インティとは、次のものを指す名詞である。
1、インティ:タワンティンスーユ(インカ帝国)において尊崇された神格。太陽神であり国家祭祀の主神。
2、インティ・クリエイツ:日本のゲーム会社。ロックマンシリーズなど多数の代表作を持つ。
3、太陽龍インティ:アニメ「遊☆戯☆王ファイブディーズ」に登場するカードの一つ。
4、日本の競走馬。この記事にて詳述。
インティ(英:Inti)とは、2014年生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2019年:フェブラリーステークス(GⅠ)東海ステークス(GⅡ)
概要
父*ケイムホーム、母キティ、母父Northern Afleetという血統。
父は米国馬でGI3勝。種牡馬として日米で重賞馬を輩出しているが活躍馬が少なく、2018年には九州送りになっている。2019年の種付け料はなんと10万円。リーディングサイアーのティープインパクトの種付け料が4000万円なので、その0.25%である。これは安い。ちなみに、キティに種付けした2013年当時は100万円と日高では普通の金額設定で、人気もそこそこあった。
母はダートで4勝。インティが初仔である。母父は日本に輸入されたアフリートの産駒で、競走馬としては振るわなかったが父として米二冠馬Afleet Alexを送り出した馬。牝系にも活躍馬は少なく、あんまりいい血統ではない。ちなみに欧州にいる種牡馬Intikhab(インティカブ。スノーフェアリーの父)とは何の関係もない。
3歳~4歳(2017~2018年)
体質が非常に弱く、デビューは3歳4月。しかも6番人気で勝ち馬から2秒2も離された9着と惨敗。しかし続く2戦目は何かが変わったのか、悠々逃げて7馬身差の圧勝。初勝利を飾る。3戦目の500万下は前走がすごすぎて1番人気となり、期待に応えて4馬身差の逃げ切り勝ち。ちなみにここまで3戦、全レースで落鉄していたらしい。
しかしこの後発症した球節の腫れが長引き、なんと11ヶ月の休養を余儀なくされてしまう。
休み明けとなった4歳7月の降級戦(500万下)。11ヶ月ぶりだけど、休む前がすごかったしなぁ……みたいな感じか、やや割れた1番人気。しかし3,4番手からスッと抜け出し、またしても4馬身差で勝利。休み明けも関係なかった。
こうなるとすごい馬かもしれないと思われ始め、10月の1000万下は1.5倍の1番人気。しかも逃げて馬なりのまま10馬身差の圧勝。翌月の観月橋S(1600万下)ではついに1.1倍となるが、全く関係なく2番手からあっさりと押し切り5馬身差で圧勝。1戦ごとに少しずつ力をつけながら力をつけながら5連勝を飾り、OPに昇格する。
5歳(2019年)
年明け初戦、OP初挑戦にGII東海ステークスを選択。フェブラリーSの前哨戦であり、当然今までとは別格のメンバーが揃ったのだが1.5倍の1番人気。レースも余裕たっぷりに先手を取り、直線ではたった一発鞭が入るだけで後続をちぎり捨て逃げ切り。2着に2馬身、3着にはさらに7馬身差をつける圧勝。6連勝で一気にダート戦線の主役に浮上する。ちなみに鞍上の武豊はこれでデビューから33年連続重賞制覇。色々と別次元である。
迎えた大本番のフェブラリーS。前年のダート王ルヴァンスレーヴこそ回避したが、一昨年の覇者ゴールドドリーム、前年東京大賞典を勝った4歳馬オメガパフュームなど好メンバーが集結。さらに、藤田菜七子が前哨戦の根岸Sを勝ったコパノキッキングに騎乗し、JRA所属の女性騎手として初めてGIに参戦するとあって、例年の比ではない注目が集まるレースとなった。1800mを主戦場としてきたインティは初マイルだったが、ゴールドドリームと人気を分け合って1番人気に支持される。
本番、6番枠からポンと出たインティは芝にもひるまず早々に先手を奪う。この日は直前までかなりテンションが高かったが本番はきっちり折り合い、2番手以下にもそれほどつつかれずマイペースな逃げに持ち込む。だからダートでユタカを楽に逃がしてはいけないとあれほど…。
インティは直線に入るなり一気に後続を突き放す。後続からはゴールドドリームが差を詰めてはきたがインティも抜群の手応えで伸び続け、最後は流しめで余裕のクビ差残し。7連勝でGI初勝利を飾った。父*ケイムホーム、調教師の野中賢二、馬主の武田茂男(元メジロ牧場の場長)、生産者の山本恭茂にとってもGI初制覇となった。一方の武豊はフェブラリーS5勝目、2017年有馬記念以来の中央GⅠ76勝目。色々と異次元である。
続くかしわ記念(JpnI)ではゴールドドリームの再戦となり、インティ1.6倍、ゴールドドリーム1.9倍、3番人気のモーニンは27.2倍という完全二強ムードとなったが、出遅れてハナを切れなかった上に途中で競りかけられる苦しいレースを強いられ、ゴールドドリームの1馬身半差2着に敗戦。帝王賞(JpnI)もハナを叩かれて気性の悪いところを出し6着と敗れた。
その後放牧を挟んで秋はみやこステークス(GIII)から始動したが、武豊がブリーダーズカップとバッティングして乗れなくなり川田将雅に乗り替わった上、大外枠に加えて斤量59kg、更には始終先行馬と張り合う展開が祟り、最終コーナーで馬体をぶつけられると最後は追われることなく15着(完走馬中最下位)に沈んだ。
