溶鉄のマルフーシャとは、hinyari9開発のインディーゲームである。ジャンルは2Dシューティング。
「死にたくないので頑張りますよ」
溶鉄のマルフーシャとは、hinyari9氏の開発したインディーゲームである。ジャンルは2Dシューティング。
概要
2021年8月にSteamで配信開始、2023年4月にPLAYISMからコンシューマー版が配信開始された。
2.5Dで描かれたグラフィックが特徴的なシューティングゲーム。
隣国すべてと戦争中のディストピアな国カゾルミアに住む少女マルフーシャを操作し、国境門を攻めてくる敵国の機械兵から守るという内容。
続編の"救国のスネジンカ"が2024年8月に配信開始された。
キャラクター
- マルフーシャ
- 主人公。5等級国民。
- 元々はパン屋の店員だったが、徴兵され門を守ることに。
「死にたくないので頑張りますよ」
仲間キャラクター
全員が女性。それぞれの仲間は、該当するカードを選ぶと雇用できる。雇用後は宿舎のマルフーシャの部屋で同居することになる。一人しか雇用できないので、誰か雇用している時点で別の仲間のカードを選ぶと仲間が入れ替わる。
- フェリセット
- 元エリート狙撃兵。2等級国民。相当する仲間カードは「上級狙撃兵」。
- 上流階級の出身で、天才的な射撃の腕を買われて学校の中等部入学後1年の時点で軍にスカウトされて優秀な狙撃兵として戦っていた。だがとある出来事をきっかけに自堕落な性格に変貌してしまい軍の厄介者になっている。
- 宿舎では床に寝そべって動かず、同居人のことを「お姉さん」と呼んで自分の飲食や入浴の世話をやらせようとしてくる。
「お姉さんわたしの世話をしてくださいませんか」
- ベルカ
- 衛生兵。8等級国民。相当する仲間カードは「サブマシンガン兵」。
- 家庭環境の影響でキツイ性格と口調をしている。看護学校を出たが、キツイ言動のせいで通常の就職が出来ずヤミ病院の看護師をしていた。勤務先が摘発されて、兄妹を養うために軍隊入り。
- そんなトゲトゲした娘だが、意外にも「尽くす事」が好きでフェリセットとの相性がいい。
「怪我しないでアンタなんか手当てするの嫌だから」
- ストレルカ
- 化学マニアの元CBRNE対策兵。4等級国民。相当する仲間カードは「上級サブマシンガン兵」。
- 飛び級で有名大学を出た俊才で、CBRNE対策部隊と掛け持ちで兵器開発も担当させられていたが成果が上がらず左遷された。ジト目でテンションが低い。
- ゲーム中で読めるプロフィールによれば「化学マニア」らしいのだが、カビに関する台詞があったり担当が生物兵器だったりと、化学というより生物の方への親和性が高いような描写も。
- 本好きで、彼女を雇用すると宿舎の部屋に本が山と積まれる。科学書が多いが、中には友人を作るための人間関係指南本が混じっているという意外な一面も。
「…こんな無駄な争いやめて勉強したいんだけどな」
- ビオン
- 下級国民のポイントマン。9等級国民。相当する仲間カードは「ライフル兵」。
- この国では10等級国民から下は人権が無い。つまり彼女の出身の9等級はそのすぐ上でしかなく、ギリギリ人間扱いされているだけという低階級。
- 「見捨てられること」を極端に恐れる卑屈で臆病な性格で、命じられたことは「何でも」行ってしまうので軍内で危険な仕事を押し付けられる立場となっている。
- マルフーシャのことを「マルフーシャさん」と呼ぶ作中で唯一の人物。
「何でもどんな事でも言う事をききます。…だからどうか捨てないでください」
- アリビナ
- 赤い髪の突撃歩兵。3等級国民。相当する仲間カードは「上級ライフル兵」。
- 外交官の父を持ち高い国民等級にあり、座学・実技とも優秀な成績を挙げているという、出自・能力共に恵まれているはずの人間。しかしあまりにも明るいノリのハイテンションな言動のために軍の中で浮いてしまっている。
ただし、その容姿や性格には意図的に装ったところもあるようだ。
ザリガニ料理が好物らしく、また自分の赤い髪の色をザリガニに喩える台詞もある。そのため作品ファンから「ザリガニ」と呼称されることも。
「みんな大好きアリビナちゃんだよ!よろしくー」
- エノス
- ぼんやりした機関銃手。9等級国民。相当する仲間カードは「軽機関銃兵」。
- 貧困家庭の出身で、ビオンと同じく低い国民等級。感情や意志が希薄で、自分で考えることが苦手。プライベート時間でもぼーっとテレビを見ている。
