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この記事は小説「とある魔術の禁書目録」のネタバレが含まれています。 了承した方のみ自己責任で突っ走ってください。 |
学園都市(とある魔術の禁書目録)とは、ライトノベル『とある魔術の禁書目録』とそのスピンオフ作品に登場する架空の学術研究都市。科学サイド最大の研究機関とされる。
※その他の学園都市については、学園都市の記事を参照してください。
概要
人口は約230万人、うち8割が学生だが、無能力者(レベル0)がその内更に6割を占める。地理的には東京西部に位置する事になり、その科学技術は「外」と2、30年程の差があるとされている。
運営は12名の学園都市統括理事会。その一番上が統括理事長である。
統括理事長の名はアレイスター=クロウリー。
現実でも禁書の世界でも有名な魔術師であり、つまり魔術師がトップとして君臨している。
テレマ神秘主義
それに触れる前に「ある近代魔術思想」の存在を前提知識として詰め込んで貰いたい。
前提知識
実在の神秘主義の一つに「セレマ」(テレマ)というものがある。
この神秘主義はアレイスター・クロウリーという人物が創始した新興宗教で、1904年にホール・パール・クラアトの召使いとされるエイワスの宣託を受けて記された〈法の書〉を聖典とし、聖なる守護天使の知識と対話し、人間一人一人が意志下の活動───〈Magick〉という儀式───を修練することで、やがて全てと調和を取るという思想である。
実践的な者は〈大いなる作業〉──ヘルメス・カバラ・錬金術等を始めとする思想を下地にした儀式、ヨーガ、占星術、ここでは到底記せない性行為など──を行う。
その活動が一時期、イタリアはシチリア島・セファルーに僧院を構えて行われた事が有る。
テレマの僧院で実践者は叡智との接近を目指すために公には出来ないR18なあれこれ、特筆すると薬物摂取や暗示や性交やスカトロや異種との性交その他色々など異常な行為も平然と行われていた。その行為、少なくとも薬物投与や暗示は本作の学園都市でも継続して行われたという。
しかし、元ネタではその僧院で不慮の死者が出た。信者の男が死んだことが周囲に嗅ぎつけられ、マスコミの非難に晒された。結局、テレマ僧院は閉鎖に追い込まれてクロウリーも時のムッソリーニ政権直々に国外追放されてしまう。この辺の事情を匂わせる文章が原作でもある。
形を変えたテレマ僧院
テレマ神秘主義と学園都市。
表面的な部分だけ齧ると繋がらないが、二つの創始者は同じ人物(アレイスター=クロウリー)で、その事実を加味して設定を紐解くと幾つもの共通点(後述)が見えてくる。
それもそのはず。そもそも「学園都市の正体」は…
(新約17巻/土御門元春)
思春期の少年少女を一ヶ所に集め、独自の教えを広めて、薬物投与も辞さない方法で叡智への接近を試みる。学園都市はアレイスターにとってのテレマの再来だ。
(新約18巻/アレイスター=クロウリー)
『計画(プラン)』はまた失敗だ。形を変えた僧院、学園都市は君にくれてやる。
(新約21巻/地の文)
戦後の混乱の最中、首都復興の名目を隠れ蓑にして巨大な学術機関を極東に設立した。
その名も学園都市。かつてイタリアはシチリア島にて散った夢の欠片を集め、徹底的にオブラートで包み込んで科学の形に擬態させた、テレマの僧院そのものである。
かつてクロウリーがシチリア島にて創設した「テレマ僧院」を科学に擬態させた姿である。
思春期の少年少女を一ヶ所に集め、薬物投与も辞さない覚悟で叡智への接近を試みるために用意された巨大な研究機関。いわく「テレマの隠れ蓑」。
思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式を「超能力」と称し、超能力者に憧れる子供達を集めて記憶術や暗記術という名目で研究を行っている。
テレマ僧院と学園都市の共通点
※肝心のテレマについては「科学サイド」の記事にて。
史実のセレマでは真の意志を見出す為に聖守護天使──エイワスが有名──といった高次意識体との対話を掲げ、薬物や暗示などを利用して自己を高次へと高める手法が取られた。思春期の少年少女を誘致し薬物や暗示で「叡智」への接近を目指す学園都市は、まさにテレマ僧院の再来と呼べる物だった。
ここまでが大前提となる知識だが、学園都市のあちこちにはクロウリーの思想やテレマの片鱗が見られるという。その最たるものがSYSTEM、つまり「神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの」。インデックスがこの思想を聞いた瞬間に十字教(キリスト)最初期の異端宗派「グノーシス主義」を連想している。とはいえ、神との合一や物事との調和はテレマのみならず、魔術師の最たる思想である。
上条当麻との関係
クロウリーによると学園都市は「上条当麻を誘致し、活躍させるためだけに作った箱庭」。
超能力が当たり前のように認知されているのは何故か?
