時間停止とは、読んで字の如く、時を停止する現象のことである。またはそのような現象を起こす能力、或いは機能。
概要
SFやファンタジー作品のみならずあらゆるジャンルの作品で見られる現象。「この世界の時間を人為的な手段で停止して、止まった時間の中を自分だけが自由に動ける」状態を指す。
魔法や特殊な能力を発揮して時を止めたり、未知の技術やガジェットを用いて時を止めるなど、過程もまた作品によって様々。装置を用いる場合は、懐中時計や腕時計など時計状のものとして描かれる事が多い。
時を止める内容も作品によって描かれ方が異なるものの、大体は「数秒間~数分程度のみ時間を停止できる」ものと扱われ、数時間から数日間に渡って長く時間を止められる現象が見られるのは稀。また、「時間を止める」行為自体が世界の物理法則などに干渉するためか、時間停止の能力を行使する場合は急激に疲労が溜まる(気力やエネルギーを消耗する)、使用できる回数が決まっている、などのデメリットや制限が課せられている事が多く、多用はできないようになっている。だがこうした要素も、ストーリーの進行や描写に更なる面白みを提供している。
単純に時間を停止する以外にも「自分の時間が超加速する事で周囲の全てが停止しているように見える」「世界の時間を緩やかにする(かなり遅くする)事で体感的に時間が止まっているように感じる」と扱われる事もある。
或いは、「キングゲイナー」に登場するラッシュロッドのストップビームのように「世界(空間)ではなく対象物のみの時間を部分的に停止する」使われ方や、「コードギアス」に登場するロロのギアス能力のように「相手(人間)の体感時間のみを停止する」といった変則的な使われ方も増えてきている。
現実に時を止めたらどうなる?
世界中の全てが、自分を残して静止状態になるというのは「自分が世界を支配した」気分にすらなれるものだろうが、もしこの能力を現実に使用すると恐らくいくつかの障害が立ち塞がることになると推測されるため、止まった時の中で活動したい場合は万能な能力とは言い切れないことだろう。
- 例えば、時間を停止すると世界中に存在する全ての化学的な状態変化が停止し不変となってしまう為、時が止まった世界では全ての物理法則は意味を成さない。例えば地球で時間が止まった場合は空気の時間も止まるので、呼吸ができないばかりか全ての空気が固定されるため生きたままコンクリート詰めにでもされたように一切の身動きが取れなくなり、全ての物体や空気から熱や温度も消失する為空間は絶対零度となるだろう。さらに光も止まるので、五感が全て機能しなくなる。
- また、時間が止まるという事は上述の通りすべての運動・仕事が停止するという事でもあるため、時が止まっても周囲の止まった物体や人間(生物)に干渉ができなくなる。(自分以外の)世界中のすべての運動エネルギーがゼロになっている以上、イタズラする事はおろか指の一本さえも動かせないだろう。時間を止めて商店や博物館へ泥棒に入ろうにも、目当ての物は持ち帰るどころか手に持って運ぶ事すらできない。
もっと突っ込んだ事を言えば、時間停止者自身の身体だけではなく体内の血流や脳から発せられる電気的信号なども全て「停止」するので、止まった時の中を動けるとしても自分の身体の全てが普段と同じ物理法則が働いているよう処理できないと、自身の生命活動すら危うくなる可能性もある。 - 上記の2つの現象が何とか解決できたとしても、世界の全てが停止した中で自分だけ時が刻まれているため、当然ながら時間停止を使えば使うほど他人から見れば老化が早くなり寿命も短くなる。
