キングアルゼンチン(King Argentin[1])とは、インドネシアの競走馬である。牡馬。毛色は恐らく黒鹿毛[2]。
インドネシア11年振りの三冠馬にして、なんだか北の方の島国を発端とする謎の競馬ブームに巻き込まれ、思わぬ方向から人気を獲得した馬。
2025年 シリーズI
2025年 シリーズII
2025年 インドネシアダービー
そもそも、インドネシアはパートIII国ですらなく、公式サイトは全部インドネシア語、血統表も中途半端な上一部間違っている、とまるで当てにならず、その実体は謎に包まれている。
インドネシア競馬についてはとりあえず、芝コースはなくすべてダートコース、イスラム教国のため馬券の販売は(公式には)禁止されている、リアルスティール・ラヴズオンリーユー全兄のラングレー[3]が種牡馬として行ってるよ、ぐらいはおさえておいてよいだろう。
そんな国に、キングアルゼンチンは2021年8月1日、ジャワ島パスルアン県に生を受ける。インドネシアは赤道をまたいでいる国だが、本馬は誕生日を見て分かるとおり、南半球産馬である。
さて、Stud Book Indonesiaの血統表を見ると、父Agrippa、母Princess Missoniとあるが、どちらもインドネシア産馬のため詳細が分からない。日本の競馬ファンが知っている名前としては、3代父にブラッシンググルーム、母父母父にセクレタリアトが見えるぐらいか。それはいいのだが、ブラッシンググルームの両親が思いっきり間違っている。大丈夫かインドネシア競馬界!?
本馬はTrah(品種)の欄に「KP6」とある。5代母Happy Dayの母が不明でサラブレッドとは見なされておらず、本馬はそれにサラブレッドを掛け合わせ続けて6代目ということのようだ。つまり、本馬は日本でいうところの「サラ系」に当たると思われる。
Kusnadi Halim氏をオーナーに、2023年にデビューを迎えたキングアルゼンチンは――
――デビュー戦を◯馬身差の圧勝を以て制した、とか、前哨戦で他馬を歯牙にもかけぬ激走を繰り広げた、とかそういうエピソードが書ければよかったのだが、インドネシアで競馬新聞が売っているわけでもないのでまるで情報がない。しかしながら、とにかくインドネシア三冠競走への出走権は得たようなので、そちらに挑むことになる。
インドネシア三冠競走は、4月の「シリーズI(1200m)」、5月の「シリーズII(1600m)」、7月の「インドネシアダービー(2000m)」で構成されている。キングアルゼンチンはそのすべての競走に勝利し、2025年[4]、史上3頭目、11年振りのインドネシア三冠馬に輝いたのだった――
――とここまでなら、アジアの小国で人知れず活躍した名馬という話である。インドネシア競馬も世界の潮流には逆らえず衰退傾向にあるため、この物語は一部のインドネシア競馬ファンだけに熱狂を生み、ほかは一部の海外競馬ファンが「ふーん、よかったね、おめでとう」程度に触れて終わるはずだった。
しかし、本馬は、同じアジアの島国が起こしたカオスによって、それまで競馬をよく知らなかった国民にも突如として知られるようになったのだ。
ことの発端は、インドネシアの遙かに北、日本が起こした謎の競馬ブームだった。
2021年にアプリ版がスタートした『ウマ娘 プリティーダービー』は、日本の名馬たちが可愛い女の子の姿で描かれ、キャラクターのよさと史実の忠実な再現から熱狂的なファンを生んでいた。ゲームのみならず、実際に競馬場へ足を運ぶファンも増え、現実の日本でも競馬はブームとなっていた。
当初は日本語版のみの配信だったため、海外のアニメ/ゲームファンからの注目は当初微々たるものだったが、2025年からSteam版が配信されたことで、英語が分かるプレイヤーなら誰でも『ウマ娘』に触れることができるようになった。そこで、海外のファンも競馬の奥深さを知ることとなり、『ウマ娘』のブームは世界的なものとなった。これが2025年6月26日のことである。
さて、2025年までで、『ウマ娘』は日本語・韓国語・中国語(簡体字/繁体字)・英語でしか配信されておらず、インドネシア語の配信はない。しかしながら、すでに日本のOtaku文化を存分に吸収していたインドネシアでは、グローバル版が出たという時点で『ウマ娘』をプレイするにはこと足りたのだ。
なるほど。日本にはたくさんの名馬がいて、数々のドラマがあるのだな。では、我が国ではどうなのか?
