概要
ある世界の住人が死後に別の世界(異世界)で生まれ変わり、新しく人生をやり直すというもの。転生後は赤ん坊から物語が始まる場合もあれば、ある程度成長した段階で前世を思い出して物語が始まる場合もある。また、転生先では異なる種族として生まれ変わったり、性転換していたり、果ては生き物ですら無いものになってしまったりする場合もある。異世界転生の中で神様が転生させた場合は神様転生と呼ばれている(詳しくは神様転生の記事を参照)。
古くから存在するジャンルで、日本のアニメでも80年代後半で既に近い特徴を持った『New Story of Aura Battler DUNBINE』[1]が登場しているが、近年では現実世界から異世界に行く作品が異常に多く、転生後の世界は作者オリジナルの世界であったり、二次創作であれば既存の作品(漫画やアニメ、ゲームなど)の世界であったりする。
出版科学研究所の調査によると、タイトルに「異世界」や「転生」という言葉を含む新刊書籍の点数は2014年は128点であったが、2017年には490点と約4倍にまで増えている(『日本経済新聞』2018.11.13 夕刊)。この数字はシリーズものを別々の書籍として扱ってしまってはいるが、タイトルに「異世界」や「転生」という言葉を含まない作品が多数あることを考慮すると、実態として「異世界転生もの」の点数はさらに多いと推測される。このような数値から見ても、「異世界転生」という言葉の浸透や「異世界転生もの」の市場規模拡大が急速であったということが見て取れる。
似たようなジャンルとして異世界転移、憑依があるが、異世界転移はある世界の住人が異世界に移動する事、憑依は異世界の人物に乗り移る事である。かなり大雑把に言うと死んで異世界に生まれ変わると異世界転生、死なずに異世界に行くと異世界転移、異世界の誰かに乗り移ったら憑依である。ただし憑依については、異世界に居た他の誰かの体を使う事になる作品であっても作者が「異世界転生」と分類しているケースも多く[2]、また「死を切っ掛けにして異世界に行くが、肉体の状態は死亡前のまま」といったケース[3]では作者により転生か転移のどちらに分類するか異なるなど、厳密に使い分けられているわけではない。
転生なので異世界に行くには一度死ぬ必要があるが死因は様々で、事故に巻き込まれて死ぬ、誰かを守ろうとして死ぬ、社畜が過労死する・・・…など様々である。特にトラックに轢かれて転生する場合は「トラック転生」と呼ばれている。
小説投稿サイトで有名な「小説家になろう」では、異世界転移の作品と共にランキングを占めてしまったため、ジャンルの再編成が行われた。
大百科に記事のある主な作品(50音順)
- アルバート家の令嬢は没落をご所望です
- 安定志向の山田さんによる異世界転生
- 異世界のんびり農家
- 異世界はスマートフォンとともに。
- 異世界薬局
- ヴァルハラ・オティンティン館
- 乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけどフォロワーが布教してた知識しかない
- 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...
- 蜘蛛ですが、なにか?
- 賢者の孫
- 公爵令嬢の嗜み
- この素晴らしい世界に祝福を!
- 最果てのパラディン
- スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
- 転生したら剣でした
- 転生したらスライムだった件
- ナイツ&マジック
- 二度目の人生を異世界で
- バスタード・ソードマン
- 八男って、それはないでしょう!
- 本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜
- 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
- 幼女戦記
- 私、能力は平均値でって言ったよね!
などがある。なお、転生と憑依は境界が曖昧な部分があるため、異世界憑依作品も含んでいる。
上記は主人公が異世界転生した作品群だが、主人公以外の人物が異世界転生している作品もある(盾の勇者の成り上がり、デスマーチからはじまる異世界狂想曲など)。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
- *異世界転移作品『聖戦士ダンバイン』の主人公が作中の経緯で地上で死亡後、異世界「バイストン・ウェル」で転生した後の作品。ダンバイン自体も日本アニメにおける異世界転移の先駆者である
- *特に胎児や新生児に憑依した場合は二次創作以外だと区別する意味がほぼ無い
- *下記の作品群では『この素晴らしい世界に祝福を!』『異世界はスマートフォンとともに。』等が該当する
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