もっともフィクション作品の場合は、時間停止能力を使う者は年齢を重ねても老化しない存在(吸血鬼、魔法使い、ロボットなど)が少なくない数存在するのでこちらに関しては作中で問題にされていない場合もあるが。
勿論、時間停止能力を扱った作品でこのような描写は見られないので、時間を停止させる際は時間停止者以外にも周辺の空間のみを時間停止させない処理を行っている(自分が触れている対象も、時間停止の影響を受けなくなる等)、と考えるべきだろう。一種のご都合主義的な考えではあるが。
ただし、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『隠れた奇跡』をはじめとする一部の作品では、主人公の思考と感覚以外の全てが停止し、主人公自身の物理的活動も一緒に停止するとされる場合もある。
即ち、時間停止という能力は単純にこの世界の時間を停止させるだけではなく、止まった時の中を普段通りに動くために世界を構成する物理法則にも干渉しているという凄い能力(機能)なのである。
R-18界隈での時間停止(時姦)
未成年の方には不適切と思われる内容が書いてあるので、読みたい方はここから下を反転してください。
AVやエロゲ、エロノベルなどでも「時間を止めて女の子に性的なイタズラをする」「動けない無抵抗の相手を好き放題に陵辱する」「セックスした記憶がないうちに妊娠させる」等、アダルト作品の分野でも時間停止は1種のジャンルとなりつつある。pixiv(ピクシブ百科事典)では『時姦』ともタグ登録されている。
何も抵抗しない相手を一方的に犯し(イタズラし)、相手に「事に及ばれた」ことを知覚されずに時が過ぎていく・・・といった要素が醍醐味。運動中や勉強中、移動中や仕事中などの「日常風景」の中に「非日常」が入ってきて、去っていくという描写もウリで、される側もまた「止まっていた間の事を違和感程度に感じる」「時が動き出した瞬間に、止まっていた間にされた事が一度に体感する」など描かれ方は色々。
また時間を停止する手段も上述の通り、魔法や道具など様々だが、上記に挙げた時間停止の問題点は所謂「気にしたら負け」な展開(説明)となっている傾向にある。
ただし、もし実際にコレを実行したとしても上述の通り自分の肉体を除く全ての物理法則が停止している以上、行為に描かれるほど愉しめるとは限らないと思われる。
というのも、相手の体に触っても形は変化しないので感触があまり楽しめないだろうし、胸やお尻などを揉みしだいても一度形が凹んだら時が動き出すまでそのままの形を維持したまま元には戻るまい。
犯されるのが女性にしろ男性にしろ、膣や肛門にペニスや指(またはディルド、ペニスバンド)を一度挿入したら、押し拡げられたまま時が動き出さない限り収縮しなくなるし唾液や愛液(バルトリン腺液)も分泌されないままなのだから普通のセックスで味わえる刺激が同じように体感できるかは怪しい。仮に分泌されたとしても、された瞬間で固定されてしまうだろうが。
男性の場合も、射精した瞬間で精液が空中に固定される事になるだろうから(膣内や口内で出すならともかく)処理には難儀するかもしれない。
要するに、時が止まった世界で性事に及ぶのが本当に愉しいのかは甚だ疑問である、と筆者は考える。
時間停止能力を使用するキャラクターなど
- 暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ)
- 阿笠博士(名探偵コナンスケボーラン)
- アブラアン・ルイ・フラン(ビッグオーダー)
- アンバー(DARKER THAN BLACK 黒の契約者)
- 十六夜咲夜(東方project)
- うしなわれしきおく(MOTHER2)
- エスデス(アカメが斬る!)
