ソルジャーフィルド(Soldier Field)とは、2022年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2024年:JBC2歳優駿(JpnⅢ)
2025年:北海道三冠[北斗盃(H3)、北海優駿(H1)、王冠賞(H2)]
父ルヴァンスレーヴ、母アイルゴーバック、母父アッミラーレという血統。
父のルヴァンスレーヴはGⅠ級レースを4勝したシンボリクリスエス産駒。3歳期には古馬を複数回蹴散らす圧倒的な実績を見せ、日本ダート界の頂点に立ったものの、その後は繋靱帯炎の発症でパフォーマンスを落とした悲運の名馬。
志半ばの引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度からその年の最多種付頭数となる223頭と配合されるなど、非常に高い期待を持たれていた。ソルジャーフィルドはまさにその大量に種付された中から生まれた初年度産駒の1頭にあたる。
母のアイルゴーバックは門別で2勝を挙げた馬。遠征中の競走で故障を起こして現役を引退した後は、09年川崎記念勝ちで知られるハタノヴァンクールなどを生産したグッドラック・ファームに繁殖牝馬として引き取られていた。22年シーズンを最後に繁殖を引退しており、最後の出産で生まれてきたのがこの馬だったようだ。
母父のアッミラーレは*サンデーサイレンス産駒。重賞勝ちこそはないものの、種牡馬入り後は全日本2歳優駿や南関東二冠を制したハッピースプリントなど、安価な種付料から活躍馬を輩出する地方向きダート種牡馬として人気を博していた。
2022年4月26日、母の引き取り先である北海道日高町のグッドラック・ファームで誕生。
1歳となった後23年サマーセールへ出品され、(株)本城に825万円で落札。ホッカイドウ競馬・川島洋人厩舎に入厩することとなった。
馬名意味は「兵士の領域」。
命名制限の枠に収めるために「ソルジャーフィールド」から1文字を端折ったのだと思われる。
2024年5月15日、門別・ダート1100mの新馬戦にて同地のベテラン服部茂史騎手を迎えてデビュー。
これより前、2歳馬の能力検定で高タイムを叩き出していた
ということもあって、当日は単勝4.7倍の3番人気とまずまずの支持を受ける。序盤こそ出の悪さが祟って中段からの競馬を余儀なくされたが、後半から持ち直して2着。
勢いのまま逃げ切った1着のゼロアワーには8馬身を付けられたものの、人気以上の走りは見せた形となった。
以後コツを掴んだのか、宮内勇樹騎手に乗り替わってからは未勝利戦にOPレース2つの3連勝と絶好調。
この勢いでと初重賞挑戦のブリーダーズゴールドジュニアカップ(H2)では、単勝1.9倍の1番人気の支持を受け本命視されることに。しかし、レースでは、全7頭中6番目の後方に位置取りしたことが災いして、逃げる同厩のリコースパローを捉えきれずに2着。
これが不味い競馬をしてしまったと見られたのか、続くサンライズカップ(H1)では、鞍上が小野楓馬騎手に変更、以降は彼が主戦騎手となった。当日では2番人気2.6倍の支持を受ける中、今度は道中を4番手あたりで進むが、またしてもリコースパローの2着に敗れてしまう。
だが、2走連続で同厩の後塵を拝するという屈辱的な負け方を叩きつけられたにも関わらず、次走に定められたのは、地方重賞どころかなんとダートグレード競走だった。門別2歳馬秋の大目標であり、中央勢との初顔合わせとなったJBC2歳優駿(JpnⅢ)である。
案の定というべきか中央勢が人気を集める中、リコースパローは地方勢の筆頭と見られて3番人気4.2倍。一方でソルジャーフィルドはというと、その彼に前走・前々走でともに1.1/2という変わらない馬身差を付けられていたということもあり、「地方重賞未勝利馬がこのレースに出る幕はない」とばかりに、5番人気14.5倍の評価へ甘んじることとなってしまった。
迎えた本番、やはりリコースパローらが前で行った行ったの競馬で進む中、あまり出の良くないこの馬は全10頭中8番手とだいぶな後方待機を選択。中段の馬たちが押し上げる向こう正面でも脚を溜める競馬に終始し続ける。
