この記事は、「境界線上のホライゾン原作(既刊)」のネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
「行ってらっしゃいで御座る」
メアリ(境界線上のホライゾン)とは、ライトノベル『境界線上のホライゾン』の登場人物である。
アニメ版の声優は堀江由衣。
概要
元英国第四階層代表でメアリ・スチュアートと“血塗れ”メアリ・チューダーの二重襲名者。
名前 | メアリ・スチュアート |
字名 | 重双血塗れ 【ダブルブラッディ】 |
所属 | 英国 →武蔵アリアダスト教導院 |
役職 | 英国第四階層代表? →武蔵アリアダスト教導院 第一特務補佐 |
種族 | 人間と木霊の混血 |
戦種 | 全方位精霊術師 |
HN | 傷有り |
特徴 | おっとり気質 |
特技 | ケルト式治療術 |
「妖精女王」エリザベスの実姉であり、元々は英国第4階層の代表を務めていた。2巻終盤に極東武蔵に亡命した後は恋人兼将来の伴侶である第一特務:点蔵・クロスユナイトの補佐を務める。彼の素顔を知る数少ない人物。
二重襲名者であるが自己紹介をする時は「メアリ・スチュアート」の方を名乗り、皆からは「メアリ」と呼ばれている。外道ばかりが跳梁跋扈する武蔵の住人としては珍しく、おっとりあらあら系の金髪巨乳(妹よりも巨乳)美人で判断力に優れ、穏やかでおおらかな性格。体の前面に無数の傷があり、それ故に登場当初は“傷有り”という別名を名乗っていた。
“多摩”の地下居住区横町長屋で点蔵・クロスユナイトと同棲しており、立花・宗茂&立花・誾夫妻とはご近所同士。武蔵における熱発生源の一つで、時々近所の嫁から「信じられない物」を見る目で見られたりするが、それはお互い様ですよ、誾さん。家事料理は得意で忍用携帯食にアレンジを加えたり、スカーフを編んだりすることもできる。
学生生活では第一特務補佐として実働を務め、交渉時には英国代表として本多・正純に意見を聞かれたりもする。また'隠れTsirhc'として活動するために浅間神社で巫女のバイトをしながら神道術式を学んでいる。
体を覆う流体の色で相手の健康状態や感情が分かるという特技を持ち、その為最初に葵・トーリを見た際は極東の水系邪精霊と勘違いし「湿った手の男(ウエットマン)」と名付けた(現在も誤解は続いている)。精霊を通じて常に周囲の流体に干渉しており、喜びの感情が溢れると流体で出来た白い傷のある睡蓮がメアリの周りに咲き誇る。
本人は全く自覚はないが、おっとりマイペースな性格、かつ極東弁に不慣れなためかとんでもない発言をすることがあり、その天然ぶりは外道どもが誤解どころか戦慄すら覚えることも。ナチュラルな加害者で有り、始末が悪いことに皆メアリの保護と弁護に回る。誤解の大方の被害者は伴侶である点蔵であるが。
列挙すると
- 浅間・智がメアリの入った後の温泉があまりに穢れが浄化どころか昇華されていたので、ケガレメーターで自分を測ったら、神道ガッデムに。
- いきなり点蔵が国家賠償請求を受けることに。
- 点蔵がメアリを実家に連れ帰ったら父親に「裏切り者め!」と実家を叩きだされた。
- 点蔵に付いて行こうとする会話で、意味は合っているのに何故か点蔵が反感を集めるはめに。
- 寝るときに裸でないと寝られず、しかも抱き癖がある為、点蔵はメアリの布団を直すためコボルドに五円払っている。
- 武蔵の合言葉で「壁に耳あり障子に」「あの野郎許さねぇ……!」と言われたり、通神帯のトップワードに「あの忍者」が上がったりする。
- 極東弁が不慣れなため、点蔵が落ち込んでると言おうとして「――おちんこでてました」と言ってしまった。
- 更にネイトも「おちんこでてましたものね」といらぬ心配を受けるはめに。
- 戦闘中に降りてきたメアリのナチュラルな惚気話(本人は全くその気はない)にネイトがゆっくり気が狂いそうになった。
しかしながらこれだけ被害を被っていても点蔵のメアリへの愛は小揺るぎすらしない。メアリも同様である。
点蔵もげろ。
“傷有り”としてのメアリ
今でこそ点蔵の傍で幸せに過ごしているメアリであるが、その出自は祝福されたものではなかった。
本来なら「メアリ」はキャサリン前王妃の子として生まれるはずだったが、病弱であったキャサリンは子をなす前に病没。後の王妃アン・ブーリンは双子を産んでしまったため、歴史再現と違う流れを作ってしまった。