「空虚で、気持ちが悪いやつだと、よく言われる。それでも、いつか皆に認めてもらいたい。です。」
- ライカ
- 監査官。3等級国民。相当する仲間カードは「上級ショットガン兵」。
- 政府高官の娘で、厳格にしつけられて育ち、自分にも他人にも厳しい人間に育った。能力も高く軍では憲兵として活躍していたが人材不足のために前線に異動してきた。
- ……という「厳格で有能な人物」という設定なのだが、作中では「口調は厳しいが説明資料まで自作してアドバイスしてくれる親切ないい人、でもどこかポンコツ感あり」と言った感じの描写がなされている。
- 密室と暑さに関するトラウマがあるらしい。名前の元ネタの最期が関係しているのだろうか。
「弱音禁止。やるからには完璧にやり遂げるわ」
その他のキャラクター
- スネジンカ
- マルフーシャの義妹。5等級国民。
- マルフーシャから溺愛され、スネジンカもマルフーシャを大切に思っている。
- 幼い子どものようにも見えるが、中等学校(中学校?)に通っており、また入学から少なくとも2年経過しているので、小柄なだけで実際には中学3年生くらいか。
- 本作ではデモシーン以外には登場しないが、次作では主人公となっている。
「将来の夢は姉さんとパン屋を開くこと」
- 敵国の兵士
- カゾルミアと戦争をしている「連合国」の兵士。
- 多くのエンディングで登場して、マルフーシャや仲間たちを捕え、あるいは殺害する。
- 連合国の軍では、自国民の命を尊重して「前線で戦うのは機械兵が主で人間は指揮官役の少数のみ」という構成となっている。
- そのため「人間を戦わせるなんて」とマルフーシャらカゾルミアの兵士を憐れむような言葉を発する。だがそんな優しい言葉はうわべのみ。彼の国は「自国民に優しい」だけであってカゾルミア国民はその対象外である。
- 最高指導者
- カゾルミアの最高指導者。
- 個人崇拝されている状態となっているようで、顔写真が室内に飾られている。
本人はとある特殊エンディング(タイトルの意味を回収して次作につながる、いわゆるトゥルーエンディング)でのみ登場する。
メインモード
マルフーシャを操作して門を守るストーリーモード。全100ステージ。
画面左側に門があり、画面右から続々と押し寄せて来る敵を撃破し門を死守する。門は敵の攻撃を受けるとダメージを受けていき、破壊されるとゲームオーバー。各ステージのすべての敵を倒せばステージクリア。中盤からは門ではなくマルフーシャ自身が攻撃されるようになる。
ステージクリアすると報酬が貰え、提示される3つのカード(ステータス強化、仲間、武器など)から一つを選んで購入(欲しいものがなかったり、お金を温存したい場合は購入しなくてもよい)、次のステージへ...というサイクルでゲームは進んでいく―――のだが、進めるにつれて各種税金が控除されるようになり、報酬の1割程度しか受け取れなくなっていく。
誰を仲間にした状態でストーリークリアするかでエンディングが変わるマルチエンディング形式。
時折自室に戻ることがあり、その際に監査官ライカや仲間とのイベントが発生する。ラジオやテレビが垂れ流しになっており、ストーリーが進むにつれて内容が先鋭化していく。食事やシャワーなどの行動でステータス強化が可能。
チャレンジモード
マルフーシャやライカなどの好きなキャラクターを選んでハイスコアを目指すモード。自室での食事やシャワーはキャラクター毎に個別のものが用意されている。
操作
ゲーム内でも操作説明があるが、メインとなる戦闘画面での操作はWindows PC(Steam)版ではキーボード・マウス操作。スペースキーで発動できるサブウェポンには緑色のアイコンで表示される設置型と青いアイコンで表示される携行武器型の2種を所持できるが、両方所持している場合は一回目のスペースキーで緑色の方が先に発動する。
コンシューマー版ではゲームコントローラーでの操作となる。設置型サブウェポンの発動ボタンとが携行武器型サブウェポン発動ボタンは分けられており、つまりコンシューマー版ではWindows PC(Steam)版と違ってサブウェポンの使い分けができるようになっている。
Windows PC(Steam)版でのコントローラー使用
上記の通り基本的にはWindows PC(Steam)版はキーボード・マウス操作であり、ゲーム単体ではコントローラー操作に対応していない。だが、Steamが操作入力を支援する「Steam入力」に公式対応しているため、そちらを介してゲームコントローラー操作でもプレイできる。
