勇者様の幼馴染とは (ユウシャサマノオサナナジミとは) [単語記事]

勇者様の幼馴染とは、

小説・漫画・アニメ・ゲームなどに登場する勇者の幼馴染である。村に居残る場合も多いが、最近はともに戦う場合も多い。
Web小説投稿サイト『小説家になろう』において連載されている小説『勇者様の幼馴染という職業の負けヒロインに転生したので、調合師にジョブチェンジします。』の書籍化前の旧題。

本稿では2について記述する。

勇者様の幼馴染という職業の負けヒロインに転生したので、調合師にジョブチェンジします。とは、日峰（はるみね）によるWeb文芸小説である。

概要

原作は小説家になろうにおいて連載。旧題は『勇者様の幼馴染』だったが書籍化に際してタイトルが変更された。タイトルの『職業』は「せってい」と読む。新正式タイトルが長過ぎてニコニコではタグに設定できないため、ニコニコ静画でのタグには旧題が略称として使われており、本記事もそれに合わせる（正式タイトルは暫定的に本記事へのリダイレクトとしている）。

原作 Web版は2018年 2月から2021年 11月まで連載し完結した。全176話。ただし番外編は不定期に掲載する予定があるとのことで、後日談にあたる番外編は1話発表されている（2022年 1月現在）。

書籍版はカドカワBOOKS（KADOKAWA）レーベルから刊行され2020年 5月現在既刊2巻。イラストは花かんざらしが担当している。3巻は発売1年過ぎても長期期間刊行されていない。

KADOKAWAの無料公開漫画ポータルサイト『ComicWalker』のWeb小説のコミカライズほぼ専門の少女漫画レーベル『FLOS COMIC』より2020年 3月8日より漫画版の連載が開始した。漫画版は加々見絵里が担当している。2023年 7月現在既刊6巻。

あらすじ

　地方の小さな村である、エメ村の少女ラウラはある時、村に来ることはない魔物に襲われていた。その際に幼馴染のルカーシュに救われたことで前世とこの世界がゲームの世界に似ていることを思い出す。

　物語でのラウラはこの時ルカーシュに恋をして告白して返答は保留してもらうが、その幼馴染は勇者としてこの村を出ていってしまう。

　前世を思い出したラウラは放置され、ヒロインに負ける自身の未来を憂いて手に職を付けて村を出るために、調合師を目指すことを思いつく。村の外れにいる、調合師の家のドアを叩き調合師の弟子を願い出る……。

登場人物

主な登場人物

ラウラ・アンペール: 今作の主人公。; 　原作ゲーム『ラストブレイブ』の勇者様の幼馴染。原作ゲームでは、ルカーシュが村を去る際告白するが、返答は求めなかった。しかしその後が描かれず終了したため最後まで恋恋慕を続けたままだとも解釈されており不遇な存在となっている。、原作ゲームでは最後までエメの村を離れていないと思われる。; 　前世は普通のOLで、この『ラストブレイブ』も王道 RPGで他の要素も好みだったと述懐していたが、交通事故で死亡してしまう。ラウラが原作のゲーム通り魔物に襲われた時に前世を思い出す。; 　前世を思い出したことで、原作の結末のようにラウラが不幸になることを防ぎたいため、手に職を付けて村を出ることを決意し、ゲームの知識を利用して元王属調合師のベルタに弟子入り志願をする。; 　弟子入りを認められたラウラは、調合師関連の書籍の知識を乾いた布が水を吸うごとく習得しメキメキと力を付けていく。（魔法の書籍は全く読解が進まないため才能という設定とも見ることが出来る）; アルノルトからエルヴィーラの自壊病があることを知り、治療するために協力することになる。; 　前世のこともあり限界まで働いてしまうため周囲から働きすぎと見られているが、手際がよく量産できること、回復薬の効能が高いことから、王属見習いから1年をもって個室と教官なしで調合が出来る特例の「王属調合師助手」になれたのは事実である。; 　原作ゲームのこともあり、ルカーシュと結ばれないことに予防線を張っているがルカーシュと出会うことは嬉しいという矛盾を抱えている。
ルカーシュ・カミル: 　原作ゲーム『ラストブレイブ』の主人公。魔物に襲われていたラウラを剣と目に宿った勇者の章紋の力によって救い出す。その結果原作でもエメの村から離れる前にはラウラと一番親しかったが、原作のゲームではヒロインの『古代種の少女』と結ばれてしまう。; 　前世を思い出したラウラによって、遠ざけられてしまうが後にわだかまりは解け、ラウラの願いを聞き入れれエメの村に留まるがたまに王都に赴いてラウラと再会している。; 　周囲からみればラウラとルカーシュはいずれ結婚するように見えており、ペトラからそれとなくアタックを受けていても受け取れていないようである。
ベルタ: 　元王属調合師。エメの村の外れに一人で住んでいる。ラウラが弟子になりたいと直談判した際受け入れたが、弟子を何度も断っていた経歴を持つ。メキメキと実力を付けていくラウラに教えがいのない弟子というセリフを何度も使っている。エメの村に隠棲していたのにも理由があり、弟子のメルツェーデス・ブルームとも没交渉になっていた。; ゲーム内では便利キャラ『森のオババ』として設定されており、転送される魔法の壺に薬草を入れるとベルタが薬（ポーション）を調合し、さらに転送して主人公たちにポーションを返すという作業をやっていたらしい。

