覇権アニメとは、何らかにおいて覇権を勝ち取ったアニメを指す言葉である。主に以下の意味がある。
- 各クールで、最も映像ディスクの売上が高いアニメのこと。
2ch(5ch)の売りスレ(アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ)内で使われる用語。 - 各クールで、最も話題となった・人気を集めたアニメのこと。ニュースメディア等で使われる。
- もしかして:ハケンアニメ!(辻村深月の小説及びそれが原作の映画)
この記事では、主に売り上げ枚数における覇権アニメについて述べる。
概要
2ちゃんねる(5ちゃんねる)の売りスレ(アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ)内で使われる用語で、各クールにおいて映像ディスク(BD・DVD)のオリコン推計売り上げ枚数の各巻平均が最も多い深夜アニメに対してこの言葉は使われる。
ほとんどの場合、深夜アニメの映像ディスクは1クールなら全6巻、2クールなら全8~12巻程として発売されるのが一般的である。アニメ同士で売り上げ枚数を競う習慣のある売りスレでは、映像ディスク巻数の異なるアニメ同士が公平に争うために、各巻の売り上げ枚数を平均しBD分とDVD分を合算した累計平均と呼ばれる数値で序列をつけることになっている。
この累計平均によって定められる序列において1位となるアニメが覇権アニメとして認定される。
一般的に「覇権」といえば各クールにおける「クール覇権」と、その年の1年間における「年間覇権」がある。クール覇権は主に春夏秋冬の4つで分かれており、年間覇権はクール覇権の中でも最も売れたアニメという事になる。
この単語自体は商業の雰囲気が強く、これを好んで使用する者は売上厨と認識される可能性が高くなる。
近年は「覇権」「覇権アニメ」という単語のみが一人歩きし、「クール内での話題性」や「配信の再生数やコメント数」といった要素で1位のアニメについても「覇権アニメ」と呼称されることがあり、○○は覇権アニメである/覇権アニメでない といった言い争いが起きることもある。
2010年代中頃より急速に普及した動画配信サービスの影響により、「覇権アニメ」という用語の役割そのものも変わりつつある(後述)。
語源
上記の「覇権」を指す言葉は、ベスト天下、覇権など売りスレ内で様々にあった。
その後、ニコニコ生放送の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」紹介番組内において、アニプレックス広報ゆま(高橋祐馬)氏が、
このアニメで秋の覇権を握りますよ
と発言したことで、覇権という語が定着した。
これが由来となった生放送番組である。
ちなみに、結果として「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は2010年秋の覇権アニメとなった。
覇権についての注意点
アイドルマスターについて
アイドルマスターシリーズについてはTHE IDOLM@STERが2011年夏アニメにて、アイドルマスター シンデレラガールズが2015年冬アニメおよび2015年夏アニメにて覇権をとっているが、アイドルマスターシリーズは2クールアニメ(シンデレラガールズは春を挟んだ分割2クール)で放送されたため、1クールアニメの他作品と比較することで意見が分かれることがある。
2017年冬アニメについて
2017年冬アニメについては扱いがややこしく、覇権アニメとされる作品が人によって一定していない(まだ全6巻揃ってないのでなんとも言えないのだが)。
1巻のみの段階では、DVD・BDのみを対象としたランキングでは『この素晴らしい世界に祝福を! 2』がトップなのだが、円盤を書籍扱いで販売した『けものフレンズ』を含めた場合は『けものフレンズ』がトップとなる。このため、特殊な販売形態である『けものフレンズ』を含めるかどうかで議論になっていたりする(ちなみにオリコンの書籍ランキングは、BDランキングに比べて集計店舗がかなり少なく、公式発表との発行部数の差が大きい問題もある)。
結果的に、売上枚数で覇権アニメを決めることに意味が無いことを浮き彫りにしてしまった形となっている。
2010年代後半以降の状況
覇権アニメという言葉が生まれた2010年時点では指標が実質DB・DVDのみであったが、2015年頃からインターネットによるアニメチャンネルが頭角を現し始め、2020年時点ではどのアニメもインターネット配信を行うようになっている。
1作品1枚につき数千円する円盤に対し、アニメチャンネルは月数百円で好きなアニメが見放題のため、わざわざ円盤を買わずにアニメチャンネルだけで済ませる者が多くなっている。そのためDB・DVDの売上だけでは覇権の判断ができない状況で、また、アニメチャンネルも提供数が多く、再生数での覇権判断が難しい状況である。投票による覇権判断についても投票そのものの周知や実態に合わない組織票の可能性があり(実際にステルスマーケティングを疑われる事象が発生している)、結果覇権アニメの指標が実質なくなっている状況である。
このことから「覇権アニメの役割は終わった」とみなす者が現れ、昨今の売上至上主義を嫌う傾向もあり覇権アニメ争いは衰退傾向にある。
覇権アニメ一覧(黄色字は年間覇権)
※()内のタイトルはDVD・BD扱いでない販売形態を含めた場合の覇権アニメである。これを認めるかどうかは人によって意見が分かれる。
2000年〜2009年
2010年〜2019年
2020年〜現在
年 | 冬(1~3月) | 春(4~6月) | 夏(7~9月) | 秋(10~12月) |
---|---|---|---|---|
2020年 | マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 | プリンセスコネクト!Re:Dive | やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完 | 呪術廻戦 |
2021年 | ウマ娘 プリティーダービー Season 2 | ゾンビランドサガ リベンジ | ラブライブ!スーパースター!! | |
2022年 |
関連項目
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