英国は歴史再現を順守する意志を示すためアン・ブーリンを処刑。そして彼女の産んだ双子のうち、先に生まれた姉は後から生まれた妹より精霊使いとしての力が劣っていたため、歴史再現失敗の罪と共に英国の不貞を表す「メアリ」の名を襲名。存在を隠されることとなった。
その後は聖連に歴史再現実行の意思を示すため、書類上ながら四重婚したり、メアリ・チューダーを二重襲名して王賜剣二型を抜こうとしたが叶わなかったり、英国協派を大量処刑した歴史再現を行うため300人を自身の手で処刑したりした。体前面にある傷痕はこの処刑の時のもの。本編開始時より三年前、15歳の時にその歴史再現は果たされた。だが、妹であるエリザベスがその歴史再現を取りなして防ごうとしたが、メアリは妹と英国の為を思い、実行した。以後、武藏との国交交渉が成立するまで二人の関係は疎遠となった。その後二年前にヤタガラスのミルトンとウオルターを落下する船から救助、その後ミルトンはメアリに忠誠を誓い、地元住人との折衝役を務めることとなる。
本篇開始時は最後の歴史再現として王賜剣二型を利用し、自身を流体として英国に還す「処刑」の時を待っており、“傷有り”として処刑された300人の「何故」を心に抱えながら処刑までの間、自由に放浪したという解釈で第四階層で過ごし、自分が処刑した者達を弔い、遺族や住人である弱い立場の民を助けながら過ごしていた。
総ては約束と自分の大切な人に損をさせないために。そして処刑されて英国の護りの剣となって守る為に。
曲がり角の隠者達
そんな彼女に転機が訪れる。武蔵が英国を来訪した際、武蔵の輸送艦の落下から子供たちを救うため精霊術を使おうとした際、点蔵・クロスユナイトによって制止される(この制止は子供たちとメアリの立場、両方を守るための行動だった)。直後に誤解から彼を殴ってしまい、誤解が解けた後も謝罪することが出来ず、その事が頭から離れなかった。
その後共同作業(互いのフラグ立てイベント)を通して点蔵に高評価をつけるようになり、デートの後自らの出自を明かして「点蔵の素顔を見る」という勝負に出るが敗れ、処刑間近な自らの立場と「不貞の存在である」というコンプレックスもあり身をひく。
その後、アルマダ海戦に先立つ自身の「処刑」に赴くが、その直前に武蔵の方針である「失わせない」という想いによる支援を受けた点蔵が処刑場にたどり着き、再び二人は相まみえる。「メアリを失わせたくない」と説得する点蔵に対して、メアリは想いの丈をぶつける。
「――だったら何で、この前、別れ際にチューしてくれなかったんですか!」
この問いかけに対して点蔵は嘘によって答え、想いの丈を告白した。――だが噛んだ。
だが彼女もそれに「Jud.」と自分の為に嘘をつき
「私もです……!」と想いに応じた。
直後に点蔵と二人で失われていた王賜剣一型を抜き放ち、それによる王位の証明と「次代の英国王を産む」という歴史再現を盾に処刑から逃れ、武蔵へと亡命した。
自分が幸せになることで失った、喪わせたものへ報い償うために。
武蔵への転校以後
点蔵に救われ幸いを得た彼女は、点蔵と共に武蔵へと亡命という扱いで転校することになった。
以後は総長連合第一特務補佐として、点蔵と共に過ごし、世界各国と戦う生活を送ることになる。極東の背景上仕方のないことではあるのだが、そこでもメアリの点蔵への愛は揺るぐことがなかった。
点蔵があまり自分を表に出さぬ性格故に、いろいろと辛い思いを我慢しているのではないか心配しており、点蔵に甘えてもいいかと聞かれたときは、心から喜んでいた。何だかんだと良い夫婦関係を築いている。ちなみに、Ⅳ巻のアデーレの言を信じるに、籍は入れてない模様。といっても、点蔵とメアリの子が次期英国王になるという理由で亡命した手前、時間の問題ではあろうが。
戦闘方法
妹に劣るとはいえ一流の精霊術師であり、精霊に「お願い」をすることで落下速度軽減や光学迷彩などの多彩な術式を操ることができる。条件がそろえば一声で荒れた海を凪へと戻すことも可能。治療術にも長けており、流体の流れを整えたり、悪いところを「吸い出す」ことで負傷や病気、疲労を回復することが出来、流体を利用して骨折の固定も可能。
300人をその手で処刑した技量は伊達ではなく、術だけでなく剣術にも長けており、敵の最も分厚い所を狙って射ち込まれる剣術は堂々とした剣閃を描く。神格武装である王賜剣一型の存在がその技量と威力に拍車を掛ける。
俺:「……あれ? あっれ? これってテンゾーの不得意分野を補ってね?」
全学生:「あの野郎許さねぇ……!」
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