エメ村

ぺトラ・エメ: エメの村村長の娘。; ラウラが王都に出ていったため、ルカーシュが一人でいる姿を見ることが多くなりルカーシュに惚れ、ラウラに好きだと伝える。ラウラが付き合っても良いとしていたためアタックはそれとなくしているものの、ルカーシュはラウラを見つけるとそちらの方に目が行き、用事を優先するためうまく行っていない。ラウラが王都に行った後はエメの村から近郊の街に働きにでている。
ユーリア: 　エメ村の少女でペトラ・ユーリア・ラミドラと言ったラウラが仲いい女友達の中の1人。後に結婚する予定であることをラウラに打ち明け将来子供が出来た際には調合を教えて欲しいと願いでる。
ラミドラ: 　エメ村の少女。魔物が襲ってきた際にラウラが庇ったため難を逃れたが、魔物を倒した後にラウラのことを深く心配する。

王都

アルノルト・ロコ: ベルタがラウラを王都に連れて行った際にメルチェーデスが連れていた、弟子のメガネを掛けたエルフの少年。メルチェーデスによれば人見知りらしい。; 一回ベルタに弟子入り嘆願をしたものの断られており、ベルタに弟子入りしたラウラに対抗意識を持つが知識量の多さと調合の正確さに鼻を折られ、心を入れ替える。ラウラに王属調合師に自分がなるからラウラにもなれと呼びかけられる。; 　試験にはもちろん優秀な成績で合格し王属調合師見習いとなるが、ラウラが合格し王属調合師になるまでに助手という特例措置を経て正式な王属調合師になっている。; 　調合師を目指したのは原作とは違い自壊病という病を妹のエルヴィーラが罹患しているためであり、魔力が多めにあるため魔術も得意であり、王国に戦力として認識されていることから駆り出されることもある。; 　プラトノヴェナ地方に赴く際にはラウラの教育係を引受け一時出張する。; 　原作ゲームには妹のエルヴィーラがメインキャラクターの天才魔術師として登場するが、アルノルトは裏設定だけ存在したが登場はしなかった。
エルヴィーラ・ロコ: 　アルノルトの妹で普段は故郷に住んでいるが、メルチェーデスかアルノルトに釣れられて王都に来訪することもある。兄の事が大好きなブラコン気質と兄と同じく人見知り気質がある。原作ゲームでは天才魔術師として勇者パーティーの一員として元気に大活躍しており、ラウラの前世でもお気に入りのキャラクターだった。ゲームと違い死に至る病の『自壊病』と呼ばれる病気を患わっている。
メルチェーデス・ブルーム: 　ベルタの弟子でありアルノルトの師匠。緑髪で半エルフの若い女性。ラウラには王属調合師試験があることを教え、アルノルトと同じく王属調合師となってライバルとして張り合って欲しいというようなことを打ち明けられる。
オリヴェル: 　シュヴァリア騎士団副団長。アルノルトの試験にラウラが着いて行った際に出会うが後にラウラが騎士団を訪れた際に再会する。いわゆるイケメンで人たらしでいつの間にか女性を落としているらしい。ラウラにも気を使う気配り上手。王都に魔物が襲われた際には怪我を負うがラウラの回復薬を服用して難を逃れる。
ヴェイク・ハッケル: 　シュヴァリア騎士団団長。原作ゲームに登場したメインキャラクターの一人だが、魔物に襲われて片目に傷を追って失明してしまう設定になっており、現実でもそうなってしまう。; 　カスペルと仲がよく、一緒に酒場に出向く仲でカスペルを諌めている中でラウラと出会う。ラウラのことは天才少女と認識しており、その後改めてカスペルからラウラを紹介されている。
カスペル・クラーセン: 　王属調合師。メガネをかけてボサボサ頭の男性。アルノルトやラウラたちの上司。都で魔物に襲われたり、プラトノヴェナ地方に出張しつつ魔物に襲われたりと苦労したラウラに配慮して、休暇を分捕ってくることもあるなど、上層部と戦って部下を守る姿勢が伺える。; 　酒癖が悪く、酔っている中で知り合いに出会うと絡んでくるものの翌日には忘れているというたちの悪さがありラウラが巻き込まれてしまう。その後贖罪のためラウラにヴェイクを紹介する。; 　アルノルトの王属調合師試験の際にラウラと出会っており、アルノルトとラウラが恋人同士だと噂を広げた張本人。
チェルシー・ガウリー: 　ラウラと同時に王属調合師試験に合格した唯一の同期。階級は王属調合師見習い。ラウラと同じく田舎村のリッチェルの村出身。赤髪のおさげが特徴。王都でのラウラと同僚であり友人となる。
リナ・ベーヴェルシュタム: 王属調合師見習いの女性でラウラたちより2年先輩かつアルノルトと同期。ラウラとチェルシーの教育係となる。水色の髪の美しい女の子。アルノルトが特例として設けられた王属調合師助手になった後に王属調合師になったため対抗意識を燃やしていたため、彼と恋人という噂がたったラウラにつっかかりそうになるが、誤解が解けて仲良くなった。アルノルトの性格上他人をあまり寄せ付けないことと、さっさと昇進していったことで張り合う友人や同期がほしかったということを打ち明ける。

