古川登志夫(ふるかわ としお、1946年7月16日-)とは、青二プロダクション所属の男性声優である。本名古川利夫(読みは同じ)。妻は同じく声優の柿沼紫乃。
元々、中学時代は児童劇団に、大学卒業後は劇団櫂に所属して俳優として活動していた。その後、劇団櫂の座長であった中田浩二に、海外ドラマのアフレコの仕事を紹介されて以降、いつの間にか声優としての仕事が増えていったという。
そのため、本来の俳優として仕事が出来なくなり、声優の専門事務所である青二プロダクションに移籍する。しかし、舞台への情熱が抑えられずに自ら劇団を立ち上げたり、ラジオ出演やバンド活動などで、ますます多忙な日々に陥いることになり、一時期は「歩く睡眠不足」とのあだ名を付けられたことがある。古川自身もどれだけの役を演じて来たかは把握しきれていない。
「機動戦士ガンダム」のカイ・シデンような少しひねくれた役から、「うる星やつら」の諸星あたるのような三枚目まで幅広く演じられる。「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」では、表向きは明るくひょうきんだが、野原しんのすけの前ではシリアスでドス黒い発言を放つ悪役ス・ノーマン・パーを演じ、子供たちにトラウマを植え付けた。
二枚目役を中心に担当しており、前述の諸星あたるは三枚目役としては初の起用、ピッコロは悪役としての初仕事だった。この2役は、声優・俳優の大きな転機だったと本人は語っている。
ピッコロ役以前に演じた「北斗の拳」のシンも悪役ではあるものの、純粋な悪とは言い難い役であった。古川は当初憎々しげに演じるのかと思っていたが、ディレクターから「男の悲哀を出してくれ」と言われて、苦労したとのことである。
シーズー犬を飼っており、名前は「あたる」(他界)、「遊馬」、「エース」。いずれも自分が演じてきた役の名前から取っており、役に思い入れがあるからこその名付けだろう。
フィギュアマニアで、自身の演じたキャラクターのフィギュアを集めている。特にピッコロがお気に入りで、青野武が演じたピッコロ大魔王のフィギュアまで集めている。
本人のサイトでもフィギュアを紹介しているページがあり、他にも釣り、鉄道模型、ジオラマ、ミニカー、映画、読書の紹介ページがあり、色々な趣味をお持ちである。
10男5女の15人兄弟の末っ子。古川の長兄である善一郎は、太平洋戦争時に重巡洋艦鳥海の機関砲手を務めていたが、鳥海は爆撃を受けてフィリピン海で没し、22歳で戦死した。古川が生まれた時には、両親から「この子は善一郎の生まれ変わりだ」と言われたとのこと。
「うる星やつら」の諸星あたるは、今でこそ彼の代表キャラクターだが、放映当初は本人も三枚目役の演じ方に戸惑っており、原作ファンからも降板依頼が殺到していた。その反応に対して古川は、声優の仕事を本気でやめようかと思うほど悩んでいた。
ついにスタッフが古川の降板を決断し、その旨を原作者の高橋留美子に伝えに行ったところ、話を切り出す前に高橋から「キャストは全員イメージに近く、特にあたるは完璧」と評した。そのため、高橋の意志を尊重して続投が決まった経緯がある。高橋によると、以前より古川のファンであり、古川の演技自体もあたるのイメージにぴったりだったと、後に述べている。
後に「銀河英雄伝説」でオリビエ・ポプランを演じているが、ポプランは女好きであるため、ファンからは「イゼルローンの諸星あたる」とのあだ名が付けられていた。
「ドラゴンボール」のピッコロ(マジュニア)については、低音がどうしても出せず役作りに苦心し、息(の混じる)声でこなしたと本人は語っている。
「ドラゴンボールZ」の戦闘シーンで、掛け声のバリエーションが尽きてしまった際、収録スタジオ内にあったピアノを目にして、咄嗟に「ピアノ!ピアノ!」とアフレコしたことがある。また、幼少時の孫悟飯をしごくシーンでは、野沢雅子と荘真由美から「悟飯ちゃんをあまりいじめないでね」と言われ、八奈見乗児から「子供をいじめるな」と怒られたエピソードがある。
「脳内エステIQサプリ」でナレーターを担当していたが、間違い探しで「ドラゴンボールZ」のオリジナル問題が出題された際には、ピッコロの声でナレーションを行った。
ルパン三世の声と言えば、山田康雄、またはその跡を継いだ栗田貫一のイメージが強いが、実は古川もOVA「ルパン三世 風魔一族の陰謀」でルパンを演じたことがある。
OVAを制作するにあたって、制作元である東京ムービーは当時経営難に陥っており、ギャランティが高い山田らメイン5人の声優を降ろして製作費を抑えようとしていた。また、制作スタッフの中には、山田が演じるルパンに対して否定的な者もおり、意図的にそのイメージを覆そうとしたともされる。
古川はルパンを演じる以前から、山田に対して尊敬の念を抱いており、彼の出演する番組を全て録画し、演技を盗もうと練習していたほどである。
ルパンのオファーが入った時、「そっくりに演じれば真似、似ていなければお前ごときが、と批判される、そんな負ける商売はしたくない」と断るつもりだった。しかし、マネージャーから「他のキャストは受けているのに逃げるのか?」と言われ、仕方がなく受けることにした。
「古川でやるしかなく、それで構わないか?」ということで、ルパンを演じた際は「物真似ではなく、自分ならではのルパンを」と自分の声そのもので演じたが、それでも絵や山田が作ったイメージに引っ張られてうっかり真似してしまったとのこと。OVA発売後、大量のファンレターが届くも、中身が批判的な内容だらけだったため落ち込んだ。
なお、山田はルパン降板については制作側から知らされておらず、古川が山田へ挨拶にしに来たことで初めて知り、制作側に対して大激怒。ファンからも抗議が殺到し、その後のTVスペシャル以降、ルパンの声は山田に戻されることになった。
共演する機会が多く、特にライバルや敵対関係になる役柄が多い。「うる星やつら」での共演はもちろんのこと、「劇場版 ドラゴンボールZ」では、監督が「古川さんのライバルといえば神谷さんだ!」という理由で、敵役であるガーリックJr.役に神谷を抜選したエピソードもある。
「北斗の拳」と「シティーハンター」の主役オーディションでは、神谷に敗れた過去があり、その際に神谷の演技力や役作りに脱帽し、神谷とのオーディション争いに勝利することを目標にするようになったという。
「キン肉マンII世」においては、製作予算の都合上、神谷の代わって古川がキン肉スグルを演じている。
また、1977年に趣味として声優仲間と結成したバンド「スラップスティック」でも一緒に活動していた。しかし、バンドが商業デビューする際、神谷は和気藹々と活動していたアマチュアバンドが、プロとしてデビューすることに疑問を抱いて脱退している。
同じく声優の古谷徹とは、互いの家を行き来するほど仲が良く、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」などで共演している。
古川が声優としての活動して日が浅い頃、「マグネロボ ガ・キーン」で北条猛を演じるにあたって、収録が始まる前に「鋼鉄ジーグ」の現場へ見学しに行った際、古谷をはじめとした出演者の演技を目の当たりにし、「こんな器用なこと、僕にはできないな」と思ったという。
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最終更新:2024/12/12(木) 23:00
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