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唐津城続日本100名城 185

別名	舞鶴城
城郭構造	連郭式平山城
天守構造	不明（非現存）複合式5層5階地下1階（1966年再建）
築城主	寺沢広高
築城年	1608年（慶長13年）
廃城年	1871年（明治4年）

唐津城（からつじょう）とは、佐賀県唐津市にある日本の城である。続日本100名城に認定されている。

概要

豊臣秀吉の側近・寺沢広高が、朝鮮出兵の拠点となる肥前名護屋城の普請や兵站の責任者として功を挙げたことから、名護屋一帯に封ぜられた。

広高は秀吉の死後のなんやかんやもうまく立ち回り、天草の約4万石を加増され唐津の領地とあわせて12万3千石の大名となった。

関ヶ原の戦い後のあれこれが落ち着いた1602年（慶長7年）から広高は唐津城の普請を開始する。肥前名護屋城を解体した資材も用いられ、1608年（慶長13年）に築城完了。
肥前名護屋城と唐津城の距離は地勢の関係で20kmぐらいと見積もったとして、肥前名護屋城を解体し新たな城を建てることになった理由はよくわかっていない。

唐津城は唐津市内の北部、松浦川が唐津湾に注ぐ河口に沿った小高い満島山に築かれていて、海からも直接、城と石垣を眺めることができる。松浦川の流れを変えて、城の南側を堀割、東側を川で守る構想からも、広高が土木事業に精通していたことが見てとれる。

明治に入っての廃城令で払い下げとなり、城を構成していた建物は解体され、舞鶴公園として整備、一般開放された。
もともと天守は建てられていなかった（少なくとも建てられていたとする資料は見つかっていない）が、第二次大戦後の1966年に、鉄筋コンクリートによる慶長期の城郭を模した天守が建造された。

虹の松原

城から川を越えた対岸には日本三大松原^[1]と謳われる名勝・虹の松原がある。

広高が行なった新田開発にあわせて防風林として植えられた松が100万本あると言われている。これらの業績から地元では名君として敬われているようだ。

安田国継

本能寺の変で、信長に一番槍を加え森蘭丸を討ち取ったという武勇伝を持つ明智光秀の家臣・安田国継とは尾張時代の親友で、「どちらかが立身出世したら1/10の録で家臣に迎えよう」と約束しあったとかで、広高は本能寺の変後に主を転々と変えては長続きしていなかった国継を約束どおり1/10の8千石（※天草の4万石が加増される前の話だと思われる）を与え家臣に迎えたとか。

唐津城の郷土博物館には安田国継が本能寺の変の際にも用いたとされる管槍が展示されている。

広高は質素倹約につとめ、その分で有能な家臣を召抱えていたのだが、旧来の戦働きだけしていればよかった武士を否定する逸話もあり、戦働きだけしていればよいという逸話がある国継とは反りが合わなくなっていたのではないかと・・・（個人の感想です）

島原の乱

有能な家臣を抱え、唐津城の築城が終わると今度は飛び地となっている天草を統治するために富岡城を築城するなど土木事業や新田開発に邁進した広高だが、その資金はどこから出ていたのかと言うと…

上述した天草の約4万石は広高による検地で算出されたもので実情は約2万石だったと見られている。実質2倍の年貢が要求され青息吐息の天草だったが、隣の島原藩で苛政に苦しんでいた農民たちが一揆を起こしたのに呼応し合流。島原藩の松倉家、天草を統治する寺沢家だけでは手に負えず、幕府の命で各地から大名が動員される大動乱に発展した。

乱自体は1637年（寛永14年）12月から4ヶ月ほどで一揆勢全滅で終わったが、要因の一つとなった天草の4万石の過剰な石高の是正は前例がないという理由で幕府が拒絶し、幕府から送られていた代官・鈴木重成が抗議の切腹をするなどして約20年かかってやっと正された。広高ェ…

なお広高自身は乱が勃発する前の1633年（寛永10年）に天寿を全うして世を去っているが、嫡男・堅高は乱の原因を作り出した責任を問われ天草領を没収、出仕も許されない状態^[2]が続き、生き恥を晒していると感じたのか1647年（正保4年）に江戸で自殺してしまう。嫡子がいなかった寺沢家は断絶となった。

その後

その後の唐津は譜代大名家が封ぜられるが藩主があまり安定せずにコロコロ変わる状態が続いた。天保の改革で知られる水野忠邦も唐津を治めていた。（幕閣になるべく唐津から中央に移動しようと猛烈な猟官運動をしていたとされる）

最後の藩主

幕末の動乱機には唐津は小笠原家が治めていて、藩主・小笠原長国に養子として迎えられ藩の実権を譲られていた小笠原長行は老中に任じられるなど幕閣の要職として動乱に対峙したものの、大政奉還後のなんやかんやで国許の唐津藩は新政府に降伏する（長国からは養子の縁を義絶されている）。それでも長行は一貫して幕府側に立ち続け、箱館戦争まで新政府に抵抗し続けた。