このため暗雲が漂ったが、武豊が鞍上に戻ったチャンピオンズカップ(GI)では久々にしっかりハナを取り切ると、最後はクリソベリルとゴールドドリームに差されたものの3着には粘った。クリソベリルの勝ち時計は現行条件に変更されてから日が浅いとはいえ従来のレースレコードを1.6秒も更新しており、野中師は「普通だったら勝てるくらいですが、かなりレベルが高い」と述べた。
6歳(2020年)
6歳シーズンは東海ステークス(今回は京都で代替開催)から始動した。ハナを切れなかったためどうなることかと思われたが、外を気分良く運んで途中から進出。3着に敗れたものの、新しい可能性を垣間見せた。
ところがフェブラリーステークスでは先行勢が壊滅する流れにまともに巻き込まれて14着に敗れ、更にこの後春全休が決定。7ヶ月半ぶりの出走だった秋初戦のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)ではフランス帰りだった武豊がCOVID-19による隔離期間中だったため戸崎圭太に乗り替わったものの4角で早々に捕まり9着と大敗が続いた。
この大敗が影響し、武豊を鞍上に戻して当初の予定通りにチャンピオンズカップに駒を進めたものの、オッズは10番人気(57.5倍)という低評価にとどまった。しかしレースでは先手を取ったエアアルマスのピッタリ外に付けて気分良く運び、直線でも一旦は手応えよく先頭に立つ場面を作って、チュウワウィザード・ゴールドドリームの2頭に続く3着に粘る復調を見せた。
なお、国内無敗だったため単勝1.4倍の断然人気となっていた前年の覇者クリソベリルが4着に敗れたこともあり、本馬の複勝払戻金はGIはおろか重賞全体における武豊騎乗馬の最高額となる1490円にまで跳ね上がった。
7歳(2021年)
7歳シーズンも東海ステークスから始動。1番人気に支持されハナを切ったが、不良馬場なのにハイペースで飛ばしてしまい直線でみるみる失速して12着に惨敗。
続いてフェブラリーステークスでは、なんと後方待機策に出る。直線で上がり2位の末脚で追い込んだもののさすがに届かず6着。
春3戦目は2年ぶりのかしわ記念。前走に続き後方待機策を取り、上がり最速での追い込みを見せる。先を行って上がり3位と2位で争ったカジノフォンテンとソリストサンダーには届かなかったが3着に食い込み、追い込みでも戦えることを証明した。
秋初戦はマイルチャンピオンシップ南部杯へ。鞍上は武が凱旋門賞帰りの隔離期間のため初騎乗の岩田望来。1枠1番で好スタートを決めたがハナを切らず中団待機となり、上がり最速は出したものの先行勢を捉えきれず4着。元々の先行策かここ2走の控えて末脚を活かす競馬か、どっちにするのかいささか中途半端なレースになってしまった。
年内最終戦はチャンピオンズカップ。鞍上は武に戻り、今度は久々に2番手につける先行策を採る。4コーナーで逃げるソダシを捉えて直線で先頭に立ったが、すぐ横から伸びてきたテーオーケインズにあっという間に置いて行かれ、チュウワウィザードとアナザートゥルースにもかわされ4着。ナリタトップロード以来の同一GⅠ3年連続3着はならなかった。
8歳(2022年)
8歳となる2022年も現役続行し、フェブラリーステークスから始動。スタートでダッシュがつかず内枠もあって後方に押し込められ、そのまま11着に沈没。武豊いわく「スタートがあまり出なくなっているので、内枠で覚悟はしていた」とのこと。
続くかしわ記念では3番人気に支持されたが、後方からで特に見せ場もなく7着。
このかしわ記念を最後に、9月に登録抹消、現役引退。結局、2019年フェブラリーステークス以降、勝利を挙げることはできなかった。通算23戦7勝。
引退後
引退後は優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。2021年に死亡した父ケイムホームの貴重な後継として血を繋いでいくことになった。
血統表
*ケイムホーム Came Home 1999 黒鹿毛 |
Gone West 1984 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Secrettame | Secretariat | ||
Tamerett | |||
Nice Assay 1988 黒鹿毛 |
Clever Trick | Icecapade | |
Kankakee Miss | |||
*インフルヴュー In Full View |
Full Out | ||
Turn n' See | |||
キティ 2006 鹿毛 FNo.4-m |
Northern Afleet 1985 鹿毛 |
*アフリート Afleet |
Mr. Prospector |
Polite Lady | |||
Nuryette | Nureyev | ||
Stellarette | |||
*フォレストキティ Forest Kitty 2001 鹿毛 |
Forestry | Storm Cat | |
Shared Interest | |||
Haleakala | Kris | ||
Haiati |
クロス:Mr. Prospector 3×4(18.75%)
関連動画
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関連項目
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