- オービタル7(遊戯王ZEXAL)
→厳密に言えば「対象以外の時間の流れを1万分の1にする」機能である。 - 仮面ライダークロノス(仮面ライダーエグゼイド)
- 空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険) →スタープラチナ
- グストス/ダークグリズリー(マジンボーン)
- グリン(マテリアル・パズル)→厳密にいえば、自身あるいは複数の対象以外の時間の進退操作・停止。
- グルド(ドラゴンボール)
- クロノワールシュヴァルツ・シックス(ウィッチクラフトワークス)
- ゲリュオン(デビルメイクライ3)
- コセイダー(恐竜戦隊コセイドン)
- シセル(ゴーストトリック)
- シャドウ・ザ・ヘッジホッグ(ソニックシリーズ)
- スカラベアンデッド(仮面ライダー剣)
- 双魔神(大神)→厳密に言えば、時間停止を使うのは黄金魔神モシレチクのみ
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ(ソニックと秘密のリング)
- ダーク・ネクロバット(ロックマンX5)
- ダークファルス【敗者】(ファンタシースターオンライン2)
- THE TIMEのカード(カードキャプターさくら(アニメ版))
- ダンテ(デビルメイクライシリーズ)
→隠しアイテムやスタイルアクションによって時間を停止、或いは時の流れを遅くする。 - チャル(ガチャメカスタジアム サルバト~レ)
- DIO(ジョジョの奇妙な冒険) →ザ・ワールド
- 天魔・夜刀(神咒神威神楽)
- 時の君(サガフロンティア)
- ドラえもん(ドラえもん)
→タンマウォッチなど、ひみつ道具の中に「時間停止」ほか時の流れを操る物がある。ドラえもん自身が時間停止できるわけではない。 - ハインラッド(ビーストウォーズネオ 超生命体トランスフォーマー)
- ヒット(ドラゴンボール超)
- ヒロ・ナカムラ(HEROES)
- フラッシュマン(ロックマン2)
- みづき(おはスタ)
- ミランダ(D.Gray-man)
- ラッシュロッド(OVERMANキングゲイナー)
- リチャード・ウォン(サイキックフォース)
- ルシフェル(エルシャダイ)
- アフロディ(イナズマイレブン)
- アルティミシア(DFF)※初出のFF8でも時間操作を司るが時間停止の概念はあまり見られない
- ロロ・ランペルージ(コードギアス 反逆のルルーシュR2)
→上記の通り「相手の体感時間を停止する」能力で、実際に時を止めるわけではない。
マジック:ザ・ギャザリングでは
(4)(U)(U)
インスタントターンを終了する
すごいシンプルな文章であるが、やってることは非常に面倒である。
- この手順が始まる前に誘発したスタックに積まれていない誘発型能力はスタックに積まれない
- 解決中のオブジェクトも含むスタック上のすべてのオブジェクトを追放する
- クリーチャーやプレインズウォーカーを戦闘から取り除く
- 状況起因処理のチェックを行う
- クリンナップ・ステップに進む(ここでこの手順中に発生した誘発型能力が初めてスタックに積まれる)
面倒なことは面倒ではあるが、このカードの汎用性は高い(打ち消しにもなるし、戦闘ダメージ軽減にもなるし、相手のパーマネントがアンタップする問題はあるが追加ターンにもなる)。なお、2の効果によりこの呪文は解決の最中に追放されるので再利用は困難。ちなみに、現在、2023年4月7日時点で、ターンを終了するカードはこのカードを含めて7枚存在する。
- 時間停止(このカード。純粋にターンを終了する)
- 無限の日時計(2マナのアーティファクト。1マナとタップで、自分のターン限定であるがターンを終了できる)
- 一日のやり直し(Timetwisterのリメイク(マナコストも(2)(U))のソーサリー。自分のターンに唱えた場合(通常は自分のターンにしか唱えられない)ターンを終了するデメリットがついている)
- 栄光の幕切れ((2)(R)のインスタント。赤くなって軽くなったが、最後の賭け(追加ターンを得るが、そのターンの終了ステップにゲームに敗北するデメリットつき)と同様に、次の自分のターンの終了ステップにゲームに敗北するデメリットがついている。それ以外は時間停止と同じ)
- 不連続性(マナコスト(3)(U)(U)(U)と色拘束が厳しくなったが、自分のターンであれば(2)(U)(U)軽くなって(1)(U)で唱えられる。効果は全く同じ)
- 粗暴な年代学者、オベカ((1)(U)(B)(R)3/4の伝説のクリーチャー。タップ能力により、アクティブプレイヤーがターンを終了することが選べる。基本は無限の日時計と同じ運用だが、多人数戦だと駆け引きが絡んでくる)
- ハーキルの最後の瞑想((4)(U)(U)(U)のインスタント。ただし自分のターン以外に唱える時には追加3マナ必要。土地でない全てのパーマネントをバウンスした上でターンを終了する)
関連動画
関連項目
- ザ・ワールド
- クロックアップ
- キング・クリムゾン
- ポーズ
- あ・・・ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
- 麻痺
- 現実時間で見るシリーズ
- 萌え仕草・シチュエーションの一覧
- 考えるのをやめた
- 精神と時の部屋
- 時間
- 時間停止に抗う犬
- 時間停止モノAVの9割はヤラセ
そして時は動き出す・・・
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