――と振り返ってみれば、なんと7月27日に三冠最終戦、インドネシアダービーがあるではないか。
しかも、すでに二冠を獲っており、三冠目がかかっている馬がいるというのだ。
また、インドネシアにはホロライブやにじさんじといった日本のVTuberプロダクションが既に進出しており、現地のVTuberも多数在籍していた。彼女らの一部は、『ウマ娘』をきっかけに実際の競馬を見てみようと、インドネシアダービーの配信に合わせて同時視聴配信を行ったりもした。
その結果、多くのOtakuたちが、自国において名馬の誕生をリアルタイムで目の当たりにしたのである。
こうなれば、次に起こるのは――
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https://twitter.com/asagi_man/status/1949830079347052870
キングアルゼンチンのウマ娘風ファンアートである。日本でも『ウマ娘』サービス開始時点から起こったことであるが、「この馬がウマ娘になったら…?」というファンアートが、現地ファンの手により山ほど描かれたのである。
ここにきて降って湧いたチャンスをのがすまいとしたのが、インドネシア競馬界である。公式レース映像を配信しているSarga.Coが、ウマ娘ファンの情報拡散力に驚くと共に、公式にファンアートコンテストを開くことになった。
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https://twitter.com/Sarga_co/status/1951233568799416727
このブームで注目されているのは今のところキングアルゼンチンだけのようだが、日本の競馬ブームだって、ハイセイコーだったりオグリキャップだったりと1頭の馬が注目されることから始まったのだ。インドネシアの新たな競馬ファンたちも、キングアルゼンチンの足跡を追ううちに、彼のライバルや後継者、配偶者に産駒たちを追いかけ、インドネシアの競馬を盛り上げていくかもしれない。
また、日本でも、『ウマ娘』配信開始と同時期に、2021年クラシック世代が華々しい活躍を繰り広げ、新たな競馬ファンたちに、現実の競馬のドラマとはこういうものだと見せつけていた。インドネシアで、同じようなタイミングで名馬が現れたのは、インドネシア競馬界にとってもウマ娘ファンにとっても幸運なことだった。
(Stud Book Indonesia)
(Sarga.Co)掲示板
13 ななしのよっしん
2025/08/21(木) 01:22:50 ID: 4IIjhKqnWv
>>11
ブラッシンググルームの両親が間違ってる。正しくは父レッドゴールド・母ランナウェイブライドで、この両親は一つ上のレッドゴールドのもの
14 ななしのよっしん
2025/08/28(木) 10:53:45 ID: ltv0Oxg5c1
大雑把に調べたけど、インドネシアではサラブレッドと在来馬を配合してるらしい
https://
まず、THB(サラブレッド)と在来馬を配合した個体をG1(第1世代)と呼び、THB血量50%を持つことになる
G1にTHBを配合したG2(THB血量75%)は更に体格が大きく、歩幅が長くなり、G3が87.5%、G4が93.75%となる
KPI(Kuda-Pacu Indonesia:インドネシア競走馬)はこのプロセスの集大成で
THBとG4を交配した個体をKP5、THBとKP5を交配するとKP6という種別になる
ちなみにインドネシア語でクダは馬、パクはレースを意味するのでクダ・パクで競走馬となる
プロモーター会社sarga.coのURLを
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15 ななしのよっしん
2025/11/08(土) 23:26:35 ID: d95t/tNGwX
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最終更新:2025/12/27(土) 08:00
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