最終3~4角になってようやく進出を開始、ここまで徹底的に溜め続けた脚で、最終直線の大外から一気に馬たちを抜かしていくソルジャーフィルド。最後は同じく末脚に賭ける競馬を目論んでいた中央のグランジョルノも突き放してゴールイン。
終わってみると、2着のグランジョルノに3馬身差を付ける快勝。門別馬としては開催初年以降久々の同レース戴冠だったことに加えて、更には新種牡馬の父ルヴァンスレーヴや若手ジョッキーの小野騎手にも待望のダートグレード競走初勝利を捧げる結果となった。
ということで、同世代ダート有力馬の一角にのし上がったソルジャーフィルド陣営が次に狙うのは、もちろん年末の川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿(JpnⅠ)。
ダート界の2歳王者を決めるGⅠ級レースということもあって、僅かキャリア2戦ながらも新馬戦を圧勝し、出世OPカトレアステークスも勝ち上がって怪獣と名高いナチュラルライズ、エーデルワイス賞勝ちの牝馬ミリアッドラヴ、兵庫ジュニアグランプリ勝ちのダノンレジェンド産駒ハッピーマンなど、この馬を含めたダート2歳重賞級ホースが一堂に会する決戦となった。
前述の3頭に次いて地方馬としては最高評価の4番人気12.9倍の評価を受けたソルジャーフィルドは、スタート直後5~6番手に付いてレースを進んで行く。近くのナチュラルライズが川崎の左回りコーナーで対応しきれずにぶっ飛んでいくのを横目に見ながら、最終直線では果敢に前のハッピーマンらを捉えるべく脚を伸ばすも、僅かに届かずに勝ち馬ミリアッドラヴの3着。
小野騎手は3・4コーナーでの詰まりを敗因に挙げつつも、馬が左回りへの対応を出来ていたことや北海道から関東への遠征を経た上での大舞台での健闘を喜んでいた。
明けて3歳となった翌年。NARグランプリで2歳最優秀牡馬を受賞したのもそこそこに、大井競馬場で開催される京浜盃(JpnⅡ)へ出走を表明。
当初、川島師は門別競馬場での三冠路線を目指す予定であったものの、ホッカイドウ競馬の3歳シーズン本格始動には時間がかかるのであわよくば…ということで、羽田盃(JpnⅠ)の前哨戦であるこちらに狙いを定めたようだ。
前走で戦ったナチュラルライズやハッピーマンら中央馬たちや、大井の無敗馬ナイトオブファイアが人気を集める中、ソルジャーフィルドは5番人気10.1倍と程々の評価。しかし、レース本番では12頭中10番手というJBC2歳優駿の時以上の極端な後方競馬を選択したことが仇となり、前を捉えきれないまま4着に敗れてしまう。
左回りの川崎から一転、右回りの大井となると後続に8馬身を付けた上になぜか末脚を溜めまくったこの馬よりも速い上がりを叩き出している1着馬ナチュラルライズはともかく、大井に転厩していた因縁深いリコースパローがしぶとく逃げ粘って2着を確保したことが、少なからずファンを動揺させる結果となってしまっていたようだ。
「人馬ともにまだ挑戦は早かった…」ということで、一旦川島師はダート三冠路線を諦め、当初の予定であった北海道三冠に回帰することに。
一冠目の北斗盃(H3)はこの馬の得意な中距離からやや外れた1600mのレースということから不安視する声も囁かれたが、流石に実績が違いすぎるということで、最終的には単勝1.2倍の1番人気。
しかし、ゲートを開けてみるとなんと2番手でレースを始めるソルジャーフィルド。(7頭立てだからって本当に大丈夫か…?)と馬券購入者がヒヤヒヤする中、気づけば向こう正面で2番人気のウィルオレオールとマッチレースの形相。そのまま最終直線まで縺れ込む一騎打ちは、途中ウィルオレオールに突き放されたように見えたものの、ギリギリで外から差し返して勝利。
単勝1.2倍の一本被り状態にも関わらずアタマ差の辛勝に終わったレースには、主戦の小野騎手も「馬の根性に助けられました」と血の気の引いたコメントを残していた。
続く二冠目の北海優駿(H1)では、絶好の2000mに加え、前走マッチレースを繰り広げたウィルオレオールは東京ダービー(JpnⅠ)に向かっており不在…ということも重なった結果、ついに単勝1.0倍元返しの評価に到達。
