり逆に助けてあげたりする。反面、これまでの鬼太郎ファミリーの出番はかなり減ってしまい、ねずみ男もその割を食う羽に。

2年からは、これまで1話完結が基本だった鬼太郎において、地獄編のように一つの大きな背景ストーリー確立させ、妖怪四十七士という妖怪仲間を集めるストーリーが展開、毎回見たくなる構成になっている。
しかし、ドラゴンボール改をやりたいテレビ局東映の思惑、そして鬼太郎TVアニメ40周年を記念した映画日本爆裂)がコケたことが重なって、安定した視聴率を叩き出していたのにも関わらず打ち切りとなる。そのため、妖怪四十七士は全て集まりきらずに終わり、地獄も2つしか開放されていない。

スタッフキャストもにこ打ち切り劇に納得がいかず、5シリーズ再開をして高山みなみらを初めとして熱心な活動を行っていた。
しかし、その活動中に2010年田の中勇郷里大輔2012年にはさらに青野武なども)といったレギュラーキャストが相次いで逝去したことでやや活動が沈静化してしまっている。
公式ブログは番組が終了して数年経過してもなお不定期更新されていたが、2013年に前触れ閉鎖となった。

第6シリーズ

2018年4月1日から2020年3月29日まで放送。総話数は全97話。
鬼太郎50周年を迎える節の年に放送されたシリーズ

21世紀到来から20年近く経った現代を舞台にしており、人々が妖怪の存在を忘れるようになった世界観のもと、物語が進行していく。本作のテーマ「多様性を認めよう」であり、過去作以上に妖怪人間と関わり方について重きを置いている。平成最後のシリーズであり、令和の最初に放送されるシリーズでもある。第3シリーズ以来の人間少女として犬山まなレギュラーとして登場。

本作は過去作とは違い始めから縦軸のストーリーを展開しており、1年妖怪名無し」を軸とした要素やそれに関連して西洋妖怪編があったりとストーリー性の高いシリーズ構成になっている。その後2年でも大逆の四将編、ぬらりひょん編と必ず軸となる物語が展開している。

鬼太郎役に沢城みゆきが起用、それ以外では目玉おやじ役の野沢雅子ねずみ男役の古川登志夫砂かけ婆役の田中真弓と、メインキャストの一部が前番組の「ドラゴンボール超」から引き継ぐ形で登板となる(古川氏と田中氏は第5シリーズでそれぞれ準レギュラーである坊主と塗りの妻を演じており、数少ない続投メンバーである)。

特に野沢は第1・第2シリーズと所謂初代鬼太郎を演じたのもあり、本作で目玉おやじを演じるにあたり「この役をできることは最高の幸せ。」とコメントしている。

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最終更新:2024/03/28(木) 21:00

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