……そのように設定した人物がいるから。
学生達が忌避感情なく街中で異能の力を振りかざすのは何故か?
……そのように設定した人物がいるから。
町の仕組みに穴があり、少年が憤るような事件がたびたび起こるのは何故か?
……そのように設定した人物がいるから。
大人達が街の暗がりで私利私欲を満たす企みを繰り返すのは何故か?
……そのように設定した人物がいるから。新約とある魔術の禁書目録18巻 アレイスター=クロウリー戦の地の文より抜粋
クロウリーの計画(プラン)では、器を変える『幻想殺し』を宿す者を見つけ、その者が活躍しやすい環境として「異能」と「悲劇」に満ちた少世界を作る必要があった。
学園都市の治安が悪いのも、悲劇が蔓延っているのも、セキュリティ・警備に穴があるのも、全ては上条当麻を舞台にあげて存分に活躍させるため。
もし上条が将棋、料理、スポーツに力を入れていれば学園都市は今とは違う形になっていたが、彼には右の拳しかなかった。今の学園都市は、全て上条を基準にして開発されたのだという。
クロウリー曰く、右方のフィアンマが「聖なる右」を精錬するために用意した「ベツレヘムの星」と思想は似通っているらしく、上条を活躍させて上条に関する何かの力(幻想殺し?)の成長を促している節がある。
こうした設立背景から、都市に関する事象は全て上条当麻に帰属すると言っても過言ではない。
学園都市の区分
学園都市は23の学区に区切られている。以下こちらから引用→学園都市の区分
第一学区 :学園都市の行政が集中する学区。
第二学区 :警備員や風紀委員の訓練場等がある学区。
第三学区 :外部からの客を多く招く学区。プライベートプールや高級ホテル等がある。
第四学区 :食品関連の施設が多く並ぶ学区。
第五学区 :大学や短大などが多い学区。
第六学区 :アミューズメント施設が集中した学区。
第七学区 :学生寮、病院、窓の無いビル等、作中でも最も多くの施設が登場している学区。
第八学区 :主に教職員の為の学区。
第九学区 :工芸や美術関連の学校が集まる学区。
第一〇学区:学園都市唯一の墓地が存在する学区。少年院や原子力関連の施設も存在。
第一一学区:物資の搬入が盛んな学区。
第一二学区:神学系の学校を集まる学区。
第一三学区:幼稚園や小学校が多い学区。
第一四学区:海外からの留学生が多く集う学区。
第一五学区:大きな繁華街や、マスコミ関係の施設も多数ある学区
第一六学区:商業区画。
第一七学区:上条当麻と一方通行が戦った操車場がある学区。
第一八学区:長点上機学園や霧ヶ丘女学院がある学区。
第一九学区:寂れてしまった学区。
第二〇学区:スポーツ工学系の学校が集まる学区。
第二一学区:貯水用のダムが多い学区。
第二二学区:最小面積学区。発展した地下市街。
第二三学区:航空・宇宙開発分野が占有。
登場人物
詳しくは「とある物語の人物目録」を参照。
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関連項目
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