ゴールドドリーム(Gold Dream)とは、2013年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
栗東・平田修厩舎所属、安平町・ノーザンファーム生産
馬主は吉田勝己(馬主資格所有者で共同所有するLEX PRO募集馬で、代表馬主として氏名義である)
主な勝ち鞍
2016年ユニコーンS(GⅢ)
2017年フェブラリーステークス(GⅠ)、チャンピオンズカップ(GⅠ)、
2018年かしわ記念(JpnⅠ)、帝王賞(JpnⅠ)
2019年かしわ記念(JpnⅠ)
生い立ち
父ゴールドアリュール、母モンヴェール、母父*フレンチデピュティという血統。
父ゴールドアリュールは現役時代ダートGⅠ4勝を挙げたサンデーサイレンス産駒のダート王。種牡馬入り後はエスポワールシチー、スマートファルコン、コパノリッキーなどダートのチャンピオンホースを複数送り出している。
母のモンヴェールは関東オークス3着馬で、母父のフレンチデピュティはクロフネやサウンドトゥルー等を輩出した名種牡馬で、近年母父としても活躍している。
5代母Specialは名種牡馬Nureyevの母としても知られており、近親にはSadler's Wellsやエルコンドルパサーがいる一門出身である。
共有馬主システムであるLEX PROで220万円×10口の総額2200万円で募集され、育成牧場であるノーザンファーム空港牧場(大体グリチャの生産者インタビューで出てくるとこ)で育成され、栗東の平田修厩舎へと入厩した。尚、若かりし頃のゴールドドリームは我の強い性格と、腰とトモが弱い事からベテランスタッフの手によって手ほどきが為された。
浅き夢見じ 酔ひもせず
2~3歳
デビュー戦は2歳12月の阪神ダート1800。川田将雅を鞍上に迎え3番人気に推されると、出脚こそ鈍いものの徐々にポジションを上げ、直線でも勢いのまま外から内の馬を交わして2馬身半差の快勝を収める。
続く3歳500万下も勝利し、輸送・左回り・重馬場と初物尽くしのヒヤシンスSでは田辺裕信に乗り替わり、5番人気と若干人気を落とすも直線力強く抜け出して2馬身差の勝利。尚この時戦った面子には後に活躍するケイティブレイブやラニがいた。
その後初地方となる兵庫CSこそケイティブレイブに7馬身差の逃げ切りを許すが、続くユニコーンSではストロングバローズとの競り合いにクビ差勝利し重賞初制覇。
そして大一番のジャパンダートダービーに出走。ここでは1番人気に推され、道中ケイティブレイブが逃げる中好位集団から進めるも、ほぼ同じ位置から抜け出して伸びるキョウエイギアのようには伸びず、ケイティブレイブも捉えられず3着となった。
秋は武蔵野Sから始動。ミルコ・デムーロに乗り替わって2番人気に推されると、直線で前が詰まる不利を受けるも外から伸びて2着に入った。続くチャンピオンズカップではアウォーディーに次ぐ2番人気に支持されたものの、出遅れながらハイペースを中団前目から追走した結果直線で伸びず12着に大敗する。
4歳(2017年)
年明け初戦はフェブラリーステークスから始動。ここでは前走根岸S勝ちのカフジテイクが1番人気で、ゴールドドリームは差の無い2番人気に支持された。レースでは今ひとつなスタートながら中団へと上がり、直線外に出して追い上げると、最後にはベストウォーリアとの叩き合いをクビ差制して初のGⅠタイトルを獲得した。折しも前日に急逝した父ゴールドアリュールに捧ぐ勝利となった。
そしてドバイワールドカップへと遠征するが、出遅れて押しながらの競馬となって直線入口で既に勢い無く、ブービーからも大差離れた最下位に敗れる。そして帰国後の帝王賞はケイティブレイブ戴冠の前に4番手から伸びきれず7着。続く南部杯では出遅れ、比較的後ろ目から脚を伸ばすもコパノリッキーの5着と、やはり地方ではいまいちなレースが続く。