Steamクライアントのライブラリの本ゲームのページ、「コントローラ」の箇所には「コントローラはサポートされていません」「このゲームはコントローラをサポートしていません」と表示されているが、その下に表示された「コントローラ設定を表示」をクリックするとSteam入力が起動する。
制作者hinyari9氏により提供されている公式レイアウト(コントローラーのボタンとキーボードやマウスの対応関係)では
と対応設定されている。もちろん上記の設定は自分の好みに合わせて編集することも可能。
特に公式レイアウトのデフォルトでは右ジョイスティック感度が「275%」に設定されており、迅速に照準移動できるが慣れないうちは照準の移動が早すぎて操作しにくいと感じるかもしれない。その場合は感度をひとまず100%に落として開始し、慣れてきたら上げていくとよい。
不具合
以下のような不具合報告あり。ただしプレイに関する致命的な不具合報告は乏しい。機種によって不具合の有無が異なる可能性や、アップデートで修正される可能性もある。
- 戦闘終了後のカード選択で武器耐久力が「1」と表示されたら、その時点で武器が使用できなくなっている
- メインモード10日目の戦闘が終了した後に挿入される会話シーンで監査官(ライカ)が「耐久値がゼロになると、武器が壊れてハンドガンで応戦することになるわ」と言っている。
- その監査官殿のアドバイスを信じて「耐久力1になったからあと1日しか使えないんだ。あと1日使ったら武器を変えよう」とかやっちゃったマルフーシャは直後の戦闘開始時にてハンドガンを持っている自分に愕然とすることになるだろう。
- 「たまに起きるイレギュラーな出来事」ではなく100%起きるようだ。武器耐久力が減るタイミングが「戦闘で武器を使い終わったとき」ではなく「次の日が始まって武器を使い始めるとき」に設定されていることによる事象と思われる。
- スペースキーやRキーが反応しづらい事がある
- Windows PC(Steam)版で複数のプレイヤーからの報告あり。フレームレートが上昇しすぎているときに起きるらしく、グラフィックボードの設定ツールでフレームレートに上限を設定すると改善したという報告も。
- チャレンジモードでゲームオーバーになったあと、再度チャレンジモードを選ぶとゲームオーバーになった日数から始まってしまう事がある
- Windows PC(Steam)版で報告あり。「コンティニューできる」と表現できなくもないが、武器はハンドガンになっており能力も初期値(全てゼロ)に戻っているので、余程の序盤でもなければまたやられてしまうだろう。ポーズメニューで「初日からやり直す」を選ぼう。
- 能力UPカードの効果が特定の状況で取り消されてしまう
- 宿舎の施設「電話」を使うと現在の能力が表示される。同じく施設「配給機」「冷蔵庫」「シャワー」を選択すると対応した能力が上がる。だが、この「能力表示」と「能力上昇」周りで不具合があるよう。
- 例えばリロード速度が「5」の時に、戦闘終了後のカードで「リロード速度UP+3」を選択するとリロード速度は「8」になるのだが、その直後に宿舎で「電話」を使うとリロード速度はカード使用前の「5」と表示されてしまう。そこから「シャワー」を使うとリロード速度はシャワーの効果で+1された「6」となってしまい、翌日の戦闘を終えると「6」で確定されてしまっていることが確認できる(本来は5+3+1で「9」になっていなければならない)。
- おそらく「能力UPカードの効果は次の日の戦闘開始の直前のタイミングで確定する。それまでは内部で能力UP効果は保留されている」という処理になっているため、「電話」を使うと「UP前の能力値」が表示されてしまうのだろう。かつそこで「同じ能力値がUPする施設」を使うとUPした値を表示するために「保留せずに、施設でUPした値を即時確定させる」という処理を行い、かつその時に「保留されていた、カードによる能力UP効果」が上書きされてしまうのではないだろうか。「電話」はリリース時点では存在せず後のアップデートで追加された要素であるために生じた不具合?
関連動画
制作者による公式動画
関連静画
関連リンク
関連項目
脚注
- *hinyari9氏のX投稿
より。正確には『ドールズフロントライン』ではなく、その制作チームの過去作でルーツとなっている『面包房少女(パン屋さん少女)』の方。