「真田志郎」とは、「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに登場する工場長兼技師長であり、時には参謀役としてヤマトの危機を救い続けた最強の縁の下の力持ちである。
まるでドラえもんが四次元ポケットから秘密道具を出すかの如く、危機に対応できる装備をあらかじめ用意しておく事に定評があり、様々な分野の知識も持っている上にポーカーフェースのタフガイ。
日本のSF・ロボットアニメ作品における技師・メカニックの中でナンバーワンの地位はゆるぎないチート性能を誇っている。
※タイトルによっては「真田志朗」とクレジットされる事があるが、本記事では「真田志郎」で統一する。「真田佐助」なんて人はいません。
2171年生まれ。子供の頃は絵を描く事が好きな少年だった。しかし、両親と姉と四人で遊びに行った月面遊園地でのロケットカー事故が、彼を変えた。
姉を亡くし、自らも両手両足を失うと言う大事故から、機械の両手両足※を得て生還した真田志郎は、
機械が人間を殺す・・・そんなことがあってよいものか。
科学は・・・人間の幸せのためにこそあり・・・人間は科学を超えたものだ。
そう考え、それを実際に確かめるために、オレは科学者になった。
科学はオレにとって、屈服させるべき敵なのだ!
と後に本人が語った様に、科学>人間ではなく、科学<人間である事を証明する為に科学者への道を選ぶ。
そして宇宙戦士訓練所へ進んで科学技術分野を専攻した後、地球防衛軍の技術士官となった。
※ビスを1本抜くだけで取り外し可能な義肢には、爆弾を仕込んでいる。
宇宙戦士訓練所時代の同期で親友の古代守がガミラス帝国との冥王星会戦に赴くにあたって、彼の乗艦「ゆきかぜ」の整備が不足している事を知りながら出撃させた事を後悔していた真田志郎は、宇宙戦艦ヤマトの惑星イスカンダルへの航海に彼の弟である古代進と共に乗艦し(旅の途中で兄の船の件について謝罪している)、工場長兼技術長としての持ち前のチート性能な科学力で、イスカンダルからもたらされた波動エンジンを活用した超兵器「波動砲」を開発した。・・・上に、
といった数々のひみつ道具をあらかじめ用意していたり、一目見ただけのヒントから開発していたり(但しテストはしていない)、時には冷静沈着な参謀として、
として数々の作戦を立案・指揮して成功させる等、ヤマトの危機を救い続けた。
※ヤマトの旅の目的であるイスカンダルでの放射能除去装置「コスモクリーナーD」も、部品のかたちで受領した後、イスカンダルの科学と言語の壁をものともせずに真田志郎が組み立てている。
※そのあまりのチートっぷりに、地位としては上の古代進は「真田さん」と呼び(艦長の次の地位である事が多い古代進は、艦長と佐渡先生と真田さん以外は基本的に呼び捨てで呼ぶ)、歴代のヤマト艦長も「真田君」と呼んでいる。ただし、同期の古代守だけは「真田」と呼び捨てである。
「皆殺しの西崎」として、ヤマトクルーのほとんどが戦死する事で有名な映画第二弾「さらば宇宙戦艦ヤマト」では、白色彗星帝国に古代進や斎藤始と共に侵入し、古代進を引き返させて、自らは動力炉を爆破する為に斎藤始と共に進み、Hマーク入りの爆弾をセットするまでの時間を稼いで戦死した斎藤始の亡骸と共に、爆弾を点火して戦死した。
しかし、映画版のリメイクであるTV版「宇宙戦艦ヤマト2」では、斎藤始が爆弾のセットと点火を行い、真田志郎は古代進と共にヤマトに帰還した為「戦死は無かった事」になった。
映画第三弾「ヤマトよ永遠に」では、古代守の忘れ形見であり、イスカンダルと地球のハーフである「サーシャ」を預かり真田澪として育て、廃艦状態のヤマトを復活させて暗黒星団帝国と戦いにのぞんでいる。
サーシャがヤマトを救う為に敵地に一人残って誘導した際、サーシャもろともデザリアム本星を波動砲で破壊する事をためらう叔父・古代進に対して
俺が撃つ! どけっ、古代!!