プラトノヴェナ地方

アレク・プラトノヴェナ: プラトノヴェナ地方の領主の三十歳にも満たなそうな青年。王都から来たラウラとアルノルトを歓迎し、領館の部屋を宿舎として提供する。魔物が街を襲った際には婚約者を避難させ、街と運命を共にする覚悟で居残って戦うが両足を失ってしまう。原作ゲームでも登場していたがはそこまでの怪我は負っていなかった。
エミリアーナ: 　アレクの婚約者。原作ゲームにもアレクとともに登場していたがその時は妻となっていた。フメリア地方の領主家から嫁いできた女性で読書家でもある。その知識を持って図書館からその土地の伝承書物の収集をアルノルトから依頼されていた。アレクの指示でラウラと一緒にプラトノヴェナ地方から離れた街アリアに避難するが、その際ラウラに弟子入りを志願する。アレクとの仲は良く互いに思っていたためアレクを残し避難することに苦悩していた。
ヴェノム・エイマ: 　女性王属調合師。プラトノヴェナ支部メンバーでアルノルトが調合師見習いの際の教官・上司だった。援軍として王都に調合師の増派を求めていたがラウラとアルノルトが赴いたことに喜んでいた。ラウラが避難した際にもプラトノヴェナ地方に居残る。

用語集

オストリア王国: ラウラたちが住まう王国。国内各地に調合師の支部を設けている。王都はシュバリア。
王属調合師: 　国家資格であり、見習い試験は14歳から門戸が開かれている。見習い試験合格後は付属の寮に住み込み、見習い試験合格後2年後に正式な王属調合師試験の受験資格を得るが、合格するまでは見習いとして王属調合師や王属調合師助手の監督を受け、王属調合師助手の業務補助も行うこともある。王属調合師になると、一室を与えられて1人でも業務を行う事ができる。
王属調合師助手: 特例として設けられた階級であり、正式な王属調合師の監督は受けるものの、一室は与えられ1人でも調合業務を行うことが出来る。アルノルトとラウラしか該当者はいない。アルノルトは天才的な才能と実績を見習い1年で見せたため特例的に認められた。一方でラウラは見習い試験に満点合格で、かつ王都でも魔物襲撃での調合での活躍から天才少女という触れ込みもあったという前提による。他にも、プラトノヴェナ地方から調合師増派を請われた調合師を派遣するために、王都に調合師を温存しておきたい上層部がラウラを昇格させて人数合わせにした面もある。
プラトノヴェナ地方: 　原作ゲームでの主な舞台であり広大な領地を抱えている。北方にあり降雪がある寒冷な気候。原作ゲームでも後半に登場した地域でもあり敵も強大だった。

収録内容

書籍版対応表

書籍版巻数	Web版収録対応話数	備考
1巻	第1話-第25話	改稿あり
1巻	番外編：並んだ肩の距離	書籍版書き下ろし
2巻	第26話-第52話	改稿・加筆あり
-	第51話-第176話（最終話）+番外編1話	完結

書籍版書き下ろし初回特典・店舗特典ショートストーリー（1巻のみ）

巻数	店舗別	サブタイトル	備考
1巻	メロンブックス	目立つ後輩、アンペール	アルノルト視点からみたラウラ評SS
1巻	TSUTAYA BOOKS	－	ルカーシュ視点からみたラウラ評SS