レース本番では向こう正面から3コーナーにかけての辺りでガッツリと周囲を囲まれるという厄介な展開になるものの、小野騎手は最終直線でラチギリギリに馬を合わせて、内から伸びるという進路を選択。こうして馬群を抜け出してからは独走状態で快勝。
奇しくもこの年、父・ルヴァンスレーヴの副題[1]を冠されていた北海優駿で後続に4馬身つけて上がり最速勝ちなど、父の血も宣伝するような一幕でその抜きんでた実力を見せつけた。
最後の三冠目である王冠賞(H2)は、大井での一戦を経て門別に戻ってきたウィルオレオールの他、デビュー戦でこの馬に8馬身を付けてぶっちぎった女傑・ゼロアワーの出走が取り沙汰されたものの、最終的には北斗盃と同じ単勝1.2倍支持でレースに臨んだ。
いつも通り後方に控えたこの馬だが、今回は直線一気ではなくじわじわと捲るような競馬で道中を進んで行く。当初は7番手に居たソルジャーフィルドは、4コーナーから直線に差し掛かる頃にはもう2番手。そのまま先頭を捉えたまま進み、後続の追込も凌ぎ切る形でゴールイン。
こうしてソルジャーフィルドは、2023年のベルピット以来の史上8頭目になる北海道三冠馬へと輝いたのであった。
こうしてホームでの三冠を達成したソルジャーフィルドの今後だが、川島師いわく「ナチュラルライズへのリベンジを目指している」とのことで、目下秋の大目標はダート三冠最終戦のジャパンダートクラシック(JpnⅠ)となりそうだ。
大井で二冠を成し遂げて今もなお上昇を続ける怪獣の三冠達成を、北海道の誇る精兵が阻むことは出来るだろうか。
| ルヴァンスレーヴ 2015 鹿毛 |
*シンボリクリスエス 1999 黒鹿毛 |
Kris S. | Roberto |
| Sharp Queen | |||
| Tee Kay | Gold Meridian | ||
| Tri Argo | |||
| マエストラーレ 2006 鹿毛 |
ネオユニヴァース | *サンデーサイレンス | |
| *ポインテッドパス | |||
| オータムブリーズ | *ティンバーカントリー | ||
| セプテンバーソング | |||
| アイルゴーバック 2009 黒鹿毛 FNo.13-e |
アッミラーレ 1997 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| *ダジルミージョリエ | Carr de Naskra | ||
| Mawgrit | |||
| ブッチ 2000 黒鹿毛 |
ヤシマソブリン | *ミルジョージ | |
| エゾミドリ | |||
| シンディーメモリー | トウショウルチェー | ||
| ヒカリパンパード |
クロス: *サンデーサイレンス 4×3(18.75%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
掲示板
8 ななしのよっしん
2025/10/08(水) 19:47:49 ID: wIM8D1k113
この馬だって中央馬と互角に何度かやり合って勝ったこともあるんだし
展開向けば結構いい勝負出来るんじゃないかと思う
9 ななしのよっしん
2025/10/08(水) 20:25:13 ID: wIM8D1k113
9番人気10着なので概ね前評判通りか…
前の2頭が完全にレースをぶっちぎって後続引き潰してたから展開も絡みようもなかった
ともかくお疲れさまでした!今後の門別での活躍も期待してるぜ!!
10 ななしのよっしん
2025/10/09(木) 17:39:09 ID: sbdOAavMFk
とりあえず道営の帝王ベルピットを負かすのが次の目標になるか?
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最終更新:2025/12/11(木) 19:00
最終更新:2025/12/11(木) 18:00
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