そして秋の大一番チャンピオンズカップは単勝13.0倍の8番人気。1番人気が4.8倍のテイエムジンソクでダートグレード実績馬が集まり難解なレースとなった。鞍上は短期免許で来日中のライアン・ムーア。
ここでもやはりスタートで若干出負けするものの押して中団後方へつける。レースはコパノリッキーが逃げ、番手のテイエムジンソクが直線に入って競り合いを演じ、行った行ったの勝負になろうかという所に外から一気の脚で豪快に前2頭を差し切ってゴール。GⅠ2勝目は2000年ウイングアロー、2011年トランセンドに続くJRA春秋ダートGⅠ制覇となった。
これらの活躍により、年明けの表彰で2017年最優秀ダートホースに選出された。
5歳(2018年)
明け5歳初戦は昨年同様フェブラリーステークス。ライアン・ムーアが続投し1番人気に推され、レースでは若干出負けするも中団後方を追走し、ハイペースにより前が総崩れになる中、外目から先頭に立つも更に外から伸びてきたノンコノユメに交わされて2着となった。
その後クリストフ・ルメールに乗り替わってかしわ記念へと参戦。地方未勝利の為かインカンテーションに1番人気を譲るも差の無い2番人気に推され、レースでは5~6番手を追走し、直線ではインカンテーションと併せるように進み、最後には1馬身抜け出してゴール。GⅠ競走3勝目を挙げた。
続く帝王賞では前年覇者ケイティブレイブにやはり1番人気を譲るも差の無い2番人気に推される。ここでは道中6~7番手から向こう正面でポジションを押し上げて直線入口3番手で迎え、逃げるテイエムジンソクを交わしてケイティブレイブとの一騎討ちとなり、最後にはクビ差抜け出てGⅠ4勝目を挙げた。
少なくとも2018年夏時点で現役総大将となったゴールドドリーム。秋初戦は盛岡の南部杯に挑戦し、ここでは3歳ダート王のルヴァンスレーヴと初対決となり、単勝1.6倍の1番人気に支持されたのはゴールドドリーム。ここではルヴァンスレーヴを前に置く形で中団を追走し、先に仕掛けたルヴァンスレーヴを追いかけるが差が縮まらず2着に敗戦。
チャンピオンズカップで捲土重来を期すも右肩に筋肉痛を起こし出走投票直前で回避。そして年末の東京大賞典に挑むが、ここでは中団から進めるも直線入口で一瞬進路を失い、外に切り替えるも更に外にいたオメガパフュームの脚色が勝りここも2着となった。
6歳(2019年)
明け6歳はフェブラリーステークスから始動。ここではダート6連勝中のインティが1番人気で、本馬は2番人気。レースでは大方の想定通りインティが逃げてゴールドドリームは中団の前目、6番手を追走していたが、直線に入ってインティが更に伸びて逃げ込みを図る中ゴールドドリームは猛然と追いかけるもののクビ差及ばずまた2着。しかし3着を4馬身突き放しているように力は見せつけた格好である。
打倒インティを目指しかしわ記念へと参戦。インティとゴールドドリームが共に1倍台の人気で3番人気モーニンが27.2倍とかいう完全な2強対決ムードの中、レースではインティが出遅れて3番手から進む中ゴールドドリームは4~5番手を追走。先に抜け出したインティを直線猛然と追い上げ、ゴール前で1馬身半交わして逆襲に成功。ダートGⅠ競走5勝目、かしわ記念は連覇となった。
その後帝王賞への出走を予定するも跛行を起こし回避。夏場を休養に充てた。
秋は南部杯から始動。ここでは単勝1.3倍の1番人気と昨年同様ダート界の総大将格となったものの、ここでは6番手を追走するも妙に手応えが悪く、出遅れ癖を解消して脚質転換に成功したサンライズノヴァの前に3着に敗戦。
続くチャンピオンズカップでは1番人気に推され、後ろには3歳ダート王のクリソベリルと復調傾向のインティが続く人気で、他にもオメガパフュームやチュウワウィザードなどが揃った。ここでは4~5番手を追走し、直線に入って外から力強く伸びてインティを交わそうとするが、その間からクリソベリルが一気に抜け出してまたも2着。JRAのGⅠで3戦連続2着となった。