と怒鳴りつけた真田志郎だったが、一年間だけとはいえ大切に育てた娘の様な存在を失う事に葛藤があったともらす等、常に沈着冷静でポーカーフェイスな彼もまた人間である姿を見せている。
「宇宙戦艦ヤマト完結編」では、ディンギル帝国艦隊のハイパー放射ミサイルによりヤマトが壊滅的被害を被った後に、再度、ハイパー放射ミサイルの魔の手が迫った際には、開発しておいた対ハイパー放射ミサイル艦首ビーム砲で撃退する等、宇宙戦艦ヤマトが単艦で数々の困難を乗り越えた要素の一つである、真田志郎がいるかぎり二度同じ武器と作戦が通用しない事を証明した。
「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」ではお偉いさんになったためヤマトに乗り込むことはないが、ちゃっかりヤマトに最終兵器を仕込んでいる。20年経ってもそのチートっぷりは健在であった。
実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」では柳葉敏郎が演じる。原作のようなチートっぷりこそ無いものの、その名演は「リアル真田」とまで呼ばれることがあるほどであった。
そして映像作品ではないものの、ある意味で一番凄まじいチートぶりを発揮したのがPS2版3部作である。真田さん本人に加え、同格のマッドサイエンティスト大山トチローがヤマトに乗艦。暗黒星団までの戦闘航海の間、原作以上に科学者としての本領を発揮。攻略方法次第であるが、随伴する自動駆逐艦「ゆきかぜ・改」を用い、デザリアム水晶都市に特製ウィルスを注入。原作ではなし得なかったサーシア救出、生還という快挙を成し遂げた。
艦内の立場は副長と技術長の兼任で、ヤマトの技術的側面の柱石というスタンスに変わりはない。
キャラクターデザインは細いながらも眉毛が追加され、同時に若干強面となった。新たにCV担当となった大塚芳忠氏の、感情を抑えた淡々とした演技もあり、大分印象は変わっている。
古代進曰く「コンピュータ人間」(いや、その表現は古くないかい。古代君…)。
但し内面が冷徹冷酷というわけではなく、強面と感情表現の下手さで、誤解を受けているといったほうが正しい。
意外な部分で冗談を飛ばしたり、戦死した旧友を深く悼む。あるいは「機械とて心が芽生えないとは言い切れない」と、ガミロイドをただの機械扱いはしない、古典文学を密かに好むなど、寧ろ豊かな人間性を持っている。
古代守の形見でもある中原中也の詩集を愛読し、その内容を引用して話すシーンが存在する。
年齢は29歳と旧作より若干年長になっている(初代では27歳)。
嘗てのドラえもんのような万能ぶりは修正されたが、MIT主席卒業だけに技術面では非常に博識で冷静。
反面、「俺は軍には向かない人間だ」と防衛大学校卒業前に口にしたり、沖田艦長代行の戦闘指揮では、敵側の戦術に追い詰められるなど、その才能はあくまで技術者、技術士官としての側面に集中している。
同じく技術科に所属する部下の新見薫情報長からは「先生」と呼ばれ、防衛大学校の先輩後輩の間柄である。
古代守と同期、親友という設定も維持されおり、第五章以降でそれは更に深く掘り下げられ、原作以上に古代守の死に罪悪感と懊悩を抱いていた。色々と年齢相応の等身大になった真田さん、ともいえる。
因みに意外なほどに少食で、食事は普段からカロリーメイトに類似したブロック食料で済ませている。
大食漢の太田からそれで足りるのかと問われた時は「無駄なカロリー摂取は愚かな行為だからね」と応じ、相原からオムシスの無尽蔵な食事の原料はと質問された時は「知らない方が幸せだと思うよ」と苦笑していた。
真田志郎の代名詞とされ、降りかかる災難に対してすべて想定済み且つ対応策を開発済みというチート能力発動の合言葉として使われる「こんなこともあろうかと」であるが、厳密には彼は一度も「こんなこともあろうかと」と発した事は無い。
TV版「宇宙戦艦ヤマト」の最終回で発したとする説があるが、この時は、
反射衛星法にヒントを得て密かに開発しておいた空間磁力メッキが役にたったよ。
と言う内容であり、コミック版で発したとする説でも、実際は、
よかった
空間メッキ防護幕が役に立った
もとはといえばガミラスの冥王星基地で
であった反射衛星砲にヒントをえて
エネルギーをはねかえす装置を考えておいたんだ
と言う内容である。TV版第2弾の宇宙戦艦ヤマト2」の第10話で発したとする説でも、実際は、
多分こんな事もあろうと思ってアステロイドリングにエネルギーの吸収装置をセットしておいた。
と「こんな事もあろうと」と言っており、(ニュアンス的には同じだと言えるが)厳密には真田志郎は言った事が無い。
おそらく、「ヤマトよ永遠に」で
古代、波動カートリッジ弾を使おう。
主砲のカートリッジの中に波動エネルギーがしこんである。
まだテストもしていないんで使わなかったが。
と言って、すでに開発済み(だがテストはしていない)のひみつ道具をすでに準備完了していたというような、これまでのチートぶりに加えて、「宇宙戦艦ヤマト2」第10話で、修理の為にヤマトがアステロイドで船体を覆って隠れた際に、エネルギーを吸収する鉱石がアステロイドに含まれていた為にエネルギー切れをおこすという絶体絶命の状況で、ポチっとなと真田志郎がボタンを押すと、ヤマトのエネルギーが回復して危機を脱した際の
多分こんな事もあろうと思ってアステロイドリングにエネルギーの吸収装置をセットしておいた。
という言葉が、「巨人の星」で本編では一度しか卓袱台を返していないのに、卓袱台返しキャラになった星一徹の如く強烈なインパクトを与え、真田志郎を「こんなこともあろうかと」キャラの代表格にしてしまったものと思われる。
※翻訳版の「ファンタスティック・フォー」の主人公で数々の発明を行う科学者でもあるリードや、「ウルトラマン」のイデ隊員はしっかり発している。
※「機動戦艦ナデシコ」の主任技師ウリバタケが発するのは、真田志郎へのオマージュと思われる。
なお、実際の軍隊の中において真田志郎が行った数々のひみつ道具製作は、戦地での緊急事態があったとはいえ、軍令違反にあたる可能性が高い。しかし、彼の能力を知る者からは、違反として告発される事などないだろう。
彼は今日も、メカニック系キャラの頂点として「こんなこともあろうかと」の象徴となっている。
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73 ななしのよっしん
2021/04/20(火) 10:42:55 ID: WjC+LK3Xev
74 ななしのよっしん
2022/01/17(月) 13:24:14 ID: 3T1BnwpB8F
最近思うのは
リメイク版でもし反波動格子が真田さんの手に渡ったら
真田さんならそれを量産できてしまうのではないかということだ。
そんなことになったら物語成り立たなくなりそうだからそもそも真田さんの手には渡らないだろうけど。
トランジット波動砲艦隊が始まる前に終わらせちゃう。
75 ななしの紳士
2023/02/20(月) 18:15:34 ID: abESUbGJiE
真田さんは好きだなぁ。もうあいつひとりだけでいいんじゃねーの代名詞だしな。こういうキャラ便利で有能で好き
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最終更新:2024/12/14(土) 06:00
最終更新:2024/12/14(土) 06:00
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