その後東京大賞典をラストランとしてレックススタッドで種牡馬入りする予定だったが、これを撤回し2020年に開設される1着賞金11億円、5着でも1億以上の超高額賞金競走サウジカップへの出走を表明。
という訳でラストランの筈だった東京大賞典ではオメガパフューム、ケイティブレイブと人気を分け合う中1番人気に推される。ここでは逃げるアポロテネシーをケイティブレイブやロンドンタウンと一緒に追走するが、直線半ばで脚色が鈍り、中団待機組のオメガパフュームやノンコノユメ、モジアナフレイバーに交わされて4着となった。
7歳(2020年)
その後サウジカップ、ドバイワールドカップの双方から招待を受けこれを受諾。サウジカップにはMaximum SecurityやMidnight Bisou、Benbatl、Mucho Gustoなど一線級のダート馬が集う中、レースでは後方のインを追走。直線に入って内目から伸びて一時3番手まで浮上し、最終的に6着に入線。この手応えには鞍上、陣営ともに健闘のコメントを残している。
その後ドバイワールドカップを目指しドバイへ輸送されるが、折からの新型コロナウイルス感染拡大を受けてドバイワールドカップが中止。その後帰国し、復帰初戦として平安Sへ出走。新型コロナウイルス感染防止策として、騎手の土日間移動が制限された為に藤岡佑介騎手に乗り替わり、レースでは4~5番手の好位から進めるも直線でエンジンのかかりが遅く、3着となった。
次走は帝王賞を予定していたが回避、放牧に出された。
秋はマイルチャンピオンシップ南部杯を選択。レースでは中団についたが高速馬場も影響して伸びきれず6着。続くチャンピオンズカップでは和田竜二とのコンビを結成(ルメールがカフェファラオに騎乗するため)。3番人気に推された。中団待機から直線でクリソベリルをかわしてインティも差し切ったがチュウワウィザードに届かずまたしても2着。
その後は東京大賞典→フェブラリーSを予定するも脚部不安により12月29日を以てレックスオーナーズクラブより引退が発表。引退後はレックススタッドで種牡馬となっている。
余談
- ダートGⅠ5勝の内チャンピオンズカップを除く4勝は全て2番人気でのもので、逆に1番人気と言えば3歳500万下以外では勝ち星は無い。1番人気での戦績は2020年5月時点で9戦して[1-5-2-1]と実に惜しい競馬が続いている。
ただ2017年チャンピオンズカップ~2019年の同レース迄の10戦で[4-5-1-0]と抜群の安定感を示しているように、彼自身も並外れたダート馬である事は間違いない。
この記事を見ている兄貴姉貴達も彼にはお世話になったはずだ。
血統表
ゴールドアリュール 1999 栗毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ニキーヤ 1993 鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Reluctant Guest | Hostage | ||
Vaguely Royal | |||
モンヴェール 2003 3鹿毛 FNo.5-h |
*フレンチデピュティ 1992 栗毛 |
Deputy Minister | Vice Regent |
Mint Copy | |||
Mitterand | Hold Your Peace | ||
Laredo Lass | |||
*スペシャルジェイド 1993 鹿毛 |
Cox's Ridge | Best Turn | |
Our Martha | |||
Statistic | Mr. Prospector | ||
Number |
クロス:Northern Dancer:4×5、Special 4×5 (Nureyev = Numberの3×4全兄弟クロス)
Turn-to 5×5、Nijinsky 5×5
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